トップ > 新規開業・供給 > コートヤード新横浜駅は12月18日開業 — 休業203室は駅1km圏の6.2%、港北区9月ADR+19.6%

コートヤード新横浜駅は12月18日開業 — 休業203室は駅1km圏の6.2%、港北区9月ADR+19.6%

投稿日 : 2026.11.06

神奈川県

新規開業・供給

コートヤード新横浜駅は12月18日開業 — 休業203室は駅1km圏の6.2%、港北区9月ADR+19.6%

東海旅客鉄道(JR東海)・ジェイアール東海ホテルズ・新横浜ステーション開発の3社は、新横浜駅直上の「ホテルアソシア新横浜」(203室)を「コートヤード・バイ・マリオット新横浜駅」として改装する計画で、2026年2月5日に開業時期を同年8月から12月へ改めると公表した。全館休業も「5月上旬〜8月」から「7月中旬〜12月」に延び、理由は改装の設計・施工契約の相手方との調整に時間を要したためと説明されている。その後10月21日には開業日が12月18日(金)に確定し、同日から宿泊予約の受付が始まった。本稿では、この休業で新横浜駅周辺から半年近く抜け落ちている203室が商圏の中でどの程度の重みを持つのかを、半径1km圏の客室ストックと港北区の月次推定成約ADR、そして12月の横浜アリーナ・日産スタジアムの日程と照らして読み解く。

本記事のデータについて
• ADR(平均客室単価)=各施設がOTA上で公開する最安プラン水準(2名1室利用時・1室あたり料金・税込)に業態別の補正係数を適用して算出した推定成約単価(税抜相当)。上場ホテルREITが開示する物件別実績との照合(91施設・直近3ヶ月間)で誤差中央値は約7%。推定値であり、各施設の実際の成約価格・会計数値とは異なります。
• エリア(都道府県・市区町村)単位のADRは、対象施設の推定成約単価の中央値(エリアの標準的な施設の水準)です。
• 掲載価格に言及する箇所は、2名1室利用時の1室あたり料金(税込)です。
• OCC(稼働率)=エリア内の総客室数に対する販売済み客室数の割合(OTA販売在庫に基づく推定値)。
• 出典:メトロエンジンリサーチ(国内約168,000施設のOTA公開価格を継続追跡、うち稼働確認済み約27,000施設)
Key Takeaways
  • — 12月18日(金)開業が10月21日に確定。2月5日の公表で開業は8月→12月へ約4か月後ろ倒しになり、全館休業は7月16日正午から約5か月に伸びた
  • — 休業203室は駅1km圏の6.2%(2025年ストック15軒・3,273室)。稼働中は14軒・3,070室で、シティ5軒1,505室・ビジネス9軒1,565室とほぼ半々
  • — 港北区の推定成約ADR(N=15施設)は7月+13.7%・8月−13.3%・9月+19.6%。西区・中区も同期間に±10%超振れており、休業との因果は切り分けられない
  • — 12月の平日公演日は12日。1km圏13施設の掲載価格中央値は公演のない平日1万4,600円前後に対し、Mr.Children・刀剣乱舞の平日公演日は2万円台、大みそかは4万8,800円
  • — 2026年9月の推定成約ADRで2万円以上の施設は0室。203室が2.2万円で戻ると圏の客室加重ADRは¥12,407→¥13,002(+4.8%)と試算される

リブランドの経緯と日程 — 8月開業が12月18日へ、休館は7月16日正午から

まずは時系列を整理したい。最初の発表は2025年8月28日で、JR東海・新横浜ステーション開発・ジェイアール東海ホテルズ・マリオット・インターナショナルの4社連名だった。東海道新幹線の新横浜駅直上という立地を生かし、国内のビジネス・観光客に加えて訪日客にも使いやすいホテルへ転換するため、神奈川県初の「コートヤード・バイ・マリオット」ブランドで2026年8月にリブランド開業する、という内容である。改装の柱は全客室の刷新、2部屋を内側ドアでつなぐコネクティングルームの2箇所新設、10階ロビーの拡張、12階ラウンジのデザイン一新の4点で、アソシアとしての営業は2026年5月上旬までと案内されていた。

ところが2026年2月5日、3社は「開業時期等の変更について」を公表し、リブランド開業を2026年12月へ、全館休業期間を2026年7月中旬〜12月へ改めた(6月から一部フロアを休業)。理由は「設計・施工契約の相手方との調整に時間を要したため」の一点で、5月7日以降停止していたアソシアとしての宿泊予約は7月中旬分まで受付を再開している。公式サイトによれば実際の休館は7月16日(木)12:00からで、以後は改装工事に入った。そして10月21日、ジェイアール東海ホテルズは開業日を12月18日(金)と発表し、同日からマリオット・ボンヴォイの公式サイトで予約受付を開始している。初回発表から数えると、開業は約4か月後ろ倒しになったが、休業期間は当初計画の約4か月から約5か月へ伸びた計算になる。

表1 リブランド計画の公表経緯(2025年8月〜2026年10月)
日付公表内容開業時期/休業期間
2025年8月28日リブランド計画を4社連名で発表。全客室改装・コネクティングルーム2箇所新設・10階ロビー拡張・12階ラウンジ刷新開業2026年8月/全館休業2026年5月上旬〜8月
2026年2月5日「開業時期等の変更について」。設計・施工契約の相手方との調整に時間を要したため開業2026年12月/全館休業2026年7月中旬〜12月(6月から一部フロア休業)
2026年7月16日ホテルアソシア新横浜として営業終了、12:00から休館(公式サイト)—
2026年10月21日開業日と予約受付開始を発表(ジェイアール東海ホテルズ)開業2026年12月18日(金)/予約受付は10月21日から

出典:JR東海・ジェイアール東海ホテルズ・新横浜ステーション開発「開業時期等の変更について」(2026年2月5日)、同「コートヤード・バイ・マリオット新横浜駅を2026年8月にリブランド開業」(2025年8月28日)、ジェイアール東海ホテルズ プレスリリース(2026年10月21日)、ホテルアソシア新横浜公式サイト

開業後の客室構成も10月21日の発表で明らかになった。全203室は7タイプで、約23㎡のゲストルームがツイン96室・キング84室と全体の約89%を占め、約28〜31㎡のラージャーゲストルームが14室、約51㎡のプレミアムゲストルームが7室、約25㎡のアクセシブルルームが2室という構成である。客室は13〜19階、10階にレセプションとフィットネス、朝食会場のロイヤルホスト(朝食ビュッフェは大人3,500円・税込)、12階に会議室2室とラウンジ「THE CROSS HUB」(8:00〜22:00)が入る。内装は鶴見川の舟運で栄えた新横浜の歴史を和船の曲線で表現するといい、設計はドイルコレクションが担当する。

表2 コートヤード・バイ・マリオット新横浜駅の客室構成(全203室)
客室タイプ広さ室数
ゲストルーム(ツイン)約23㎡96
ゲストルーム(キング)約23㎡84
アクセシブルルーム約25㎡2
ラージャーゲストルーム(ツイン)約28㎡7
ラージャーゲストルーム(キング)約31㎡7
プレミアムゲストルーム(ツイン)約51㎡4
プレミアムゲストルーム(キング)約51㎡3
合計(コネクティングルーム2箇所を含む)—203

出典:ジェイアール東海ホテルズ「『コートヤード・バイ・マリオット新横浜駅』2026年12月18日開業」(2026年10月21日)

休館前のアソシアがどんな評価を積み上げてきたかも触れておきたい。ホテルバンク編集部が集計した休館前直近24か月の宿泊者口コミ2,912件では、立地が4.76、従業員が4.76、清潔感が4.74(いずれも5点満点)と、駅直上の利便性と接客・清掃の評価が突出していた。改装で看板は替わるものの、運営はジェイアール東海ホテルズのまま引き継がれるため、この評価の土台は新ブランドにそのまま持ち込まれると考えてよい。

新横浜駅1km圏の客室ストック — 稼働中14軒3,070室、休業分203室は6.2%

では、203室の休業は商圏にとってどのくらいの規模か。メトロエンジンリサーチの集計では、ホテルアソシア新横浜から半径1,000m圏に客室数10室以上の宿泊施設(レジャーホテルを除く)が掲載ベースで17軒・3,507室あり、このうち直近3か月(2026年8月〜10月)に販売価格が確認できた「稼働中」の施設は14軒・3,070室である。年次で追うと、2025年時点のストックは15軒・3,273室で、2026年は14軒・3,070室に減っている。差分の203室がそのままアソシアの休業分であり、商圏全体に対する比率は6.2%になる。区分別では、ビジネスホテルが9軒・1,565室、シティホテルが5軒・1,505室と、875室の新横浜プリンスホテルを筆頭にシティ型が室数の約半分を担う構造になっている。

本記事の客室ストックは、ホテルアソシア新横浜から半径1,000m圏内にある客室数10室以上の宿泊施設(レジャーホテルを除く)を対象とし、「稼働中」は直近3か月(2026年8月〜2026年10月)に主要予約サイトで販売価格が確認できた施設を指す(2026年10月30日時点、メトロエンジンリサーチ集計)。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(半径1km圏・稼働中14施設+休館中のホテルアソシア新横浜、2026年10月30日時点)

地図で分かるとおり、稼働中14軒はすべて駅から400m以内に収まり、新幹線利用者と横浜アリーナ・日産スタジアムの来場者を同じ商圏で奪い合う構図にある。一覧にすると次のようになる。2026年9月の推定成約ADR(確定月)を添えたが、同じ駅前でも1万円を切る施設から1万6,000円台まで幅があり、客室規模と単価の対応は必ずしも一致しない。

表3 新横浜駅1km圏の稼働中14施設と休館中のアソシア(客室数・区分・2026年9月推定成約ADR)
施設客室数区分開業年アソシアからの距離2026年9月 推定成約ADR
新横浜プリンスホテル875シティホテル1992240m¥15,589
東横INN新横浜駅前新館288ビジネスホテル2002314m¥9,433
新横浜フジビューホテル スパ&レジデンス274シティホテル1979250m¥9,581
スーパーホテル 新横浜252ビジネスホテル2006265m¥11,986
ワシントンR&Bホテル新横浜駅前230ビジネスホテル2001308m¥10,910
新横浜国際ホテル206シティホテル1987248m¥10,680
ホテルアソシア新横浜(12月18日にコートヤード・バイ・マリオット新横浜駅として開業予定)203駅直上2008—休館中
THE DAY HOTEL ShinYokohama191ビジネスホテル2026348m¥11,456
ダイワロイネットホテル新横浜163ビジネスホテル2008335m¥12,594
ホテルリブマックス新横浜132ビジネスホテル2020372m¥11,811
ベストウェスタンホテルフィーノ新横浜108ビジネスホテル2020317m¥15,706
東横INN新横浜駅前本館105ビジネスホテル2002308m¥8,906
新横浜SKホテル96ビジネスホテル1985340m¥9,231
新横浜グレイスホテル80シティホテル1991166m¥16,157
ラグナスイート新横浜70シティホテル2009304m¥10,955

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(稼働中14施設、ADRは2026年9月の確定月・推定値)

港北区の月次推定成約ADR — 9月は前年比+19.6%、8月は−13.3%と月ごとに振れる

次に単価を見る。港北区の推定成約ADR(対象施設の中央値、N=15施設)は、2026年9月が1万1,500円で前年同月の9,600円から+19.6%だった。一方で8月は1万700円と前年の1万2,300円を-13.3%下回り、7月は1万3,000円で+13.7%と、休業期間と重なる3か月の前年差は月ごとに符号が入れ替わっている。神奈川県全体(N=579施設)は7月-7.9%・8月-7.5%・9月+5.6%で、港北区は7月と9月に県全体の前年比を大きく上回り、8月だけ県より深く沈んだ。アソシアの休業(7月16日〜)がこの振れにどう効いたかは、同時期に横浜アリーナの公演構成や新幹線需要も動いているため、本稿のデータだけで因果を断定することはできない。確認できるのは、203室が抜けた商圏で中央値が一方向に動いてはいない、という事実である。なお、神奈川県全体で9月の前年比がプラスへ反転した背景(5連休と前年の谷)は、神奈川県ホテルの推定成約ADR、2026年9月はシティ+15.8%・ビジネス+6.5%へ反転で曜日配列・連休・前年水準の3点に分解している。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(港北区・全区分、推定成約ADR=対象施設の中央値、N=15〜16施設。2026年10〜12月は調査時点の掲載水準に基づく推定)

表4 港北区と神奈川県の月次推定成約ADR(2026年4月〜9月の確定月、前年同月比)
月港北区 2026年港北区 2025年前年同月比神奈川県 2026年前年同月比
2026年4月¥14,580¥12,880+13.2%¥15,286+10.2%
2026年5月¥12,220¥12,688-3.7%¥14,535+3.3%
2026年6月¥11,786¥12,375-4.8%¥12,318-6.2%
2026年7月¥12,980¥11,421+13.7%¥12,784-7.9%
2026年8月¥10,676¥12,310-13.3%¥14,478-7.5%
2026年9月¥11,456¥9,578+19.6%¥14,154+5.6%

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(いずれも確定月の推定成約ADR、港北区N=15〜16施設・神奈川県N=564〜589施設)

港北区の振れが新横浜に固有のものかどうかは、同じ県内の都市部の区と並べると確かめやすい。同じ3か月の前年同月比を、確定月の推定成約ADRが比較できる横浜・川崎の主要区で見ると、横浜駅・みなとみらいを含む西区は7月+12.3%・8月+10.7%・9月+33.4%と3か月とも上振れし、関内・山下町の中区は7月−18.5%・8月−16.0%から9月+11.2%へ反転した。7月と8月の符号が港北区と逆になる区もあれば、9月に2桁の伸びをそろって示す区もあり、月ごとに±10%を超える振れ自体は横浜市内では珍しくない。アソシアの休業が港北区の中央値をどちらへ動かしたかを、この比較から切り出すことはできないが、9月の+19.6%が港北区だけの突出ではないことは確認できる。

表5 横浜・川崎の主要区の推定成約ADR 前年同月比(2026年7月〜9月の確定月)
区(主な駅・エリア)7月8月9月対象施設数 N
港北区(新横浜)+13.7%−13.3%+19.6%15〜16
西区(横浜駅・みなとみらい)+12.3%+10.7%+33.4%17
中区(関内・山下町)−18.5%−16.0%+11.2%51〜52
川崎区(川崎駅)+4.1%−0.6%+3.1%30〜32
中原区(武蔵小杉)+13.4%+7.0%+14.3%7〜8
神奈川県全体−7.9%−7.5%+5.6%564〜579

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(各区・全区分の推定成約ADR=対象施設の中央値、2026年7月〜9月と2025年同月の確定月を比較。対象施設数は2025年・2026年の両年の範囲。中原区はN=7〜8と小さく、1施設の出入りで中央値が動きやすい)

12月についてはまだ確定値がない。調査時点の掲載水準から推定した12月の港北区は1万4,100円、11月は1万3,900円で、2025年12月の確定値1万700円とは算出の基準が異なるため、ここから前年比を読むことは避けたい。掲載スナップショットはチェックイン日が近づくにつれて価格調整が入り、確定月の値と乖離するのが通例である。12月の需要の輪郭は、むしろ日別の掲載価格とイベント日程を重ねたほうが見えやすい。

12月の横浜アリーナ・日産スタジアム — 開業初日18日は3日連続公演の最終日

新横浜の宿泊需要を語るうえで横浜アリーナ(約1万7,000人収容)と日産スタジアム(約7万2,000席)は外せない。10月29日時点で各会場と主催者が公表している12月の日程を整理すると、横浜アリーナは12月2日・3日のMr.Children、5日・6日の緑黄色社会、16〜18日のミュージカル『刀剣乱舞』、20日・21日のUVERworld、28日・30日・31日の桑田佳祐と、平日を含めて月の半分近くが公演日で埋まる。日産スタジアムは13日(日)にJ1の横浜F・マリノス対V・ファーレン長崎、20日(日)にラグビー・リーグワンの横浜キヤノンイーグルス対東京サントリーサンゴリアス、26日(土)に5時間耐久リレーマラソンが入る。コートヤードの開業日12月18日(金)は、ちょうど刀剣乱舞3日間の最終日にあたる。

表6 横浜アリーナ・日産スタジアムの2026年12月の公演・試合日程(2026年10月29日時点の公表分)
日程会場公演・試合
12月2日(水)・3日(木)横浜アリーナMr.Children Tour 2026 “Saturday in the park”
12月5日(土)・6日(日)横浜アリーナ緑黄色社会 ARENA TOUR 2026
12月6日(日)日産スタジアム2026 DCJ オールジャパンチャンピオンシップス
12月7日(月)横浜アリーナMC TYSON “BAYSIDE STORY”
12月11日(金)横浜アリーナモーニング娘。コンサートツアー秋
12月13日(日)日産スタジアム明治安田J1リーグ 横浜F・マリノス vs V・ファーレン長崎
12月16日(水)〜18日(金)横浜アリーナミュージカル『刀剣乱舞』〜真剣乱舞祭2026〜
12月20日(日)日産スタジアムリーグワン2026-27 横浜キヤノンイーグルス vs 東京サントリーサンゴリアス
12月20日(日)・21日(月)横浜アリーナUVERworld LIVE “危ない” TOUR 2026
12月24日(木)横浜アリーナIdol Xmas Fes 2026
12月26日(土)日産スタジアム第12回 日産スタジアム5時間耐久リレーマラソン
12月28日(月)・30日(水)・31日(木)横浜アリーナ桑田佳祐 夏祭りツアー 2026(追加公演・大みそか公演を含む)

出典:横浜アリーナ・日産スタジアムの公式イベントカレンダーおよび各主催者の発表をもとにホテルバンク編集部が整理(2026年10月29日時点。日程は変更される場合がある)

この日程を、1km圏で稼働中の13施設(調査時点で12月の掲載価格が確認できた施設)の掲載価格中央値(2名1室・税込、10月下旬時点のスナップショット)に重ねると、需要の山がどこに立つかがはっきりする。公演のない平日の中央値が1万4,600円前後なのに対し、Mr.Childrenの2日(水)は2万1,800円、3日(木)は2万300円と前日1日(火)の1万4,500円から5割前後高い。刀剣乱舞の16日(水)〜18日(金)は2万3,600円・2万1,900円・2万4,400円で、直前の15日(火)1万4,600円から段差がつく。土曜は5日3万4,900円、12日2万7,900円、19日3万1,500円、26日3万2,100円と公演の有無にかかわらず高く、年末は28日2万6,200円、30日3万2,300円、大みそか31日は4万8,800円まで上がる。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(新横浜駅1km圏で稼働中の13施設、2026年12月の日別掲載価格の中央値・2名1室・税込。2026年10月下旬時点の掲載スナップショット)

興味深いのは日産スタジアムの試合日である。マリノス戦の13日(日)は1万4,400円、ラグビーとUVERworldが重なる20日(日)は2万1,600円と、前者は平日並み、後者は公演効果で一段高い。13時キックオフのサッカーは日帰り圏の観客が多く、宿泊需要への波及は夜公演のコンサートほど強く出ない、という従来の経験則どおりの形といえる。逆に言えば、平日の夜公演こそ新横浜の宿が単価を取れる日であり、12月は2日・3日・7日・11日・16〜18日・21日・24日・28日・30日・31日と、平日の公演日が12日ある。開業直後のコートヤードは、このうち18日以降の6日を初月から取り込める位置に立つ。スタジアム規模の公演が新横浜の単価をどこまで押し上げるかについては、横浜・日産スタジアム「back number 2デー」が新横浜ADRを天井まで押し上げるかが予約進度から検証している。

コートヤードが入る価格帯 — 現在の稼働14軒に2万円以上の施設はない

最後に、価格帯の中でコートヤードがどこに入るかを考えたい。2026年9月の推定成約ADRで稼働中14軒を帯ごとに積み上げると、1万円未満が4軒・763室、1万〜1.3万円が7軒・1,244室、1.3万〜1.6万円が2軒・983室、1.6万〜2万円が1軒・80室で、2万円以上は0室である。休館前のアソシアは2025年9月〜2026年2月の推定成約ADRが2万6,200円〜2万7,700円で推移しており、1km圏でただ一つ2万円台後半の帯を占めていた。つまり7月16日以降、この商圏には2万円以上の帯が空いたままになっている。駅1km圏の客室ストックを単価帯ごとに積み上げ、新規供給が入る帯を探す同じ見方は、コートヤード・バイ・マリオット京都駅 11月16日開業 — 駅1km圏1.7万室に270室、価格帯の空白と11月ピークでも京都駅圏に当てはめている。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(新横浜駅1km圏の稼働中14施設、2026年9月の推定成約ADR帯別の客室数。ホテルアソシア新横浜は2025年9月〜2026年2月の水準を参考表示)

コートヤード・バイ・マリオットは国内でも複数の都市に展開するアッパーミドル帯のブランドで、マリオット・ボンヴォイの会員基盤を持つ。新横浜駅直上という立地と、約23㎡主体ながら51㎡のプレミアムルームとコネクティングルームを備える客室構成を踏まえると、休館前のアソシアが占めていた帯を起点に、その上へ伸ばす余地があると読める。周辺では新横浜プリンスホテル(875室)と新横浜グレイスホテル(80室)が1.5万〜1.6万円台で土曜や公演日に高い掲載価格を付けており、ブランドを得た203室が2万円以上の帯を安定して埋められれば、駅前の価格階層は「1万円未満〜1.6万円」の一層構造から二層構造に戻る。商圏の中央値を引き上げる効果はアソシア時代にもあったはずで、12月のイベント密度は、その再出発にとって追い風といえる。

注意点も挙げておく。12月18日の開業から年末までは2週間しかなく、刀剣乱舞最終日・UVERworld・桑田佳祐の年末公演という需要の厚い日程に開業初動が重なる。初月の掲載価格は立ち上げ期の設定であり、1km圏の中で安定した位置が見えてくるのは2027年に入ってからになるだろう。本稿で示した帯別の構造は、その比較の基準線として使ってほしい。

試算 — コートヤードの単価と販売量で1km圏の客室加重ADRはどこまで動くか

価格帯の空白がどの程度埋まるかを、数字で幅を持たせて確認しておきたい。稼働中14軒の2026年9月の推定成約ADRを客室数で加重平均すると¥12,407(中央値ではなく客室加重の平均値)になる。ここにコートヤードの203室を加え、①コートヤードの推定成約ADRと、②1室あたりの販売室数が圏内平均の何倍か(販売量比)の2つを動かして、圏全体の加重平均がどう変わるかを試算した。結果は表7・表8のとおりで、ADRが2万2,000円・販売量比1.0倍の中位ケースで加重平均は¥13,002(+4.8%)、休館前のアソシア水準(2万6,000円)で販売量が圏内平均の1.1倍に届く楽観ケースで¥13,329(+7.4%)になる。立ち上げ期に1万8,000円・0.8倍にとどまる悲観ケースでも+2.3%で、どのケースでも203室の復帰は圏の平均単価を押し上げる方向に働く。

表7 3シナリオ別 新横浜駅1km圏の客室加重ADR(2026年9月水準・試算)
シナリオ想定コートヤードADR販売量比圏の客室加重ADR現状比
悲観立ち上げ期の慎重な価格設定¥18,0000.8倍¥12,688+2.3%
中位現状の最上位帯(1.6万円台)と休館前水準の中間¥22,0001.0倍¥13,002+4.8%
楽観休館前のアソシア水準へ回復¥26,0001.1倍¥13,329+7.4%
現状稼働中14軒のみ(3,070室)——¥12,407—

出典:メトロエンジンリサーチの2026年9月推定成約ADR(14施設)をもとにホテルバンク編集部試算。コートヤードのADRと販売量比は仮定値

表8 コートヤードADR × 販売量比の感度 — 1km圏の客室加重ADR(括弧内は現状¥12,407比)
コートヤードADR \ 販売量比0.8倍0.9倍1.0倍1.1倍
¥16,000¥12,587(+1.5%)¥12,609(+1.6%)¥12,630(+1.8%)¥12,650(+2.0%)
¥18,000¥12,688(+2.3%)¥12,721(+2.5%)¥12,754(+2.8%)¥12,786(+3.1%)
¥20,000¥12,788(+3.1%)¥12,833(+3.4%)¥12,878(+3.8%)¥12,922(+4.1%)
¥22,000¥12,889(+3.9%)¥12,946(+4.3%)¥13,002(+4.8%)¥13,057(+5.2%)
¥24,000¥12,989(+4.7%)¥13,058(+5.2%)¥13,126(+5.8%)¥13,193(+6.3%)
¥26,000¥13,090(+5.5%)¥13,170(+6.2%)¥13,250(+6.8%)¥13,329(+7.4%)

出典:ホテルバンク編集部試算。圏の客室加重ADR=(14施設の客室数×2026年9月推定成約ADRの合計+203室×販売量比×コートヤードADR)÷(3,070室+203室×販売量比)

表8を横に読むと、販売量比を0.8倍から1.1倍へ動かしても加重平均の差は最大でも¥240前後にとどまり、縦に読んだADRの差(1万6,000円と2万6,000円で¥500〜680前後)のほうが効きが大きい。圏の単価水準を左右するのは、203室がどれだけ売れるかより、どの帯で売るかである。なお、この試算は9月の単価水準に203室を足し込んだ静的な計算で、コートヤードの開業が周辺施設の価格設定や需要の取り合いに与える影響は織り込んでいない。周辺施設が単価を下げて対抗すれば加重平均の伸びは表より小さくなり、逆にブランドが商圏全体の需要を呼び込めば表より大きくなる。

まとめ — 203室の復帰で新横浜の価格階層は二層に戻るか

ホテルアソシア新横浜のリブランドは、2026年2月5日の公表で開業が8月から12月へ、休業が5月上旬〜8月から7月中旬〜12月へ改められ、10月21日に開業日が12月18日(金)と確定した。休業中の203室は新横浜駅1km圏の2025年ストック3,273室の6.2%にあたり、稼働中は14軒・3,070室である。港北区の推定成約ADRは7月+13.7%、8月-13.3%、9月+19.6%と月ごとに振れ、休業との因果は切り分けられない。12月は横浜アリーナの平日公演が12日あり、掲載価格の中央値は公演のない平日の1万4,600円前後に対し公演日は2万円台に乗る。現在の稼働14軒に推定成約ADR2万円以上の施設はなく、休館前に2万円台後半を占めていたアソシアの帯は空いたままで、コートヤードはこの帯に再び入る候補として最も近い位置にいる。

よくある質問

Q. コートヤード・バイ・マリオット新横浜駅の開業日はいつですか。
A. 2026年12月18日(金)です。ジェイアール東海ホテルズが2026年10月21日に発表し、同日からマリオット・ボンヴォイの公式サイトで宿泊予約の受付が始まっています。

Q. なぜ開業が8月から12月に延びたのですか。
A. 2026年2月5日の発表によれば、リブランド改装の設計・施工契約の相手方との調整に時間を要したためです。これに伴い全館休業期間も2026年7月中旬〜12月に変更されました。

Q. 客室はどのような構成ですか。
A. 全203室・7タイプで、約23㎡のゲストルーム(ツイン96室・キング84室)が中心です。約28〜31㎡のラージャーゲストルーム14室、約51㎡のプレミアムゲストルーム7室、約25㎡のアクセシブルルーム2室があり、コネクティングルームが2箇所新設されます。

Q. ホテルアソシア新横浜はいつから休業していますか。
A. 公式サイトの案内では2026年7月16日(木)12:00から全館休館しています。2026年2月5日の発表で、6月から一部フロアを休業したうえで全館休業期間を7月中旬〜12月とすることが示されていました。

Q. 休業している203室は新横浜駅周辺の客室の何%ですか。
A. アソシアから半径1km圏の客室数10室以上の宿泊施設(レジャーホテルを除く)は2025年時点で15軒・3,273室で、203室はその6.2%にあたります。2026年10月30日時点で稼働中の施設は14軒・3,070室です。

Q. 2026年12月に新横浜のホテルの掲載価格が高くなるのはどの日ですか。
A. 1km圏13施設の掲載価格中央値(2名1室・税込、2026年10月下旬時点)では、公演のない平日が1万4,600円前後なのに対し、Mr.Childrenの2日(水)が2万1,800円、刀剣乱舞の18日(金)が2万4,400円、大みそか31日が4万8,800円でした。土曜は公演の有無にかかわらず2万7,900円〜3万4,900円と高めです。

⚠ 将来日程の価格に関する注意:本記事の2026年12月の日別掲載価格および2026年10〜12月の推定成約ADRは、調査時点(2026年10月下旬)でOTA上に公開されている販売価格に基づく推定であり、チェックイン日に近づくにつれて変動します。現時点で高く設定されている価格が直前の調整で下落する可能性、また公演日程が変更される可能性がある点にご留意ください。

あわせて読みたい

参考資料・出典一覧

■ データソース

メトロエンジンリサーチが継続追跡するOTA公開価格・販売在庫データ。客室ストックはホテルアソシア新横浜(北緯35.50779度・東経139.61728度)から半径1,000m圏の客室数10室以上の宿泊施設(レジャーホテルを除く)で、「稼働中」は直近3か月(2026年8月〜10月)に販売価格が確認できた施設(2026年10月30日時点)。港北区・神奈川県・横浜川崎の各区の月次推定成約ADRは対象施設の中央値(確定月、港北区N=15〜16施設・神奈川県N=564〜589施設)。12月の日別掲載価格は1km圏で掲載が確認できた13施設の中央値(2名1室・税込、2026年10月下旬のスナップショット)。公演・試合日程は横浜アリーナ・日産スタジアムの公式カレンダーと主催者発表(2026年10月29日時点)。

■ 試算前提

表7・表8の客室加重ADRは、稼働中14施設の客室数×2026年9月推定成約ADRの合計(客室加重平均¥12,407)に、コートヤードの203室を「販売量比」(1室あたり販売室数の圏内平均に対する倍率、0.8〜1.1倍)で重み付けして加えた静的な試算。コートヤードのADRは1万6,000円〜2万6,000円の仮定値で、上限は休館前のアソシアの推定成約ADR(2025年9月〜2026年2月に2万6,200円〜2万7,700円)を参照した。

■ 限界・留意点

推定成約ADRはOTA公開価格に業態別の補正係数を適用した推定値(税抜相当)で、各施設の実際の成約価格・会計数値とは異なる。12月の掲載価格と2026年10〜12月の月次値は調査時点の掲載水準で、確定月の値と基準が異なるため前年比は算出していない。港北区は対象施設数が15〜16と少なく、1施設の出入りで中央値が動きやすい。試算はコートヤード開業に伴う周辺施設の価格対応や需要の移動を織り込んでおらず、港北区の稼働率推定は対象月のデータが揃わないため用いていない。

関連記事