高倉商事(株)(資本金2586万円、新潟県上越市東本町1-1-1、従業員21名)は、3月30日に新潟地方裁判所に自己破産を申請し、同日破産手続き開始決定を受けた。外出自粛の影響により得意先の小売店で売上が減少した。
同社は1914年5月に衣料品小売業として創業。
1948年11月に(株)高倉商店の商号で法人改組。その後に衣料品の卸売が主体となったため、1963年1月に現商号に変更した。
婦人服を主力とする総合衣料品卸売を行い、宝石や寝具、介護用品、健康関連用品など取扱品は多岐にわたり、新潟市に新潟店を設置し県内外を商圏として小売店に営業を展開、1984年には新潟店に現金問屋部門を開設するなど事業を拡大した。
ピーク時の1989年4月期には約26億6,200万円の売上を計上していた。
しかし、2008年10月には同業者の新潟支店の業務を継承し得意先を増やしたが、廉価な海外製品との競合などによって減収が続き、2019年4月期の年売上高は約6億4,000万円にとどまり、損益面でも経費の吸収ができず欠損が続いていた。2019年9月に柏崎市に廃業した得意先の店舗を借り受けて小売店を開設したが、売上の回復には至らなかった。
減収により採算性も悪化し、借入依存度も高く厳しい資金繰りが続いていたなか、新型コロナウイルス感染拡大により得意先の小売店が外出自粛の影響を受けて販売が低迷。展示会や催事等の中止も相次ぎ、業況悪化に拍車がかかり、事業継続を断念した。
負債総額は債権者約390名に対して約6億6,700万円。
新潟県初の新型コロナウイルス関連倒産となった。
【合わせて読みたい】
世界恐慌の懸念も、新型コロナウイルス関連倒産の多業種まとめ(3月30日更新)
大阪国際交流センターホテルを再委託で運営の関西スターリゾートが破産
シティーヒル、衣服小売「マジェスティックレゴン」新型コロナ関連倒産
影響長期化、新型コロナウイルス関連倒産の多業種まとめ(3月16日更新)
雑貨店「aideco」経営の愛織が倒産、暖冬・新型コロナウイルスの影響