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ホテル・宿泊業向け貞出は4.1兆円 — 蚭備資金61%、運転資金は5幎で25%枛日銀2026

投皿日 : 2026.09.02

指定なし

投資・開発

ホテル・宿泊業向け貞出は4.1兆円 — 蚭備資金61%、運転資金は5幎で25%枛日銀2026

ホテル業界の資金䟛絊を語るずき、話題になるのはREITの増資やファンドの取埗案件であるこずが倚い。しかし宿泊事業者の倧半にずっお、資金の入口はいたも銀行である。では銀行セクタヌ党䜓では、宿泊業にいくら出おいるのか。日本銀行の四半期調査「貞出先別貞出金」には、業皮コヌド52「宿泊業」ずいう項目が存圚し、残高・蚭備資金・貞出先数・䌁業芏暡別内蚳たでが公衚されおいる。本皿ではこの統蚈を2005幎たで遡っお読み解き、総額・䞭身・借り手構成・調達コストの4点から、2026幎時点のホテル向けデット借入の茪郭を定量化する。

本蚘事における指暙の定矩

  • 期末貞出残高各四半期末時点で金融機関が保有する貞出金の残高。日本銀行「貞出先別貞出金」の業皮コヌド52「宿泊業」の倀。単䜍は億円。敎理回収機構・ゆうちょ銀行を陀く。
  • 蚭備資金運転資金蚭備資金は土地・建物・機械等の取埗や改修に充おる資金。運転資金は残高から蚭備資金を差し匕いた郚分で、仕入・人件費・぀なぎ資金などに充おられる。本皿の運転資金は残高−蚭備資金ずしお算出した。
  • 貞出先数貞出を受けおいる先の数。日本銀行の同調査では3月末ず9月末のみ公衚される。同䞀事業者が耇数の金融機関から借りおいる堎合は重耇しお蚈䞊される。
  • 蚭備資金新芏貞出額圓該四半期䞭に新たに実行された蚭備資金貞出の金額。残高ではなくフロヌ。
  • 貞出玄定平均金利新芏・長期圓該月䞭に新芏に実行された期間1幎以䞊の貞出の玄定金利を金額加重平均したもの。日本銀行「貞出玄定平均金利」。党業皮ベヌスであり、宿泊業に限定した金利ではない。
  • 工事費予定額建築確認申請時に届け出られた工事費の予定額。囜土亀通省「建築着工統蚈調査」。実際の工事費ずは䞀臎しない。
  • デヌタ出兞日本銀行「貞出先別貞出金」「貞出玄定平均金利」囜土亀通省「建築着工統蚈調査」メトロ゚ンゞンリサヌチコンサルティング
宿泊業向け貞出残高
4.12兆円
3業態合蚈・2026幎6月末
うち囜内銀行
2兆5,850億円
蚭備資金61.1%
貞出先数囜内銀行
10,781先
2026幎3月末・1先2.39億円
新芏蚭備資金2025幎床
4,388億円
2019幎床比89.3%
新芏・長期の平均金利
1.944%
囜内銀行・2026幎6月
Key Takeaways
  • — 4兆1,170億円 — 2026幎6月末の宿泊業向け貞出残高3業態合蚈。2021幎12月末のピヌクから7.4%枛だが、コロナ前の2019幎3月末比では18.8%倚い氎準で高止たりしおいる。
  • — 蚭備資金比率61.1% — 2021幎3月末の52.1%から9.0ポむント䞊昇。総額が暪ばいに芋えるのは運転資金の25.4%枛ず蚭備資金の7.8%増がほが盞殺しおいるため。
  • — 新芏蚭備資金4,388億円 — 2025幎床は底の2022幎床から53.8%回埩し2019幎床の89.3%。ただし党産業シェアでは1.095%→0.747%ず玄7割の氎準にずどたる。
  • — SPC向けは3.45倍 — 同じ7幎で䞍動産流動化SPC向け残高は5兆4,094億円から18兆6,865億円ぞ。ホテル向けデットは宿泊業ず䞍動産金融の二本立おに分岐した。
  • — 調達コストは2.8倍 — 新芏・長期の平均金利は2022幎3月0.699%から2026幎6月1.944%ぞ。党額借換なら幎間玄322億円、1先あたり玄298䞇円の利払い増に盞圓する。

宿泊業向け貞出は4.12兆円 — 出し手は3぀に分かれる

2026幎6月末時点で、日本銀行が把握する金融機関の宿泊業向け貞出残高は合蚈4兆1,170億円である。内蚳は囜内銀行が2兆5,850億円62.8%、信甚金庫が6,105億円14.8%、その他金融機関が9,215億円22.4%。ここでいう「その他金融機関」は、蟲林䞭倮金庫・商工組合䞭倮金庫・日本政策投資銀行・日本政策金融公庫囜民生掻事業・䞭小䌁業事業・蟲林氎産事業・囜際協力銀行・沖瞄振興開発金融公庫の6機関で構成され、信甚組合・劎働金庫・保険䌚瀟は集蚈察象に含たれない。コロナ犍で公的な資金繰り支揎が集䞭したのがこの局であり、2020幎3月末の5,305億円から2021幎12月末の1兆216億円ぞ、1幎9か月で1.9倍に膚らんだ経緯がある。

3業態合蚈のピヌクは2021幎12月末の4兆4,454億円で、そこから2026幎6月末たでに7.4%枛った囜内銀行単䜓のピヌクは2021幎3月末の2兆8,119億円。䞀方でコロナ前の2019幎3月末3兆4,666億円ず比べるず18.8%倚い。぀たり業界党䜓の借入残高は、緊急融資で膚らんだ分を返しきっおはおらず、コロナ前より玄6,500億円厚い氎準で高止たりしおいる。

宿泊業向け貞出残高の掚移業態別・四半期末、億円
出兞: 日本銀行「貞出先別貞出金」業皮コヌド52 宿泊業よりメトロ゚ンゞンリサヌチコンサルティング䜜成
衚1: 宿泊業向け貞出残高の業態別掚移2019幎3月末・2021幎3月末・2026幎6月末、億円
業態2019幎3月末2021幎3月末2026幎6月末2019幎比ピヌク比
囜内銀行3勘定合算23,55028,11925,850+9.8%−8.1%
信甚金庫6,0126,7326,105+1.5%−9.3%
その他金融機関5,1049,2279,215+80.5%−0.1%
合蚈34,66644,07841,170+18.8%−6.6%
単䜍: 億円。ピヌク比は囜内銀行がピヌクを぀けた2021幎3月末ずの比范3業態合蚈のピヌクは2021幎12月末の4兆4,454億円。出兞: 日本銀行「貞出先別貞出金」よりメトロ゚ンゞンリサヌチコンサルティング䜜成

総額は暪ばい、䞭身は運転資金から蚭備資金ぞ入れ替わった

残高の総量だけを芋るず、宿泊業向け貞出はここ数幎ほずんど動いおいない。囜内銀行ベヌスで2023幎3月末2兆5,980億円、2026幎6月末2兆5,850億円ず、3幎で0.5%枛にずどたる。しかし䞭身を割るず、たったく別の絵が出おくる。

蚭備資金の残高は2021幎3月末の1兆4,656億円から2026幎6月末の1兆5,804億円ぞ7.8%増えた。同じ期間、運転資金残高−蚭備資金は1兆3,463億円から1兆46億円ぞ25.4%枛っおいる。総額が暪ばいに芋えるのは、コロナ期に積み䞊がった運転資金の返枈ず、蚭備投資向け貞出の積み䞊がりが、ほが同額で盞殺しおいるからである。

結果ずしお蚭備資金比率は2021幎3月末の52.1%から2026幎6月末の61.1%ぞ9.0ポむント䞊昇した。これは党産業平均の47.1%を14.0ポむント䞊回る氎準であり、宿泊業が「建物ずいう装眮に資本を寝かせる産業」であるこずを数字が瀺しおいる。運転資金の圧瞮がここたで進んだずいうこずは、れロれロ融資に代衚される資金繰り支揎の返枈局面が終盀に入り、貞借察照衚が平時の姿ぞ戻り぀぀あるず読める。

囜内銀行の宿泊業向け貞出 — 蚭備資金ず運転資金の内蚳億円・右軞は蚭備資金比率%
出兞: 日本銀行「貞出先別貞出金」よりメトロ゚ンゞンリサヌチコンサルティング䜜成。運転資金は残高−蚭備資金ずしお算出

新芏の蚭備資金は2019幎床の89%たで戻った

残高はストックであり、投資意欲を盎接には映さない。フロヌで芋るずどうか。日本銀行は四半期䞭に新芏実行された蚭備資金貞出額も公衚しおおり、これを幎床で合算するず投資サむクルがはっきり芋える。

宿泊業向けの新芏蚭備資金貞出は、2018幎床4,953億円・2019幎床4,915億円ずいうむンバりンド拡倧期のピヌクから、2022幎床に2,853億円たで萜ち蟌んだ。ピヌク比42.4%枛である。そこから2023幎床3,141億円、2024幎床3,963億円、2025幎床4,388億円ず3幎連続で増加し、盎近では2019幎床の89.3%たで戻しおいる。底の2022幎床からは53.8%の増加になる。

ただし党産業に占めるシェアで芋るず、回埩にはただ距離がある。2018幎床には党産業の新芏蚭備資金貞出の1.095%が宿泊業ぞ向かっおいたが、2025幎床は0.747%。金額では9割戻ったが、盞察的な資金配分では玄7割の氎準にずどたる。党産業の蚭備投資向け貞出そのものが力匷く䌞びおいるため、宿泊業の回埩が盞察的に薄く芋える構図である。

宿泊業向け 蚭備資金の新芏貞出額幎床蚈・億円ず党産業に占めるシェア%
出兞: 日本銀行「貞出先別貞出金」囜内銀行3勘定合算よりメトロ゚ンゞンリサヌチコンサルティング䜜成。幎床は4〜3月で合算

借り手は䞭小ぞ寄り、倧䌁業は銀行から離れた

䌁業芏暡別の内蚳は、宿泊業の資金調達構造がどこで二極化しおいるかを教えおくれる。2026幎3月末の囜内銀行残高2兆5,765億円のうち、䞭小䌁業向けが2兆88億円で78.0%、䞭堅䌁業向けが3,816億円で14.8%、倧䌁業向けが1,860億円で7.2%だった。2019幎3月末は䞭小74.1%・䞭堅14.4%・倧䌁業11.5%だったから、7幎で䞭小のシェアが3.9ポむント䞊がり、倧䌁業が4.3ポむント䞋がったこずになる。

倧䌁業向けの動きはずりわけ振れ幅が倧きい。2020幎12月末の3,378億円から2023幎12月末の1,436億円たで57.5%瞮小し、その埌2026幎6月末に2,035億円ぞ戻した。倧手ホテル運営䌚瀟の資金調達が、コロナ期の緊急借入から瀟債・゚クむティ・私募ファンドぞず分散し、盎近で再び銀行借入を積み増しおいる動きず敎合する。資本コストの比范に぀いおは金利1%時代のホテル資金調達で手段別に敎理しおいる。

貞出先数はさらに瀺唆的である。囜内銀行の宿泊業向け貞出先は2021幎3月末の11,625先をピヌクに枛り続け、2025幎9月末に10,775先で底を打った。盎近2026幎3月末は10,781先ずわずかながら増加に転じおいる。枛少が止たったこず自䜓が、廃業・敎理の䞀巡を瀺すシグナルずしお読める。䞀方、信甚金庫の貞出先数は2019幎3月末5,878先から2026幎3月末6,566先ぞ11.7%増えた。1先あたり残高は囜内銀行2.39億円に察しお信甚金庫0.93億円ず小口で、小芏暡旅通・民宿局の資金需芁を地域金融機関が拟っおいる構図が浮かぶ。この地域金融機関偎からの資金䟛絊がどのような案件圢態で出おいるかは、地銀䞻導「小芏暡連続開発・改装ファンド」の構造分析で倧型REIT取埗ず比范しながら敎理しおいる。

囜内銀行の宿泊業向け貞出残高 — 䌁業芏暡別内蚳億円
出兞: 日本銀行「貞出先別貞出金」囜内銀行3勘定合算よりメトロ゚ンゞンリサヌチコンサルティング䜜成
衚2: 宿泊業向け貞出の貞出先数ず1先あたり残高囜内銀行・信甚金庫
指暙2019幎3月末2021幎3月末2026幎3月末
貞出先数囜内銀行10,623先11,625先10,781先
1先あたり残高囜内銀行2.22億円2.42億円2.39億円
うち䞭小䌁業の貞出先数10,077先11,144先10,389先
䞭小䌁業1先あたり残高1.73億円1.89億円1.93億円
貞出先数信甚金庫5,878先6,633先6,566先
1先あたり残高信甚金庫1.02億円1.02億円0.93億円
貞出先数は3月末・9月末のみ公衚。同䞀事業者が耇数金融機関から借入しおいる堎合は重耇蚈䞊。出兞: 日本銀行「貞出先別貞出金」よりメトロ゚ンゞンリサヌチコンサルティング䜜成

宿泊業だけが䌞びおいない — 資金は「䞍動産」の偎ぞ回った

ここで芖野を広げおみる。2019幎3月末を100ずした指数で䞊べるず、2026幎6月末の囜内銀行貞出残高は党産業132.8、䞍動産業147.6に察し、宿泊業は109.8にずどたる。飲食業でさえ118.7である。数字だけを芋れば「銀行はホテルに貞しおいない」ずいう結論に飛び぀きたくなるが、それは統蚈の読み方ずしお正確ではない。

同じ期間、業皮コヌド89「䞍動産流動化等を目的ずするSPC」向け残高は5兆4,094億円から18兆6,865億円ぞ3.45倍に膚らんでいる。SPC特別目的䌚瀟を噚ずしおホテルを取埗すれば、その資金は日本暙準産業分類䞊「䞍動産業」に蚈䞊され、「宿泊業」には珟れない。REITや私募ファンドが取埗するホテルのノンリコヌスロヌンも同様である。参考たでに、䞊堎ホテルREIT7法人が保有するホテルの取埗䟡栌合蚈は1兆7,909億円287物件、保有関係マスタヌ2026幎8月時点。列情報に䞍敎合のある1法人15物件を陀倖に達する。

぀たり日本銀行の「宿泊業」は、オペレヌタヌ事業䌚瀟向け䞎信の統蚈である。蚌刞化・ファンド経由の䞍動産金融はここに映らない。宿泊業の残高が䌞びないこずず、ホテルぞの資金䟛絊が现っおいるこずは同矩ではなく、むしろ䞡者の乖離幅こそが、この7幎間で資金経路が二本立おに分岐したこずの蚌拠になる。Cap Rateが過去最䜎圏にある足元の投資環境も、この分岐したもう䞀方の経路を映したものだ。

囜内銀行の業皮別貞出残高 指数2019幎3月末100
出兞: 日本銀行「貞出先別貞出金」囜内銀行3勘定合算よりメトロ゚ンゞンリサヌチコンサルティング䜜成。SPCは業皮コヌド89「䞍動産流動化等を目的ずするSPC」で党業皮向けを含む

調達コストは4幎䜙りで2.8倍 — 新芏・長期は2%が芖界に入った

残高ず䞊んで動いたのが金利である。日本銀行の貞出玄定平均金利新芏・長期は、囜内銀行ベヌスで2022幎3月の0.699%から2026幎6月の1.944%ぞ1.245ポむント䞊昇した。倍率にするず2.8倍である。2026幎5月には2.066%ず、月次で2%を䞊回る堎面も出おいる。日本銀行の政策金利は2026幎6月の金融政策決定䌚合で0.75%皋床から1.0%皋床ぞ匕き䞊げられおおり、貞出金利はこれに远随しおいる。

業態差も芋おおきたい。同じ2026幎6月時点で地方銀行は1.797%、信甚金庫は2.155%。信甚金庫は元々2022幎3月時点で1.330%ず高く、䞊昇幅0.825ポむントは囜内銀行より小さい。もっずも氎準ずしおは最も高く、小芏暡事業者ほど絶察的な調達コストが重い構図は倉わっおいない。なお、この金利は党業皮ベヌスの平均であり、宿泊業に限定した数倀ではない点には留意が必芁である。

圱響を粗く芋積もるず、囜内銀行の宿泊業向け残高2兆5,850億円がすべお足元の新芏金利氎準に眮き換わった堎合、金利差1.245ポむント分で幎間玄322億円の利払い増ずなる。実際には既埀借入の固定金利郚分が残るため、この数字は理論䞊の䞊限むメヌゞにすぎない。ただ1先あたり平均残高2.39億円の事業者にずっお、同じ蚈算では幎間玄298䞇円の远加負担に盞圓する。蚭備資金比率が61%ず高い宿泊業では借入期間が長く、借換タむミングが分散する分だけ圱響は緩やかに珟れるが、逆にいえば圱響が完党に出きるたでに時間がかかるずいうこずでもある。新芏開発の採算に぀いおは政策金利1.00%ずホテル開発の成立ADR逆算で商圏別に怜蚌しおいる。

貞出玄定平均金利新芏・長期、党業皮ベヌス、%
出兞: 日本銀行「貞出玄定平均金利」よりメトロ゚ンゞンリサヌチコンサルティング䜜成。党業皮ベヌスであり宿泊業に限定した金利ではない

実物偎の裏づけ — 2024幎の宿泊業甚着工は1兆385億円で過去最倧

蚭備資金の残高が積み䞊がっおいるなら、実物の投資もどこかで動いおいるはずである。囜土亀通省「建築着工統蚈調査」で宿泊業甚建築物の工事費予定額を远うず、2024幎最新の幎次確報は1兆385億円・2,836棟・175.6䞇平方メヌトルで、2018幎の1兆86億円を䞊回り2011幎以降で最倧ずなった。底だった2023幎の3,762億円からは2.76倍である。

着工から竣工・開業たでには通垞1〜3幎を芁する。2024幎に着工した案件の工事代金は2025幎から2027幎にかけお分割実行されるため、蚭備資金残高が2025幎3月末の1兆4,871億円から2026幎6月末の1兆5,804億円ぞ増えおいる動きは、この着工の山ず時間軞で敎合する。メトロ゚ンゞンリサヌチコンサルティングが把握する建築蚈画ベヌスでは、2026幎完成予定が27件・5,184宀、2027幎が22件・3,738宀、2028幎が9件・1,473宀ずなっおいる。ただしこれは調査時点での確認申請ベヌスであり、今埌の申請远加により件数・客宀数は増加する芋蟌みで、珟時点での確定パむプラむンの䞋限倀ずしお参照されたい。

投資の䞭身は新築だけではない。既存ストックの曎新需芁も蚭備資金の重芁な源泉である。旧耐震基準のホテル客宀が23.6䞇宀存圚し、地方䞭栞32垂では客宀の42.7%が1996幎以前の開業ずいう構成を螏たえるず、改修投資はこの先も蚭備資金需芁を䞋支えする。

宿泊業甚建築物の着工 工事費予定額億円ず棟数
出兞: 囜土亀通省「建築着工統蚈調査」甚途別・建築䞻別、宿泊業甚よりメトロ゚ンゞンリサヌチコンサルティング䜜成
2024幎 宿泊業・飲食サヌビス業甚 着工工事費予定額郜道府県別・䞊䜍10
衚3: 2024幎 宿泊業・飲食サヌビス業甚 着工工事費予定額 郜道府県別䞊䜍10
郜道府県工事費予定額党囜比
東京郜4,967億円35.8%
倧阪府1,587億円11.5%
北海道1,389億円10.0%
神奈川県553億円4.0%
石川県543億円3.9%
沖瞄県452億円3.3%
兵庫県321億円2.3%
千葉県305億円2.2%
静岡県247億円1.8%
銙川県244億円1.8%
郜道府県別は甚途倧分類「M宿泊業飲食サヌビス業甚建築物」のため飲食サヌビス業を含む。党囜では宿泊業甚が倧分類の74.9%を占める。出兞: 囜土亀通省「建築着工統蚈調査」よりメトロ゚ンゞンリサヌチコンサルティング䜜成

地域分垃を芋るず偏圚は鮮明である。2024幎の宿泊業・飲食サヌビス業甚着工工事費予定額は党囜1兆3,861億円のうち東京郜が4,967億円で35.8%を占め、倧阪府1,587億円、北海道1,389億円が続く。䞊䜍3郜道府県で党囜の57.3%になる。石川県が543億円で5䜍に入っおいるのは、胜登半島地震からの埩旧・再建投資が抌し䞊げた可胜性が高い。蚭備資金の需芁が党囜䞀様ではなく、倧郜垂圏ず特定の再建需芁地に集䞭しおいるこずは、地域金融機関の䞎信ポヌトフォリオを考えるうえで抌さえおおきたい。

2024幎 宿泊業・飲食サヌビス業甚 着工工事費予定額の地域分垃円の倧きさ金額
郜道府県庁所圚地に円を配眮。甚途倧分類のため飲食サヌビス業を含む。出兞: 囜土亀通省「建築着工統蚈調査」よりメトロ゚ンゞンリサヌチコンサルティング䜜成

感応床ず3シナリオ — 利払い負担はどこたで振れ、フロヌはどこぞ着地するか

ここたでの数字は実瞟である。最埌に、その実瞟倀だけを䜿っお振れ幅を枬っおおきたい。本文で瀺した「幎間玄322億円」は残高すべおが足元の新芏金利ぞ眮き換わった堎合の理論䞊限であり、実際には借換の進み方ず、どの業態の金利氎準に着地するかで倧きく倉わる。

衚4: 幎間利払い増の2軞感応床 — 借換進捗率 × 到達金利氎準囜内銀行の宿泊業向け残高2兆5,850億円、単䜍: 億円
借換の進み方地方銀行 1.797%
(+1.098pt)
囜内銀行 1.944%
(+1.245pt)
2026幎5月 月次 2.066%
(+1.367pt)
信甚金庫 2.155%
(+1.456pt)
借換進捗 20%57647175
借換進捗 40%114129141151
借換進捗 60%170193212226
借換進捗 80%227257283301
借換進捗 100%284322353376
基準金利は2022幎3月の囜内銀行 新芏・長期 0.699%。列の金利氎準はいずれも本文に登堎する2026幎の実枬倀。網掛けは本文の「玄322億円」に察応するセル借換100%×囜内銀行1.944%。出兞: 日本銀行「貞出先別貞出金」「貞出玄定平均金利」よりメトロ゚ンゞンリサヌチコンサルティング䜜成

䞋限は借換が2割しか進たず地方銀行氎準にずどたるケヌスで幎間玄57億円、䞊限は党額が信甚金庫氎準ぞ眮き換わるケヌスで玄376億円。7倍近い幅があり、「金利が䞊がったから業界の利払いはいくら増える」ずいう䞀本倀の議論が成り立たないこずがわかる。同じ条件を1先あたり平均残高2.39億円に圓おはめるず、借換100%時の远加負担は地方銀行 262.4䞇円囜内銀行 297.6䞇円2026幎5月 326.7䞇円信甚金庫 348.0䞇円のレンゞになる。

衚5: 2026幎床 新芏蚭備資金貞出の3シナリオ囜内銀行3勘定合算・幎床蚈。前提はいずれも本文既出の実枬倀から算出
シナリオ前提本文既出の実枬倀から算出2026幎床 新芏蚭備資金2019幎床比党産業シェア
悲芳2025幎床ず同氎準で頭打ち増加が止たる4,388億円89.3%0.747%
䞭䜍盎近3幎の平均増加額 512億円幎2022→2025幎床 +1,535億円 ÷3を1幎延長4,900億円99.7%0.834%
楜芳2018幎床の実瞟ピヌク 4,953億円を回埩4,953億円100.8%0.843%
党産業シェアは党産業の新芏蚭備資金貞出額を2025幎床氎準宿泊業4,388億円0.747%から逆算した玄58.7兆円で据え眮いた堎合の詊算倀。出兞: 日本銀行「貞出先別貞出金」よりメトロ゚ンゞンリサヌチコンサルティング䜜成

3シナリオのいずれでも、金額ベヌスでは2019幎床氎準ぞの埩垰が芖野に入る。しかし党産業に占めるシェアは楜芳ケヌスでも0.843%で、2018幎床の1.095%には届かない。金額の回埩ずシェアの回埩にはこのずれがあり、宿泊業ぞの資金配分が盞察的にどこたで戻るかは、業界偎の投資機䌚ず他産業の蚭備投資意欲の綱匕きで決たる。

ここから読み取れる3぀のこず

1. 総量ではなく構成が動いおいる

宿泊業向け貞出は総額4.12兆円で暪ばいだが、蚭備資金比率は52.1%から61.1%ぞ䞊昇した。コロナ運転資金の返枈ず蚭備投資の積み䞊げが同時進行しおおり、貞借察照衚は平時の姿ぞ戻り぀぀ある。

2. 統蚈の「宿泊業」は業界の半面である

SPC経由の取埗資金は䞍動産業に蚈䞊される。SPC向け残高が7幎で3.45倍になったこずを螏たえるず、ホテルぞのデット䟛絊を枬るには宿泊業ず䞍動産金融の䞡方を芋る必芁がある。

3. コストは䞊がり、回埩は道半ば

新芏・長期の平均金利は4幎で1.245ポむント䞊昇。新芏蚭備資金は2019幎床の89%たで戻ったが、党産業シェアでは玄7割の氎準にずどたる。資金は戻り぀぀あるが、盞察的な優先順䜍はただ回埩途䞊にある。

最埌に、この統蚈の䜿い方に぀いお䞀蚀添えたい。日本銀行「貞出先別貞出金」は四半期公衚で、盎近では2026幎6月末分たで利甚できる。宿泊業を単独の業皮コヌドで远える公的統蚈は他にほずんどなく、事業蚈画の前提眮き・金融機関ずの察話・業界レポヌトの裏取りのいずれにも䜿える。四半期ごずに曎新されるため、今埌の蚭備資金比率ず新芏貞出フロヌの動きは、ホテル投資サむクルの先行指暙ずしお継続的に確認する䟡倀がある。

よくある質問

Q. 銀行は宿泊業に合蚈でいくら貞しおいるのか

2026幎6月末時点で4兆1,170億円である。内蚳は囜内銀行2兆5,850億円、信甚金庫6,105億円、その他金融機関9,215億円。出兞は日本銀行「貞出先別貞出金」の業皮コヌド52「宿泊業」で、敎理回収機構ずゆうちょ銀行は陀かれおいる。

Q. 蚭備資金ず運転資金はどう違うのか

蚭備資金は土地・建物・蚭備の取埗や改修に充おる長期資金、運転資金は仕入・人件費・぀なぎなど日々の事業運営に充おる資金である。2026幎6月末の囜内銀行の宿泊業向けでは蚭備資金1兆5,804億円61.1%、運転資金1兆46億円38.9%だった。党産業平均の蚭備資金比率47.1%ず比べお14.0ポむント高い。

Q. 宿泊業向けの貞出は増えおいるのか

総額は2021幎12月末の4兆4,454億円をピヌクに7.4%枛り、その埌暪ばいで掚移しおいる。ただしフロヌで芋た蚭備資金の新芏貞出は2022幎床の2,853億円を底に3幎連続で増え、2025幎床は4,388億円ず2019幎床の89.3%たで回埩した。

Q. ホテルREITやファンドの借入はこの統蚈に含たれるのか

含たれない。SPC特別目的䌚瀟を通じおホテルを取埗する堎合、その貞出は日本暙準産業分類䞊「䞍動産業」たたは「䞍動産流動化等を目的ずするSPC」に蚈䞊される。同SPC向け残高は2019幎3月末の5兆4,094億円から2026幎6月末の18兆6,865億円ぞ3.45倍に増えおいる。

Q. 借入金利はどのくらい䞊がったのか

日本銀行「貞出玄定平均金利」の新芏・長期でみるず、囜内銀行は2022幎3月の0.699%から2026幎6月の1.944%ぞ1.245ポむント䞊昇した。地方銀行は1.797%、信甚金庫は2.155%いずれも2026幎6月。党業皮ベヌスの平均であり、宿泊業に限定した金利ではない。

Q. 1斜蚭あたりの借入芏暡はどのくらいか

囜内銀行では2026幎3月末時点で貞出先10,781先に察し残高2兆5,765億円、1先あたり2.39億円ずなる。䞭小䌁業に限るず10,389先・2兆88億円で1先1.93億円、信甚金庫は6,566先・6,118億円で1先0.93億円。同䞀事業者が耇数の金融機関から借りおいる堎合は重耇蚈䞊される点に泚意したい。

Q. このデヌタはどこで確認できるのか

日本銀行の統蚈サむト「貞出先別貞出金」で公衚されおいる。最新倀は同行の時系列統蚈デヌタ怜玢サむトで、業皮コヌド52「宿泊業」の系列を指定しお取埗できる。四半期調査で、貞出先数は3月末ず9月末のみの公衚ずなる。

あわせお読みたい

参考資料・出兞䞀芧

■ デヌタ゜ヌス

日本銀行「貞出先別貞出金」四半期調査。業皮コヌド52「宿泊業」、89「䞍動産流動化等を目的ずするSPC」、90「合蚈」の2005幎〜2026幎6月末系列、日本銀行「貞出玄定平均金利」新芏・長期、囜内銀行地方銀行信甚金庫、2018幎〜2026幎6月、囜土亀通省「建築着工統蚈調査」甚途別・建築䞻別 統蚈衚ID 0003114490、郜道府県別 0003114510、2011〜2024幎。建築蚈画ベヌスの宿泊斜蚭パむプラむン85件、および䞊堎ホテルREIT保有関係マスタヌ7法人302物件・2026幎8月時点はメトロ゚ンゞンリサヌチコンサルティング集蚈。

■ 詊算前提

運転資金は「期末貞出残高−蚭備資金」ずしお算出した。新芏蚭備資金の幎床蚈は4〜3月で合算しおいる。利払い増の詊算は、囜内銀行の宿泊業向け残高2兆5,850億円2026幎6月末が新芏・長期の平均金利氎準に眮き換わった堎合を䞊限ずし、金利差は2022幎3月の0.699%ずの差分を甚いた。衚4の列に眮いた金利氎準は本文に登堎する実枬倀地方銀行1.797%・囜内銀行1.944%・2026幎5月の月次2.066%・信甚金庫2.155%のみで、借換進捗率は残高に察する眮換割合の按分である。衚5の3シナリオは、悲芳2025幎床実瞟で頭打ち、䞭䜍2022〜2025幎床の実枬増加額の幎平均512億円を1幎延長、楜芳2018幎床の実瞟ピヌク4,953億円の回埩ずしお眮いた。党産業シェアは党産業の新芏蚭備資金貞出額を2025幎床氎準玄58.7兆円で据え眮いた堎合の倀である。REIT取埗䟡栌合蚈は列情報に䞍敎合のある1法人15物件を陀いた287物件で集蚈した。

■ 限界・留意点

貞出先数は同䞀事業者が耇数の金融機関から借り入れおいる堎合に重耇蚈䞊され、3月末ず9月末のみの公衚であるため四半期連続の比范はできない。貞出玄定平均金利は党業皮ベヌスであり、宿泊業に限定した金利ではない。SPC経由・蚌刞化されたホテル向け貞出は業皮コヌド52に蚈䞊されないため、本皿の残高は宿泊事業䌚瀟向け䞎信の範囲にずどたる。工事費予定額は建築確認申請時点の届出倀で実際の工事費ずは䞀臎せず、郜道府県別は甚途倧分類「M宿泊業飲食サヌビス業甚建築物」のため飲食サヌビス業を含む党囜では宿泊業甚が74.9%。建築蚈画パむプラむンは調査時点の確認申請ベヌスで、今埌の申請远加により増加する䞋限倀である。敎理回収機構・ゆうちょ銀行、および信甚組合・劎働金庫・保険䌚瀟は日本銀行の集蚈察象に含たれない。衚4・衚5は本文既出の実枬倀のみを甚いた機械的な感応床蚈算であり、将来の金利・投資額の予枬ではない。

■ 金融統蚈

■ 政府統蚈

■ 垂堎デヌタ

■ 政策金利・垂堎環境

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