(株)趣味の呉服遠藤(福島県郡山市中町3-1、設立1978年10月16日、資本金1,000万円)は4月1日、破産申請を弁護士へ一任した。台風19号の被害や消費税増税で消費意欲が後退していたのに加え、新型コロナの影響で卒業式の中止やお茶会等の催事延期が相次いだ。
台風19号、消費税増税で打撃、新型コロナがとどめ
同社は福島県郡山市の郡山駅前で着物専門店を経営。礼装の着物、振袖をはじめおしゃれな紬などを取り揃えていた。
呉服の販売を手掛け、一般個人を対象に本社店舗で販売するほか、展示会による催事販売も積極的に行い、1981年9月期は売上高約1億8,000万円をあげていた。
しかし、その後は市況低迷や和装需要の減少、新規顧客の開拓が進まなかったことなどから減収基調が続き、2019年9月期は売上高約2,500万円にまで落ち込んでいた。
2020年9月期に入り、2019年10月には台風19号によって当地に大きな被害が生じたうえ、消費税増税も重なって消費意欲が後退するなどして業績はさらに落ち込み、資金繰りは逼迫。
こうしたなか、新型コロナウイルスによる感染拡大の影響により、卒業式の中止やお茶会等の催事延期が相次いだことで先行きの見通しが立たなくなり、事業継続を断念した。
負債総額は約6,000万円。
福島県内では猪苗代町の「田村屋旅館」に次ぐ2件目の新型コロナ関連倒産となった。
TSRが報じた。
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