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忘年会2026は12/25が金曜|前年12月の金曜は土曜比▲15〜42%、週後半に高単価日を作る余地

投稿日 : 2026.09.13

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忘年会2026は12/25が金曜|前年12月の金曜は土曜比▲15〜42%、週後半に高単価日を作る余地

2026年12月は、クリスマスイブが木曜日、クリスマスが金曜日、その翌日26日が土曜日という並びになる。官公庁の御用納めは12月28日(月)で、忘年会に使える平日は12月1日(火)から25日(金)まで途切れずに続く。週後半の平日をどう値付けするかが、そのまま12月の単価を決める月である。

本稿では、前年(2025年)12月の日別実測と直近の推定稼働率をもとに、東京・大阪・名古屋・福岡・札幌の5都市中心部で「週末以外に高単価日を作る」余地がどこにあるかを検証する。

本記事における指標の定義

  • ADR(平均客室単価):各施設が主要予約サイト上で公開する最安プラン水準(2名1室利用時・1室あたり料金・税込)に業態別の補正係数を適用して算出した推定成約単価(税抜相当)。上場ホテルREITが開示する物件別実績との照合(91施設・直近3ヶ月間)で誤差中央値は約7%。推定値であり、各施設の実際の成約価格・会計数値とは異なります。エリア単位のADRは対象施設の中央値(エリアの標準的な施設の水準)。
  • 掲載価格:主要予約サイト上に掲出されている全プランの平均価格(2名1室利用時・1室あたり料金・税込、素泊まりから食事付きまでを含む)。本記事の日別・曜日別の価格分析はすべてこの掲載価格ベースであり、上記のADRとは基準が異なります。
  • OCC(稼働率):エリア内の総客室数に対する販売済み客室数の割合(OTA販売在庫に基づく推定値)。主要予約サイト上で販売される在庫の消化状況に基づく推定値であり、施設全体の実稼働率とは異なります。
  • データ出典:メトロエンジンリサーチ/観光庁「宿泊旅行統計調査」
Key Takeaways
  • — 2026年12月はクリスマスが金曜。24日(木)・25日(金)・26日(土)が3日続き、平日の営業日は12月1日(火)から25日(金)まで4週分が途切れずに並ぶ。
  • — 金曜が土曜を上回った組み合わせはゼロ。前年12月の5都市×2業態×金曜4本=40組すべてで、金曜の掲載価格は土曜を14.7〜41.6%下回っていた。
  • — 稼働では木曜が土曜に並ぶ。2026年6・7月平均の推定稼働率は5エリア中4エリアで木曜と土曜の差が1ポイント以内、福岡市博多区では金曜95.3%が土曜95.1%を上回った。
  • — 週後半プレミアムは業態で分かれる。12月上中旬の木金平均÷月火平均は全5都市でビジネスホテルがシティホテルを上回り、福岡市中心2区で24.3%対17.2%。
  • — 配列変更のベース押し上げは3.1〜15.6%。クリスマスが水木から木金へ移ることで、最大は福岡市中心2区のビジネスホテル(+15.6%)。

2026年12月の曜日配列 — クリスマスが週後半3日に連続で乗る

まず暦を確認する。2026年12月1日は火曜日で始まり、12月24日(木)・25日(金)・26日(土)が3日続く。行政機関の休日に関する法律により12月29日から1月3日が休日となるため、御用納めは12月28日(月)である。つまり平日の営業日は12月1日(火)から12月25日(金)まで4週分が連続し、そのあと土日を挟んで12月28日(月)が最終営業日となる。

前年2025年は12月1日が月曜始まりで、クリスマスイブが水曜、クリスマスが木曜だった。御用納めは12月26日(金)である。両年で12月の金曜は4本ずつだが、クリスマスがどの曜日に乗るかが大きく違う。2025年は週の中盤(水・木)に、2026年は週の後半(木・金)に乗る。

表1|2025年12月と2026年12月の曜日配列比較(クリスマス・御用納め・金曜/木曜の本数)
項目2025年12月2026年12月
月の初日12/1(月)12/1(火)
クリスマスイブ12/24(水)12/24(木)
クリスマス12/25(木)12/25(金)
クリスマス翌日12/26(金)12/26(土)
12月の金曜5・12・19・26日(4本)4・11・18・25日(4本)
12月の木曜4・11・18・25日(4本)3・10・17・24・31日(5本)
御用納め(行政機関)12/26(金)12/28(月)
クリスマス直前の平日枠週中盤(水・木)週後半(木・金)

出典:暦および行政機関の休日に関する法律よりホテルバンク編集部作成

宴会需要そのものの規模も押さえておきたい。東京商工リサーチが2025年12月1日から8日にかけて6,196社を対象に実施した調査では、忘年会・新年会の実施率は57.2%だった。前年の59.6%から低下し、コロナ禍明け以降で初めて前年を下回っている。地域差は大きく、最も高い沖縄県が75.8%、最も低い徳島県が40.6%と35.2ポイントの開きがある。全社が開くわけではないが、それでも半数を超える企業が年末に会食の場を設ける前提で12月を設計する必要がある。

前年12月の日別カーブ — 単価の山は土曜に一点集中していた

2025年12月の東京都心7区(千代田・中央・港・新宿・渋谷・台東・豊島)について、日別の掲載価格を業態別に追った。シティホテル76施設、ビジネスホテル596施設が対象である。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(東京都心7区・シティ76施設/ビジネス596施設・掲載価格)

カーブは明確な鋸歯型を描く。ビジネスホテルは12月6日(土)46,300円、13日(土)46,600円、20日(土)44,600円と土曜に鋭い山を作り、日曜と月曜に谷へ落ちる。シティホテルも同様で、土曜は80,000円台に達する一方、日曜・月曜は60,000円前後まで下がる。1週間のうち高単価で売れているのは実質1日である。

この形を曜日別に平均すると構造がはっきりする。忘年会シーズンの本体にあたる12月1日から19日までの平日3週分を対象に、5都市の曜日別掲載価格を月曜=100として指数化した。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(2025年12月1〜19日・ビジネスホテル・掲載価格・月曜=100)

都市によって週内カーブの角度が大きく異なる。名古屋市中心2区は土曜が月曜の227.6にあたり、週内で2.3倍近い開きがある。福岡市中心2区も211.5と大きい。一方、東京都心7区は151.3にとどまり、5都市で最も平坦である。東京は平日の業務需要が厚く、そのぶん土曜への集中度が相対的に低い。施設ごとの週末プレミアム率がどう分布しているかは、週末プレミアム、東京ビジネス24%・箱根旅館10%で詳しく分析している。

表2|2025年12月1〜19日の曜日別掲載価格 — 5都市中心エリア×業態別(2名1室・税込)と金/土差
エリア業態施設数月火水木金土日金/土差
東京都心7区シティ76¥61,219¥63,293¥64,168¥64,762¥68,784¥80,614¥60,593-14.7%
東京都心7区ビジネス596¥30,698¥32,276¥33,188¥34,798¥37,424¥46,435¥29,990-19.4%
大阪市中心6区シティ55¥34,519¥34,441¥35,183¥36,120¥37,420¥49,027¥34,331-23.7%
大阪市中心6区ビジネス336¥20,796¥20,998¥21,609¥22,655¥23,201¥33,890¥20,673-31.5%
名古屋市中心2区シティ14¥41,963¥42,526¥42,887¥44,175¥50,288¥74,820¥40,799-32.8%
名古屋市中心2区ビジネス139¥17,359¥18,350¥19,545¥20,664¥23,094¥39,515¥17,918-41.6%
福岡市中心2区シティ19¥45,300¥46,759¥47,651¥47,999¥59,860¥82,755¥51,077-27.7%
福岡市中心2区ビジネス203¥24,058¥25,499¥26,079¥27,176¥34,411¥50,889¥28,642-32.4%
札幌市中心3区シティ30¥32,414¥33,416¥33,660¥35,664¥39,426¥51,424¥33,199-23.3%
札幌市中心3区ビジネス119¥20,051¥21,302¥21,675¥22,710¥26,210¥33,386¥20,058-21.5%

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(2025年12月1〜19日の曜日別平均・掲載価格・2名1室税込)

ここで、テーマとして掲げた「前年12月に金曜が土曜を上回った都市・業態があるか」を実測で確認した。5都市×2業態の10系列について、12月の全ての金曜(5日・12日・19日・26日)と翌日の土曜を1組ずつ突き合わせた計40組を検証した結果、金曜の掲載価格が翌日の土曜を上回った組み合わせはひとつもなかった。金曜は土曜に対して、東京都心7区のシティホテルで14.7%低い水準が最も差が小さく、名古屋市中心2区のビジネスホテルでは41.6%低い水準まで開く。5都市すべてで、価格上の「週末」は土曜1日だけだったことになる。

稼働で見ると木曜は土曜に並んでいる

価格が土曜に一点集中しているのに対して、客室が実際に消化される速度はどうか。当社の推定稼働率は2026年3月以降に観測を開始しており、2025年12月まで遡ることができない。そこで、観測が十分に蓄積している直近の2026年6月・7月について、同じ5都市の中心エリアで曜日別の推定稼働率を集計した。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(2026年6・7月平均・ビジネスホテル・推定稼働率)

結果は価格の形とはっきり異なる。福岡市博多区(75施設・11,197室)では木曜95.6%・金曜95.3%・土曜95.1%と、木曜と金曜が土曜を上回った。札幌市中央区(63施設・9,665室)は木曜96.2%で土曜95.5%を0.7ポイント上回り、名古屋市中区(46施設・8,550室)も木曜90.4%が土曜89.9%を上回っている。東京23区(535施設・77,948室)は木曜94.3%・土曜94.4%とほぼ同水準である。5エリアのうち4エリアで、木曜の稼働は土曜と1ポイント以内に収まっていた。北海道全体のビジネスホテルでも木曜と土曜が同率のピークに並ぶ形が出ており、その曜日形状は北海道のビジネスホテルは「週末型」ではないが掘り下げている。

大阪市中央区(101施設・16,345室)だけは木曜86.3%に対して土曜91.2%と4.9ポイントの差が残る。ここは土曜の観光・レジャー需要が相対的に強いエリアである。

ここで読み取れること。週後半の客室は、土曜とほぼ同じ速さで売れている。それにもかかわらず価格は土曜比で15〜42%低い水準に置かれている。差は需要側ではなく値付け側にある。木曜・金曜を「土曜の前日」ではなく独立した高単価日として設計できれば、既にある需要をそのまま単価に反映させられる。

※価格の分析(2025年12月)と稼働の分析(2026年6・7月)は対象期間が異なる。当社の推定稼働率は2026年3月に観測を開始したため、2025年12月時点の稼働は観測されていない。ここでは曜日ごとの相対的な消化構造を示す目的で直近の観測可能月を用いており、12月の稼働水準そのものを示すものではない。

宴会後の宿泊が乗る12月上旬〜中旬 — シティとビジネスで伸び方が違う

忘年会が集中するのは12月上旬から中旬の平日、とりわけ木曜と金曜である。会食後にそのまま宿泊する需要がここに乗る。この効果を測るため、週前半(月・火)の平均に対して週後半(木・金)がどれだけ高いかを「週後半プレミアム」として算出し、10月・11月・12月上中旬の3期間で比較した。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(2025年10月・11月・12月1〜19日/掲載価格ベース/週後半プレミアム=木金平均÷月火平均−1)

12月上中旬の週後半プレミアムは、ビジネスホテルが全5都市でシティホテルを上回った。東京都心7区ではビジネス14.7%に対してシティ7.3%、大阪市中心6区ではビジネス9.7%に対してシティ6.6%、名古屋市中心2区ではビジネス22.5%に対してシティ11.8%、福岡市中心2区ではビジネス24.3%に対してシティ17.2%、札幌市中心3区ではビジネス18.3%に対してシティ14.1%である。ビジネスホテルは週後半への傾斜が急で、シティホテルの週内カーブはより平坦だという構造がはっきり出ている。

もうひとつ注目したいのが、この週後半プレミアムが10月の平常週と比べてどう変化しているかである。東京都心7区のビジネスホテルは10月11.2%から12月14.7%へ3.5ポイント、名古屋市中心2区は15.6%から22.5%へ6.9ポイント、福岡市中心2区は15.6%から24.3%へ8.7ポイント上振れしている。この3都市では、12月の週後半に平常月を超える上乗せが実際に反映されていた。

一方、大阪市中心6区のビジネスホテルは10月9.8%・12月9.7%とほぼ同水準、札幌市中心3区は10月29.3%・12月18.3%と、12月のほうが週内の傾斜が緩やかだった。札幌は10月の紅葉期に既に週後半が強く、12月はクリスマス以降の年末需要が週全体を押し上げるため、相対的な週後半プレミアムが縮む構造にある。

シティホテル側を見ると、週後半プレミアムは東京都心7区で7.3%、大阪市中心6区で6.6%と一桁台にとどまる。シティホテルは宴会場を持ち、忘年会そのものの受け皿になっている業態でありながら、宿泊単価の週内カーブは平坦なままである。宴会を実施した当日の客室を、週後半の独立した高単価日として設計する余地がここに残されている。宴会と宿泊をひとつのパッケージとして値付けする発想は、シティホテルにとって最も自然な打ち手といえる。

クリスマスが週後半に移る効果 — 業態でまったく違う

2026年はクリスマスイブが木曜、クリスマスが金曜に乗る。この配列変更がどれだけ効くかを見積もるため、前年のクリスマスイブ(12月24日・水)の掲載価格を、同じ月の同じ曜日の通常水準(12月1〜19日の平均)と比較した。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(2025年12月24日の掲載価格/同月同曜日の通常水準比)

クリスマスイブの上乗せは、はっきりとシティホテルに偏っていた。12月24日(水)はシティホテルで名古屋市中心2区が通常の水曜比25.3%高、東京都心7区が13.7%高、大阪市中心6区が10.8%高、福岡市中心2区が5.7%高となった。ビジネスホテルは同じ日に東京都心7区0.3%高、大阪市中心6区3.1%高、名古屋市中心2区・福岡市中心2区はいずれも通常の水曜とほぼ同じレンジ(それぞれ1.8%・3.4%下回る水準)に収まっている。

札幌市中心3区だけは業態を問わず大きな上乗せがあり、シティホテルで通常の水曜比56.1%高、ビジネスホテルでも50.5%高だった。札幌はクリスマス期がスキーシーズンとイルミネーション期の立ち上がりに重なるため、業態にかかわらず市場全体が押し上げられる。

この結果は、12月の設計を業態ごとに分けて考えるべきことを示している。シティホテルにとっての12月の山はクリスマスであり、ビジネスホテルにとっての山は週後半の平日リズムである。ビジネスホテルが12月に単価を積み上げる主戦場は、クリスマス当日ではなく木曜と金曜だということになる。

では2026年の配列変更はどれだけの押し上げをもたらすか。クリスマスが乗る曜日のベース水準が、水曜+木曜から木曜+金曜へ移ることによる差を、前年の曜日別水準で試算した。福岡市中心2区がビジネスホテルで15.6%、シティホテルで12.8%と最も大きく、名古屋市中心2区が8.8%・8.5%、札幌市中心3区が10.2%・8.3%と続く。東京都心7区は6.2%・3.6%、大阪市中心6区は3.6%・3.1%である。週後半への傾斜が急な都市ほど、クリスマスが金曜に乗る恩恵が大きい。

表3|クリスマスが乗る曜日の入れ替えによるベース水準の差 — 前年の水+木 対 2026年の木+金(2日合計)
エリア業態前年の水+木ベース2026年の木+金ベース配列によるベース差
東京都心7区シティ¥128,930¥133,546+3.6%
東京都心7区ビジネス¥67,986¥72,222+6.2%
大阪市中心6区シティ¥71,303¥73,540+3.1%
大阪市中心6区ビジネス¥44,264¥45,856+3.6%
名古屋市中心2区シティ¥87,062¥94,463+8.5%
名古屋市中心2区ビジネス¥40,209¥43,758+8.8%
福岡市中心2区シティ¥95,650¥107,859+12.8%
福岡市中心2区ビジネス¥53,255¥61,587+15.6%
札幌市中心3区シティ¥69,324¥75,090+8.3%
札幌市中心3区ビジネス¥44,385¥48,920+10.2%

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(2025年12月1〜19日の曜日別掲載価格を用いた試算・2日合計)

現時点で公開されている2026年12月の掲載水準にも、この配列は既に織り込まれ始めている。東京都心7区のシティホテルでは12月24日(木)83,500円、25日(金)85,600円、26日(土)89,200円と3日続けて高い水準が並び、福岡市中心2区のビジネスホテルでは24日31,400円、25日37,300円、26日57,100円と段階的に上がる。3日連続で高単価帯を作れる配列であることは、現在の掲載からも読み取れる。12月全体のフォワード水準を前年実績と比べた検証は、年末年始2026-27の宿泊価格はもう見えているも参考になる。

12月の単価水準 — 前年同月比と季節段差の両面から

ここまでは掲載価格の曜日構造を見てきた。単価の水準そのものは推定成約ADRで確認する。基準の異なる月を直接割ることは避け、同一基準の月同士で比較する。

まず前年同月比である。2024年12月と2025年12月はいずれも確定済みの実績基準で算出されているため、そのまま比較できる。5都市の中心エリアの推定成約ADRは、東京都心7区が16,100円から18,300円へ13.3%増(N=681施設)、福岡市中心2区が14,600円から16,300円へ12.1%増(N=221施設)、大阪市中心6区が11,400円から12,400円へ8.4%増(N=395施設)、名古屋市中心2区が9,400円から10,100円へ8.2%増(N=160施設)、札幌市中心3区が11,100円から14,500円へ30.8%増(N=153施設)となった。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(2024年12月・2025年12月はいずれも確定実績基準)

官公庁統計でも同じ方向が確認できる。観光庁「宿泊旅行統計調査」(2025年12月・第2次速報)によれば、2025年12月の客室稼働率は全体で59.7%、前年同月差はプラス1.0ポイントだった。業態別ではビジネスホテル73.6%(前年同月差プラス0.5ポイント)、シティホテル73.0%(同マイナス0.8ポイント)である。都道府県別では東京都が全体78.9%で全国1位、ビジネスホテル83.0%も全国1位だった。大阪府は全体73.0%で2位、福岡県は72.3%で3位、愛知県は68.4%で5位、北海道は59.3%で11位である。

同統計は、2025年12月に客室稼働率が80.0%を超えた都道府県がビジネスホテルで3都道府県(前年同月は5都道府県)、シティホテルで1都道府県(前年同月も1都道府県)だったとしている。12月は年間を通じて稼働の絶対水準が高い月ではない。だからこそ、限られた高需要日で単価を確保できるかが月間の成果を左右する。

次に、11月から12月への季節段差を見る。ここでも基準を混ぜないため、2025年は確定実績基準の11月と12月、2026年は現時点の掲載からの推定基準の11月と12月という形で、それぞれ同一基準内で段差を算出し、その段差同士を前年と比較した。

表4|11月から12月への季節段差 — 推定成約ADRを同一基準内で比較(2025年=確定実績基準/2026年=掲載推定基準)
エリア2025年11月
(確定実績基準)
2025年12月
(確定実績基準)
段差2026年11月
(掲載推定基準)
2026年12月
(掲載推定基準)
段差
東京都心7区¥19,610
N=679
¥18,256
N=681
-6.9%¥21,163
N=696
¥19,627
N=674
-7.3%
大阪市中心6区¥13,216
N=392
¥12,391
N=395
-6.2%¥12,490
N=401
¥11,422
N=393
-8.6%
名古屋市中心2区¥11,456
N=160
¥10,133
N=160
-11.5%¥13,086
N=145
¥12,482
N=143
-4.6%
福岡市中心2区¥17,175
N=222
¥16,324
N=221
-5.0%¥18,684
N=224
¥17,674
N=219
-5.4%
札幌市中心3区¥12,582
N=150
¥14,469
N=153
+15.0%¥11,775
N=160
¥15,464
N=154
+31.3%

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(段差は同一基準内で算出。2025年の2ヶ月と2026年の2ヶ月は基準が異なるため、水準の直接比較は行っていない)

札幌市中心3区を除く4都市では、12月の推定成約ADRは11月より低い水準に着地している。11月は紅葉期の観光需要と学会・展示会などの業務需要が重なる月であり、12月はクリスマスと年末に山が集中するぶん、月間平均としてはなだらかになる。この段差の大きさは前年と今年で概ね似ており、東京都心7区がマイナス6.9%からマイナス7.3%、福岡市中心2区がマイナス5.0%からマイナス5.4%と、ほぼ同じ形である。名古屋市中心2区はマイナス11.5%からマイナス4.6%へ段差が縮まっており、12月の週後半への値付けが前年より前向きに設計されている可能性がある。

札幌市中心3区だけは11月から12月にかけてプラスに転じ、前年のプラス15.0%に対して今年はプラス31.3%と段差が拡大している。冬季需要の立ち上がりが単価に直結する市場であることが、両年とも共通して確認できる。

週末以外に高単価日を作れる余地はどこにあるか

ここまでの検証を整理すると、2026年12月に向けた設計のポイントは3つに絞られる。

① 木曜・金曜を独立した日として扱う

木曜の推定稼働率は5エリア中4エリアで土曜と1ポイント以内。福岡市博多区では金曜95.3%が土曜95.1%を上回った。需要は既にある。土曜比15〜42%の価格差は、そのまま単価設計の伸びしろにあたる。

② 業態で12月の山を分ける

シティホテルはクリスマスイブに上乗せが乗る(東京都心7区で12/24が通常の同曜日比13.7%高)。ビジネスホテルの山は週後半の平日リズム。同じ12月でも狙う日が違う。

③ 12/24〜26の3連を1本の商品として組む

木・金・土が連続する2026年は、クリスマスのベース水準が前年比で3.1〜15.6%高い曜日に乗る。連泊とイベント設計を組み合わせやすい配列である。

金曜を土曜に寄せた場合の3シナリオ試算

では「寄せる」と具体的にどれだけ動くのか。前年12月の曜日別掲載価格を出発点に、金曜の水準を土曜の85%(保守)・90%(中位)・95%(強気)に置いた場合の上げ幅を、5都市×2業態で試算した。上段は金曜1泊あたりの上げ幅、下段は12月の金曜4本を合計した1室あたりの増分である。

表5|金曜を土曜の85%/90%/95%水準に寄せた場合の上げ幅試算(上段=金曜1泊あたりの上げ幅、下段=12月の金曜4本合計・1室あたり増分)
エリア業態 前年の金曜前年の土曜金/土比 保守
土曜の85%
中位
土曜の90%
強気
土曜の95%
東京都心7区シティ¥68,784¥80,61485.3%0.0%
¥0
5.5%
¥15,076
11.3%
¥31,196
東京都心7区ビジネス¥37,424¥46,43580.6%5.5%
¥8,184
11.7%
¥17,472
17.9%
¥26,756
大阪市中心6区シティ¥37,420¥49,02776.3%11.4%
¥17,012
17.9%
¥26,816
24.5%
¥36,624
大阪市中心6区ビジネス¥23,201¥33,89068.5%24.2%
¥22,424
31.5%
¥29,200
38.8%
¥35,976
名古屋市中心2区シティ¥50,288¥74,82067.2%26.5%
¥53,236
33.9%
¥68,200
41.3%
¥83,164
名古屋市中心2区ビジネス¥23,094¥39,51558.4%45.4%
¥41,976
54.0%
¥49,880
62.5%
¥57,780
福岡市中心2区シティ¥59,860¥82,75572.3%17.5%
¥41,928
24.4%
¥58,480
31.3%
¥75,028
福岡市中心2区ビジネス¥34,411¥50,88967.6%25.7%
¥35,380
33.1%
¥45,556
40.5%
¥55,736
札幌市中心3区シティ¥39,426¥51,42476.7%10.9%
¥17,136
17.4%
¥27,424
23.9%
¥37,708
札幌市中心3区ビジネス¥26,210¥33,38678.5%8.3%
¥8,672
14.6%
¥15,348
21.0%
¥22,028

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(2025年12月1〜19日の曜日別掲載価格を基準とした試算。金曜が既に該当水準を超えている場合は上げ幅0%として表示)

幅の広さがそのまま余地の大きさになる。東京都心7区のシティホテルは既に土曜の85.3%まで来ており、中位シナリオでも上げ幅は5.5%にとどまる。一方で名古屋市中心2区のビジネスホテルは土曜の58.4%と最も離れており、保守シナリオでも45.4%、12月の金曜4本で1室あたり41,976円の増分になる。福岡市中心2区は両業態とも中位で24〜33%の幅が残る。木曜・金曜の推定稼働が土曜と1ポイント以内という前提が成り立つ都市ほど、この幅は現実的な射程に入る。

※この試算は現行の稼働水準が維持される前提で計算しており、値上げに伴う需要の減少(価格弾力性)は織り込んでいない。実際の設計では、木曜・金曜の在庫消化ペースを見ながら段階的に水準を上げ、消化が鈍る手前で止める運用が前提になる。

加えて、シティホテルにとっては宴会と宿泊の接続が最も自然な打ち手になる。忘年会・新年会を実施する企業は6,196社中57.2%にのぼり、その多くが12月上旬から中旬の木曜・金曜に集中する。宴会を受注した日の客室を同じ商談のなかで設計できれば、週後半プレミアムが一桁台にとどまっているシティホテルの週内カーブに、無理のない形で山を足せる。

ビジネスホテルは逆に、既に週後半への傾斜が効いている。東京都心7区では12月の週後半プレミアムが14.7%と10月の11.2%を3.5ポイント上回り、福岡市中心2区では24.3%まで積み上がっている。ここからさらに伸ばす余地は、金曜と土曜の間に残る15〜42%の段差にある。土曜に近い速度で売れている週後半を、土曜に近い水準へ寄せていく設計が次の一手になる。

2026年12月は、平日の営業日が12月1日(火)から25日(金)まで4週分連続し、その最終日にクリスマスが乗る。木曜と金曜という週後半の枠が5本・4本と揃い、そこへ24日・25日・26日の3連が続く。週末1日に依存しない収益設計を試すには、ここ数年で最も条件の整った配列である。

将来日程のデータに関する注意:本記事に含まれる2026年11月・12月の数値は、調査時点(2026年9月)で公開されている販売価格に基づく推定であり、チェックイン日に近づくにつれて変動します。2026年12月はチェックインまで約80〜110日あり、今後の在庫追加・価格調整により水準は動きます。現時点で高く設定されている価格が直前の調整で下がる可能性、また逆に需要の集中により上がる可能性の双方にご留意ください。2025年12月以前の数値は確定済みの実績基準です。

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参考資料・出典一覧

■ データソース

掲載価格は主要予約サイト上に掲出された全プランの日別平均(2名1室利用時・1室あたり料金・税込)。対象施設数は東京都心7区がシティ76・ビジネス596、大阪市中心6区が55・336、名古屋市中心2区が14・139、福岡市中心2区が19・203、札幌市中心3区が30・119。推定成約ADRはエリア内対象施設の中央値で、2025年11月・12月は確定実績基準(東京都心7区 N=679/681、大阪市中心6区 N=392/395、名古屋市中心2区 N=160/160、福岡市中心2区 N=222/221、札幌市中心3区 N=150/153)、2026年11月・12月は2026年9月時点の掲載からの推定基準(同 N=696/674、401/393、145/143、224/219、160/154)。推定稼働率は2026年6月・7月の平均で、東京23区535施設77,948室、大阪市中央区101施設16,345室、名古屋市中区46施設8,550室、福岡市博多区75施設11,197室、札幌市中央区63施設9,665室。

■ 試算前提

曜日別平均は2025年12月1〜19日の平日3週分。週後半プレミアム=木金平均÷月火平均−1。配列によるベース差=(木曜+金曜の2日合計)÷(水曜+木曜の2日合計)−1。表5の3シナリオは金曜の掲載価格を土曜の85%・90%・95%に置いた場合の上げ幅で、12月の金曜4本(4・11・18・25日)を合計した1室あたり増分を併記した。いずれも現行の稼働水準が維持される前提で、値上げに伴う需要の減少(価格弾力性)は織り込んでいない。

■ 限界・留意点

価格の分析(2025年12月)と稼働の分析(2026年6・7月)は対象期間が異なる。推定稼働率の観測開始が2026年3月のため2025年12月の稼働は観測されておらず、曜日ごとの相対的な消化構造を示す目的で直近の観測可能月を用いている。2026年11月・12月の数値は2026年9月時点の掲載に基づく推定であり、確定実績基準の2025年以前とは基準が異なるため水準の直接比較は行わず、段差は同一基準内でのみ算出した。推定成約ADRは上場ホテルREITが開示する物件別実績との照合(91施設・直近3ヶ月間)で誤差中央値が約7%あり、各施設の実際の成約価格・会計数値とは異なる。

■ 市場データ

  • メトロエンジンリサーチ — 推定成約ADR、掲載価格(日別・曜日別)、推定稼働率。対象は東京都心7区(千代田・中央・港・新宿・渋谷・台東・豊島)、大阪市中心6区(北・中央・浪速・西・天王寺・淀川)、名古屋市中心2区(中・中村)、福岡市中心2区(博多・中央)、札幌市中心3区(中央・北・豊平)。

■ 政府統計

■ 民間調査

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