眠っていたデータから新たな付加価値を
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投資・開発
クルーズ船の寄港が過去最多を更新した。しかし「寄港回数が増えた」ことと「港町のホテルが埋まる」ことのあいだには、明確な断層がある。航路の途中に立ち寄る通過寄港では、乗客は日中に上陸し、夕方には船に戻って船内で眠る。陸上の客室需要を生むのは、乗客が乗り降りする発着(ターンアラウンド)の側だ。本稿では、交通結節点を空港でも鉄道駅でも高速ICでもなく港湾で切り、その発着機能に限定して「発着1回が何室の前...
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災害リスクを「いくらで価格に織り込むか」という問いの手前に、もっと決定的な問いがある。その敷地で、もう一度建てられるのか。土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)に立地する温泉旅館・山間リゾートは、取得しても建替え・増築が許可のレイヤーで止まる可能性がある。本稿では、全国8つの温泉地・山間リゾート商圏に立地する宿泊施設2,294軒を、国土交通省 不動産情報ライブラリの区域データで1軒ずつ点判定し、レッ...
HotelBankでは大分県について、9月宿泊分の在庫進捗や10月3日(土)の業態別ブッキングカーブ、朝食・夕食の食事プレミアムといった「需要と単価設計」の記事を出してきた。本稿はそこから軸を変える。扱うのは予約の進み方ではなく、県内18市町村に客室がどう置かれ、それぞれいくらで売れているかという「静的な地図」である。石川・富山・山口・奈良・長崎・和歌山・新潟・愛媛・三重・福井・岩手・熊本・鹿児島...
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用地の資料が回ってきて最初に見るのは、たいてい用途地域と指定容積率だろう。商業地域・600%と書いてあれば、敷地面積に6を掛けて延床を置き、そこから客室数を割り出す。この10分の暗算が、前面道路の幅員ひとつで大きく変わる。建築基準法52条2項は、前面道路の幅員が12m未満の敷地について、幅員(m)に法定乗数を掛けた値と指定容積率の小さい方を使えと定めている。商業地域・600%の土地でも、前面道路が...
指定なし
ホテルを売る側の実務では、成約価格そのものよりも「その価格から何が引かれて、最終的にいくら手元に残るか」のほうが意思決定を左右する。仲介手数料、デューデリジェンス対応、譲渡益に対する法人税等——これらを積み上げると、売却価格100億円のケースで手元に残るのは約80億円になる。本稿は、この差分の中身を費目単位で分解し、売却価格帯・保有年数・売主の法人格ごとに手取りがどう動くかを試算する。
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洋上風力発電の建設は、数年単位で同じ港に人が張り付く事業である。地方のビジネスホテルにとっては、観光需要とは性質の異なる「連泊・長期・平日型」の宿泊需要が生まれる可能性を意味する。本稿では、国土交通省が指定する基地港湾7港について、周辺10km圏・30km圏の宿泊ストックをメトロエンジンリサーチのデータで実測し、工事従事者の連泊需要をどこまで受け止められるかをレンジで定量化する。
バブル期に大量供給された区分所有リゾートマンションは、いま10万円台から流通している。取得のハードルが低い一方で、所有した瞬間から管理費・修繕積立金・固定資産税が毎月出ていく。この構造を「宿泊施設として稼働させる」側から見ると、投資判断は取得価格ではなく年間で何泊売れば固定費と回収を賄えるかという一点に収束する。本稿では越後湯沢(新潟県湯沢町)と熱海(静岡県熱海市)を対象に、①取得価格帯 ②年間固...
宿泊市場を語るとき、多くの分析は「エリアに何室あるか」で止まる。しかし実務上より重要なのは、その客室が何棟に分かれているかである。同じ2,000室でも、1棟が900室を占める街と、70棟に細かく分かれた街では、1軒の新規開業が市場に与える衝撃がまったく違う。本稿では、全国の宿泊施設を施設単位(1棟単位)で市区町村別に積み上げ、「最大棟シェア」「上位3棟シェア」という2つの集中度指標を算出した。その...
市街地再開発の記事は、ふつう「床を買う側」の目線で書かれる。だが再開発の当事者として最初に意思決定を迫られるのは、その土地にすでに権利を持っている人——旧来の商店、貸ビル、老舗旅館のオーナーである。彼らが選ぶのは「いくらで買うか」ではなく、従前の権利を何に置き換えるかだ。本稿は、この「置き換える側(権利床を取る側)」を主題に、第一種市街地再開発事業の制度を整理し、地方中核市の駅前に土地200坪を持...
メトロエンジンリサーチが把握する範囲で、大阪府の宿泊施設は2,523施設・167,259室(2026年9月時点)。このストックに対して、2030年秋ごろの開業が予定される夢洲の統合型リゾート(IR)はホテル3棟・約2,500室を積む。府全体の約1.5%、大阪市内ストックの約1.8%にあたる規模である。一方で、2026年5月29日には大阪市の特区民泊の新規認定受付が終了した。増える枠と動く枠が同じ4...