(株)富士屋ホテル(茨城県潮来市潮来102、設立1962年11月、資本金1000万円)は3月30日、水戸地裁麻生支部に破産を申請した。茨城県初の「新型コロナウイルス」関連倒産となった。
高速道路整備で宿泊需要減少、東日本大震災にコロナがとどめ
出典:水郷潮来観光協会
1957年創業。常陸利根川沿いに立地する潮来富士屋ホテル(1979年竣工、総客室数40室)のほか、常陸利根川を挟んで対岸の千葉県香取市に立地する別館・開花亭(1989年竣工)を経営していた。
宿泊施設への投資負担が嵩み、2003年4月に民事再生法の適用を申請。経営再建を進め、観光客やビジネスマンの宿泊需要の取り込みに努めながら、宴会や結婚式場としてのニーズも獲得していた。
しかし、近年は高速道路の整備によるアクセス改善で宿泊需要が減少、「水郷潮来あやめまつり」などのイベントシーズンを除き、利用客の確保に苦慮していた。
さらに、東日本大震災で業況が大きく落ち込み、近年はやや持ち直したものの、新型コロナウイルスの影響で同まつりへの期待も難しくなり、事業継続を断念した。
東京商工リサーチが報じた。
出典:水郷潮来観光協会
メトロエンジンリサーチによると、茨城県潮来市には宿泊施設が20、部屋数にして408室が提供されている。また千葉県香取市には宿泊施設が29、541室が提供されている。いずれも旅館が多く展開するエリア。
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