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イルミネーション2026-27|周辺宿の12月単価は年間比+18.3%〜▲9.6%、16会場の客室数と平日稼働

投稿日 : 2026.10.26

三重県

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季節・イベント

イルミネーション2026-27|周辺宿の12月単価は年間比+18.3%〜▲9.6%、16会場の客室数と平日稼働

日没が16時台まで早まる11月、なばなの里(三重県桑名市)やハウステンボス(長崎県佐世保市)をはじめとする大規模イルミネーションが各地で点灯する。夜に見るコンテンツは、日帰りで消化されることもあれば、その土地に1泊を生むこともある。本稿では点灯期間が11月〜1月にかかる16会場を取り上げ、2026-27シーズンの点灯期間を施設公式サイトや運営会社の発表資料で確認したうえで、会場から半径5km/10km圏にある稼働中の宿泊施設数と客室数、会場所在市の11月・12月の推定成約ADR(年間平均比・前年同月比)、そして9月実績と11月の予約進捗から見た火〜木曜と土曜の稼働率差を実測した。読み解く論点は一つで、点灯期間の平日をどう埋めるかである。

本記事における指標の定義

ADR(平均客室単価)=各施設がOTA上で公開する最安プラン水準(2名1室利用時・1室あたり料金・税込)に業態別の補正係数を適用して算出した推定成約単価(税抜相当)。上場ホテルREITが開示する物件別実績との照合(91施設・直近3ヶ月間)で誤差中央値は約7%。推定値であり、各施設の実際の成約価格・会計数値とは異なります。エリア単位のADRは対象施設の中央値(エリアの標準的な施設の水準)。OCC(稼働率)=エリア内の総客室数に対する販売済み客室数の割合(OTA販売在庫に基づく推定値、REIT月次公表値との整合性検証で概ね数pt 程度の精度を確認済)。掲載価格に言及する箇所は2名1室利用時の1室あたり料金(税込)です。ブッキングカーブ=チェックイン日に向けたOTA残室数の推移。LT(リードタイム)=チェックインまでの日数。本稿の稼働率はいずれも「稼働率(OTA掲載在庫ベース・推定)」で、OTA上で販売される在庫の消化状況に基づく推定値であり、施設全体の実稼働率とは異なります。周辺の施設数・客室数は主要予約サイトに掲載があり直近3ヶ月に販売価格が観測できた施設を数えたもので、掲載のない旅館・民宿・簡易宿所は含まれません。データ出典:メトロエンジンリサーチ。

Key Takeaways

16会場すべてについて、2026-27シーズンの点灯期間を施設公式サイトまたは運営会社の発表資料で確認した。
半径5km圏の稼働施設は御堂筋(大阪市中央区)の873施設・93,434室から、東京ドイツ村とレオマリゾートの各1施設まで開きが大きい。郊外型会場は10km圏まで広げて初めて1,000室前後の受け皿が見えてくる。
2025年11月または12月の推定成約ADRが所在市の年間平均を5%以上上回った会場は9会場(伊東市の12月+18.3%、蒲郡市の12月+16.2%など)。桑名市・足利市・丸亀市・大阪市中央区などは±5%以内で、夜のコンテンツが単価ではなく日帰りで消化されている型と読める。
9月実績の稼働率は土曜が火〜木曜を御殿場市で+17.6pt、沖縄市で+12.5pt上回る一方、札幌市中央区・藤沢市は差がほとんどない。11月上旬〜中旬のチェックイン38日前時点でも火〜木曜は5〜6割台にとどまる市が多く、点灯期間の平日に伸びしろが残っている。

16会場の点灯期間と、半径5km/10km圏の客室

対象は、点灯期間が11月から1月にかかる大規模会場のうち、郊外のテーマパーク・庭園型(なばなの里、ハウステンボス、あしかがフラワーパーク、さがみ湖MORI MORI、ラグーナテンボス、東京ドイツ村、よみうりランド、伊豆ぐらんぱる公園、御殿場高原 時之栖、東南植物楽園、レオマリゾート)、観光地型(江の島の湘南の宝石)、都心の街路型(さっぽろホワイトイルミネーション、SENDAI光のページェント、神戸ルミナリエ、御堂筋イルミネーション)の16会場である。点灯期間は施設公式サイト、または運営会社の発表資料で2026-27シーズンの日付を確認した。ラグーナテンボスは公式サイトにプログラム別の期間が掲載されており、最も早い開始日と最も遅い終了日を記載した。

周辺の宿泊供給は、各会場の座標から半径5kmと10kmの圏内にある施設を抽出し、主要予約サイトに掲載があり、直近3ヶ月(2026年7月8日〜10月7日)に2名1室の販売価格が観測できた施設を「稼働中」として数えた。母集団は主要予約サイト掲載分であり、掲載のない旅館・民宿・簡易宿所は含まれない。

表1 16会場の2026-27シーズン点灯期間と半径5km/10km圏の稼働施設数・客室数
会場(所在)2026-27 点灯期間5km圏 施設5km圏 客室10km圏 施設10km圏 客室
なばなの里
三重県桑名市
2026年10月17日〜2027年5月31日26769391,626
ハウステンボス
長崎県佐世保市
2026年11月6日〜2027年2月25日(ザ・スターライト・ミリオン)182,215352,376
あしかがフラワーパーク
栃木県足利市
2026年10月17日〜2027年2月14日363381,806
さがみ湖MORI MORI
神奈川県相模原市緑区
2026年11月14日〜2027年5月9日513715350
ラグーナテンボス
愛知県蒲郡市
2026年11月8日〜2027年2月28日(公式サイト掲載のプログラム期間。一部は11月14日〜2月14日)プログラム別に掲載17892321,638
東京ドイツ村
千葉県袖ケ浦市
2026年10月31日〜2027年4月4日11322832
よみうりランド
東京都稲城市
2026年10月29日〜2027年4月4日12867503,458
伊豆ぐらんぱる公園
静岡県伊東市
2026年11月6日〜2027年8月31日(第12シーズン)3512,7144555,500
御殿場高原 時之栖
静岡県御殿場市
2026年10月9日〜2027年3月7日55781966,064
江の島(湘南の宝石)
神奈川県藤沢市
2026年12月1日〜2027年2月28日771,9051963,825
さっぽろホワイトイルミネーション
北海道札幌市中央区
2026年11月20日〜12月25日(大通会場。駅前通会場等は2027年2〜3月まで)31034,62232135,710
SENDAI光のページェント
宮城県仙台市青葉区
2026年12月4日〜12月27日(第41回)10113,67212615,664
神戸ルミナリエ
兵庫県神戸市中央区
2027年1月29日〜2月7日(第32回)9913,26912414,492
東南植物楽園
沖縄県沖縄市
2026年10月23日〜2027年5月23日405763258,893
レオマリゾート
香川県丸亀市
2026年11月3日〜2027年2月28日1241401,491
御堂筋イルミネーション
大阪府大阪市中央区
2026年11月3日〜12月31日(大阪・光の饗宴2026は2027年1月31日まで)87393,4341,064114,771

出典:点灯期間は各施設公式サイト・発表資料(巻末の出典一覧参照)。施設数・客室数はメトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(主要予約サイト掲載・直近3ヶ月に販売価格の観測がある施設、16会場10km圏の合計 N=3,078施設)

供給の厚みは会場の立地でまったく違う。都心の街路型は御堂筋(大阪市中央区)の5km圏に873施設・93,434室、さっぽろホワイトイルミネーション(札幌市中央区)に310施設・34,622室、SENDAI光のページェント(仙台市青葉区)に101施設・13,672室、神戸ルミナリエ(神戸市中央区)に99施設・13,269室と、会場そのものが宿泊集積地の中にある。ハウステンボスは5km圏18施設ながら2,215室で、園内・隣接の大型ホテルが供給の中核をなす。これに対して東京ドイツ村とレオマリゾートは5km圏に稼働施設が1施設ずつしかなく、10km圏に広げてようやく832室・1,491室になる。さがみ湖MORI MORIも5km圏137室・10km圏350室で、関東最大級600万球の集客規模に対して至近の客室は薄い。伊豆ぐらんぱる公園(伊東市)は5km圏351施設・2,714室と施設数は多いが、1施設あたり8室弱の小規模宿が中心で、御殿場高原 時之栖は5km圏5施設・578室の大半を会場と一体の宿泊施設が占める。つまり郊外型の会場では、点灯を見た客が泊まる場所は会場併設か、車で20〜30分離れた市街地かの二択になりやすい。会場を横断の単位に置いて半径5km圏の客室供給を並べる見方は、展示会場周辺のホテル供給を6会場で比較した記事でも同じ手順で示しており、展示場でも足元の客室数には87倍の開きがあった。

16会場の位置と半径5km圏の宿泊施設(円=客室規模。20室以上・各会場最大120施設を表示)

★=会場。会場をクリックすると5km/10km圏の施設数・客室数を表示する。地図は左上のボタンまたはダブルクリックで拡大できる。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(会場座標は公式所在地をもとに照合)

所在市の11月・12月ADR — 年間平均比で分かれる「単価が乗る会場」と「日帰り消化型」

次に、会場所在市(政令指定都市は所在区)の推定成約ADRを、確定済みの直近シーズンにあたる2025年11月・12月について、同市の2025年の年間平均(月次値の単純平均)および前年同月と比べた。市区町村単位の推定成約ADRは検証済みカテゴリ(ビジネス・シティ・リゾート・旅館・カプセル)の施設の中央値であり、小規模な市では対象施設数が1桁になる点には注意が要る。稲城市(よみうりランド)は対象2施設で統計として扱えないため比較から外し、神戸市中央区の2025年11月は対象施設数が系列の中央値の約半分(32施設/66施設)にとどまり対象施設数が少ない月のため、11月は比較にも年間平均の算出にも用いず、12月を11月を除く11か月の平均と比べた。なお所在市のADRには出張・紅葉・忘年会など会場以外の需要も含まれるため、ここで見ているのは「イルミネーションの効果」そのものではなく、点灯期間に重なる月の単価が年間水準に対してどう位置するかである。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(2025年の月次推定成約ADR、所在市区町村の中央値。N は下表参照。稲城市は対象2施設のため除外、神戸市中央区の11月は対象施設数が少ないため除外し、同区の年間平均も11月を除く11か月で算出)

表2 会場所在市の推定成約ADR(2025年11月・12月)— 年間平均比・前年同月比と判定
会場所在市2025年平均2025年11月年間比前年同月比2025年12月年間比前年同月比N判定
桑名市
なばなの里
¥8,100¥8,200+1.0%+8.5%¥8,200+1.3%+0.9%19日帰り消化型
佐世保市
ハウステンボス
¥7,600¥7,800+3.4%-4.8%¥8,000+5.2%-1.9%37単価が乗る
足利市
あしかがフラワーパーク
¥5,800¥6,000+2.7%+4.8%¥5,700-1.7%-0.9%12日帰り消化型
相模原市緑区
さがみ湖MORI MORI
¥11,500¥12,000+4.7%+12.8%¥12,000+5.1%+11.1%6単価が乗る
蒲郡市
ラグーナテンボス
¥16,100¥17,000+5.5%+17.1%¥18,700+16.2%+20.3%23単価が乗る
袖ケ浦市
東京ドイツ村
¥5,200¥5,200+0.5%+21.7%¥5,700+8.6%+27.5%6単価が乗る
稲城市
よみうりランド
¥8,200¥8,300+0.7%+4.2%¥8,000-2.8%+0.2%2判定外(対象施設数が少ない)
伊東市
伊豆ぐらんぱる公園
¥21,100¥21,300+0.8%+3.7%¥25,000+18.3%+10.5%120単価が乗る
御殿場市
御殿場高原 時之栖
¥8,600¥9,600+12.3%+2.4%¥9,100+6.6%+4.0%25単価が乗る
藤沢市
江の島(湘南の宝石)
¥9,600¥9,700+0.6%+0.2%¥9,000-5.8%-0.6%21日帰り消化型
札幌市中央区
さっぽろホワイトイルミネーション
¥13,900¥12,700-9.0%+29.7%¥14,700+5.8%+30.8%130単価が乗る
仙台市青葉区
SENDAI光のページェント
¥9,100¥10,600+16.6%+18.8%¥8,200-9.6%+10.8%71単価が乗る
神戸市中央区
神戸ルミナリエ
¥11,400対象少・参考外——¥12,200+7.3%+20.7%63単価が乗る
沖縄市
東南植物楽園
¥6,600¥6,400-3.6%+5.5%¥6,700+0.6%+4.6%17日帰り消化型
丸亀市
レオマリゾート
¥6,500¥6,700+3.3%+10.6%¥6,500-0.1%+4.9%11日帰り消化型
大阪市中央区
御堂筋イルミネーション
¥14,400¥14,400+0.3%+15.5%¥13,700-4.3%+8.7%184日帰り消化型

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(推定成約ADR・税抜相当・所在市区町村の中央値。N=2025年11月の対象施設数、神戸市中央区は12月(同区の2025年平均は11月を除く11か月)。判定:11月または12月が年間平均比+5%以上を「単価が乗る」、それ以外を「日帰り消化型」)

単価がもっとも明確に乗っているのは伊東市(伊豆ぐらんぱる公園)で、2025年12月の推定成約ADRは¥25,000と年間平均¥21,100を+18.3%上回り、前年同月比でも+10.5%伸びた。対象施設数が120施設と厚く、温泉地としての年末需要にグランイルミの夜需要が重なる構図である。蒲郡市(ラグーナテンボス)も12月は¥18,700で年間平均比+16.2%、前年同月比+20.3%と、11月(年間比+5.5%)から12月にかけて勾配が立ち上がる。御殿場市(時之栖)は11月が+12.3%、12月が+6.6%と、点灯が10月上旬から始まる会場らしく秋口から単価が乗る形をとり、札幌市中央区も12月に年間平均比+5.8%・前年同月比+30.8%と底堅い。佐世保市(ハウステンボス)は12月+5.2%で前年同月比は-1.9%と、水準は年間を上回りつつ前年からは小幅に調整した。神戸市中央区も12月は¥12,200と11月を除く年間平均¥11,400を+7.3%上回ったが、ルミナリエの会期は1月下旬からで、12月の上乗せは会場以外の年末需要によるものとみられる。

一方で、桑名市(なばなの里)は11月+1.0%・12月+1.3%と年間平均とほぼ同じ水準にとどまる。国内最大級の集客を誇る会場でありながら所在市の単価が動かないのは、名古屋市内や長島温泉の宿泊、あるいは日帰りで需要が消化されていることを示唆する。足利市(あしかがフラワーパーク)、丸亀市(レオマリゾート)、大阪市中央区(御堂筋)、藤沢市(江の島)、沖縄市(東南植物楽園)も同様に±5%以内か年間平均を下回り、仙台市青葉区は11月こそ+16.6%と高いものの、ページェントが点灯する12月は-9.6%と年間平均を下回った。前年同月比では桑名市+8.5%、沖縄市+5.5%、丸亀市+10.6%、仙台市青葉区+18.8%(いずれも11月)と市場全体の単価は上がっており、「日帰り消化型」は単価が下がっているのではなく、年間の水準に対して点灯期間の上乗せがまだ乗っていない、と読むのが正確である。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(2025年の月次推定成約ADRを各市の年間平均=100として指数化。蒲郡市 N=23、御殿場市 N=25、伊東市 N=120、大阪市中央区 N=184、いずれも2025年11月の対象施設数)

月別に見ると、蒲郡市と伊東市は11月から12月にかけて指数が上向き(蒲郡市105.5→116.2、伊東市100.8→118.3)、御殿場市は11月の112.3から12月は106.6へ下がるものの年間平均を上回る水準を保つ。大阪市中央区は2025年4〜10月の万博会期中に単価が集中したため、11月は年間平均並み(指数100.3)、12月は95.7と年間平均を下回った。点灯期間の単価は、会場の規模よりも「その月に他の需要が重なっているか」で決まる面が大きい。

火〜木曜の在庫消化 — 9月実績と、11月のチェックイン38日前時点

平日の伸びしろを測るため、所在市の稼働率(OTA掲載在庫ベース・推定)を二つの時点で見た。一つは直近の確定月である2026年9月の日別実績を曜日で分けたもので、火〜木曜と土曜の差が構造的な「週末偏重」の度合いを示す。もう一つは2026年11月7日(土曜)と11月10日〜12日(火〜木曜の3日平均)のチェックイン日について、チェックイン38日前(LT38)時点の消化率を比べたもので、こちらは点灯開始直後の予約進捗の途中経過にあたる。いずれもOTA上で販売される在庫の消化状況に基づく推定値であり、施設全体の実稼働率とは異なる。日別の稼働率が集計基準(対象施設数・観測日数)に届かなかった市(足利市・相模原市緑区・袖ケ浦市・稲城市・丸亀市)は集計対象外とした。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(2026年9月の日別・稼働率(OTA掲載在庫ベース・推定)を曜日平均。対象:桑名市7施設/692室、佐世保市30施設/3,235室、蒲郡市16施設/973室、伊東市162施設/3,341室、御殿場市12施設/815室、藤沢市22施設/1,226室、札幌市中央区103施設/14,907室、仙台市青葉区36施設/5,518室、神戸市中央区38施設/5,475室、沖縄市25施設/720室、大阪市中央区130施設/19,720室、いずれも主要予約サイト掲載ベース)

9月実績では、御殿場市の土曜91.7%に対して火〜木曜は74.1%と17.6ptの開きがあり、沖縄市(+12.5pt)、佐世保市(+8.1pt)、大阪市中央区(+7.3pt)、蒲郡市(+7.1pt)、伊東市(+6.4pt)が続く。郊外のリゾート・テーマパーク型は土曜に寄りやすい構造が明確である。反対に札幌市中央区(土曜92.7%・火〜木曜94.1%)と藤沢市は差がほとんどなく、仙台市青葉区(+1.0pt)、神戸市中央区(+2.7pt)、桑名市(+3.2pt)も平日が土曜と同じ水準で埋まっている。出張需要の厚い都市では、イルミネーションが乗る前から平日の下地ができているといえる。札幌の火〜木曜の厚みは市内に限らず全道のビジネスホテルに共通する形で、曜日別の山と谷は北海道のビジネスホテルは「週末型」ではないが掘り下げている。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(2026年11月7日(土曜)・11月10日〜12日(火〜木曜)チェックインのチェックイン38日前時点、稼働率(OTA掲載在庫ベース・推定)。対象:桑名市11施設/893室、佐世保市34施設/2,887室、蒲郡市19施設/1,149室、伊東市228施設/3,813室、御殿場市18施設/1,089室、藤沢市26施設/1,239室、札幌市中央区111施設/16,565室、仙台市青葉区37施設/5,785室、神戸市中央区37施設/5,436室、沖縄市24施設/696室、大阪市中央区134施設/19,792室、いずれも主要予約サイト掲載ベース。LT45以内の観測点のみ使用)

11月のチェックイン38日前時点では、佐世保市(火〜木曜80.1%)を除く10市で火〜木曜が5〜6割台、土曜は全11市で6〜9割台にあり、途中経過ながら週末から先に埋まっている。差がもっとも大きいのは仙台市青葉区で、土曜96.4%に対して火〜木曜62.2%と34pt開くが、これはページェント点灯前の11月上旬の数字であり、市内の週末イベント需要を含む。蒲郡市(土曜88.2%・火〜木曜60.4%)、大阪市中央区(73.4%・54.2%)、神戸市中央区(86.7%・68.2%)も18〜28ptの差がある。御殿場市は土曜69.1%・火〜木曜68.4%とこの時点ではほぼ並んでおり、9月実績の大きな週末偏重とは対照的に、11月上旬は平日から先に売れている。点灯が10月9日に始まり、紅葉と重なる御殿場では、平日の夜需要が早めに動いていると読める。チェックインまで1ヶ月以上あるため、これらは確定した需要ではなく、今後の予約で埋まっていく過程にある数字である。

単価×曜日の4象限 — 会場ごとに違う「平日の埋め方」

ここまでの二つの軸、所在市の12月(または11月)ADRが年間平均を5%以上上回るか、9月実績で土曜と火〜木曜の稼働率差が5pt以上あるかを掛け合わせると、会場は四つの型に分かれる。曜日軸の判定ができない5市は所在市の稼働率が集計基準に届かず週末偏重を測れないため、供給面の示唆のみを記した。

表3 単価×曜日の4象限と、点灯期間の平日を埋める機会
型会場(所在市)点灯期間の平日を埋める機会
単価が乗る × 週末偏重ハウステンボス(佐世保市)
ラグーナテンボス(蒲郡市)
伊豆ぐらんぱる公園(伊東市)
御殿場高原 時之栖(御殿場市)
土曜に乗っている単価を落とさずに火〜木曜を埋める局面。平日限定の点灯鑑賞付き夕食プランや火〜水曜の連泊設定、閉園後の送迎と組み合わせた「夜に着いて泊まる」導線が、単価を守りながら稼働を上げる余地になる。
単価が乗る × 平日も埋まるさっぽろホワイトイルミネーション(札幌市中央区)
SENDAI光のページェント(仙台市青葉区)
神戸ルミナリエ(神戸市中央区)
出張需要で平日の下地があり、札幌と神戸は12月、仙台は11月に単価が乗る(仙台の12月は年間平均比-9.6%、神戸の12月はルミナリエ会期前)。レジャー客向けには週末の単価を平日に展開する機会があり、観光とビジネスで客室を取り合わない価格設計が有効といえる。
日帰り消化型 × 週末偏重東南植物楽園(沖縄市)
御堂筋イルミネーション(大阪市中央区)
土曜に寄る需要を単価より稼働で受けている。平日の夜に向けた「点灯鑑賞×宿泊」の企画そのものが新しい需要を作る局面で、所在市の単価に上乗せの余地が残る。
日帰り消化型 × 平日も埋まるなばなの里(桑名市)
江の島(湘南の宝石)(藤沢市)
平日も土曜も埋まるが、点灯期間の単価上乗せはまだ乗っていない。稼働の高さを前提に、点灯期間に限った上位プランや眺望・立地を訴求する価格帯の追加に伸びしろがある。
単価が乗る(曜日判定外)さがみ湖MORI MORI(相模原市緑区)
東京ドイツ村(袖ケ浦市)
所在市の稼働率は集計基準に届かず曜日判定ができないが、会場至近(5km圏)の客室は構造的に薄い。来場者の宿泊は隣接市の市街地に流れている可能性が高く、会場併設の宿泊や近隣市の宿との送迎連携が、夜需要を1泊に変える出発点になる。
日帰り消化型(曜日判定外)あしかがフラワーパーク(足利市)
レオマリゾート(丸亀市)
所在市の稼働率は集計基準に届かず曜日判定ができないが、会場至近(5km圏)の客室は構造的に薄い。来場者の宿泊は隣接市の市街地に流れている可能性が高く、会場併設の宿泊や近隣市の宿との送迎連携が、夜需要を1泊に変える出発点になる。
判定外よみうりランド(稲城市)所在市の対象施設が2施設のため統計として扱わない。10km圏には50施設・3,458室があり、川崎市・調布市側の宿が実質的な受け皿になる。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(単価軸=2025年11月または12月の推定成約ADRが所在市の年間平均比+5%以上。曜日軸=2026年9月実績の土曜と火〜木曜の稼働率差が5pt以上)

この整理から見える運営側の論点は三つある。第一に、単価が乗って週末に寄る会場(伊東市・蒲郡市・御殿場市・佐世保市)では、火〜木曜の値付けを土曜の水準から切り離すのではなく、点灯鑑賞と夕食、送迎をセットにした平日専用の商品で「泊まる理由」を作る方が、単価と稼働の両方を取りにいける。9月実績で土曜の掲載価格が火〜木曜の1.5〜2.4倍になっている御殿場市・蒲郡市は、平日に土曜の7〜8割の単価で売れればRevPARの上積みが大きい。土曜と火曜の価格比が施設ごとにどれだけ振れ、年間のNOIにどう効くかは、土曜は火曜の1.8倍か1.2倍かが8道府県2,153施設で試算している。第二に、日帰り消化型で週末に寄る会場(大阪市中央区・沖縄市)は、点灯そのものは集客しているのに所在市の単価が年間水準から動いていない。御堂筋のように17時から深夜25時まで点灯する街路型は、観劇や食事の後に歩く「帰り道のコンテンツ」であり、平日の夜に宿泊とつなぐには、点灯終了時刻まで楽しんでから泊まる導線を宿側が明示する余地がある。第三に、平日も土曜も埋まっている都市型(札幌・仙台・神戸・藤沢・桑名)では、稼働の上積みより点灯期間限定の上位プランで単価を取る方向に機会がある。札幌は12月に年間平均比+5.8%、神戸も12月に+7.3%と単価が乗り始めており、仙台は12月、神戸は1月下旬からの点灯期間で同じ動きを狙う余地が残る。

供給の薄い郊外型(東京ドイツ村・レオマリゾート・さがみ湖・あしかが)については、所在市の宿だけで夜需要を受け止めることが物理的に難しい。10km圏に広げれば袖ケ浦・木更津で832室、丸亀・坂出で1,491室、相模原市緑区・上野原で350室、足利・佐野・太田で1,806室の受け皿があり、会場側の閉園時刻に合わせた送迎や、近隣市の宿が点灯鑑賞券を組み込んだプランで迎えにいくことが、点灯期間の平日に1泊を生む現実的な方法になる。

集計方法と注意点

点灯期間は2026年10月7日時点で各施設の公式サイトまたは運営会社の発表資料(PR TIMES等に掲載されたリリース)で確認した日付を記載した(あしかがフラワーパークは10月9日、SENDAI光のページェントは10月18日に公式サイトで確認)。ラグーナテンボスは公式サイトにプログラム別の期間(2026年11月8日〜2027年2月28日、一部は11月14日〜2月14日)が掲載されているため、最も早い開始日と最も遅い終了日を記載した。日程は各施設の判断で変更される場合がある。

周辺施設数・客室数は、メトロエンジンリサーチが追跡する施設のうち主要予約サイトに掲載があり、2026年7月8日〜10月7日に2名1室の販売価格が観測できた施設を集計した。掲載のない宿泊施設は含まれず、客室数はメトロエンジンリサーチの収録値である。会場座標は公式所在地をもとに照合したが、会場の広さによっては入口との間に数百mの差が生じる。推定成約ADRは市区町村単位の中央値で、2026年10月以降は調査時点の掲載水準に基づく推定値になるため、本稿では確定済みの2025年11月・12月を用い、将来月の数値は比較に使っていない。

⚠ 将来日程の数値に関する注意:2026年11月の稼働率(OTA掲載在庫ベース・推定)は調査時点でOTAに公開されている在庫の消化状況に基づく途中経過であり、チェックイン日に近づくにつれて新規の予約と在庫の追加で変動する。本稿では完売や需要超過の判定は行っていない。

よくある質問

Q. 2026-27シーズンで点灯開始がもっとも早い会場はどこですか?

A. 16会場の中では御殿場高原 時之栖の2026年10月9日が最も早く、なばなの里とあしかがフラワーパーク(10月17日)、東南植物楽園(10月23日)、よみうりランド(10月29日)、東京ドイツ村(10月31日)が続きます。11月に入ると御堂筋とレオマリゾート(11月3日)、ハウステンボスと伊豆ぐらんぱる公園(11月6日)、ラグーナテンボス(11月8日)、さがみ湖MORI MORI(11月14日)、札幌(11月20日)が点灯します。江の島は12月1日、SENDAI光のページェントは12月4日、神戸ルミナリエは2027年1月29日からです。

Q. 会場周辺のホテルは点灯期間に値上がりしますか?

A. 所在市の推定成約ADRで見ると、伊東市・蒲郡市・御殿場市・札幌市中央区・佐世保市などは11月または12月に年間平均を5%以上上回りました。一方で桑名市・大阪市中央区・藤沢市などは年間平均とほぼ同じ水準で、会場の集客力と周辺の宿泊単価は必ずしも連動していません。推定値であり、個々の施設の販売価格はプランや部屋タイプで異なります。

Q. 平日に泊まるなら、どの会場の周辺が取りやすいですか?

A. 2026年11月上旬〜中旬のチェックイン38日前時点では、佐世保市を除く10市で火〜木曜の消化率が5〜6割台にとどまっています。供給が厚い大阪市中央区・札幌市中央区・仙台市青葉区・神戸市中央区は選択肢が多く、郊外型の会場では会場併設の宿泊施設か、車で20〜30分の市街地の宿が受け皿になります。

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参考資料・出典一覧

■ データソース

点灯期間は各施設の公式サイトまたは運営会社・自治体の発表資料(2026年10月7日時点)。周辺の施設数・客室数、推定成約ADR(市区町村別・月次の中央値)、稼働率(OTA掲載在庫ベース・推定)、ブッキングカーブはメトロエンジンリサーチの集計。周辺施設は主要予約サイトに掲載があり2026年7月8日〜10月7日に2名1室の販売価格が観測できた施設(16会場10km圏の合計 N=3,078施設)。

■ 試算前提

本稿は将来の収支試算を含まず、判定基準のみを置いている。単価軸は2025年11月または12月の推定成約ADRが所在市の2025年平均(月次値の単純平均)比+5%以上を「単価が乗る」、曜日軸は2026年9月実績の土曜と火〜木曜の稼働率差5pt以上を「週末偏重」とした。予約進捗は2026年11月7日(土曜)と11月10日〜12日(火〜木曜)チェックインの38日前時点を用いた。

■ 限界・留意点

所在市のADRには出張・紅葉・忘年会など会場以外の需要が含まれ、イルミネーション単独の効果を切り出したものではない。対象施設数が1桁の市は中央値が振れやすく、稲城市(2施設)と神戸市中央区の2025年11月は比較から外した(神戸市中央区の年間平均も11月を除く11か月で算出)。稼働率は推定値で施設全体の実稼働率とは異なり、11月の数値は予約の途中経過である。点灯日程は各施設の判断で変更される場合がある。

■ 点灯期間(施設公式サイト・発表資料)

■ 市場データ・公的統計

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