全国高校ラグビー大会(花園)は例年12月27日に東大阪市花園ラグビー場で開幕し、年をまたいで1月7日に決勝を迎える。春の高校バレー(JVA第79回全日本バレーボール高等学校選手権大会)は大会公式サイトの大会概要で2027年1月4日(月)〜7日(木)・9日(土)〜10日(日)、東京体育館(渋谷区千駄ヶ谷)での開催が示されている。どちらも選手・引率・保護者・応援団が数日から十日前後にわたって滞在する大会で、帰省・初詣・成人の日という年末年始の一般需要と同じ日程に重なる。本稿では、花園ラグビー場周辺と大阪市東部の客室ストック、東京体育館周辺の受け皿、前年同時期の推定成約ADRを並べ、年末年始の在庫配分をどう考えるかを整理する。
• ADR(平均客室単価)=各施設がOTA上で公開する最安プラン水準(2名1室利用時・1室あたり料金・税込)に業態別の補正係数を適用して算出した推定成約単価(税抜相当)。上場ホテルREITが開示する物件別実績との照合(91施設・直近3ヶ月間)で誤差中央値は約7%。推定値であり、各施設の実際の成約価格・会計数値とは異なります。
• エリア(都道府県・市区町村)単位のADRは、対象施設の推定成約単価の中央値(エリアの標準的な施設の水準)です。
• 掲載価格に言及する箇所は、2名1室利用時の1室あたり料金(税込)です。
• OCC(稼働率)=エリア内の総客室数に対する販売済み客室数の割合(OTA販売在庫に基づく推定値)。
• 出典:メトロエンジンリサーチ(国内約168,000施設のOTA公開価格を継続追跡、うち稼働確認済み約27,000施設)
- — 2km圏0軒・5km圏996室 — 花園ラグビー場の半径2km圏に客室数10室以上の宿泊施設はなく、5km圏の稼働中は9軒・996室(2026年10月23日時点)。
- — 受け皿は近鉄沿線の大阪市側 — 鶴橋駅1.5km圏に2,780室、3km圏に47,340室(掲載ベース)。
- — 東大阪市は1月も下がらず — 推定成約ADRは2025年12月¥7,744→2026年1月¥7,886(+1.8%、n=6〜7の参考値)。大阪府全体は-14.5%。
- — 渋谷区2026年1月¥23,446(前年同月比+24.2%) — 春高バレー(2027年1月4日〜10日)の会期は1月第1週の単価の谷に収まる。
- — 在庫は日付で役割を変える — 12/27〜1/3は一般販売優先、1/4以降は団体の連泊で谷を埋める。
年末年始に重なる3つの高校全国大会 — 日程の確認状況
まずは日程を押さえておきたい。花園は過去2大会とも12月27日に開幕し1月7日に決勝を行っており、第104回は51校、記念大会だった第105回は56校が出場した。春高バレーは大会公式サイトの大会概要で第79回の日程が1月4日(月)〜7日(木)と9日(土)〜10日(日)、会場が東京体育館と明記されている。1月8日(金)は試合のない中日で、準決勝・決勝は成人の日の3連休の初日と2日目にあたる。首都圏では全国高校サッカー選手権も12月28日(月)〜1月11日(月・祝)の期間で並走する。
| 大会 | 開催期間 | 会場 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 全国高等学校ラグビーフットボール大会(花園) | 例年12月27日開幕・1月7日決勝(第104回: 2024/12/27〜2025/1/7、第105回: 2025/12/27〜2026/1/7) | 東大阪市花園ラグビー場 | 第104回は51校。第105回は記念大会で56校。第106回の日程・出場校数は主催者の公式発表で要確認 |
| JVA第79回全日本バレーボール高等学校選手権大会(春高バレー) | 2027年1月4日(月)〜7日(木)、9日(土)〜10日(日) | 東京体育館(渋谷区千駄ヶ谷) | 大会公式サイト「大会概要」で確認 |
| 第105回全国高等学校サッカー選手権大会 | 2026年12月28日(月)〜2027年1月11日(月・祝) | 首都圏(日本サッカー協会の大会ページ) | 首都圏の年末年始需要に重なる参照として |
出典:盛岡市「第104回全国高等学校ラグビーフットボール大会 出場報告」、立命館慶祥高校「第105回大会 寄付依頼文書」、春の高校バレー大会公式サイト「大会概要」、日本サッカー協会 大会ページよりホテルバンク編集部作成
この3大会を宿泊需要の側から見ると、共通点は「団体で動き、滞在が長く、宿泊日が一般需要のピークに重なる」ことである。選手・スタッフは1回戦から敗退まで、勝ち進めば開幕から決勝まで連泊し、保護者や応援団は試合日に合わせて出入りする。一方で12月27日から1月3日までは帰省と年末年始旅行、1月9日からは成人の日の3連休という一般需要の山がある。両者が同じ客室を取り合う構図になるのは、12月末と1月上旬の2回といえる。
| 期間 | 大会の進行 | 一般需要との関係 |
|---|---|---|
| 12/27(日)〜12/30(水) | 花園 開幕〜2回戦(例年) | 帰省・年末旅行の出発期。大阪市内は12月の単価水準が続く |
| 12/31(木)〜1/3(日) | 花園は例年1/1に再抽選・1/3に準々決勝 | 元日・三が日。一般需要のピークと団体滞在が同時進行 |
| 1/4(月)〜1/7(木) | 春高 1回戦〜準々決勝(東京体育館)/花園 準決勝〜決勝(例年1/7) | 仕事始めで一般需要が谷に入る週。首都圏は高校サッカーも並走 |
| 1/9(土)〜1/11(月・祝) | 春高 準決勝・決勝(1/9・1/10) | 成人の日の3連休。1月の単価の山と重なる |
出典:各大会の公式・報告資料よりホテルバンク編集部作成(花園は例年の進行)
花園ラグビー場の半径2km圏に10室以上の宿泊施設はなく、5km圏で996室
本記事の客室ストックは、花園ラグビー場から半径5,000m圏内にある客室数10室以上の宿泊施設(レジャーホテルを除く)を対象とし、「稼働中」は直近3か月(2026年8月〜2026年10月)に主要予約サイトで販売価格が確認できた施設を指す(2026年10月23日時点、メトロエンジンリサーチ集計)。
花園ラグビー場を中心に半径2km圏を引くと、客室数10室以上の宿泊施設は掲載・稼働ともに0軒である。会場の最寄りは近鉄奈良線の東花園駅だが、周辺は住宅地と工業地が中心で、宿泊施設の集積は西に3〜5km離れた布施・長田(東大阪市西部)と、南に4〜5km離れた八尾市側に分かれる。半径5km圏に広げると掲載12軒・1,092室、うち直近3か月に販売価格を観測できた稼働中の施設は9軒・996室となる。区分別ではビジネスホテルが10軒・1,005室(稼働8軒・933室)と大半を占め、旅館が1軒・63室である。
規模階級で見ると、201室以上の2軒で455室、101〜200室の2軒で272室と、4軒で圏内客室の7割強を持つ。開業年代別では2020年代開業の2軒・323室が加わったことで、圏内の客室数は2023年の697室から2024年に1,020室へ増えた。団体の受け皿という観点では、この2024年の増加分が花園の選手団・応援団にとって選択肢を広げたといえる。なお、主要予約サイト掲載ベースで東大阪市全体を集計すると9施設・899室、隣の八尾市は4施設・134室であり、市域全体でも1,000室前後の規模である。
| 施設名 | 客室数 | 区分 | 会場からの距離 | 開業年 |
|---|---|---|---|---|
| 東横INN東大阪 | 231室 | ビジネスホテル | 4.8km | 2024 |
| U・コミュニティホテル | 224室 | ビジネスホテル | 3.9km | 1992 |
| リッチモンドホテル東大阪 | 140室 | ビジネスホテル | 3.4km | 1995 |
| KOKO HOTEL 東大阪 | 132室 | ビジネスホテル | 3.2km | 2017 |
| ザ・セレクトン東大阪長田駅前 | 92室 | ビジネスホテル | 3.1km | 2024 |
| ホテルセイリュウ | 63室 | 旅館 | 3.0km | 1970 |
| 八尾ターミナルホテル北館 | 44室 | ビジネスホテル | 4.4km | 2002 |
| 八尾ターミナルホテル南館 | 40室 | ビジネスホテル | 4.7km | 2002 |
| 八尾ターミナルホテル ウィークリーセブン | 30室 | ビジネスホテル | 4.7km | 2008 |
出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(2026年10月時点)
出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成
大阪市側の受け皿 — 近鉄沿線の鶴橋・上本町に2,780室、3km圏まで広げれば47,340室
東大阪市内の客室だけでは、出場校の選手・スタッフと保護者・応援団、そして年末年始の一般需要を同時に受け止めるには規模が小さい。実際の受け皿は近鉄奈良線で会場と直結する大阪市側、すなわち鶴橋・上本町(天王寺区・東成区・生野区)から中央区・浪速区にかけてのエリアになる。本記事の客室ストックは、鶴橋駅から半径1,500m圏内にある客室数10室以上の宿泊施設(レジャーホテルを除く)を対象とし、「稼働中」は直近3か月(2026年8月〜2026年10月)に主要予約サイトで販売価格が確認できた施設を指す(2026年10月23日時点、メトロエンジンリサーチ集計)。
鶴橋駅の半径1.5km圏では掲載50軒・2,780室、稼働中21軒・1,857室が確認できる。区分別ではビジネスホテル21軒・1,073室、シティホテル4軒・858室のほか、ホステル・ゲストハウスが18軒ある。半径3kmまで広げると難波・心斎橋・天王寺を含み、掲載491軒・47,340室、稼働中279軒・33,877室に達する。会場から電車で一本の距離に、東大阪市内の30倍を超える客室があることになる。
区単位で主要予約サイト掲載ベースの施設数・客室数を並べると、天王寺区26施設・2,768室、中央区216施設・34,498室、浪速区62施設・10,131室に対し、会場に近い東成区は3施設・108室、生野区は4施設・147室にとどまる。つまり花園の宿泊需要は、会場最寄りの区ではなく、近鉄で2〜4駅離れた天王寺区・中央区の客室に吸収される構造である。
| 区 | 掲載施設数 | 掲載客室数 | 2025年12月 推定成約ADR | 2026年1月 推定成約ADR |
|---|---|---|---|---|
| 天王寺区 | 26施設 | 2,768室 | ¥9,799(n=25) | ¥8,350(n=25) |
| 東成区 | 3施設 | 108室 | —(対象施設が少なく非表示) | — |
| 生野区 | 4施設 | 147室 | —(対象施設が少なく非表示) | — |
| 中央区 | 216施設 | 34,498室 | ¥13,740(n=187) | ¥11,250(n=193) |
| 浪速区 | 62施設 | 10,131室 | ¥11,940(n=48) | ¥10,196(n=50) |
| 北区 | 83施設 | 20,067室 | ¥12,052(n=71) | ¥10,350(n=72) |
出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(施設数・客室数は2026年10月時点の掲載ベース、ADRは検証済み履歴基準)
出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成。円の大きさは客室数、塗りは稼働中、白抜きは掲載のみ。点線は花園ラグビー場から半径2km・5km
前年同時期の推定成約ADR — 東大阪市は12月¥7,700・1月¥7,900の参考値、1月に下がらなかった
価格面では、前年同時期(2025年12月・2026年1月)の推定成約ADRを見ておきたい。ただし東大阪市は推定の対象施設が6〜7軒と少なく、以下の数値はいずれも参考値として扱う必要がある。東大阪市の推定成約ADRは2025年12月が¥7,744(n=6、前年同月比-1.5%)、2026年1月が¥7,886(n=7、前年同月比+7.9%)だった。
興味深いのは12月から1月への動きである。大阪府全体は12月¥11,120から1月¥9,513へ-14.5%、天王寺区も¥9,799から¥8,350へ-14.8%と、年明けに単価が落ちる通常の季節パターンを示した。これに対し東大阪市は+1.8%とほぼ横ばいで、1月の水準が12月を下回らなかった。前年(2024年12月→2025年1月)は-7.0%と大阪府と同じ方向に動いていたので、2025-26年の横ばいは会期が1月7日まで続く大会の滞在需要と整合的に見える。とはいえ対象施設が6〜7軒の中央値であり、1軒の価格設定で動く規模なので、大会要因と断定するには材料が少ない。来季の同時期に同じ形が出るかを確認したい。
出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成
※東大阪市の推定成約ADRは対象施設6〜7軒(主要予約サイト掲載ベース)の中央値であり参考値。2025年4〜10月の上振れは大阪・関西万博期間(2025年4月13日〜10月13日)に重なる。
もう一つの含意は、東大阪市の水準が大阪市内の各区より低いことである。2026年1月の推定成約ADRは中央区¥11,250(n=193)、北区¥10,350(n=72)、浪速区¥10,196(n=50)、天王寺区¥8,350(n=25)に対し、東大阪市は¥7,886(参考値)である。会場に近い東大阪市の客室は、一般需要の単価競争とは別の価格帯で団体需要を受けてきた、と読める。選手団の宿泊は主催者側が宿泊費の上限を定めて斡旋する「配宿」の枠組みで動くことが多く、その上限は市場価格より低く設定されるのが一般的である。配宿の仕組みそのものは高校野球・国スポの宿舎はどう決まる — 配宿の料金上限と市場価格の差【2026青森】で詳しく整理しているので、本稿では年末年始の在庫の重なりに絞る。
出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成
| エリア | 2025年12月(n) | 前年同月比 | 2026年1月(n) | 前年同月比 | 12月→1月 |
|---|---|---|---|---|---|
| 東大阪市 | ¥7,744(n=6) | -1.5% | ¥7,886(n=7) | +7.9% | +1.8% |
| 天王寺区 | ¥9,799(n=25) | +12.7% | ¥8,350(n=25) | +6.0% | -14.8% |
| 中央区 | ¥13,740(n=187) | +8.7% | ¥11,250(n=193) | +1.6% | -18.1% |
| 北区 | ¥12,052(n=71) | +12.5% | ¥10,350(n=72) | +9.2% | -14.1% |
| 浪速区 | ¥11,940(n=48) | +5.0% | ¥10,196(n=50) | -0.4% | -14.6% |
| 大阪府 | ¥11,120(n=627) | +10.0% | ¥9,513(n=640) | +5.5% | -14.5% |
| 渋谷区 | ¥27,546(n=29) | +12.8% | ¥23,446(n=31) | +24.2% | -14.9% |
| 新宿区 | ¥17,502(n=84) | +13.7% | ¥15,536(n=94) | +23.8% | -11.2% |
| 東京都 | ¥15,814(n=1074) | +12.0% | ¥13,192(n=1111) | +9.7% | -16.6% |
出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(検証済み履歴基準。東大阪市はn=6〜7の参考値)
東京側 — 東京体育館2km圏に12,896室、渋谷区の1月ADRは¥23,400で前年比+24.2%
春高バレーの会場である東京体育館は渋谷区千駄ヶ谷にあり、新宿区との区境に近い。本記事の客室ストックは、東京体育館から半径2,000m圏内にある客室数10室以上の宿泊施設(レジャーホテルを除く)を対象とし、「稼働中」は直近3か月(2026年8月〜2026年10月)に主要予約サイトで販売価格が確認できた施設を指す(2026年10月23日時点、メトロエンジンリサーチ集計)。
東京体育館の半径2km圏には掲載86軒・12,896室、稼働中56軒・9,275室がある。ビジネスホテル49軒・7,072室が中心で、新宿駅南口から西新宿にかけての大型ビジネスホテルが圏内に入る。研修・団体向けの宿泊所も2軒・1,544室が圏内にあり、こちらは主要予約サイトでは販売されていないものの、全国大会の選手団にとっては古くからの受け皿である。区単位では渋谷区42施設・6,414室、新宿区125施設・20,375室(主要予約サイト掲載ベース)で、春高の宿泊需要は渋谷区と新宿区の両方で見る必要がある。
単価は大阪東部とは水準がまったく違う。渋谷区の推定成約ADRは2025年12月¥27,546(n=29、前年同月比+12.8%)、2026年1月¥23,446(n=31、前年同月比+24.2%)、新宿区は12月¥17,502(n=84)、1月¥15,536(n=94、前年同月比+23.8%)だった。12月から1月への下げ幅は渋谷区-14.9%、新宿区-11.2%、東京都全体-16.6%で、1月上旬の谷は東京でも明確である(5都市の日別ピークと成人の日までの谷の形は年末年始2026-27のホテル料金、東京は12月→1月で−22%で日別に確認できる)。春高の会期は1月4日〜10日とこの谷にすっぽり収まり、準決勝・決勝の1月9日・10日だけが成人の日の3連休と重なる。東京の宿泊運営者にとって春高は、12月の高単価を引き継ぐ需要というより、1月第1週の谷を団体滞在で埋める需要と位置づけるのが実態に近い。
出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成
在庫配分の考え方 — 団体枠と一般販売の重なりを日付で切り分ける
ここまでを整理すると、花園と春高の宿泊需要には3つの特徴がある。第一に、会場至近の客室が少なく、受け皿は電車で数駅離れた大都市側の客室であること。第二に、選手団は配宿の枠組みで早期に押さえられ、保護者・応援団と一般需要は主要予約サイトを通じて直前に動くこと(年末年始の一般需要が都市型で直前45日に集中する予約進度は年末年始2026-27は12/28を休めば9連休 — 予約進度は11/11からが示している)。第三に、会期が一般需要の山(年末・三が日・成人の日)と谷(1月第1週)の両方にまたがることである。
大阪東部の運営者にとっての機会は、12月末と1月4日以降の2つの時期で在庫の役割を変えることにある。12月27日〜1月3日は帰省・初詣の一般需要が単価を支える時期であり、団体枠として押さえる客室は勝ち進んだ場合の延泊を見込んだ最小限にとどめ、残りを一般販売に回す余地がある。一方で1月4日〜7日は大阪府全体で単価が落ちる週であり、準決勝・決勝まで残るチームと応援団の連泊需要は、この谷を埋める貴重な需要になる。東大阪市の1月の推定成約ADRが12月を下回らなかった(参考値)という前年の観測は、この週の団体需要が単価面でも下支えになり得ることを示唆している。
大阪市側(天王寺区・中央区・浪速区)では、花園の応援団は一般需要の一部として吸収される規模である。ただし試合日程は12月上旬の抽選で決まり、勝ち進むほど滞在が延びるため、1月1日の再抽選以降に「延泊」の問い合わせが集中しやすい。年末年始の一般需要が1月4日以降に引くタイミングで延泊を受けられる在庫を残しておくことは、団体営業の側から見ると明確な機会である。東京側も同じで、1月4日〜8日は団体の連泊、9日〜10日は3連休の一般需要という切り分けが成り立つ。
| 時期 | 大阪東部・大阪市東部 | 東京(渋谷区・新宿区) |
|---|---|---|
| 12/27〜12/30 | 開幕〜2回戦。一般需要と重なるため団体枠は延泊想定の最小限に | 高校サッカー開幕(12/28)。12月の単価水準を維持 |
| 12/31〜1/3 | 三が日の一般需要がピーク。再抽選(1/1)後に延泊依頼が出やすい | 年末年始の一般需要がピーク |
| 1/4〜1/8 | 準決勝・決勝(例年1/7)。府全体で単価が落ちる週を連泊で埋める | 春高1回戦〜準々決勝(1/4〜7)。1月第1週の谷を団体で埋める |
| 1/9〜1/11 | 大会終了後。成人の日の一般需要へ切替 | 春高準決勝・決勝(1/9・1/10)と3連休が重なる |
出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成
まとめ
花園ラグビー場の半径2km圏に10室以上の宿泊施設はなく、5km圏の稼働中客室は996室、東大阪市全体でも掲載9施設・899室である。宿泊需要の実際の受け皿は近鉄沿線の大阪市側で、鶴橋駅1.5km圏に2,780室、3km圏に47,340室がある。前年同時期の推定成約ADRは東大阪市が12月¥7,700・1月¥7,900(n=6〜7の参考値)で、大阪府全体が12月から1月に-14.5%と落ちる中で横ばいを保った。東京側は東京体育館2km圏に12,896室、渋谷区の1月の推定成約ADRは¥23,400(前年同月比+24.2%)で、春高の会期は1月第1週の谷に収まる。年末年始の在庫配分は、一般需要の山と谷に合わせて団体枠の役割を日付で切り分けることが要点といえる。第106回花園の確定日程と出場校数は主催者の公式発表で確認のうえ、12月上旬の組み合わせ抽選後に延泊の受け入れ余力を見直したい。
よくある質問
Q. 花園ラグビー場の近くにホテルはありますか。
A. 半径2km圏には客室数10室以上の宿泊施設がありません。宿泊施設の集積は西に3〜5km離れた布施・長田(東大阪市西部)と八尾市側にあり、5km圏の稼働中客室は996室です。近鉄奈良線で結ばれる鶴橋・上本町から大阪市中心部にかけてが実質的な受け皿になります。
Q. 春高バレー2027の日程と会場は確定していますか。
A. 大会公式サイトの大会概要に、2027年1月4日(月)〜7日(木)・9日(土)〜10日(日)、東京体育館(渋谷区千駄ヶ谷)と記載されています。1月8日(金)は試合がありません。
Q. 東大阪市の年末年始の宿泊単価はどの程度ですか。
A. 推定成約ADR(中央値・税抜相当)は2025年12月¥7,744、2026年1月¥7,886でした。対象施設が6〜7軒と少ないため参考値です。大阪市中央区の同時期は12月¥13,740、1月¥11,250です。
⚠ 将来日程のADRに関する注意:本記事の推定成約ADRは確定した過去月(検証済み履歴基準)のみを用いている。2026年12月・2027年1月の価格水準は調査時点で主要予約サイトに公開されている販売価格にもとづく推定であり、チェックイン日に近づくにつれて変動する。本稿では将来月の数値を比較には用いていない。
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参考資料・出典一覧
■ データソース
メトロエンジンリサーチが追跡する主要予約サイトの公開価格・在庫データ。客室ストックは花園ラグビー場(半径2km・5km)、鶴橋駅(1.5km・3km)、東京体育館(2km)を中心とする半径圏の客室数10室以上の施設(レジャーホテル除く、2026年10月23日時点)。推定成約ADRは市区町村・都道府県別の中央値(検証済み履歴基準)。大会日程は各大会の公式サイト・自治体資料による。
■ 試算前提
推定成約ADRは各施設の最安プラン水準(2名1室・税込)に業態別の補正係数を適用した税抜相当の推定値。比較は確定済みの2024年12月〜2026年1月のみを用い、2026年12月・2027年1月の将来月は使っていない。「稼働中」は直近3か月(2026年8月〜10月)に販売価格を観測できた施設。花園の日程は第104回・第105回の実績にもとづく例年の進行として扱った。
■ 限界・留意点
東大阪市の推定成約ADRは対象6〜7軒の中央値で、1軒の価格設定で動く参考値。12月→1月の横ばいを大会要因と断定するものではない。研修・団体向け宿泊所や配宿で確保される客室は主要予約サイトに出ないため、団体枠の規模は本稿の数値に含まれない。第106回花園の確定日程・出場校数は主催者の公式発表で確認が必要。
- 春の高校バレー 大会公式サイト「大会概要」(JVA第79回全日本バレーボール高等学校選手権大会)
- 日本サッカー協会「第105回全国高等学校サッカー選手権大会」大会ページ
- 盛岡市「第104回全国高等学校ラグビーフットボール大会」出場に関する資料(2024年12月)
- 立命館慶祥高等学校「第105回全国高等学校ラグビーフットボール大会」出場に関する寄付依頼ページ
- 名古屋市「第105回全国高等学校ラグビーフットボール大会」出場に関する報道発表
- メトロエンジンリサーチ — 推定成約ADR(市区町村・都道府県別、検証済み履歴基準)、半径圏の客室ストック(2026年10月23日時点)、主要予約サイト掲載ベースの施設数・客室数
