トップ > 季節・イベント > Jリーグ秋春制、12月の試合は10→72に — 寒冷地7都市の客室ストックと冬単価

Jリーグ秋春制、12月の試合は10→72に — 寒冷地7都市の客室ストックと冬単価

投稿日 : 2026.08.31 更新日 : 2026.09.02

北海道

宮城県

山形県

富山県

長野県

福島県

季節・イベント

Jリーグ秋春制、12月の試合は10→72に — 寒冷地7都市の客室ストックと冬単価

2026/27シーズンから、Jリーグは8月開幕・翌年6月閉幕の「秋春制」へ完全移行した。移行そのものは競技日程の話だが、宿泊市場から見ると論点はひとつに絞られる。これまで試合がほとんど無かった12月に、寒冷地の本拠地都市でホームゲームが立つという点である。Jリーグ公式の試合データで2025年12月と2026年12月を数え直し、対象都市の客室ストック・12月の客室稼働率・冬の単価を突き合わせた。

本記事における指標の定義

  • ADR(推定成約ADR):各施設がOTA等で公開する最安プラン水準(2名1室利用時・1室あたり料金・税込)に業態別の補正係数を適用して算出した推定成約単価(税抜相当)。上場ホテルREITが開示する物件別実績との照合で誤差中央値は6.6%(対象はビジネスホテル・シティホテル・リゾートホテル・旅館・カプセルホテルの検証済カテゴリ)。推定値であり、各施設の実際の成約価格・会計数値とは異なります。エリア単位のADRは対象施設の中央値(そのエリアの標準的な施設の水準)。
  • 掲載価格:OTA等に掲載されている全プランの平均額(素泊まり〜食事付きを含む、2名1室利用時・1室あたり・税込)。推定成約ADRとは基準が異なる別指標であり、本記事では必ず「掲載価格」と明記して区別します。
  • 客室稼働率:観光庁「宿泊旅行統計調査」が公表する都道府県別の客室稼働率(実績値)。本記事では当社の推定稼働率は使用していません。
  • 客室ストック:メトロエンジンリサーチが把握する宿泊施設の客室数合計(市区町村単位)。OTAに現在掲載されていない施設を含むため、価格データの対象施設数より多くなります。
  • データ出典:メトロエンジンリサーチ/Jリーグ公式サイト・Jリーグデータサイト/観光庁「宿泊旅行統計調査」
Key Takeaways
  • — 2026年12月のJ1〜J3は7日間・72試合。前年12月は12月6日の1日・10試合のみで、12月のサッカー開催は規模が別物になった。
  • — そのうち9試合が寒冷地クラブの本拠地7都市(札幌・仙台・天童・松本・富山・長野・いわき)で組まれ、前年12月の該当開催はゼロだった。
  • — 対象県の12月の客室稼働率は山形43.2%・長野33.3%・福島45.0%・富山48.8%(いずれも2025年実績)と、年間でも低い水準にある。
  • — 12月の推定成約ADRは天童市¥19,600が最高、富山市¥9,600が最低で2.0倍の開き。11月比で上がるのは札幌・天童・山形の3市場のみ。
  • — ビジター客室需要は1試合55〜460室、12月合計で約1,100〜2,800室泊(中位ケース約1,900室泊)と推計される。

2026年12月のJリーグは7日間・72試合 — 前年12月は1日・10試合だった

まず日程の一次情報を確認する。Jリーグ公式サイトによれば、2026/27シーズンは2026年8月7日(金)に開幕し、J1は2027年6月6日(日)、J2・J3は2027年5月23日(日)に最終節を迎える。2026年内に消化されるのはJ1が第1節〜第20節、J2・J3が第1節〜第22節で、その後はウィンターブレークに入る。

そこでJリーグデータサイトから2026/27シーズンの全1,140試合(J1〜J3各380試合)と2025シーズンの全1,140試合を集計し、12月分だけを取り出した。結果は明快である。2025年12月の開催は12月6日(土)の1日だけ、J1第38節の10試合のみだった。J2・J3は11月中に日程を終えていたためである。これに対し2026年12月は12月4日(金)・5日(土)・6日(日)・12日(土)・13日(日)・16日(水)・19日(土)の7日間に、J1〜J3合計72試合が組まれている。

出典:Jリーグデータサイト(2025シーズン/2026・27シーズン 全試合)よりホテルバンク編集部作成

内訳は12月5日がJ1・6/J2・6/J3・4の16試合、6日がJ1・3/J2・4/J3・6の13試合、12日が15試合、13日が15試合。J1は12月19日(土)の第20節・9試合を最後にブレークへ入り、2027年1月の開催はゼロである。12月の前半3週に開催が凝縮され、1月が完全に空くという、これまでの日本のサッカーカレンダーには無かった形になった。

寒冷地の本拠地では9試合 — 前年12月の該当はゼロ

次に、この72試合のうち寒冷地クラブの本拠地都市で開催されるものを抜き出す。2026/27シーズンのJ2・J3には、北海道コンサドーレ札幌・ベガルタ仙台・ブラウブリッツ秋田・モンテディオ山形・いわきFC・アルビレックス新潟・カターレ富山・ヴァンラーレ八戸(以上J2)、福島ユナイテッドFC・松本山雅FC・AC長野パルセイロ・ツエーゲン金沢(以上J3)が所属する。該当する12月のホームゲームは9試合だった。

2026年12月に寒冷地クラブの本拠地で開催されるホームゲーム9試合(J2・J3、Jリーグデータサイトより集計)
開催日区分ホームビジター開催都市
12月5日(土)J2北海道コンサドーレ札幌アルビレックス新潟札幌市
12月5日(土)J3松本山雅FC高知ユナイテッドSC松本市
12月6日(日)J2モンテディオ山形いわきFC天童市
12月6日(日)J2ベガルタ仙台湘南ベルマーレ仙台市
12月6日(日)J2カターレ富山RB大宮アルディージャ富山市
12月6日(日)J3AC長野パルセイロツエーゲン金沢長野市
12月12日(土)J2北海道コンサドーレ札幌カターレ富山札幌市
12月12日(土)J2いわきFC徳島ヴォルティスいわき市
12月13日(日)J2モンテディオ山形ヴァンラーレ八戸天童市

出典:Jリーグデータサイト(2026・27シーズン 試合日程)よりホテルバンク編集部作成。N=寒冷地クラブ本拠地開催9試合

対照的に、2025年12月6日に行われた10試合の開催地は広島市・東京(調布市)・吹田市・大阪市・亀岡市・鹿嶋市・静岡市・豊田市・さいたま市・柏市であり、上に挙げた寒冷地都市はひとつも含まれていない。つまりこれらの都市にとって、12月のリーグ戦にともなう遠征需要は前年実績ゼロからの積み上げになる。

なお、アルビレックス新潟・ツエーゲン金沢・ブラウブリッツ秋田・ヴァンラーレ八戸・福島ユナイテッドFCは12月のホームゲームを持たない。新潟と金沢についてはむしろ、12月5日の札幌戦・12月6日の長野戦へビジター側として動く側になる。

円の大きさは市区町村の客室ストック(客室数)。出典:メトロエンジンリサーチ

12月は寒冷地の谷 — 山形43.2%・長野33.3%(2025年実績)

では、その9試合が入る12月はどんな月か。観光庁「宿泊旅行統計調査」の2025年(令和7年)実績で都道府県別の客室稼働率を月次に並べると、対象県の12月は年間でも低い水準にある。山形県は43.2%で年間最低、長野県は33.3%で3月(32.9%)に次ぐ低さ。福島県45.0%、富山県48.8%、宮城県57.4%も、それぞれ11月から約7〜15ポイント下げた水準である。

出典:観光庁「宿泊旅行統計調査」(2025年・客室稼働率、全宿泊施設タイプ計)よりホテルバンク編集部作成

11月から12月への落差は、富山県が64.0%→48.8%(−15.2pt)と最も大きく、次いで山形県52.6%→43.2%(−9.4pt)、宮城県65.5%→57.4%(−8.1pt)、福島県52.4%→45.0%(−7.4pt)と続く。全国平均も65.4%→59.5%(−5.9pt)と下げるため12月の軟化自体は全国的な現象だが、下げた先の水準が30〜40%台にとどまるのがこれらの県の特徴である。

一方で北海道は54.2%→59.5%と12月に上向く。スキーシーズンと年末年始の需要が入るためで、札幌の12月は他の対象都市とは性格が異なる。この点は後段の単価にもはっきり表れる。冬の需要が単価にどう効くかを県・市町村単位で整理した雪はコストか資産か — 冬RevPARが夏の53%の県と、冬ADR2.66倍の町も、この谷の構造を読むうえで参考になる。

7都市の客室ストックと冬の単価水準

12月にホームゲームが立つ7都市の客室ストックと価格水準を並べる。ストックはメトロエンジンリサーチが把握する施設の客室数合計、単価は同社データの都市別集計である。札幌市・仙台市は政令指定都市のため価格データの粒度が区単位であり、宿泊施設が集中する中心区(札幌市中央区・仙台市青葉区)の値を用いた。

12月にホームゲームが立つ7都市の客室ストックと単価水準。掲載価格の前年同月差は、確定実績である2025年12月と調査時点の掲載スナップショットである2026年12月を並べたもので、観測条件が異なる方向感の指標
都市(価格集計単位)施設数客室ストック2026年11月
推定成約ADR
2026年12月
推定成約ADR
2027年1月
推定成約ADR
2026年12月
掲載価格
2025年12月
掲載価格
掲載価格の差
札幌市中央区483施設44,431室¥12,974¥16,449¥15,179¥30,173¥24,449+23.4%
仙台市青葉区257施設21,403室¥11,211¥11,041¥10,110¥19,765¥16,198+22.0%
天童市34施設1,772室¥15,250¥19,559¥20,525 ※¥45,174¥24,725+82.7%
山形市162施設5,436室¥12,563¥14,568¥19,119 ※¥30,743¥24,302+26.5%
松本市342施設7,886室¥13,984¥12,252¥12,368¥28,468¥25,310+12.5%
富山市175施設8,807室¥10,494¥9,645¥9,209¥18,183¥15,735+15.6%
長野市285施設6,899室¥12,846¥12,463¥12,147 ※¥24,529¥23,579+4.0%
いわき市241施設6,996室¥8,760¥9,728¥9,604 ※¥16,377¥15,261+7.3%

出典:メトロエンジンリサーチ(客室ストックは把握施設ベース、価格は都市別集計。2026年12月の価格対象施設数は札幌市中央区192/仙台市青葉区73/天童市16/山形市59/松本市111/富山市54/長野市86/いわき市66)

※印を付けた2027年1月の値は、対象施設数が同じ系列の中央値の6割を下回る薄いサンプルに基づく(山形市33施設・長野市42施設・いわき市42施設・天童市13施設)。傾向の参考にとどめ、水準の断定には用いない。

出典:メトロエンジンリサーチよりホテルバンク編集部作成

読み取れることは3つある。第一に、12月の推定成約ADRは天童市の¥19,600が最も高く、次いで札幌市中央区の¥16,400。最も低いのは富山市¥9,600・いわき市¥9,700である。同じ「寒冷地の本拠地」でも、冬の単価には2.0倍の開きがある。

第二に、11月から12月にかけて推定成約ADRが上がるのは札幌市中央区(¥13,000→¥16,400)・天童市(¥15,300→¥19,600)・山形市(¥12,600→¥14,600)で、いずれもスキー・温泉需要を抱える市場である。逆に富山市(¥10,500→¥9,600)・松本市(¥14,000→¥12,300)・長野市(¥12,800→¥12,500)・仙台市青葉区(¥11,200→¥11,000)は横ばいから軟化する。

第三に、掲載価格の前年同月差を見ると山形市+26.5%、札幌市中央区+23.4%、仙台市青葉区+22.0%と大きく、長野市+4.0%、いわき市+7.3%は小幅にとどまる。ただし2026年12月の値は調査時点でOTA等に出ている掲載分のスナップショットであり、実績が確定した2025年12月とは観測条件が異なる。方向感の参考として読むべき数字で、確定した前年比ではない。同じ理由から、推定成約ADRについては過去月が確定基準・将来月が調査時点の掲載に基づく推定基準と算出の土台が変わるため、本記事では前年同月比を算出していない。

ビジター客室数の推計 — 1試合55〜460室、12月合計で約1,100〜2,800室泊

スポーツ観戦にともなう遠征がどれだけの客室を動かすかという論点は、プロ野球の遠征ホテル2026 — 12球場圏内の客室を数えるでも同じ枠組みで扱っている。次に、この9試合がどれだけの客室需要になりうるかを、公表されている入場者数から試算する。前提は以下のとおりで、いずれも仮定であることを明示しておく。

  • 来場者数:下限=2025シーズンのホームゲーム平均入場者数(各クラブ19試合)、上限=2026/27シーズンのここまでのホームゲーム平均入場者数(1〜2試合、Jリーグデータサイト、2026年8月23日時点)
  • ビジター来場者比率:来場者に占めるアウェイ側来場者の割合を 下限5%・上限10% と仮定
  • 宿泊率:ビジター来場者のうち50%が開催都市圏に宿泊すると仮定
  • 客室換算:1室2名利用として客室数に換算

いずれも実測値ではなく、クラブ・対戦カード・移動距離によって実際の比率は大きく振れる。ホーム側でも遠方から来場して宿泊する層は存在するが、ここでは計上していないため、その意味では保守的な置き方である。

ビジター来場者にともなう客室需要の推計(ビジター比率5〜10%・宿泊率50%・1室2名の仮定に基づく)
都市クラブ12月
ホーム試合
2025年平均
入場者数
2026/27
直近平均
1試合あたり
推定客室数
客室ストック
比
12月合計
推定室泊
札幌市北海道コンサドーレ札幌2試合14,470人16,922人181〜423室0.4〜1.0%362〜846室泊
仙台市ベガルタ仙台1試合13,760人18,323人172〜458室0.8〜2.1%172〜458室泊
天童市・山形市モンテディオ山形2試合11,068人14,674人138〜367室1.9〜5.1%276〜734室泊
松本市松本山雅FC1試合7,573人11,241人95〜281室1.2〜3.6%95〜281室泊
富山市カターレ富山1試合5,635人8,713人70〜218室0.8〜2.5%70〜218室泊
長野市AC長野パルセイロ1試合4,373人6,475人55〜162室0.8〜2.3%55〜162室泊
いわき市いわきFC1試合4,372人5,575人55〜139室0.8〜2.0%55〜139室泊
合計(9試合)1,085〜2,838室泊

出典:入場者数はJリーグデータサイト(2025シーズン各19試合/2026・27シーズンは2026年8月23日までの実施分)、客室ストックはメトロエンジンリサーチ。客室数はビジター比率5〜10%・宿泊率50%・1室2名の仮定に基づく推計値

出典:Jリーグデータサイト、メトロエンジンリサーチよりホテルバンク編集部作成

1試合あたりの推定客室数は、札幌市が181〜423室と最大、次いで仙台市172〜458室、天童市・山形市138〜367室。市の客室ストックに対する比率でみると天童市・山形市が1.9〜5.1%と最も高く、松本市1.2〜3.6%、富山市0.8〜2.5%、長野市0.8〜2.3%が続く。札幌市は絶対数こそ大きいが、44,431室というストックに対しては0.4〜1.0%にとどまる。

9試合の合計はおよそ1,100〜2,800室泊。市場全体を動かす規模ではないが、稼働率が30〜40%台に沈む月の特定の週末に、確実に読める需要が数百室単位で立つという点に意味がある。とくに山形県は12月の客室稼働率が年間最低の43.2%で、そこに2試合が入るという組み合わせになっている。

3ケースの置き方と感応度

上の推計は下限・上限の2点だが、幅を生んでいるのは「入場者数の基準」「ビジター来場者比率」「宿泊率」の3つである。同じ計算式のまま中位ケースを置くと次のようになる。

ビジター客室需要の3ケース(9試合合計・室泊)。いずれも同一の計算式「入場者数×ビジター比率×宿泊率÷1室2名」による
ケース入場者数の基準ビジター来場者比率宿泊率12月合計(9試合)
悲観(下限)2025シーズン平均5%50%約1,085室泊
中位両平均の中間値7.5%50%約1,877室泊
楽観(上限)2026/27シーズン平均10%50%約2,838室泊

出典:入場者数はJリーグデータサイト、客室ストックはメトロエンジンリサーチ。比率・宿泊率は本記事の仮定

感応度をとると、結論の頑健さがどこにあるかが見える。中位ケースの入場者数基準を固定し、ビジター来場者比率と宿泊率だけを振ったのが次の表である。

ビジター比率×宿泊率の感応度(9試合合計・室泊)。入場者数は中位ケース(両平均の中間値、9試合計100,154人)で固定
ビジター来場者比率\宿泊率40%50%60%
4%801室泊1,002室泊1,202室泊
5%(本記事の下限)1,002室泊1,252室泊1,502室泊
7.5%1,502室泊1,878室泊2,253室泊
10%(本記事の上限)2,003室泊2,504室泊3,005室泊
12%2,404室泊3,005室泊3,606室泊

出典:Jリーグデータサイトの入場者数をもとにホテルバンク編集部が試算。比率・宿泊率は仮定であり実測値ではない

宿泊率を50%から60%に引き上げても、ビジター比率5%なら12月合計は1,502室泊にとどまる。逆に比率が12%まで上振れし宿泊率60%が重なると3,606室泊まで伸びる。振れ幅は大きいが、下側でも1,000室泊は下回らない。「稼働の谷の月に、日付が確定した数百〜数千室泊が乗る」という読みは、仮定をどう置いても向きが変わらないという点が、この試算から言える範囲である。

閑散期に開いた受け皿 — 平準化のアップサイドをどう取るか

この変化は、寒冷地の宿にとってこれまで手当てのしようがなかった12月前半の平日・週末に、日付が確定した需要が乗るということを意味する。12月は忘年会シーズンで宴会需要は動くものの、客室側は年末年始まで谷が続く月であり、そこに複数の週末アンカーが入る効果は小さくない。

取り込み方としては、次のような方向が考えられる。

12月の需要を取り込むうえで検討しうる4つの論点
論点内容
日付起点の在庫設計12月5日・6日・12日・13日は、対象都市では平常の12月週末とは需要構造が異なる。カレンダー上で先に区別しておくことで、通常の12月レートをそのまま当てるより幅を持たせやすい。なお冬商戦そのものの販売開始時期の遅れについては、12月の掲載施設数は8月比56〜83%で13県を測っている。
翌朝チェックアウト前提の設計ナイトゲームではなく日中開催が中心のため、前泊型と当日泊型の両方が想定される。朝食提供時間・レイトチェックアウトなど、滞在時間の設計余地がある。
複数試合のセット化12月5日(札幌・松本)と6日(天童・仙台・富山・長野)、12日(札幌・いわき)と13日(天童)は連日で組まれている。近隣で連日開催となる組み合わせは、2泊の設計が成立しうる。
冬の体験との接続札幌市・天童市・山形市は12月に推定成約ADRが上がる市場で、スキー・温泉需要と時期が重なる。観戦目的の来訪を冬季レジャーの入口として設計する余地がある。

逆に、12月にホームゲームを持たない新潟市・金沢市・秋田市・福島市・八戸市は、この12月についてはビジターを送り出す側になる。ただし2027年2月中旬にリーグ戦が再開すると、今度はこれまでシーズンオフだった2月に試合が戻る。秋春制の影響は12月だけで完結せず、年明け以降の需要カレンダーにも同じ構造で効いてくる。

まとめ

秋春制への完全移行によって、2026年12月のJ1〜J3は7日間・72試合となった。前年12月が1日・10試合だったことを踏まえると、12月のサッカー開催は質的に別物になったといってよい。そのうち9試合が札幌市・仙台市・天童市・松本市・富山市・長野市・いわき市という寒冷地の本拠地で行われ、これらの都市の12月は前年実績ゼロからの積み上げになる。

対象県の12月は、客室稼働率で見て山形県43.2%・長野県33.3%・福島県45.0%・富山県48.8%(いずれも2025年実績)と、年間でも低い水準にある。そこに1試合あたり55〜460室、12月合計でおよそ1,100〜2,800室泊と推計される需要が立つ。市場全体を押し上げる規模ではないが、日付が確定していて、かつ谷の月に入る需要という性質は、稼働の平準化を考えるうえで扱いやすい材料である。

2027年1月はリーグ戦がゼロとなり、2月中旬に再開する。冬の需要カレンダーは今後数年かけて新しい形に落ち着いていくとみられ、寒冷地の宿にとっては12月と2月の設計をあらためて組み直す機会になる。

⚠ 将来日程の価格・在庫に関する注意:本記事の2026年11月・12月および2027年1月の価格は、調査時点(2026年8月)でOTA等に公開されている販売価格に基づく推定であり、チェックイン日に近づくにつれて変動します。現時点で高く設定されている価格が直前に下がることも、その逆もあります。また本記事は将来日程の在庫状況について「完売する」「必ず埋まる」といった断定を行っていません。試合日程についても、Jリーグ公式が「日程は今後追加、変更になる場合があります」と付記している点にご留意ください。

あわせて読みたい

参考資料・出典一覧

■ データソース

試合日程・入場者数はJリーグ公式サイトおよびJリーグデータサイト(2025シーズン/2026・27シーズンの各1,140試合)。都道府県別の客室稼働率は観光庁「宿泊旅行統計調査」2025年(令和7年)実績。都市別の推定成約ADR・掲載価格(2025年10月〜2027年1月)と市区町村別の客室ストックはメトロエンジンリサーチの集計。

■ 試算前提

ビジター客室数は「入場者数×ビジター来場者比率×宿泊率÷1室2名」で算出。入場者数は下限=2025シーズンのホームゲーム平均(各クラブ19試合)、上限=2026/27シーズンの実施済みホームゲーム平均(2026年8月23日時点・1〜2試合)。ビジター来場者比率は5〜10%、宿泊率は50%と置いた。中位ケースは両平均の中間値・比率7.5%・宿泊率50%。感応度表は比率と宿泊率のみを振ったもので、いずれも実測値ではない。

■ 限界・留意点

推定成約ADRは推定値であり、各施設の実際の成約価格とは異なる。2026年11月・12月および2027年1月の価格は調査時点(2026年8月)に公開されている掲載分から算出した将来断面で、確定実績である2025年12月とは観測条件が異なるため、掲載価格の前年同月差は方向感の参考にとどまる。2027年1月に※を付した4市は対象施設数が系列中央値の6割前後まで薄くなる月で、水準の断定には用いない。ホーム側の遠方来場者は計上しておらず、その分は保守側に働く。試合日程はJリーグ公式が追加・変更の可能性を付記している。

■ 日程・試合データ(一次情報)

■ 政府統計

■ 市場データ

  • メトロエンジンリサーチ — 都市別 推定成約ADR・掲載価格(2025年10月〜2027年1月)、市区町村別 客室ストック

関連記事