日本最大級のスケールを誇るスキー場で宿泊施設(40室)もある「瑞穂ハイランド」(島根県邑南町)を運営する瑞穂リゾート(株)(資本金1000万円、広島市西区南観音7-16-15、従業員24名)と複数のホテル運営を行う瑞穂商事などの3社は、3月31日に事業を停止し、自己破産申請の準備に入った。
瑞穂リゾート:瑞穂ハイランドを運営
帝国データバンクが報じたところによると、瑞穂リゾートとグループの(株)瑞穂商事(資本金7,675万円、島根県邑智郡邑南町市木6242-19、従業員55名)、バークリープロパティ(株)(資本金50万円、島根県邑智郡邑南町市木6242-19)の3社は、3月31日に事業を停止し、事後処理を弁護士に一任、自己破産申請の準備に入った。3社とも代表は石井寿夫氏。
瑞穂リゾートは、2007年10月に設立されたスキー場の運営業者。経営不振に陥っていた西日本最大級のスケールを誇るスキー場「瑞穂ハイランド」(標高1212㍍、13コース、最長滑走距離3700m)の事業を承継して営業を開始した。
収容人数88名で客室数40室の宿泊施設「瑞穂ハイランド ラフレス」、レストランなども運営し、広島県をはじめ西日本各地から来場者を集め、2014年7月期には年収入高約9億5,100万円を計上していた。
ラフレス
出典:ラフレス(楽天トラベル)
しかし、その後は暖冬の影響による雪不足などで営業日数、来場者数の減少が続き、2018年7月期の年収入高は約6億7600万円にまでダウン、2期連続の最終赤字を計上していた。その後も記録的な暖冬による雪不足は解消されず、厳しい運営が続くなか、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響も加わって来場者が大幅に減少、今シーズンは3月22日に営業を終了していた。
出典:瑞穂ハイランド
メトロエンジンリサーチによると、ラフレスは40室ながら島根県邑智郡邑南町では最大規模の宿泊施設。同町では宿泊施設が18展開しているが、客室数は124室にとどまる。
瑞穂商事:リゾートホテル・旅館の運営
また、瑞穂商事は、2011年12月に設立されたリゾートホテル・旅館の運営業者。
「上田プラザホテル」(73室、長野県上田市)、「武雄センチュリーホテル」(49室、佐賀県武雄市)などの施設の業務を受託運営するほか、瑞穂リゾートの管理も手がけていたが、グループ全体で利用客数の大幅な減少が続き、ついに支えきれなくなった。
出典:武雄センチュリーホテル
メトロエンジンリサーチによると、長野県上田市には宿泊施設が175、部屋数にして4,319室が提供されている。佐賀県武雄市には宿泊施設が32、部屋数にして766室が提供されている。
バークリープロパティは、2007年3月に設立され、スキー場の施設の賃貸を行っていた。
負債は、瑞穂リゾートが約2億円、瑞穂商事が約14億円、バークリープロパティが約14億円、3社合計で約30億円の見込みだが、変動する可能性があるという。
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