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年末年始2026-27のホテル料金、東京は12月→1月で−22% — 5都市の日別ピークと成人の日までの谷

投稿日 : 2026.10.21

東京都

大阪府

京都府

北海道

沖縄県

季節・イベント

年末年始2026-27のホテル料金、東京は12月→1月で−22% — 5都市の日別ピークと成人の日までの谷

2026年の年末年始は、12月29日(火)から2027年1月3日(日)までが官公庁の休みで、12月28日(月)を休めば12月26日(土)から9連休になる。メトロエンジンリサーチが10月中旬時点で集計した東京都・大阪府・京都府・北海道・沖縄県の宿泊単価を月次で見ると、東京の推定成約ADRは2026年12月の1万7,500円(N=1,077施設)から2027年1月には1万3,700円(N=1,029施設)へと22.0%下がる。前年同期の確定値と並べれば12月は+10.6%、1月は+3.5%と前年を上回る水準にあり、年末年始の山そのものは前年より高く置かれているといえる。ただし、月次の平均では12月31日の一点に立つ山も、成人の日までの1月平日の谷も見えない。

本稿では、5都市の12月・1月の推定成約ADRを前年同期比と月間段差の両面で押さえたうえで、12月26日から1月4日までの日別掲載価格を業態別に描き、頂点が大晦日なのか元日なのか、帰省ピークの12月30日なのかを確かめる。さらに、前年の確定した稼働率(観光庁)と日別価格から成人の日3連休(2027年1月9〜11日)までの平日の埋め方を検証し、運営者が「どの日を守り、どの日を早く戻すか」を決めるための日別の値付け設計を提示する。

本記事における指標の定義

  • ADR(平均客室単価)=各施設がOTA上で公開する最安プラン水準(2名1室利用時・1室あたり料金・税込)に業態別の補正係数を適用して算出した推定成約単価(税抜相当)。上場ホテルREITが開示する物件別実績との照合(91施設・直近3ヶ月間)で誤差中央値は約7%。推定値であり、各施設の実際の成約価格・会計数値とは異なります。エリア単位のADRは対象施設の中央値(エリアの標準的な施設の水準)。2026年12月・2027年1月は調査時点(2026年10月)の掲載水準に基づく推定で、宿泊日に近づくにつれ変動します。
  • 掲載価格=OTA等に掲載されている全プランの平均価格(2名1室利用時・1室あたり料金・税込、素泊まり〜食事付きを含む)。各施設の日別平均をエリアで中央値にしたもので、推定成約ADRとは別の指標です。本記事では日別の形を比べる目的にのみ用います。前年(2025-26年)の日別値は、宿泊日までに掲載されていた価格の最終観測値です。
  • 1月平日水準=1月5日〜8日(2027年は火〜金、2026年は月〜木)の掲載価格の平均。日別の掲載価格をこの値で割った倍率を「1月平日比」と表記します。
  • OCC(稼働率)=観光庁「宿泊旅行統計調査」の客室稼働率(都道府県×施設タイプ別、月次)。2026年1月分から標本の層化基準が従業者数から客室数に変わっており、前年同月との比較には見直しの影響が含まれる可能性があります。
  • データ出典:メトロエンジンリサーチ(推定成約ADR・掲載価格)、観光庁「宿泊旅行統計調査」(稼働率)
Key Takeaways
  • — 12月→1月の段差は東京−22.0%・京都−22.1%。推定成約ADRは東京1万7,500円→1万3,700円。大阪−4.8%、沖縄−2.3%で、北海道は+4.5%と1月のほうが高い(今期は2026年10月中旬時点の掲載ベース・変動余地あり)。
  • — 前年同期比は12月が東京+10.6%・北海道+31.0%、大阪−5.0%・京都−2.7%。1月は5都市すべてが前年の確定値を上回る置き方になっている。
  • — 都市型の頂点は5都市とも大晦日。12月30日は大晦日の0.79〜0.97倍。東京のビジネスホテルは12月31日が1月平日の2.18倍で、1月3日(日)には1.00倍まで戻る。リゾート・旅館は大晦日と元日が同水準。
  • — 1月の谷は京都が最も深い。観光庁の客室稼働率は2025年12月67.0%→2026年1月53.3%(−13.7pt)、大阪−10.1pt、東京−7.5pt。北海道(−1.6pt)と沖縄(−0.5pt)はほぼ落ちない。
  • — 成人の日の土曜は都市型ビジネスで1月平日の1.37〜1.48倍の掲載。前年は東京1.55倍・大阪1.51倍・京都1.45倍で着地しており、1月前半で最も守る価値のある一夜になる。

月次の推定成約ADR — 5都市の前年同期比と12月→1月の段差

まずは月単位の水準から確認したい。表1は5都市の推定成約ADRを、前年同期(2025年12月・2026年1月)の確定値と、調査時点の掲載に基づく今期(2026年12月・2027年1月)とで並べたものである。東京は12月1万7,500円に対し1月1万3,700円で、月間の段差は−22.0%と前年の−16.6%より深い。これは1月が下がったというより12月が前年比+10.6%と大きく上がった結果で、1月も+3.5%と前年の確定値を上回っている。京都は12月1万7,400円→1月1万3,600円(−22.1%)と東京とほぼ同じ段差だが、前年同期比は12月−2.7%・1月+2.9%と方向が分かれ、12月については前年の高い着地を下回る置き方にある。

一方で大阪の段差は−4.8%と浅い。12月が前年比−5.0%と低めに置かれているのに対し、1月は+5.8%と前年を上回るためで、年末の山を抑えて1月を厚くした形になる。北海道は12月→1月で+4.5%と5都市で唯一1月のほうが高く、前年同期比も12月+31.0%・1月+24.7%と突出している。ただし北海道の1月は対象施設数がN=746と12月(N=831)より少なく、雪シーズンの価格設定が先行して掲載される施設の構成に引っ張られている可能性があるため、現時点の水準は上振れ方向の幅をもって読むべきだろう(北海道の冬の掲載価格と推定成約の乖離は、雪国の冬ホテル単価、推定成約は掲載の約4〜5割 — 北海道だけ2月に上がる5道県比較2026-27が5道県で比べている)。沖縄は12月1万1,500円・1月1万1,200円とほぼ平らで、前年比も+5.1%・+1.3%と穏やかである。

図1 5都市の推定成約ADR — 前年同期(確定)と今期(掲載ベース)

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

表1 5都市の推定成約ADR — 前年同期(確定)と今期(調査時点の掲載ベース)
都市2025年12月2026年1月前年の段差2026年12月
前年同月比
2027年1月
前年同月比
今期の段差N(施設)
東京¥15,814¥13,192-16.6%¥17,497
+10.6%
¥13,653
+3.5%
-22.0%1,074/1,111/1,077/1,029
大阪¥11,120¥9,513-14.5%¥10,566
-5.0%
¥10,060
+5.8%
-4.8%627/640/630/607
京都¥17,918¥13,203-26.3%¥17,438
-2.7%
¥13,586
+2.9%
-22.1%580/580/580/550
北海道¥9,421¥10,339+9.7%¥12,339
+31.0%
¥12,891
+24.7%
+4.5%875/885/831/746
沖縄¥10,890¥11,047+1.4%¥11,450
+5.1%
¥11,188
+1.3%
-2.3%482/485/504/478

N=2025年12月/2026年1月/2026年12月/2027年1月の対象施設数。2026年12月・2027年1月は調査時点(2026年10月)の掲載水準に基づく推定成約ADRで、宿泊日に近づくにつれ変動する。前年同月比は確定月との比較。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

業態別に分けると、段差の中身がさらにはっきりする(表2)。東京のビジネスホテルは12月1万7,100円(前年比+12.2%)→1月1万3,200円(+5.3%)で、シティホテルは12月2万8,500円(−9.3%)→1月2万3,200円(−12.3%)と、同じ東京でもビジネスは前年を上回り、シティは下回る。京都のビジネスホテルは1月が+12.1%と前年の確定値を大きく上回る一方、京都の旅館は12月3万300円(−9.1%)・1月3万300円(−3.4%)で、12月と1月の段差がほぼゼロである。旅館は月をまたいでも水準を保つ業態であり、都市型の深い段差とは別の季節形状をもっている。大阪の旅館も1月が前年比+25.7%と強い置き方になっており、都市型の値付けとは切り離して読む必要がある。

表2 業態別の推定成約ADR — 12月・1月の前年同月比と段差(対象施設20以上の業態のみ)
都市業態2025年12月2026年12月前年比2026年1月2027年1月前年比12→1月N(12月/1月)
東京ビジネス¥15,211¥17,063+12.2%¥12,550¥13,212+5.3%-22.6%883/853
東京シティ¥31,397¥28,469-9.3%¥26,419¥23,157-12.3%-18.7%108/103
大阪ビジネス¥10,546¥10,139-3.9%¥9,144¥9,538+4.3%-5.9%488/470
大阪シティ¥13,951¥13,890-0.4%¥14,015¥12,532-10.6%-9.8%97/94
大阪旅館¥15,682¥17,922+14.3%¥11,582¥14,554+25.7%-18.8%36/35
京都ビジネス¥13,224¥13,510+2.2%¥9,773¥10,955+12.1%-18.9%312/297
京都シティ¥25,300¥22,021-13.0%¥18,432¥17,105-7.2%-22.3%62/59
京都旅館¥33,304¥30,263-9.1%¥31,328¥30,250-3.4%0.0%189/177
北海道ビジネス¥7,518¥11,030+46.7%¥8,074¥11,615+43.9%+5.3%384/355
北海道シティ¥13,622¥14,478+6.3%¥14,658¥15,052+2.7%+4.0%74/66
北海道リゾート¥18,585¥18,520-0.3%¥19,096¥19,915+4.3%+7.5%129/122
北海道旅館¥10,574¥12,260+15.9%¥10,760¥12,918+20.1%+5.4%239/199
沖縄ビジネス¥7,836¥9,593+22.4%¥8,918¥9,361+5.0%-2.4%193/183
沖縄リゾート¥15,356¥14,186-7.6%¥15,057¥13,931-7.5%-1.8%277/263

対象施設数が20未満、または系列中央値の6割を下回る月を含む業態(東京・大阪・京都のリゾート、沖縄のシティ・旅館、東京の旅館)は掲載していない。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

日別の掲載価格 12/26〜1/4 — 5都市とも頂点は大晦日か元日で、12/30はピークにならない

月次では見えない山の形を、日別の掲載価格(各施設の全プラン平均のエリア中央値)で描いたのが図2である。東京の全業態は12月26日(土)3万7,800円で始まり、12月27日(日)3万3,800円へいったん下がったあと、12月29日(火)3万6,600円、12月30日(水)3万8,600円、12月31日(木)4万4,100円と階段状に上がる。元日は3万6,200円で大晦日の0.82倍、1月2日(土)3万3,300円、1月3日(日)2万6,900円、1月4日(月)2万3,500円と、連休最終日にかけて一気に平日水準へ戻る。帰省ラッシュの下り列車が最も混む12月30日は、宿泊単価では大晦日の手前の段にすぎない。

この形は5都市で共通している。京都は12月31日5万5,700円と1月1日5万5,900円がほぼ同じ高さで並び、北海道(4万200円→4万800円)と沖縄(3万7,200円→3万8,200円)は元日のほうがわずかに高い。大阪は大晦日2万7,500円が頂点で元日2万4,300円と0.89倍に下がる。つまり、都市部の宿泊需要が最も高く値付けされているのは「年を越す夜」であり、帰省のピークとは一致しない。前年(2025-26年)の最終掲載価格でも5都市の全業態の頂点はすべて12月31日で、今期と形は変わらない。業態ごとに山が何日続くか(都市型4日・温泉8日)という商戦幅の違いは、年末年始2026-27のホテル料金、頂点は12/31 — 都市型4日・温泉8日の商戦幅で整理している。

図2 日別の掲載価格 12/26〜1/4 — 5都市・全業態のエリア中央値

2026年10月中旬時点の掲載価格(全プラン平均・税込、2名1室)のエリア中央値。対象施設数は日により東京1,880〜2,028、大阪1,016〜1,085、京都1,637〜1,850、北海道1,289〜1,563、沖縄1,726〜1,941。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

業態別の山の位置 — 都市型は大晦日の一点、リゾート・旅館は大晦日と元日の二日間

業態で分けると、山の位置と幅が違って見える。表3は5都市×4業態の頂点の日付と、12月30日・1月1日が大晦日の何倍か、大晦日が1月平日水準の何倍かを示したものだ。ビジネスとシティは5都市ともに大晦日が頂点で(沖縄のビジネスのみ元日が1.02倍とわずかに上回る)、12月30日は大晦日の0.79〜0.97倍、元日は0.72〜0.99倍にとどまる。東京のビジネスホテルは大晦日3万9,800円が1月平日水準1万8,200円の2.18倍に達し、京都のビジネスも2.20倍と、都市型ほど一点集中の高い山になる。

これに対してリゾートと旅館は、大晦日と元日がほぼ同じ高さに置かれる。北海道のリゾートは12月31日7万2,700円・1月1日7万3,700円、沖縄のリゾートは6万2,100円・6万2,600円、京都の旅館は8万2,100円・8万3,600円と、いずれも元日が頂点である。大阪の旅館は元日が大晦日の1.18倍と、むしろ元日に山が立つ。2食付きで年越しと初日の出を売る業態では、頂点が「大晦日の夜」から「元日の夜」まで伸びる構造があり、1月2日(土)も大晦日の0.9〜1.0倍を保つ。東京・大阪・京都の都市型が1月2日に0.6〜0.8倍程度まで下げるのとは対照的である。

前年との比較で目を引くのは倍率の変化だ。東京のビジネスは前年の着地2.13倍に対し今期2.18倍とほぼ同じだが、大阪のビジネスは前年2.02倍に対して今期1.69倍、京都のビジネスは2.42倍に対して2.20倍と、大晦日の上乗せを前年の着地より抑えた置き方になっている。宿泊日まで2ヶ月半を残した時点の掲載なので、ここから直前に向けて上がる余地もあれば、売れ行き次第で下がる余地もある。

図3 東京都の業態別「1月平日比」 12/26〜1/12 — 今期と前年のビジネスホテル

東京都の業態別掲載価格を各業態の1月平日水準(2027年1月5〜8日平均)で割った倍率。破線は前年(2025-26年)のビジネスホテルの最終掲載価格を同じ方法で指数化したもの。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

表3 頂点の日付と大晦日の倍率 — 都市×業態(今期の掲載 vs 前年の最終掲載)
都市業態今期の頂点頂点の掲載価格12/30÷12/311/1÷12/3112/31の1月平日比前年の頂点前年12/31の1月平日比N(今期/前年)
東京ビジネス12/31(木)¥39,7730.820.722.18倍12/31(水)2.13倍901/866
東京シティ12/31(木)¥69,7130.860.831.66倍12/31(水)1.71倍104/96
東京リゾート1/1(金)¥43,4940.951.031.29倍1/1(木)1.42倍14/13
東京旅館12/31(木)¥36,2890.910.941.29倍12/31(水)1.45倍32/26
大阪ビジネス12/31(木)¥25,5710.790.851.69倍12/31(水)2.02倍513/478
大阪シティ12/31(木)¥39,6360.800.951.73倍12/31(水)1.86倍95/89
大阪旅館1/1(金)¥55,6800.901.181.46倍12/31(水)1.46倍32/23
京都ビジネス12/31(木)¥35,5290.840.932.20倍12/31(水)2.42倍323/309
京都シティ12/31(木)¥67,2280.830.942.03倍12/31(水)1.94倍64/59
京都リゾート12/31(木)¥80,7420.830.962.05倍12/31(水)1.81倍13/12
京都旅館1/1(金)¥83,5510.931.021.36倍12/31(水)1.30倍146/131
北海道ビジネス12/31(木)¥21,8410.920.991.32倍12/31(水)1.37倍328/310
北海道シティ12/31(木)¥45,5860.830.881.67倍12/31(水)1.80倍63/65
北海道リゾート1/1(金)¥73,6760.861.011.40倍12/31(水)1.55倍115/110
北海道旅館1/1(金)¥45,7970.861.011.38倍12/31(水)1.58倍172/157
沖縄ビジネス1/1(金)¥20,3100.971.021.40倍12/31(水)1.40倍200/194
沖縄シティ12/31(木)¥44,5960.940.941.78倍1/1(木)1.77倍15/11
沖縄リゾート1/1(金)¥62,5810.951.011.86倍12/31(水)1.96倍282/254
沖縄旅館12/30(水)¥22,9461.110.951.63倍1/2(金)1.30倍16/13

N=12月31日時点の対象施設数。10施設未満の業態は省略。1月平日比の分母は1月5〜8日の平均掲載価格(今期は2027年、前年は2026年)。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

北海道を業態別に指数化すると(図4)、都市型でも山が低く長いことがわかる。北海道のビジネスは大晦日でも1月平日の1.32倍で、1月1日1.31倍、1月2日1.23倍と緩やかに下がる。シティは大晦日1.67倍で一点が立つが、リゾートと旅館は12月31日から1月2日まで1.3〜1.4倍の高原が続き、1月3日(日)でも1.07〜1.18倍を保つ。東京のビジネスが1月3日に1.00倍へ戻るのと比べると、雪のリゾート需要が1月前半まで続く北海道では、連休最終日を「落とす日」として扱う必要が薄い。

図4 北海道の業態別「1月平日比」 12/26〜1/12

北海道の業態別掲載価格を各業態の1月平日水準(2027年1月5〜8日平均)で割った倍率。ビジネスN=311〜369、シティN=62〜74、リゾートN=115〜128、旅館N=165〜230(12月26日〜1月12日の日別対象施設数の範囲)。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

1月の谷 — 前年の確定稼働率は京都−13.7pt・大阪−10.1pt、北海道と沖縄は落ちない

では、連休が明けてから成人の日3連休までの平日はどう扱うべきか。前年の確定値で検証する。観光庁「宿泊旅行統計調査」の客室稼働率は、2025年12月から2026年1月にかけて全国で59.5%→52.7%と6.8pt下がった。表4のとおり都市別の落ち方には差があり、京都は67.0%→53.3%(−13.7pt)、大阪は72.9%→62.8%(−10.1pt)、東京は78.2%→70.7%(−7.5pt)と都市型の比率が高い3都市で谷が深い。施設タイプ別に見ると、京都のシティホテルは73.9%→54.6%と19.3pt、大阪のシティは71.1%→60.4%と10.7pt落ちており、年末年始の高い単価を支えた観光・帰省の需要が1月中旬まで続かないことがわかる。

対照的に、北海道(59.5%→57.9%、−1.6pt)と沖縄(51.9%→51.4%、−0.5pt)は12月と1月でほぼ同じ稼働を保つ。北海道は旅館が37.0%→42.4%、沖縄は旅館が21.0%→37.5%と、1月のほうが高い施設タイプもある。東京の旅館も38.4%→46.8%と上がっており、1月は都市型の宿泊特化施設が緩む一方で、温泉・リゾート型には初詣や雪、暖かさを求める需要が残る月だといえる。推定成約ADRで北海道が12月→1月で+4.5%、沖縄が−2.3%と平らだったのは、この稼働の形と整合している。

表4 客室稼働率 2025年12月→2026年1月 — 都市×施設タイプ(観光庁)
都市2025年12月2026年1月差ビジネスシティリゾート旅館参考:2025年1月
東京78.2%70.7%-7.5pt82.6→77.579.3→70.347.7→35.538.4→46.871.1%
大阪72.9%62.8%-10.1pt77.2→67.371.1→60.466.5→63.643.4→42.871.6%
京都67.0%53.3%-13.7pt77.2→64.973.9→54.657.7→46.546.0→36.152.8%
北海道59.5%57.9%-1.6pt74.7→70.572.6→72.857.8→56.737.0→42.462.1%
沖縄51.9%51.4%-0.5pt75.2→73.066.3→51.355.0→57.621.0→37.552.5%

施設タイプ別は12月→1月の客室稼働率(%)。2026年1月分から標本の層化基準が従業者数から客室数に変わっているため、2025年1月との比較には見直しの影響が含まれる可能性がある。

出典:観光庁「宿泊旅行統計調査」(2025年年間値・2026年1月第2次速報)よりホテルバンク編集部作成

日別の価格はどう動いたか。図5は前年の1月3日から12日までの掲載価格(最終観測値)を1月平日水準で指数化したものである。東京の全業態は1月3日(土)1.22倍から1月4日(日)1.02倍、1月5日(月)0.97倍へと下がり、1月5〜8日は0.96〜1.05倍の平らな谷が続いた。そこから成人の日3連休の初日1月10日(土)に1.47倍へ跳ね、1月11日(日)1.29倍、1月12日(月・祝)1.02倍で連休は終わる。ビジネスホテルに限れば1月10日は1.55倍で、大阪1.51倍、京都1.45倍と都市型の3都市は揃って1.5倍前後の着地だった。北海道(1.24倍)と沖縄(1.22倍)は成人の日の上乗せが薄く、そもそも谷が浅いため、山も低い。

今期の掲載でも同じ形が用意されている。2027年の成人の日3連休は1月9日(土)〜11日(月)で、東京のビジネスホテルは1月9日が1月平日の1.48倍、京都1.45倍、大阪1.37倍、北海道1.26倍、沖縄1.19倍の置き方になっている。前年の着地と比べると大阪だけが0.14倍分低く、ここは直前に向けて伸びる余地を残した日と読める。リゾート・旅館の1月9日は北海道1.11〜1.14倍、京都の旅館1.17倍と、都市型より上乗せが小さい。

図5 前年1月3日〜12日の「1月平日比」 — 5都市・全業態(最終掲載)

2025-26年の1月3日〜12日の掲載価格(最終観測値、全業態)を各都市の1月平日水準(2026年1月5〜8日平均)で割った倍率。対象施設数は東京1,521〜1,598、大阪820〜853、京都1,405〜1,512、北海道1,105〜1,288、沖縄1,533〜1,636。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

どこを守り、どこを早く戻すか — 5都市の日別値付け設計

ここまでの材料を、運営者が日別の値付けに落とすための設計に整理する。前提にしたいのは3点である。第一に、都市型の頂点は大晦日の一点で、12月30日はその手前の段にあること。第二に、連休最終日の1月3日(日)は翌日が仕事始めで、都市型では前年の最終掲載でも連休最終日(2026年は1月4日(日))に1月平日並みまで落ちていたこと。第三に、1月前半で最も守る価値のある一夜は成人の日3連休の初日(土曜)で、都市型のビジネスホテルは前年に1月平日の1.45〜1.55倍で着地したことだ。この3点を踏まえ、5都市について「守る日」「つなぐ日」「早く戻す日」を表5にまとめた。

表5 年末年始2026-27の日別値付け設計 — 都市別の「守る・つなぐ・戻す」
都市守る日(上乗せを維持)つなぐ日(段階的に)早く戻す日(平日設計へ)根拠となる数値
東京12/31(木)、12/30(水)、12/26(土)、1/9(土)12/27(日)〜12/29(火)。12/28は休暇取得で需要が動く日なので、12/27より一段高く置き直前の進捗で判断1/3(日)〜1/8(金)。ビジネスは1/3の時点で1月平日と同水準ビジネスの12/31は1月平日の2.18倍、1/3は1.00倍。12/26(土)3万7,800円は1/9(土)3万1,800円より高い
大阪12/31(木)、1/1(金)はシティで大晦日の0.95倍まで維持12/28(月)〜12/30(水)。大晦日の上乗せ1.69倍は前年着地2.02倍より低く、直前に伸ばす余地1/3(日)〜1/8(金)。前年1月の稼働率は2026年1月に62.8%で、12月からの落ち幅−10.1ptは5都市で2番目に大きいビジネス12/31 2万5,600円、1/3 1万5,500円。成人の日1/9は1.37倍(前年着地1.51倍)
京都12/31(木)・1/1(金)の二日間。旅館は1/2(土)まで大晦日の0.98倍12/29(火)・12/30(水)。シティは12/30が大晦日の0.83倍で、ここを一段上げる余地1/3(日)〜1/8(金)は早期割引・連泊で先に埋める。前年の稼働率落ち幅−13.7ptは5都市最大ビジネス12/31は1月平日の2.20倍(前年着地2.42倍)。旅館は12→1月の月次段差がほぼゼロ
北海道12/31(木)〜1/2(土)の3夜。リゾート・旅館は1/3(日)も1.07〜1.18倍12/28(月)〜12/30(水)は緩やかな階段で十分戻す日が少ない。1月の稼働率は12月から−1.6ptにとどまるリゾートの頂点は1/1 7万3,700円。推定成約ADRは1月が12月より+4.5%(掲載ベース、変動余地あり)
沖縄12/31(木)・1/1(金)。リゾートは1/2(土)も大晦日の0.92倍12/29(火)・12/30(水)はリゾートで大晦日の0.86〜0.95倍1/3(日)以降はリゾートで0.67倍まで戻る。1月の稼働率は12月と同水準なので、戻す幅は価格ではなく日数で調整リゾートの頂点は1/1 6万2,600円。成人の日1/9は1.19倍と上乗せは薄い

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

表5の「直前に伸ばす余地」がどれほどの幅なのかを、ビジネスホテルの掲載価格で試算したのが表6である。表3の12月31日の掲載価格を今期の倍率で割り戻して1月平日水準を概算し、前年の着地倍率、および今期と前年の中間の倍率を掛け直した。前年着地の倍率まで戻すと、大阪は12月31日が約5,000円、京都は約3,600円上の水準になり、成人の日の土曜(1月9日)も大阪で約2,100円、東京で約1,300円上がる。反対に東京の12月31日は前年の着地(2.13倍)より高い2.18倍に置かれており、前年並みに戻すと約900円下がる側の差になる。北海道と沖縄は倍率の差が小さく、上下とも1,000円未満の幅にとどまる。前年の着地は前年の需要の結果であって今期も同じ倍率に届く保証はないため、この表は「どこまで上げ余地を残すか」の目安として読みたい。

表6 大晦日と成人の日の上乗せ感度 — ビジネスホテルの掲載価格(今期の倍率/中間/前年着地の倍率)
都市(ビジネスホテル)1月平日水準(概算)12/31 今期の掲載12/31 中間12/31 前年着地並み差(前年着地−今期)1/9 今期の掲載1/9 中間1/9 前年着地並み差(前年着地−今期)
東京¥18,200¥39,800
2.18倍
¥39,300
2.16倍
¥38,900
2.13倍
−900¥27,000
1.48倍
¥27,600
1.52倍
¥28,300
1.55倍
+1,300
大阪¥15,100¥25,600
1.69倍
¥28,100
1.86倍
¥30,600
2.02倍
+5,000¥20,700
1.37倍
¥21,800
1.44倍
¥22,800
1.51倍
+2,100
京都¥16,100¥35,500
2.20倍
¥37,300
2.31倍
¥39,100
2.42倍
+3,600¥23,400
1.45倍
¥23,400
1.45倍
¥23,400
1.45倍
0
北海道¥16,500¥21,800
1.32倍
¥22,300
1.35倍
¥22,700
1.37倍
+900¥20,800
1.26倍
¥20,700
1.25倍
¥20,500
1.24倍
−300
沖縄¥14,200¥19,900
1.40倍
¥19,900
1.40倍
¥19,900
1.40倍
0¥16,900
1.19倍
¥17,100
1.21倍
¥17,400
1.22倍
+500

掲載価格(全プラン平均のエリア中央値・2名1室・税込)ベースの試算で、推定成約ADRではない。1月平日水準=表3の12月31日の掲載価格÷今期の12/31倍率(沖縄は頂点が元日のため1月1日の掲載価格÷1.02で12月31日を推定)。中間=今期と前年着地の倍率の平均。1月9日の倍率は今期の掲載(2026年10月中旬時点)と前年1月10日(土)の最終掲載。100円単位に丸めたため差額は丸め後の値。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

都市型の運営者にとって、年末年始の収益は大晦日を含む3〜4夜で決まる。12月30日を「帰省ピークだから高く」と置くより、12月31日との段差を崩さずに12月30日を一段下に置いたほうが、前年の着地と整合する。12月26日(土)は今期の暦で9連休の初日にあたり、東京では1月9日(土)より高い3万7,800円が掲載されている。ここは休暇取得の判断に左右される日でもあるため、11月中旬以降に読める予約進捗(宿泊45日前から)で守るか下げるかを決めたい。

1月の谷については、価格を落として埋めるより、先に日数を埋める設計が有効といえる。京都と大阪のシティホテルは前年1月の稼働率がそれぞれ54.6%、60.4%と12月から10pt以上下がっており、1月5〜8日の平日は年末の上乗せを完全に外したうえで、連泊や早期割引で1月9日(土)までの導線をつくる余地がある。成人の日の土曜は前年、都市型のビジネスホテルで1月平日の1.45〜1.55倍に着地しており、1月前半で唯一、年末年始に近い上乗せが成立する夜である。ここを守るために、1月4日〜8日を「下げる」のではなく「平日として最初から設計する」ことが、月の収益を安定させる方向性になる。

リゾート・旅館は逆に、大晦日と元日を同じ高さで置き、1月2日まで高原を保つ設計が今期の掲載にも表れている。北海道と沖縄は1月の稼働率が12月とほぼ変わらず、推定成約ADRも平らなので、連休明けに価格を戻す幅は都市型より小さくてよい。元日の夜を頂点に置く施設が北海道・沖縄・京都の旅館で増えていることは、年越しの食事や初日の出といった「元日の価値」が単価に乗り始めたことの表れであり、今後も伸ばせる要素といえる。

⚠ 将来日程の単価に関する注意:本記事の2026年12月・2027年1月の推定成約ADRおよび12月26日〜1月12日の日別掲載価格は、2026年10月中旬時点でOTA等に公開されている販売価格に基づく推定・集計であり、宿泊日に近づくにつれて新規プランの追加や価格調整で変動します。現時点で高く設定されている価格が直前に下がる可能性、逆に売れ行きに応じて上がる可能性の双方があり、本記事の数値は断定的な予測ではなく「調査時点の置き方」として参照してください。前年同期(2025年12月・2026年1月)の推定成約ADRと観光庁の稼働率は確定値です。

まとめ

5都市の年末年始2026-27を月次と日別の両方で見ると、月次の段差(東京・京都−22%)の裏に、大晦日の一点に立つ都市型の山と、大晦日から元日へ伸びるリゾート・旅館の高原という二つの形がある。帰省ピークの12月30日はどの都市でも頂点にならず、連休最終日の1月3日は都市型で平日水準まで戻る。1月の谷は京都・大阪・東京で深く、北海道・沖縄では浅い。運営者にとっての判断材料は、大晦日を含む3〜4夜をどう守るか、1月5〜8日を最初から平日として設計できるか、そして成人の日の土曜という1月前半で唯一の上乗せの夜をどう取るかの3点に集約される。現時点の掲載は前年の着地を下回る倍率で置かれている都市(大阪・京都のビジネス)もあり、11月中旬から読める予約進捗とあわせて、直前期に伸ばす余地を残した設計にしておきたい。

よくある質問

Q. 年末年始のホテル料金が最も高いのは何日ですか?

東京・大阪・京都・北海道・沖縄の5都市では、ビジネスホテル・シティホテルは12月31日(大晦日)が頂点です。リゾートホテルや旅館では大晦日と元日がほぼ同じ高さで、北海道・沖縄のリゾートや京都の旅館は元日のほうがわずかに高く掲載されています。帰省ラッシュの12月30日は大晦日の0.79〜0.97倍で、ピークにはなりません。

Q. 1月の宿泊単価はどれくらい下がりますか?

月次の推定成約ADRは東京が12月1万7,500円から1月1万3,700円へ−22.0%、京都が−22.1%です。大阪は−4.8%、沖縄は−2.3%と浅く、北海道は+4.5%と1月のほうが高くなっています。前年の確定稼働率も京都が−13.7pt、大阪が−10.1ptと都市型で落ち、北海道・沖縄はほぼ変わりません。

Q. 成人の日の3連休はどの程度の上乗せが見込めますか?

2027年は1月9日(土)〜11日(月)です。前年(2026年1月10日)の最終掲載価格は東京のビジネスホテルで1月平日の1.55倍、大阪1.51倍、京都1.45倍でした。今期の掲載も東京1.48倍、京都1.45倍、大阪1.37倍と同じ水準で、北海道(1.26倍)と沖縄(1.19倍)は上乗せが薄い傾向です。

Q. 北海道と沖縄も、連休明けに価格を大きく戻すべきですか?

戻す幅は都市型より小さくてよいと考えられます。観光庁の客室稼働率は2025年12月→2026年1月で北海道が−1.6pt、沖縄が−0.5ptとほぼ変わらず、推定成約ADRも12月→1月で北海道+4.5%、沖縄−2.3%と平らです。北海道のリゾート・旅館は1月3日(日)でも1月平日の1.07〜1.18倍の掲載が続いています。

Q. いま見えている年末年始の価格は、このまま確定しますか?

確定しません。2026年12月・2027年1月の数値は2026年10月中旬時点の掲載に基づく推定で、宿泊日に近づくにつれて新規プランの追加や価格調整で上下します。大阪・京都のビジネスホテルは大晦日の倍率が前年の着地(大阪2.02倍・京都2.42倍)より低く置かれており、前年並みに戻すと12月31日は大阪で約5,000円、京都で約3,600円上の水準になります(表6)。

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参考資料・出典一覧

■ データソース

メトロエンジンリサーチの推定成約ADR(都道府県×業態、月次。2025年12月・2026年1月は確定値、2026年12月・2027年1月は2026年10月中旬時点の掲載に基づく推定)と日別掲載価格(2名1室・税込、全プラン平均のエリア中央値。前年分は宿泊日までの最終観測値)。稼働率は観光庁「宿泊旅行統計調査」第8表(2025年年間値の12月・1月、2026年1月分 第2次速報値)。

■ 試算前提

1月平日水準=1月5〜8日の掲載価格の平均(今期は2027年、前年は2026年)。各日の倍率=当日の掲載価格÷1月平日水準。表6は表3の12月31日の掲載価格を今期倍率で割り戻した1月平日水準に、前年着地の倍率と中間の倍率を掛けた掲載価格ベースの試算。業態別の月次は対象施設20以上、日別は10施設以上の業態のみ掲載。

■ 限界・留意点

今期の数値は掲載ベースで、宿泊日に近づくにつれ変動する。掲載価格と推定成約ADRは定義の異なる指標で、金額を直接比較しない。観光庁の2026年1月分は標本の層化基準が従業者数から客室数に変わったため、前年同月との比較には見直しの影響が含まれる可能性がある。対象はOTA上で価格が確認できる施設に限られる。

■ 出典

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