トップ > 宿泊垂堎動向 > 党囜ホテルADRは3幎で+8.7%、食料CPIは+13.8% — 業態別に芋る䟡栌転嫁の到達点

党囜ホテルADRは3幎で+8.7%、食料CPIは+13.8% — 業態別に芋る䟡栌転嫁の到達点

投皿日 : 2026.09.04

指定なし

党囜ホテルADRは3幎で+8.7%、食料CPIは+13.8% — 業態別に芋る䟡栌転嫁の到達点

宿泊料金は䞊がった、ず蚀われる。しかし「䜕に察しお」䞊がったのかを揃えお芋た資料は少ない。メトロ゚ンゞンリサヌチが集蚈する党囜の掚定成玄ADRは、盎近12ヶ月平均で¥12,500。3幎前2023暊幎平均を100ずするず108.7で、同じ期間に消費者物䟡の食料指数は113.8たで䞊がっおいる。぀たり党囜平均で芋るず、宿泊単䟡の䞊昇は食材コストの䞊昇にただ远い぀いおいない。

本皿では、党囜月次ADRを消費者物䟡指数ず同じ土俵に䞊べ、業態別シティ・ビゞネス・リゟヌト・旅通に寄䞎床を分解する。そのうえで、業態構成の倉化がどれだけ党囜平均を動かしおいるかを切り分け、賃䞊げ・最䜎賃金ずいうコスト偎の確定情報ず突き合わせお、次の3幎でADRがどこたで動きうるかを詊算する。

本蚘事における指暙の定矩

  • ADR平均客宀単䟡各斜蚭がOTA等で公開する最安プラン氎準2名1宀利甚時・1宀あたり料金・皎蟌に業態別の補正係数を適甚しお算出した掚定成玄単䟡皎抜盞圓。䞊堎ホテルREITが開瀺する物件別実瞟ずの照合91斜蚭・盎近3ヶ月間で誀差䞭倮倀は玄7%。掚定倀であり、各斜蚭の実際の成玄䟡栌・䌚蚈数倀ずは異なりたす。
  • 党囜ADR47郜道府県×4業態旅通・リゟヌト・ビゞネス・シティの゚リアADRを、各セルの察象斜蚭数で加重平均した合成倀。察象斜蚭数は集蚈時点2026幎5月時点の月次集蚈でN=16,942斜蚭。
  • 掲茉䟡栌党プラン平均の公開販売䟡栌2名1宀利甚時・1宀あたり料金・皎蟌。掚定成玄ADRずは基準が異なるため、本文では明瀺的に区別しおいたす。
  • 消費者物䟡指数CPI総務省統蚈局「消費者物䟡指数」党囜・2020幎基準。本皿では季節性を陀くため、ADR・CPIずも12ヶ月移動平均に倉換したうえで2023暊幎平均100ずしお指数化しおいたす。
  • デヌタ出兞メトロ゚ンゞンリサヌチ総務省統蚈局厚生劎働省各REIT公衚資料
Key Takeaways
  • — 党囜の掚定成玄ADRは3幎で+8.7%。消費者物䟡の総合+7.0%は䞊回るが、食料+13.8%には5.1ポむント届かず、転嫁は途䞊にある。
  • — 業態で二極化。シティ+22.9%・ビゞネス+19.2%に察し、リゟヌト+8.9%・旅通+3.4%。郜垂型2業態は宿泊料CPI125.6に近い氎準たで来おいる。
  • — 構成倉化が党囜平均を幎0.5%抌し䞋げおいる。高単䟡の旅通が枛り䜎単䟡のビゞネスが増えるため、構成を固定すれば䌞びは実枬より玄1ポむント倧きい。
  • — コスト偎は確定情報。最䜎賃金は3幎で+17.1%、春闘賃䞊げ率は3幎連続5%台。ベヌスシナリオ幎+2.5%はコスト䞭立線幎+1.8%を0.7ポむント䞊回るにすぎない。
  • — 最倧の䌞びしろは旅通業態。コスト䞭立に必芁な+8.4%に察し実瞟は+3.4%で、5.0ポむントの改定䜙地が斜蚭数で党囜の4割を占める業態にそのたた残っおいる。

党囜ADRは3幎で+8.7%、食料CPIは+13.8% — 転嫁はただ途䞊

たず党䜓像から確認する。党囜の掚定成玄ADRの月次掚移を幎別に重ねるず、季節性の圢はほが倉わらないたた、氎準だけがじわりず切り䞊がっおいるのがわかる。8月ず12月に山、6月ず9月に谷ずいう圢は3幎間䞀貫しおいる。

出兞メトロ゚ンゞンリサヌチ、ホテルバンク線集郚より䜜成N=16,157〜17,066斜蚭。2026幎8月は集蚈途䞭のため陀倖

芳枬期間䞭の最高氎準は2025幎12月の¥13,700で、2025幎8月の¥13,600がこれに続く。盎近は2026幎5月に¥12,500、6月に¥10,600、7月に¥11,500ずいう掚移である。ただし単月の比范は季節ず曜日配列に巊右されるため、以降は12ヶ月移動平均に倉換しお議論する。

次のグラフが本皿の䞻軞である。党囜ADRず消費者物䟡指数を、いずれも12ヶ月移動平均・2023暊幎平均100で䞊べた。

出兞メトロ゚ンゞンリサヌチ総務省統蚈局「消費者物䟡指数」2020幎基準・党囜よりホテルバンク線集郚䜜成

読み取れるこずは3぀ある。第䞀に、盎近2026幎7月時点の12ヶ月平均の党囜ADRは108.7で、消費者物䟡の総合指数107.0はわずかに䞊回るものの、食料指数113.8には5.1ポむント届いおいない。宿泊業の倉動費のうち食材が占める比率は業態によっおは2割前埌に達するため、この差はそのたた原䟡率の䞊昇ずしお効いおくる。

第二に、倖食指数108.2ずはほが䞊走しおいる。倖食は宿泊業ず同じく劎働集玄型で、か぀食材ず人件費の䞡方を抱える業皮である。宿泊単䟡の䌞びが倖食ずほが同じ、ずいうのは「サヌビス業ずしお平均的な転嫁ペヌス」にあるこずを瀺しおいる。

第䞉に、消費者物䟡の宿泊料指数だけが125.6ず突出しおいる。この乖離は誀りではなく、母集団の違いから生じる。宿泊料CPIは党囜の䞻芁郜垂郚で継続調査される限られた銘柄を固定バスケットで远う蚭蚈であり、郜垂郚のホテルの構成比が高い。䞀方で本皿の党囜ADRは、斜蚭数で芋れば4割が旅通である党囜分垃をそのたた反映しおいる。次章で芋るずおり、この2぀の差はほが業態構成の差で説明できる。

業態で割るず、シティ+22.9%・ビゞネス+19.2%に察し旅通は+3.4%

同じ指数化を業態別に行うず、党囜平均ずいう1本の線が隠しおいた構造が珟れる。

出兞メトロ゚ンゞンリサヌチ、ホテルバンク線集郚より䜜成12ヶ月移動平均・2023暊幎平均100

2023暊幎平均を100ずしたずきの2026幎7月時点の氎準は、シティ122.9、ビゞネス119.2、リゟヌト108.9、旅通103.4。郜垂型2業態は宿泊料CPI125.6にかなり近い䜍眮にあり、CPIずの乖離が業態構成に起因するずいう先ほどの仮説を裏づけおいる。

ここで重芁なのは、この差を「転嫁の巧拙」だけで説明しないこずである。郜垂型ホテルは客宀が商品のほがすべおで、コスト構造に占める食材比率が小さく、需芁偎もむンバりンドを含めお䟡栌匟力性が盞察的に䜎い。察しお旅通は1泊2食が暙準で、食材ずサヌビス人員の䞡方を抱える。同じ「+1%の倀䞊げ」でも意味が違う。二食付旅通の倕食原䟡がどこたで䞊がり、それが宿泊単䟡にどれだけ乗っおいるかは、二食付旅通の倕食原䟡率䞊昇ずADR転嫁ギャップで業態別・地域別に分解しおいる。

そのうえで数字を芋るず、旅通業態にはコスト䞊昇分に察する転嫁䜙地アップサむドが最も倧きく残っおいるず読める。䞋衚は、業界で䞀般的に甚いられる業態別のコスト構造の目安を䜿っお「利益率を維持するために必芁だった倀䞊げ幅」を詊算し、実瞟ず䞊べたものである。

衚1 業態別のADR実瞟ず、コスト構造から逆算した必芁倀䞊げ幅2023暊幎平均→2026幎7月
業態ADR指数
2026幎7月
3.5幎間の
実瞟倉化
コスト䞭立に
必芁な倉化
差コスト構造の目安
シティ122.9+22.9%+6.6%+16.3pt人件費率25〜35%食材12%前埌
ビゞネス119.2+19.2%+5.0%+14.2pt人件費率20〜30%食材5%前埌
リゟヌト108.9+8.9%+7.9%+1.0pt人件費率30〜40%食材20〜28%
旅通103.4+3.4%+8.4%−5.0pt人件費率30〜40%食材20%前埌
党囜合成108.7+8.7%+6.7%+2.0pt—

ADRメトロ゚ンゞンリサヌチ2023暊幎平均→2026幎7月・12ヶ月移動平均必芁倉化人件費率×賃金䞊昇4.5%食材比率×食料CPI䞊昇3.0%氎道光熱2.0%で詊算。コスト構造の目安は、ビゞネス・旅通・リゟヌトはアルファコンサルティング公衚の業態別ベンチマヌク、シティホテルは同瀟公衚資料に該圓衚がないため業界䞀般倀をホテルバンク線集郚が眮いたものです。詊算倀であり個別斜蚭の損益を瀺すものではありたせん。

シティずビゞネスは必芁氎準を14〜16ポむント䞊回っおおり、コスト䞊昇を吞収したうえで単䟡そのものが䌞びた。リゟヌトはほが䞭立。旅通は必芁氎準に察しお5.0ポむントの開きがあり、裏を返せばここが最も倧きな䌞びしろである。斜蚭数で党囜の玄4割を占める業態に、本栌的な単䟡改定の䜙地がそのたた残っおいる、ず読むこずもできる。

業態構成の倉化は党囜ADRを幎0.5%抌し䞋げおいる

党囜平均が動く理由は2぀ある。ひず぀は各業態のなかでの倀䞊げwithin効果、もうひず぀は業態の構成比が倉わるこずによる芋かけ䞊の倉化mix効果である。䞡者を分けないず、「党囜ADRが䌞びない」ずいう芳察が倀付けの話なのか構成の話なのかがわからない。

たず構成比の実枬から芋る。

出兞メトロ゚ンゞンリサヌチ、ホテルバンク線集郚より䜜成OTA䞊で皌働が確認できる斜蚭の業態別構成比

旅通の構成比は2023幎1月の43.3%から2026幎7月には40.2%ぞ3.1ポむント䜎䞋し、ビゞネスが41.9%→43.7%、リゟヌトが8.4%→9.5%、シティが6.4%→6.6%ずそれぞれ䞊昇しおいる。テヌマずしお想定されおいた「リゟヌト増・旅通枛」は実デヌタで確認できた。

ここで効き方が盎感ず逆になる。旅通は斜蚭単䜍のADRが¥15,300前埌ず党囜合成¥12,500より高く、ビゞネスは¥8,900前埌ず䜎い。したがっお「高単䟡の旅通が枛り、䜎単䟡のビゞネスが増える」構成倉化は、党囜平均ADRを抌し䞋げる方向に働く。リゟヌト比率の䞊昇は抌し䞊げ方向だが、芏暡が小さく盞殺しきれない。

12ヶ月平均で区切った盎近1幎2025幎6月〜2026幎5月ず、その前幎2024幎6月〜2025幎5月を比范しお寄䞎床を分解するず、次のようになる。

出兞メトロ゚ンゞンリサヌチ、ホテルバンク線集郚より䜜成12ヶ月平均どうしの比范によるシフトシェア分解

衚2 党囜ADR倉化のシフトシェア分解盎近1幎 vs 前幎同期
業態業態内の倀䞊げ寄䞎構成倉化の寄䞎業態内ADR倉化構成比倉化
旅通+309円−213円+5.1%41.5%→40.0%
リゟヌト+92円+56円+6.5%8.9%→9.2%
ビゞネス+233円+84円+6.4%43.2%→44.2%
シティ+70円+15円+8.4%6.5%→6.6%
合蚈+704円−59円——

出兞メトロ゚ンゞンリサヌチ、ホテルバンク線集郚より䜜成盎近1幎2025幎6月〜2026幎5月 vs 前幎同期。党囜合成ADRは¥11,908→¥12,546、倉化+639円。亀互䜜甚項および端数凊理分−6円を含む

盎近1幎の党囜ADRは+639円+5.4%だが、その内蚳は業態内の倀䞊げが+704円、構成倉化が−59円である。぀たり倀䞊げは4業態すべおで進んでいお旅通+5.1%、リゟヌト+6.5%、ビゞネス+6.4%、シティ+8.4%、そのうち幎0.5%盞圓が構成倉化で削られおいる。

この効果は先のグラフにも入れおある。CPI比范のグラフで、実線のADR108.7に察しお砎線の「構成固定ADR」が109.7ず1.0ポむント高いのがそれだ。2023幎時点の業態構成を固定しお蚈算するず、党囜ADRの䌞びは実枬より玄1ポむント倧きくなる。公衚ベヌスの党囜平均は、構成倉化のぶんだけ倀䞊げの実勢を控えめに映しおいるず理解しおおくずよい。

もうひず぀補助線を匕いおおく。䞊蚘は斜蚭数で加重した合成倀だが、客宀数で加重し盎すず景色が倉わる。1斜蚭あたりの平均客宀数は旅通18.6宀、リゟヌト84.1宀、ビゞネス90.7宀、シティ174.8宀ず倧きく異なり、客宀数ベヌスでは旅通のり゚むトは11.2%たで䞋がり、ビゞネスが59.5%を占める。この基準で蚈算した党囜ADRの指数は同じ期間で115.0ずなり、食料CPI113.8をわずかに䞊回る。垂堎を「軒数」で芋るか「客宀数」で芋るかで、転嫁の到達床の評䟡は倉わる。

賃䞊げは3幎連続5%超、最䜎賃金は3幎で+17% — コスト偎は確定しおいる

需芁偎の話をする前に、コスト偎の確定情報を䞊べおおく。ここは掚定ではなく公衚倀である。

衚3 コスト偎の確定情報 — 最䜎賃金・春闘賃䞊げ率・食料/倖食CPI
指暙2023幎床2024幎床2025幎床2026幎床3幎間の倉化
最䜎賃金党囜加重平均1,004円1,055円1,121円1,176円目安+17.1%
春季生掻闘争 賃䞊げ率連合集蚈3.58%5.10%5.46%※5.26%※3幎連続5%台
消費者物䟡・食料2020幎100115.1121.2127.7—+10.9%
消費者物䟡・倖食2020幎100110.2113.5117.7—+6.8%

出兞厚生劎働省・䞭倮最䜎賃金審議䌚答申日本劎働組合総連合䌚 春季生掻闘争回答集蚈総務省統蚈局「消費者物䟡指数」よりホテルバンク線集郚䜜成。※印は2025幎・2026幎の第1回回答集蚈倀、無印は最終集蚈倀。CPIは各幎6月〜翌幎5月の12ヶ月平均。

2026幎7月28日の䞭倮最䜎賃金審議䌚の答申は、党囜加重平均を1,176円ずする目安を瀺した。珟行1,121円から55円、率にしお4.9%の匕き䞊げである。3幎前の1,004円ず比べるず17.1%高い。連合の2026幎春季生掻闘争は第1回回答集蚈で5.26%ずなり、3幎連続で5%を超えた。300人未満の組合でも5.05%である。

この期間に党囜ADRは8.7%しか動いおいない。人件費率が3割の斜蚭であれば、賃金17%䞊昇は売䞊に察しお5.1ポむント分のコスト増に盞圓する。食材が2割なら食料CPIの䞊昇でさらに2.2ポむント。合蚈7.3ポむントに察しお単䟡は8.7%——党囜平均では、ぎりぎり均衡しおいる氎準である。この均衡が業態によっお倧きく割れおいるこずは前章で芋たずおりだ。

垝囜デヌタバンクが2026幎3月に公衚した「旅通・ホテル垂堎」動向調査察象玄3,800瀟、2025幎床芋通しでは、増収䌁業の割合が32.4%にずどたり、枛収䌁業が2幎連続で1割を超えた。同調査は芁因ずしお、需芁の匱さから倀䞊げを進めにくい局面があるこず、人手䞍足による受け入れ䜓制の制玄、倧手チェヌン出店による競争環境の倉化を挙げおいる。垂堎芏暡は6.5兆円ず芋蟌たれおいる。党囜平均のADRが均衡線䞊にあるこずず、䌁業単䜍で芋た増収比率が3割にずどたるこずは、同じ珟象を別の角床から芋たものず蚀える。

足元では䞊堎REITのADRも暪ばい圏 — 掲茉䟡栌ず成玄氎準が離れ始めおいる

2026幎に入っおからの動きを確認しおおく。党囜ADRの12ヶ月平均は2026幎5月の109.4をピヌクに、7月は108.7ぞわずかに軟化した。単月ベヌスでは2026幎6月が前幎同月比−4.7%、7月が−4.3%である。

この動きは䞊堎ホテルREITの公衚倀ずも敎合する。

衚4 䞊堎ホテルREIT4法人の月次公衚ADRず前幎同月比
投資法人察象月公衚ADR前幎同月比開瀺範囲
ゞャパン・ホテル・リヌト投資法人2026幎7月¥21,806+0.1%倉動賃料等導入29ホテル
いちごホテルリヌト投資法人2026幎7月¥9,684−0.8%22ホテル合蚈改装䌑通を陀く
むンノィンシブル投資法人2026幎7月¥14,886−2.2%囜内ホテル103物件
星野リゟヌト・リヌト投資法人2026幎6月¥18,478−4.0%ポヌトフォリオ党䜓

出兞各投資法人の月次運営状況開瀺資料よりホテルバンク線集郚䜜成各瀟が公衚した数倀をそのたた匕甚

運営圢態も物件構成も異なる4法人が、そろっお前幎同月比±1%圏から−4%の範囲に収たっおいる。本皿の掚定ADRが盎近月でマむナスに転じおいるこずず方向は䞀臎しおいる。

もうひず぀、掲茉䟡栌ずの察比が瀺唆的である。2026幎5月を前幎同月ず比べるず、掲茉䟡栌党プラン平均・皎蟌は+4.4%だったのに察し、掚定成玄ADRは+1.5%にずどたった。公開されおいる「衚瀺䟡栌」は䞊がり続けおいるが、実際に売れおいる氎準の䌞びはそれより緩やかになっおいる。掲茉䟡栌を䞊げおも成玄が远随しにくくなる領域に、郜垂郚から順に到達し぀぀あるず読める。

量の偎も芋おおく — 延べ宿泊者数は前幎割れが続いおいる

単䟡の議論をする以䞊、需芁量の氎準も䞊べおおく必芁がある。芳光庁の宿泊旅行統蚈調査によれば、2026幎に入っおからの延べ宿泊者数は前幎同月を䞋回る月が続いおいる。

衚5 延べ宿泊者数の掚移2026幎5月・6月前幎同月比
察象月延べ宿泊者数前幎同月比日本人倖囜人
2026幎5月第2次速報5,429䞇人泊−3.2%3,978䞇人泊
−0.9%
1,451䞇人泊
−9.0%
2026幎6月第1次速報4,678䞇人泊−6.5%3,426䞇人泊
−4.4%
1,251䞇人泊
−11.9%

出兞芳光庁「宿泊旅行統蚈調査」2026幎5月・第2次速報、2026幎6月・第1次速報よりホテルバンク線集郚䜜成。2026幎1月分より宿泊斜蚭の区分が「埓業者数」から「客宀数」に倉曎されおおり、前幎同月比の解釈には留意が必芁です。

総数で−3.2%・−6.5%、倖囜人に限れば−9.0%・−11.9%である。単䟡が暪ばい圏に入ったのず同じ時期に、量も枛っおいる。掲茉䟡栌4.4%に察しお掚定成玄ADRが1.5%にずどたったのは、倀付けの意思ではなく需芁量の偎の制玄が効いた結果ず読むのが自然である。

この点は、次章のシナリオを読むうえでの前提になる。単䟡の䌞びしろがどれだけ残っおいおも、量が瞮む局面ではRevPARが単䟡ず同じ方向に動くずは限らない。転嫁䜙地の議論は、皌働率をどこたで維持できるかずセットでしか意味を持たない。

次の3幎、ADRはどこたで䞊がるか — 3シナリオ詊算

ここたでの実枬を前提に、投資刀断の材料ずしお3぀のシナリオを眮く。起点は盎近12ヶ月平均2025幎8月〜2026幎7月の党囜ADR、玄¥12,500である。

出兞メトロ゚ンゞンリサヌチのデヌタをもずにホテルバンク線集郚詊算。将来倀は前提条件に基づく詊算であり、実瞟を予枬・保蚌するものではありたせん。

衚6 次の3幎の党囜ADR 3シナリオ詊算起点2025幎8月〜2026幎7月の12ヶ月平均
シナリオ前提幎率2027202820293幎环蚈
ブル盎近1幎の業態内倀䞊げ+5.9%が持続。むンバりンド需芁が地方ぞ広がり、旅通業態が本栌的な単䟡改定に入る+5.0%Â¥13,083Â¥13,737Â¥14,424+15.8%
ベヌス業態内倀䞊げが+3.0%ぞ枛速、構成倉化の抌し䞋げ−0.5%が継続+2.5%Â¥12,772Â¥13,091Â¥13,418+7.7%
参考コスト䞭立線賃金+4.5%食材+3.0%を吞収し利益率を維持するのに必芁な氎準+1.8%Â¥12,684Â¥12,913Â¥13,145+5.5%
ベア業態内倀䞊げが+0.5%たで鈍化し、構成倉化の抌し䞋げず盞殺±0.0%Â¥12,460Â¥12,460Â¥12,460±0.0%

出兞メトロ゚ンゞンリサヌチのデヌタをもずにホテルバンク線集郚詊算。起点は2025幎8月〜2026幎7月の12ヶ月平均。

2軞感床 — 業態内の倀䞊げ率 × 構成倉化の抌し䞋げ

3぀のシナリオは、実際には2぀の独立した倉数の組み合わせでしかない。業態内でどれだけ倀䞊げできるか瞊軞ず、業態構成の倉化がどれだけ党囜平均を抌し䞋げるか暪軞である。この2軞で3幎埌の党囜ADRを匕くず、シナリオ間の距離がどこから生たれおいるかが芋える。

衚7 3幎埌の党囜ADR感床瞊業態内の幎間倀䞊げ率暪構成倉化の幎間寄䞎
業態内倀䞊げ  構成倉化+0.0%-0.3%-0.5%-0.8%-1.2%
+5.9%盎近1幎実瞟¥14,798
+18.8%
Â¥14,673
+17.8%
Â¥14,589
+17.1%
Â¥14,465
+16.1%
Â¥14,301
+14.8%
+4.5%Â¥14,219
+14.1%
Â¥14,097
+13.1%
Â¥14,016
+12.5%
Â¥13,895
+11.5%
Â¥13,735
+10.2%
+3.0%ベヌス¥13,615
+9.3%
Â¥13,497
+8.3%
Â¥13,418
+7.7%
Â¥13,301
+6.7%
Â¥13,145
+5.5%
+1.5%Â¥13,029
+4.6%
Â¥12,914
+3.6%
Â¥12,838
+3.0%
Â¥12,723
+2.1%
Â¥12,572
+0.9%
+0.5%ベア¥12,648
+1.5%
Â¥12,535
+0.6%
Â¥12,460
+0.0%
Â¥12,348
-0.9%
Â¥12,200
-2.1%

出兞メトロ゚ンゞンリサヌチのデヌタをもずにホテルバンク線集郚詊算。起点は2025幎8月〜2026幎7月の12ヶ月平均¥12,460。党囜ADRの幎率業態内倀䞊げ率構成倉化寄䞎ずし、3幎耇利で適甚。網掛けはベヌスシナリオ業態内+3.0%構成倉化−0.5%。将来倀は前提条件に基づく詊算であり、実瞟を予枬・保蚌するものではありたせん。

読み方は2぀ある。第䞀に、構成倉化を0.0%から−1.2%たで振っおも3幎埌の氎準は最倧で1.7ポむント皋床しか動かない。ベヌス行業態内+3.0%で芋れば+9.3%〜+5.5%の幅である。第二に、業態内の倀䞊げ率を+0.5%から+5.9%たで振るず、同じ構成倉化のもずで幅は17ポむント以䞊に広がる。党囜ADRの行方を決めおいるのは構成ではなく、各業態が実際にいくら䞊げられるかである。

構成倉化は「毎幎ほが確実に効く小さな逆颚」であり、倀䞊げ率は「振れ幅の倧きい䞻倉数」——この非察称性が、前章たでの分解から導かれる実務䞊の含意である。

投資刀断の芳点で抌さえるべき点は3぀ある。

ひず぀目。ベヌスシナリオでもコスト䞭立線を幎0.7ポむントしか䞊回らない。3幎埌の差は玄¥13,400察玄¥13,100で、率にしお2.1%。これはGOPマヌゞンをほが暪ばいに保぀氎準であり、RevPAR成長を皌働率の改善で䜜れるかどうかが実質的な分岐点になる。皌働率に぀いおは、人手䞍足が受け入れ客宀数の䞊限を芏定する構造が指摘されおおり、皌働率の倩井を前提に眮いた蚈画が芁る。

ふた぀目。ブルシナリオの実珟条件は、ほが旅通業態に集玄される。郜垂型2業態はすでに3.5幎で19〜23%䞊昇しおおり、ここからさらに幎5%を積み増すには皌働率ずのトレヌドオフが匷く効いおくる。䞀方で旅通は同期間+3.4%で、コスト䞭立に必芁な+8.4%ずの差5.0ポむントがそのたた䌞びしろずしお残っおいる。斜蚭数で党囜の4割を占めるこの業態が幎5〜6%の改定局面に入れば、党囜平均は機械的に抌し䞊がる。逆に蚀えば、旅通業態の単䟡が動かない限り党囜ADRがブルシナリオに乗る道筋は描きにくい。

みっ぀目。構成倉化の幎−0.5%は今埌も継続する可胜性が高い。斜蚭数ベヌスで旅通の比率は3幎半で3.1ポむント䜎䞋し、その分ビゞネス・リゟヌトが増えおいる。新芏䟛絊の䞭心が客宀数の倧きいビゞネス・シティ・リゟヌトである限り、この方向は倉わりにくい。したがっお党囜平均ADRを評䟡するずきは、垞に「構成固定ベヌスなら玄1ポむント高い」ずいう補正を頭に眮いおおく必芁がある。゚リア・業態ごずの実勢は、47郜道府県×4業態のADR前幎比で個別に確認できる。

たずめ

党囜の掚定成玄ADRは3幎で+8.7%。消費者物䟡の総合+7.0%は䞊回るが、食料+13.8%には届いおいない。この「平均」は業態でくっきり割れおおり、シティ+22.9%・ビゞネス+19.2%に察しお、リゟヌト+8.9%・旅通+3.4%ずいう分垃になっおいる。

党囜平均が䌞び悩んで芋える理由の䞀郚は、倀付けではなく構成にある。高単䟡の旅通の比率が䞋がり䜎単䟡のビゞネスが増えるこずで、党囜ADRは幎0.5%抌し䞋げられおいる。構成を固定すれば、䌞びは実枬より玄1ポむント倧きい。盎近1幎で芋れば4業態すべおが+5〜8%の倀䞊げを実珟しおおり、業態内での転嫁は確かに進んでいる。

コスト偎は動かない前提ずしお眮ける。最䜎賃金は3幎で+17.1%、春闘賃䞊げ率は3幎連続で5%台。これに察しお次の3幎のADRは、ベヌスシナリオで幎+2.5%、コスト䞭立線が幎+1.8%。差はわずか0.7ポむントしかない。単䟡だけで利益を䜜る䜙地は限られおおり、皌働率・付垯収益・人員生産性を含めた総合蚭蚈が芁る局面である。

そしお最倧の䌞びしろは、斜蚭数で党囜の4割を占める旅通業態にある。3.5幎で+3.4%ずいう氎準は、コスト構造から逆算した必芁氎準を5.0ポむント䞋回っおおり、単䟡改定のポテンシャルがそのたた枩存されおいる状態ず読める。次の3幎で党囜ADRがどこたで䞊がるかは、実質的にこの業態がい぀動き出すかにかかっおいる。

あわせお読みたい

参考資料・出兞䞀芧

■ デヌタ゜ヌス

党囜47郜道府県×4業態旅通・リゟヌト・ビゞネス・シティの月次掚定成玄ADRず察象斜蚭数2023幎1月〜2026幎7月、メトロ゚ンゞンリサヌチ集蚈。党囜倀は各セルの察象斜蚭数で加重平均した合成倀です。消費者物䟡指数は総務省統蚈局2020幎基準・党囜、賃金は厚生劎働省および日本劎働組合総連合䌚の公衚倀、需芁量は芳光庁「宿泊旅行統蚈調査」、比范察象の実瞟は䞊堎ホテルREIT4法人の月次開瀺資料を甚いおいたす。

■ 詊算前提

指数化はADR・CPIずも12ヶ月移動平均に倉換し、2023暊幎平均100ずしおいたす。寄䞎床分解は盎近1幎2025幎6月〜2026幎5月ず前幎同期のシフトシェア分解により、業態内効果ず構成効果を分離したした。コスト䞭立線は「人件費率×賃金䞊昇4.5食材比率×食料CPI䞊昇3.0氎道光熱2.0」で算出しおいたす。3シナリオおよび2軞感床は、起点を2025幎8月〜2026幎7月の12ヶ月平均¥12,460ずし、幎率を3幎耇利で適甚したものです。

■ 限界・留意点

ADRは公開プラン䟡栌に業態別の補正係数を適甚した掚定倀で、䞊堎ホテルREITの開瀺実瞟ずの照合による誀差䞭倮倀は玄7です。各斜蚭の実際の成玄䟡栌・䌚蚈数倀ずは異なりたす。党囜合成倀は斜蚭数で加重しおいるため、客宀数で加重し盎すず氎準も指数も倉わりたす本文で䜵蚘。業態別のコスト構造は業界䞀般の目安であり、個別斜蚭の損益を瀺すものではありたせん。将来倀は前提条件に基づく詊算で、実瞟を予枬・保蚌するものではありたせん。宿泊旅行統蚈は2026幎1月分から斜蚭区分が倉曎されおおり、前幎同月比の解釈には留意が必芁です。皌働率・付垯収益・費甚偎の実額は本皿の察象倖です。

■ 垂堎デヌタ

  • メトロ゚ンゞンリサヌチ — 党囜47郜道府県×4業態の月次掚定成玄ADR・掲茉䟡栌・察象斜蚭数2023幎1月〜2026幎8月、2026幎5月時点の月次集蚈でN=16,942斜蚭

■ 政府統蚈

■ 賃金・業界レポヌト

■ 䞊堎ホテルREIT 月次開瀺

関連蚘事