眠っていたデータから新たな付加価値を
インバウンド
訪日外国人の旅行先は、東京・大阪・京都のゴールデンルートから地方へと静かに広がり続けている。2026年5月の訪日外客数は全体で前年同月比3.6%減ながら、韓国・台湾・米国を含む19市場が5月として過去最高を記録した。総数の伸びが鈍化するなかでも、個人客(FIT)の地方分散はむしろ加速している。そこで本稿では、宿泊者口コミから抽出した「多言語対応」「英語が通じる」というスタッフ評価タグを国別の言及デ...
新規開業・供給
2026年に国内で新たに稼働を確認できた宿泊施設のうち、最も多いカテゴリは「ビジネスホテル」でも「旅館」でもない。貸別荘である。メトロエンジンリサーチが把握する範囲で、2026年に開業(OTA掲載確認ベース)した758施設のうち、貸別荘は365軒・全体の48.2%を占めた。コテージ25軒・町家30軒を加えた「自炊・1棟貸し系」は420軒、実に全開業の55.4%に達する。本稿では、この供給構造の地殻...
調査
「朝食で旅先らしさを感じたい」——そんな声が、いま全国の宿泊者口コミで静かに増えています。焼きたてパンや作りたての卵料理に加え、その土地ならではの食材・郷土料理を朝の食卓に並べる宿が、満足度の面で確かな支持を集めはじめています。本稿では、宿泊者口コミから抽出した「地元食材・郷土料理を朝食に使用」という評価軸に絞り、全国をエリア別にランキングします。卵・パン・和定食といった朝食の定番要素ではなく、あ...
東京都
投資・開発
ホテル用地を仕入れるとき、私たちは「いま需要があるか」を見る。だが用地取得から開業まで3〜5年、その後の保有は10年を超える。本当に問うべきは「10年後・15年後も需要が伸びているか」である。本稿では、その問いに二つの成長エンジン――将来の居住人口の伸び(2040年推計)と現在の就業集積(商圏の厚み)――を掛け合わせて答える。全国の主要駅・再開発候補30地点を横断し、居住成長(2040年人口がプラ...
客層・セグメント分析
料理でも、客室でも、立地でもない。「お湯そのもの」を理由に選ばれる宿が確かに存在する。とろりとした肌触り、乳白色のにごり湯、湯上がりのすべすべ感――こうした泉質(湯質)への高い評価は、宿が持つ最も模倣しにくい資産のひとつだ。本稿では、ホテルバンク編集部が宿泊者口コミから抽出した「泉質・湯質」評価タグを用い、全国で泉質が高く評価されている宿のランキング、評価の伸びているエリア、そして泉質訴求が手薄な...
京都府
長野県
季節・イベント
2026年の夏は「ダブル高気圧」による酷暑が予測され、9月前半まで残暑が厳しく続く見込みである。残暑が長引けば、紅葉の色づきは例年より後ろ倒しになりやすい。これは2025年に全国で実際に起きた現象でもある。本稿では、紅葉名所に近接する5エリア(京都・日光・箱根・蓼科・高山)の公開価格データとブッキングカーブを集計し、「9月はすでに予約が進む一方、10月後半が需要の穴になる」という秋の需要シフトを業...
沖縄県
北海道
2026年7月、海外旅行のコスト構造が一段と重くなる。原油高と円安を背景に燃油サーチャージが欧州・北米線で過去最高水準まで引き上げられ、同時に国際観光旅客税(いわゆる出国税)が1,000円から3,000円へと3倍に改定される。長距離海外旅行の固定費が家族単位で数十万円規模に膨らむなかで、これまで海外を選んでいた層の一部が国内リゾートへ目を向ける「需要シフト」が、2026年夏のテーマとして浮上してい...
熊本県
宮崎県
2026年7月1日(水)、熊本市と宮崎市が同じ日に宿泊税を新規導入する。両市とも「1人1泊200円」の定額制で、免税点を設けない極めてシンプルな設計だ。注目すべきは導入のタイミングである。7月1日は夏休み・お盆という年間最大級の需要ピークの直前にあたり、課税開始と繁忙期が真正面から重なる。本稿では、メトロエンジンリサーチのOTA公開価格データをもとに、課税前後の予約進度(ブッキングカーブ)とADR...
大分県
静岡県
「温泉に入りたいが、見知らぬ他人と裸で湯船を共にするのには抵抗がある」——これは、欧米・ASEANを中心とした訪日客が温泉体験の前で立ち止まる、もっとも一般的な心理的ハードルである。複数の調査で、訪日客の過半が共同浴(裸での大浴場利用)に抵抗を示すと報告されており、温泉を観光資源として磨き込む日本にとって、このギャップは無視できない。本稿では、この「裸での共同入浴への抵抗」を、英語をはじめとする多...
取材
浅草や押上にほど近い東京・墨田区本所で、一般賃貸では活用が難しかった90平米のメゾネットが、インバウンド向けのアパートメントホテル『間-HAZAMA-』として再生された。手がけたのは、ホテルやシェアハウスの企画・運営を行う株式会社Livmo。 収益性を求めて客室を詰め込むのではなく、定員をあえて6名に絞り、和モダンの設えとゆとりある滞在体験を設計した。建物の資産価値を高めながら、歴史ある下町の魅力...