札幌市のビジネスホテルの施設数・部屋数の推移
メトロエンジンリサーチによると、2019年から2023年の4年間で札幌市のビジネスホテルの施設数・部屋数は年々増加を続けている。施設数は29%の増加、部屋数は34%の増加だった。
施設数は2023年7月時点で133施設となり、4年間で30棟増加。部屋数は2023年7月時点で20,769室となり、4年間で5,258室増加となっている。
2019年7月 | 2020年7月 | 2021年7月 | 2022年7月 | 2023年7月 | |
施設数 |
103 |
111 |
120 |
129 |
133 |
部屋数 |
15,511 |
16,869 |
18,404 |
19,980 |
20,769 |
出典:メトロエンジンリサーチ
4年間で札幌市のビジネスホテルが5,258部屋増加!札幌市の開発と客室数を徹底分析
札幌市のビジネスホテルは、4年間で施設数が29%、部屋数が34%増加し、その成長を継続していて、ビジネスホテル開発の需要の高さが窺える。
この成長の背景には、ビジネスホテル事業者のインバウンドを狙った経営戦略がある。北海道は東アジアの各国から人気が高い。特に台湾と香港は直行便で4時間半で行けるため、北海道の冷涼な気候は避暑地としての人気がある。札幌市は、広大な北海道の観光の中心地であり、多くの観光客の宿泊需要があるために、ビジネスホテル事業者は新規開発を進めていると考えられる。
また、同市は北日本のビジネスの中心地でもあるので、出張で訪れるビジネスマンをターゲットとしたホテルの需要も高い。北海道新幹線も2030年に札幌駅まで延伸予定で、これによりさらに多くのビジネスユーザーの流入も進むと予想されている。
2019年〜2023年の北海道と全国の稼働率の比較推移
北海道と全国のビジネスホテルの稼働率は2020年の新型コロナウイルスの影響により、大幅に低下している。その後、2021年から2022年にかけて、稼働率は徐々に回復したが、それでも2019年前半のレベルには戻っていない。全国平均に対する北海道の稼働率は、7月から10月にかけて全国平均より高く推移しているが、夏以外の時期は平均並み、もしくは平均以下で推移している。
北海道のビジネスホテル稼働率は、夏の時期とその他の時期で顕著な違いを示している。特に、2020年3月の稼働率と2020年8月の稼働率は25.7%の乖離がある。コロナ禍の期間中であること、Go to キャンペーンの影響等もあるため一概には言えないが、北海道の夏でも冷涼な気候と、自然や食の魅力が、国内外の観光客を惹きつけ、夏の時期のホテルの稼働率を押し上げていると考えられる。一方でその他の季節は稼働率が下がり、全国平均よりも下で推移していることから、通年で見た際の北海道のビジネスホテルの経営の難しさが伝わってくるデータとなっている。
関連記事