眠っていたデータから新たな付加価値を
長崎県
エリア・施設分析
長崎県の宿泊単価を県平均ひとつで語ると、市場の形はほとんど見えない。メトロエンジンリサーチの集計で県内20市町を並べると、掲載価格はもっとも高い市町ともっとも低い市町で3倍近く開き、その差は「観光地かどうか」だけでは説明がつかないためだ。本稿では長崎県を都市業務帯・温泉沿岸リゾート帯・離島帯の3つの価格レイヤーに分けて、推定成約ADR・在庫の埋まり方・宿の構成・口コミ評価の4つの軸で比較する。結論...
指定なし
宿泊市場動向
「宿泊旅行統計調査」は、観光庁が毎月公表する国内唯一の全国規模の宿泊需要統計である。延べ宿泊者数と客室稼働率の月次推移は、ホテルの予算策定から金融機関の与信判断まで幅広く参照されるが、その数値がどの母集団から、どの回収率で、どの改定サイクルを経て出てきたものかまで踏み込んで読まれることは少ない。本稿では調査要領と用語の解説という一次資料で定義を確認したうえで、直近7か月の第1次速報と第2次速報を突...
沖縄県
レベニューマネジメント
沖縄県の宿泊需要を「宿泊日の45日前(T-45)」から観測すると、10月の土曜のリゾートホテルはすでに推定OCC84.6%(2026年10月3日・T-45時点・観測232施設)に達している。ビジネスホテルは同じ日で74.9%、シティホテルは89.6%(N=14施設)。つまりT-45の時点で、業態によって「残っている枠」が10%台から20%台まで15ポイント近くひらいている。同じ島の同じ日付でありな...
北海道
山形県
長野県
群馬県
栃木県
投資・開発
ホテル開発の立地評価は、需要側の指標に偏りがちだ。商圏人口、乗降客数、観光入込、周辺の客室ストック——いずれも「誰が泊まりに来るか」を測るものである。しかし建てた建物を実際に回すのは、その場所で働ける人だ。国内約27,000施設のうち、労働力の供給側から立地を評価している例は多くない。 本稿では、半径5km商圏の生産年齢人口を同じ商圏の客室数で割った「労働力商圏比(人/室)」を全国20商圏で実測し...
ホテル・旅館の損益計算書で最大の費目は人件費である。そして2026年10月以降、その最大費目の下限が全国一斉に引き上がる。2026年7月28日の中央最低賃金審議会答申は、Aランク54円・Bランク56円・Cランク56円の目安を示し、目安どおりに改定された場合の全国加重平均は1,176円(前年度比+55円・+4.9%)となる。2026年9月2日時点で46都道府県の地方答申が出そろい、残るのは沖縄県のみ...
OTA等の公開レビューを全国集計すると、レビュー投稿者に占めるインバウンド比率は2024年の44.5%(n=4,915,858件)をピークに、2025年は38.2%(n=4,278,974件)へ低下している。ところが同じ期間、全国47都道府県を集計した推定成約ADR(税抜相当・確定値)は、ビジネスホテルが2024年通年¥8,200から2025年通年¥8,802へ+7.3%、シティホテルが¥12,5...
全国のホテルを「県で割る」のではなく「価格帯で割る」と、需要の入り方はまったく別の姿で見えてくる。本稿は推定成約ADRで全国のビジネスホテル・シティホテルを7つの価格帯(ADRバンド)に分け、確定済みのピーク日における客室在庫の消化スピードをバンド単位で比較したものである。分析単位は都道府県でも市区町村でもなく、価格帯そのものだ。
神奈川県
愛知県
宮城県
大阪府
オフィスビルをホテルに変える判断は、長らく「空室が余っているかどうか」で語られてきた。だが2026年7月時点の主要都市のオフィス空室率は、東京都心5区1.95%、大阪3.24%、名古屋3.59%、横浜5.17%、仙台5.57%(三鬼商事)。余っているとは言い難い水準である。つまり転用の可否は、空室の量ではなく同じ床が1坪あたり月いくら稼ぐかという一点でしか判定できない。本稿では横浜・名古屋・仙台・...
千葉県
消防法施行令別表第一(五)項イに掲げる「旅館、ホテル、宿泊所その他これらに類するもの」は、同令上の特定防火対象物にあたる。特定防火対象物であることの実務的な意味は、消防用設備等の技術上の基準が既存の建物にもさかのぼって適用される点にある。原則として既存不適格を認める建築基準法とは、ここが決定的に違う。つまり消防設備は「建てたときに適法だったから終わり」ではなく、保有期間を通じて基準改正のたびに追加...
新規開業・供給
「札幌東武ホテル」で検索してたどり着いた読者に、まず結論から答える。この施設は2020年4月26日に「フェアフィールド・バイ・マリオット札幌」へリブランドオープンし、札幌東武ホテルという名称は現存しない。建物は東武鉄道が保有したままで、運営も東武緑地が続けている。本稿は宿泊予約の案内ではなく、この転換が起きた2019年から現在までの7年間に、札幌市中央区の客室供給と単価がどう動いたのかを実測データ...