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インバウンド宿泊データ2014〜2019年月別一覧|2019年1億1,566万人泊、2025年は2019年比+55.6%

投稿日 : 2026.10.18

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インバウンド宿泊データ2014〜2019年月別一覧|2019年1億1,566万人泊、2025年は2019年比+55.6%

外国人延べ宿泊者数(確定値)は2019年に1億1,566万人泊(前年比+22.7%)、2025年に1億7,992万人泊(前年比+9.4%・2019年比+55.6%)である。いずれも観光庁「宿泊旅行統計調査」の年間値(確定値)報道発表から転記した。「2017年11月のインバウンド宿泊」「2018年8月のインバウンド需要」のように年月を指定して調べる場面では、単月のニュースを個別に探すより、確定値を一枚の表で見渡せるほうが早い。本稿では、コロナ前の2014年1月〜2019年12月の72か月について外国人延べ宿泊者数の確定値を月別に一覧化し、2023〜2025年の同月と2019年比で並べたうえで、季節性の変化、訪日外国人旅行消費額の年次推移、東京・大阪・京都の推定成約ADRまでを一つの参照ページに集約する。

本記事における指標の定義

  • 外国人延べ宿泊者数(人泊):観光庁「宿泊旅行統計調査」が推計する、調査対象の宿泊施設に宿泊した外国人の延べ人数。1人が2泊すれば2人泊と数える。本記事の数値はすべて各年の「年間値(確定値)」であり、速報値は改定前の参考としてのみ併記する。
  • 2019年比:(当年同月の外国人延べ宿泊者数 ÷ 2019年同月の外国人延べ宿泊者数 − 1)× 100。年計の2019年比も同じ式で年間値どうしを比べたもので、観光庁報道発表の+55.6%(2025年)と一致する。
  • 月別シェア:各月の外国人延べ宿泊者数 ÷ 同年の年計 × 100。年ごとの規模の違いを除いて、季節の山と谷の形だけを比べるための指標。
  • 訪日外国人旅行消費額:観光庁「訪日外国人消費動向調査」(2025年は「インバウンド消費動向調査」)の年間値。2014〜2019年は観光庁が年間推移として公表する値、2025年は2026年3月31日公表の確報を転記した。
  • ADR(平均客室単価):各施設がOTA上で公開する最安プラン水準(2名1室利用時・1室あたり料金・税込)に業態別の補正係数を適用して算出した推定成約単価(税抜相当)。上場ホテルREITが開示する物件別実績との照合(91施設・直近3ヶ月間)で誤差中央値は約7%。推定値であり、各施設の実際の成約価格・会計数値とは異なります。エリア単位のADRは対象施設の中央値(エリアの標準的な施設の水準)。
  • データ出典:観光庁「宿泊旅行統計調査」「訪日外国人消費動向調査/インバウンド消費動向調査」、メトロエンジンリサーチ
Key Takeaways
  • — 外国人延べ宿泊者数(確定値)は2014年の4,482万人泊から2019年の1億1,566万人泊へ、5年で2.58倍に拡大した。前年比は2015年+46.4%、2016年+5.8%、2017年+14.8%、2018年+18.3%、2019年+22.7%である。
  • — 72か月のなかで最多は2019年4月の1,128万人泊、最少は2014年1月の285万人泊。2019年は12か月すべてが前年同月比+12%以上で、単月の過去最高値は1〜4月に4か月連続で更新された。
  • — 2025年は1億7,992万人泊で2019年比+55.6%。月別の2019年比は7月+31.8%〜12月+72.4%の幅があり、2023年は1〜6月が2019年を下回り、7月に初めて上回った。
  • — 月別シェアは1〜3月が2014年の20.5%から2019年24.2%、2025年24.4%へ厚くなり、最多月と最少月の比率は1.58倍→1.37倍→1.34倍と季節の山が平準化した。
  • — 2019年7〜12月と2025年同月の推定成約ADRは東京+73.1%、大阪+77.1%、京都+50.4%。同期間の外国人延べ宿泊者数は+55.4%で、東京・大阪では人泊の伸びを単価の伸びが上回り、京都はやや下回った。

年間値で見る2014〜2025年 — 外国人延べ宿泊者数は5年で2.58倍、比率は9.5%から19.4%へ

まずは年間値で全体の輪郭をつかむ。観光庁「宿泊旅行統計調査」の年間値(確定値)によると、外国人延べ宿泊者数は2014年の4,482万人泊(前年比+33.8%)から、2015年6,561万人泊(+46.4%)、2016年6,939万人泊(+5.8%)、2017年7,969万人泊(+14.8%)、2018年9,428万人泊(+18.3%)と積み上がり、2019年に1億1,566万人泊(+22.7%)で調査開始以降の最高値に達した。延べ宿泊者数全体に占める外国人の比率は、2014年の9.5%から2019年には19.4%へ、ほぼ倍になっている。

ただし、伸び方は一本調子ではなかった。2015年は円安と査証緩和が重なって+46.4%と突出した一方、2016年は+5.8%にとどまり、2016年4月の熊本地震や前年の反動で月別には前年同月を下回る月が5回あった。2017年以降は再び二桁成長に戻り、2019年には12か月すべてが前年同月比+12%以上という、稀な一年になっている。2020年以降の落ち込みと2023年からの回復は本稿の主題ではないが、連続性のために年間値のみ下表に含めた。2025年は1億7,992万人泊で、全体に占める比率は27.2%まで高まった。

外国人延べ宿泊者数と外国人比率の年次推移(2014〜2025年・確定値)
年外国人延べ宿泊者数(万人泊)前年比2019年比延べ宿泊者数 全体(万人泊)外国人比率
2014年4,482+33.8%—47,3509.5%
2015年6,561+46.4%—50,40813.0%
2016年6,939+5.8%—49,24914.1%
2017年7,969+14.8%—50,96015.6%
2018年9,428+18.3%—53,80017.5%
2019年11,566+22.7%—59,59219.4%
2020年2,035-82.4%-82.4%33,1656.1%
2021年432-78.8%-96.3%31,7771.4%
2022年1,650+282.3%-85.7%45,0463.7%
2023年11,775+613.5%+1.8%61,74719.1%
2024年16,446+39.7%+42.2%65,90625.0%
2025年17,992+9.4%+55.6%66,11127.2%

出典:観光庁「宿泊旅行統計調査」年間値(確定値)。2014年は平成26年年間値(確定値)報道発表、2015〜2025年は各年の集計結果Excel第2表および推移表から転記。2020〜2022年の前年比は参考値

月別一覧 2014年1月〜2019年12月 — 72か月の確定値と前年同月比

本体となる月別一覧である。各セルの上段が外国人延べ宿泊者数(万人泊、万人泊未満を四捨五入)、下段が前年同月比を示す。2014年1月の285万人泊から2019年4月の1,128万人泊まで、72か月のあいだに単月の水準はおよそ4倍になった。前年同月比が負になったのは、2016年5月(−0.7%)、8月(−5.2%)、10月(−2.2%)、11月(−3.7%)、12月(−1.7%)と2017年2月(−0.1%)の6回だけで、残る66か月はすべて前年同月を上回っている。

年別に読むと、2015年は12か月すべてが前年同月比+35%以上という急伸期であり、特に8月の+59.6%、2月の+57.9%が大きい。2016年は1〜3月こそ+15〜40%で推移したものの、4月以降は伸びが一桁以下に落ち着き、年計の伸びは+5.8%にとどまった。2017年は4月(788万人泊、+16.2%)、7月(750万人泊、+11.7%)、10月(744万人泊、+25.0%)に山ができ、2018年は7月に初めて900万人泊を超えた(911万人泊、+21.5%)。2019年は9月(826万人泊)を除く11か月で900万人泊以上を維持し、4月は1,128万人泊で初めて1,000万人泊を超えている。7月(1,080万人泊)と10月(1,026万人泊)も1,000万人泊台だった。

月別 外国人延べ宿泊者数と前年同月比(2014年1月〜2019年12月・確定値、単位:万人泊)
月2014年2015年2016年2017年2018年2019年
1月285
+50.7%
396
+38.8%
556
+40.4%
636
+14.3%
679
+6.8%
921
+35.6%
2月308
+35.2%
486
+57.9%
597
+22.8%
597
-0.1%
734
+23.0%
928
+26.4%
3月325
+28.8%
502
+54.3%
580
+15.7%
607
+4.7%
734
+20.9%
952
+29.6%
4月452
+40.9%
636
+40.7%
678
+6.7%
788
+16.2%
888
+12.7%
1,128
+27.1%
5月371
+33.0%
558
+50.4%
554
-0.7%
651
+17.4%
781
+20.0%
973
+24.6%
6月352
+22.4%
535
+52.1%
563
+5.2%
626
+11.3%
782
+24.9%
959
+22.6%
7月431
+28.4%
641
+48.9%
672
+4.8%
750
+11.7%
911
+21.5%
1,080
+18.5%
8月378
+21.6%
604
+59.6%
573
-5.2%
673
+17.5%
846
+25.7%
949
+12.2%
9月340
+25.2%
499
+46.9%
505
+1.1%
594
+17.6%
680
+14.6%
826
+21.4%
10月437
+37.9%
608
+39.1%
595
-2.2%
744
+25.0%
824
+10.9%
1,026
+24.5%
11月392
+37.7%
533
+36.2%
513
-3.7%
636
+23.9%
761
+19.6%
906
+19.1%
12月412
+50.5%
563
+36.7%
554
-1.7%
668
+20.7%
807
+20.7%
918
+13.8%
年計4,482
+33.8%
6,561
+46.4%
6,939
+5.8%
7,969
+14.8%
9,428
+18.3%
11,566
+22.7%

出典:観光庁「宿泊旅行統計調査」各年「年間値(確定値)集計結果」第2表(全国・月別)および推移表。前年同月比は当社計算(2014年の前年同月比は2013年確定値との比較)

同じ72か月を1〜12月の横軸に年ごとに重ねると、季節の形が年々どう持ち上がったかが一目で分かる。下のグラフでは色が濃いほど新しい年を示す。4月と7月、10月に山があり、9月に谷があるという形は6年間ほぼ共通している。

出典:観光庁「宿泊旅行統計調査」年間値(確定値)よりホテルバンク編集部作成。単位は万人泊

2023〜2025年の月別と2019年比 — 回復は7月から、2025年は7月が最も伸びが小さい

コロナ前の水準と比べるとき、年計だけでは月ごとの偏りを見落とす。下表は2019年の各月を基準に、2023〜2025年の同月を「2019年比=(当年同月 ÷ 2019年同月 − 1)×100」で並べたものである。2023年は1月−30.3%、2月−33.4%から始まり、6月に−0.2%とほぼ2019年並みに戻ったあと、7月に+2.3%で初めて2019年同月を上回った。下半期は加速し、12月には+36.6%に達している。年計では+1.8%とわずかに2019年を超えた。

2024年は全12か月が2019年を上回り、1月の+21.7%から12月の+72.4%へと年後半ほど差が広がった。年計は+42.2%である。2025年は年計で+55.6%だが、月別の幅は7月の+31.8%から12月の+72.4%まで大きい。7月は2024年同月比でも−2.4%で、年間で最も落ち込みが大きい月になった(11月も−1.8%と小幅に下回った)。国籍別(参考第1表、従業者数10人以上の施設)で7月を前年同月と比べると、香港(−48.2%)と韓国(−22.5%)の減少が大きく、中国は+4.4%と増えていた。翌年の2026年7月の外国人延べ宿泊者数の減少を国籍別に分解した記事では、逆に中国が減少の大半を占めている。一方で10月(+64.2%)、12月(+72.4%)は2019年比の伸びが大きく、2025年は夏より秋冬に厚みが寄った年といえる。

2023〜2025年の月別 外国人延べ宿泊者数と2019年比(確定値)
月2019年(万人泊)2023年(万人泊)2023年 2019年比2024年(万人泊)2024年 2019年比2025年(万人泊)2025年 2019年比
1月921642-30.3%1,120+21.7%1,524+65.4%
2月928618-33.4%1,180+27.2%1,379+48.6%
3月952789-17.1%1,294+36.0%1,485+56.1%
4月1,128987-12.5%1,436+27.3%1,722+52.6%
5月973902-7.3%1,360+39.8%1,595+63.9%
6月959957-0.2%1,341+39.9%1,421+48.2%
7月1,0801,105+2.3%1,459+35.0%1,424+31.8%
8月9491,060+11.7%1,334+40.6%1,409+48.5%
9月8261,009+22.1%1,241+50.3%1,283+55.4%
10月1,0261,250+21.8%1,588+54.8%1,685+64.2%
11月9061,204+32.8%1,509+66.5%1,483+63.6%
12月9181,254+36.6%1,583+72.4%1,583+72.4%
年計11,56611,775+1.8%16,446+42.2%17,992+55.6%

出典:観光庁「宿泊旅行統計調査」年間値(確定値)集計結果 第2表(2019年・2023〜2025年)。2019年比は当社計算。セルの色は2019年比の大きさ(青=2019年超、赤=2019年未満)

出典:観光庁「宿泊旅行統計調査」年間値(確定値)よりホテルバンク編集部作成。2019年比=(当年同月 ÷ 2019年同月 − 1)× 100

季節性はどう変わったか — 1〜3月のシェアは20.5%から24.4%へ、山と谷は平準化

規模の違いを除いて季節の形だけを比べるために、各月の外国人延べ宿泊者数を年計で割った月別シェアを2014年、2019年、2025年で重ねた。2014年は4月が10.1%で突出し、1月が6.4%で最も薄く、最多月と最少月の比率は1.58倍だった。2019年になると4月は9.8%とほぼ同じ高さを保つ一方、1〜3月がそれぞれ8.0〜8.2%へ厚くなり、1〜3月の合計シェアは20.5%から24.2%へ3.7ポイント上がっている。春節の時期が1月下旬〜2月に動くこと、スキー需要を含む冬季の訪日が増えたことが、1〜3月の底上げとして表れた形である。その結果、2019年の最多月と最少月の比率は1.37倍まで縮まった。

2019年と2025年の月別シェアを比べると、差が最も大きいのは7月で、2019年の9.3%から2025年は7.9%へ1.4ポイント下がった。8月も8.2%から7.8%へ0.4ポイント下がり、夏の山は2019年より低い。逆に12月は7.9%から8.8%へ0.9ポイント、1月は8.0%から8.5%へ0.5ポイント、5月は8.4%から8.9%へ0.5ポイント上がっており、2025年は冬と初夏に重心が移っている。4月(9.6%)と10月(9.4%)の山は2019年と同じ位置に残り、9月が7.1%で最も薄い点も変わらない。最多月と最少月の比率は1.34倍で、2019年からさらにわずかに平準化した。運営側から見れば、インバウンドの繁閑差は2014年当時より明らかに小さくなり、年間を通じた需要の土台として扱える形に近づいたと読める。

出典:観光庁「宿泊旅行統計調査」年間値(確定値)よりホテルバンク編集部作成。月別シェア=各月の外国人延べ宿泊者数 ÷ 年計 × 100

外国人延べ宿泊者数の月別シェア(2014年・2019年・2025年)
月2014年2019年2025年2025年−2019年(pt)
1月6.4%8.0%8.5%+0.5
2月6.9%8.0%7.7%-0.4
3月7.3%8.2%8.3%+0.0
4月10.1%9.8%9.6%-0.2
5月8.3%8.4%8.9%+0.5
6月7.8%8.3%7.9%-0.4
7月9.6%9.3%7.9%-1.4
8月8.4%8.2%7.8%-0.4
9月7.6%7.1%7.1%-0.0
10月9.8%8.9%9.4%+0.5
11月8.7%7.8%8.2%+0.4
12月9.2%7.9%8.8%+0.9

出典:観光庁「宿泊旅行統計調査」年間値(確定値)。月別シェアは当社計算、小数第2位を四捨五入

インバウンド消費額の年次推移 — 2014年2.0兆円から2019年4.8兆円、2025年は9.5兆円

「インバウンド需要」「インバウンド消費」を年月で調べる読者のために、宿泊の人泊とは別の指標である訪日外国人旅行消費額の年間値も添える。観光庁「訪日外国人消費動向調査」によると、消費額は2014年の2兆278億円から2015年3兆4,771億円、2016年3兆7,476億円、2017年4兆4,162億円、2018年4兆5,189億円、2019年4兆8,135億円と推移した。2025年は調査名称が「インバウンド消費動向調査」に変わったうえでの確報値で、9兆4,549億円(2024年比+16.4%)である。四半期ごとの速報値は年間値と推計の前提が異なるため、本表には混ぜていない。

消費額を同年の外国人延べ宿泊者数で割った「1人泊あたり消費額」を参考列として付けた。これは宿泊費だけでなく買物・飲食・交通を含む総消費を人泊で割った比率であり、宿泊単価そのものではない。2014年の約45,200円から2017年に約55,400円まで上がったあと、2019年には約41,600円へ下がり、2025年は約52,600円である。2018〜2019年は外国人延べ宿泊者数が年+18〜23%伸びた一方、消費額の伸びは年+2〜7%にとどまったため、比率が下がった。分子と分母は別々の標本調査による推計であり、2025年の水準には宿泊料金を含む物価の上昇と円安の影響が含まれる。いずれも観光庁の公表値どうしの単純な比率であり、本稿ではそれ以上の推計は加えていない。

訪日外国人旅行消費額と1人泊あたり消費額(2014〜2019年・2025年)
年訪日外国人旅行消費額(億円)前年比外国人延べ宿泊者数(万人泊)1人泊あたり消費額(円)
2014年20,278—4,48245,239
2015年34,771+71.5%6,56152,993
2016年37,476+7.8%6,93954,009
2017年44,162+17.8%7,96955,417
2018年45,189+2.3%9,42847,933
2019年48,135+6.5%11,56641,619
2025年94,549+16.4%(2024年比)17,99252,550

出典:観光庁「訪日外国人消費動向調査」年間推移(2014〜2019年)、観光庁「インバウンド消費動向調査 2025年暦年の調査結果(確報)の概要」(2026年3月31日)。1人泊あたり消費額=消費額 ÷ 同年の外国人延べ宿泊者数(確定値)、当社計算

人泊+55%に対して単価は — 東京・大阪・京都の推定成約ADR、2019年7〜12月と2025年同月

当社の価格データは2019年7月以降の月次しか無いため、2019年と2025年を比べられるのは7〜12月の半年分である。この6か月について、東京都・大阪府・京都府の推定成約ADR(対象施設の中央値)を2019年と2025年で並べた。東京都は2019年7〜12月の平均が約8,500円、2025年同月の平均が約14,700円で+73.1%、大阪府は約7,200円から約12,700円へ+77.1%、京都府は約11,600円から約17,400円へ+50.4%である。同じ7〜12月の外国人延べ宿泊者数は全国で5,706万人泊から8,867万人泊へ+55.4%であり、東京都・大阪府の単価の伸びは人泊の伸びを上回り、京都府(+50.4%)はやや下回った。

月ごとに見ると、京都府は2019年11月に16,500円と紅葉期の山が立っており、2025年11月は24,800円でさらに高い。大阪府は2025年9月が13,800円で2019年同月比+101%と最も大きく、2025年11〜12月は+56〜60%へ縮んでいる。東京都は2025年10〜12月が+78〜88%で、秋冬ほど差が広がった。本記事のADRは推定値(REIT開示実績との照合で誤差中央値約7%)であり、対象施設数は東京都 N=998〜1045施設(2019年)・1067〜1125施設(2025年)、大阪府 N=575〜604施設(2019年)・623〜648施設(2025年)、京都府 N=474〜501施設(2019年)・576〜594施設(2025年)である。全国の人泊と三都市の単価を直接の因果で結ぶものではなく、「人泊が1.5倍になった同じ期間に、主要都市の成約単価は1.5〜1.8倍になった」という並置として読んでほしい。

東京都・大阪府・京都府の推定成約ADR(2019年7〜12月と2025年7〜12月)
月東京都 2019年東京都 2025年増減率大阪府 2019年大阪府 2025年増減率京都府 2019年京都府 2025年増減率
7月¥8,120¥13,283+64%¥6,928¥12,645+83%¥9,686¥13,950+44%
8月¥8,216¥13,009+58%¥7,634¥13,452+76%¥10,975¥14,305+30%
9月¥8,150¥13,405+64%¥6,838¥13,764+101%¥9,701¥14,017+44%
10月¥8,756¥15,625+78%¥7,046¥13,392+90%¥11,484¥19,243+68%
11月¥9,066¥17,088+88%¥7,697¥11,982+56%¥16,453¥24,800+51%
12月¥8,660¥15,814+83%¥6,968¥11,120+60%¥11,006¥17,918+63%
7〜12月平均¥8,495¥14,704+73.1%¥7,185¥12,726+77.1%¥11,551¥17,372+50.4%

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成。推定成約ADR(対象施設の中央値・税抜相当)。対象施設数は上記のとおり

数値を使うときの注記 — 速報と確定の差、調査設計の変更、正誤表

第一に、速報値と確定値の違いである。宿泊旅行統計調査の年間値は、翌年2月末に速報値、6〜7月に確定値が公表され、確定値では速報後に回収した調査票を取り込んで再集計される。2019年は速報値1億143万人泊(前年比+7.6%)が確定値1億1,566万人泊(+22.7%)へ、14.0%も上方改定された。2025年は速報値1億7,787万人泊(+8.2%)から確定値1億7,992万人泊(+9.4%)へ+1.2%、2015年は速報値6,637万人泊から確定値6,561万人泊へ−1.1%の改定だった。年によって改定幅も方向も異なるため、速報値と確定値を同じ表に混ぜると前年比が歪む。本記事はすべて確定値で統一しており、速報値は本段落でのみ参考として示した。月次の第1次速報・第2次速報がどの程度改定されるかは宿泊旅行統計調査の速報値と確定値の改定幅を13か月分で実測した記事にまとめている。

第二に、調査設計である。この調査は2010年(平成22年)第2四半期から、従業者数9人以下の施設を含む全宿泊施設を対象にしており、従業者数10人以上は全数調査、5〜9人は3分の1、0〜4人は9分の1の無作為抽出による標本調査から全体を推計している。2014〜2019年はこの設計で一貫しているので、本記事の72か月は同一基準で比較できる。ただし2015年3月分までは四半期ごとの調査・公表、2015年4月分からは毎月の調査・公表に移行しており、2014年の月別値は四半期調査の月別内訳として得られたものである点は押さえておきたい。また、国籍別の内訳(参考第1表)は従業者数10人以上の施設のみを集計対象とするため、全国の外国人延べ宿泊者数とは母集団が異なる。2026年1月分からは層化基準が「従業者数」から「客室数」に変更されており、観光庁は結果の利用にあたってこの見直しの影響が含まれる可能性に留意するよう注記している。2026年以降の値を本記事の系列と前年同月比で比べる際は、この点を踏まえる必要がある。

第三に、正誤表である。観光庁は2025年8月26日付で「報道発表資料の一部訂正について」を公表し、2015年5月分以降の報道発表における国籍(出身地)別外国人延べ宿泊者数の表の合計欄の単位を「万人泊」から「人泊」へ訂正するとともに、2024年・年間値(確定値)の報道発表(2025年6月27日公表)における2024年全国の外国人延べ宿泊者数を164,466,770人泊から164,462,600人泊へ、2024年1月の全国外国人延べ宿泊者数を11,208,010人泊から11,203,840人泊へ訂正した。本記事の2024年の数値は訂正後の値を使っている。年月を指定して過去の報道発表PDFを引用する場合は、この正誤表の対象に含まれていないかを確認してから転記するのが安全である。

最後に、過去のホテル料金や稼働率を年月で調べるときの選択肢は宿泊旅行統計調査だけではない。遡れる期間や粒度、費用の違いは過去のホテル料金を調べる5つのデータ源を比較した記事で整理した。地方部へのインバウンド分散を客室供給との対比で見るなら地方インバウンドは客室61.7%・宿泊33.7%とした記事が補助線になる。

よくある質問

Q. 2019年のインバウンド宿泊(外国人延べ宿泊者数)はいくらでしたか?

A. 観光庁「宿泊旅行統計調査」の年間値(確定値)では、2019年(平成31年1月〜令和元年12月)の外国人延べ宿泊者数は1億1,566万人泊で、前年比+22.7%です。延べ宿泊者数全体5億9,592万人泊の19.4%を占めました。2020年2月に公表された速報値は1億143万人泊でしたが、2020年6月30日公表の確定値で1億1,566万人泊へ改定されています。月別では4月の1,128万人泊が最多、9月の826万人泊が最少でした。

Q. 2018年8月や2017年11月など、特定の年月のインバウンド宿泊データはどこで確認できますか?

A. 本記事の月別一覧表(2014年1月〜2019年12月)に確定値を掲載しています。たとえば2018年8月は846万人泊(前年同月比+25.7%)、2017年11月は636万人泊(同+23.9%)です。原典は観光庁「宿泊旅行統計調査」の各年「年間値(確定値)集計結果」Excelの第2表で、全国・都道府県別の月別値が収録されています。都道府県別や国籍別の内訳が必要な場合は、同じExcelの第2表・参考第1表を参照してください。

Q. 2025年の外国人延べ宿泊者数は2019年と比べてどの程度増えましたか?

A. 2025年の確定値は1億7,992万人泊で、2019年比+55.6%、前年比+9.4%です(観光庁、2026年7月6日公表)。月別の2019年比は7月の+31.8%から12月の+72.4%まで幅があり、7月は2024年同月比でも−2.4%と、年間で最も伸びが小さい月でした。2019年比は本記事では「(当年同月の人泊 ÷ 2019年同月の人泊 − 1)×100」で算出しています。

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参考資料・出典一覧

■ データソース

外国人延べ宿泊者数と延べ宿泊者数全体は、観光庁「宿泊旅行統計調査」の年間値(確定値)集計結果 第2表および推移表(全国・月別、2014〜2019年と2023〜2025年)から転記した。消費額は観光庁「訪日外国人消費動向調査/インバウンド消費動向調査」の年間値である。推定成約ADRはメトロエンジンリサーチの都道府県別月次集計(東京都・大阪府・京都府、2019年7〜12月と2025年7〜12月、N=474〜1,125施設)による。

■ 試算前提

前年同月比、2019年比、月別シェア、1人泊あたり消費額は、公表値(人泊単位)から当社が計算し、表では万人泊未満を四捨五入して示した。7〜12月平均のADRは6か月の月次値の単純平均で、増減率はその平均どうしの比である。速報値は集計に使わず、2024年は2025年8月26日付の正誤表による訂正後の値を用いた。

■ 限界・留意点

宿泊旅行統計調査は標本調査を含む推計値であり、2014年の月別値は四半期調査の月別内訳である。2026年1月分からは層化基準が変わるため、本記事の系列とそのまま接続して比べることはできない。推定成約ADRは推定値(REIT開示実績との照合で誤差中央値約7%)で、全国の人泊と三都市の単価は対象とする母集団が異なる。

■ 出典

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