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東京ビジネスホテル分析:港区の2023年5月の施設数・部屋数・稼働率を徹底調査

投稿日 : 2023.05.12

新規ホテル情報

ホテル統計データ

東京23区ビジネスホテルの施設数・部屋数の推移

メトロエンジンリサーチによると、2019年から2023年の東京23区のビジネスホテルの施設数・部屋数は年々増加を続けている。施設数は30%の増加、部屋数は35%の増加だった。

詳細な施設数は2023年5月時点で969施設(2019年1月時点:743施設)、部屋数は2023年5月時点で123,747室(2019年1月時点:91,450室)となっている。

 

  2019年1月 2020年1月 2021年1月 2022年1月 2023年1月 2023年5月
施設数

743

815

881

922

958

969

部屋数

91,450

100,752

112,601

116,762

121,635

123,747

出典:メトロエンジンリサーチ

東京23区ビジネスホテルの施設数・部屋数の推移について

過去5年間で東京23区のビジネスホテルが30%増加!港区の開発と客室数を徹底分析

東京23区のビジネスホテルは、過去5年間で施設数と部屋数が約30%増加し、その成長を継続している。コロナ禍の中でも、建設や新規開業は着実に進められており、事業者はアフターコロナのインバウンド復活や国内需要の高まりを見越して準備を進めていることが伺える。

東京23区の中でも、港区、中央区、台東区、新宿区、千代田区を中心に開発と開業が盛んであり、全体の施設数の55%がこの5つの区で構成されている。今回は、港区のビジネスホテル業界の施設数と客室数のデータに焦点を当てて詳しく解説する。

港区ビジネスホテルの施設数・部屋数の推移

 

  2019年1月 2020年1月 2021年1月 2022年1月 2023年1月 2023年5月
施設数

76

88

93

96

102

102

部屋数

10,994

12,242

13,818

14,135

13,517

13,517

出典:メトロエンジンリサーチ

東京23区のビジネスホテル市場は、2019年から2023年にかけて右肩上がりの成長を見せている。特に港区のビジネスホテルは、施設数が34%増加し、部屋数は22%増加している。

2023年5月時点の港区のビジネスホテル施設数は102施設(2019年1月時点では76施設)、部屋数は13,517室(2019年1月時点では10,994室)である。データ比較によると、港区のビジネスホテルの新規施設数は23区全体の増加率よりも高い結果となっている。部屋数は、23区全体の増加率よりも低い結果となっている。

分布図を参照すると、新橋の周辺と六本木の周辺に多くのビジネスホテルが展開されている。新橋駅は多くのJRの路線とメトロの路線が交差している東京都の交通の要所であり、東京のどこへいくにも便利であることから出張で訪れる多くのビジネスパーソンの拠点としての需要が高いことから多くビジネスホテルが展開されていることがわかる。

六本木駅周辺には東京ミッドタウンや六本木ヒルズ等の大型ショッピング施設が集まっていることから、観光で訪れる外国人観光客向けに多くのビジネスホテルが展開されている。外国人観光客にとって日本で買い物をするのは一つ大きな目的である。六本木ヒルズの中には「GUCCI」「Cartier」「Louis Vuitton」の高級ブランドの直販店が店舗を構えており、外国人観光客のショッピングを楽しむための拠点として最適であることがわかる。

東京都と全国の稼働率の比較推移

2019年は訪日外国人数が過去最高の3188万2000人を記録し、東京23区のビジネスホテルの稼働率も全国平均を上回る高い水準で推移していた。これは、インバウンド観光客が東京を訪れることが確実であり、また国内観光客も地方から東京へ流入していたことが影響している。2019年3月時点での東京のビジネスホテルの平均稼働率は、全国平均の77.2%に対して86.8%と9.6%高い水準だった。

東京23区のビジネスホテルの稼働率は、ほぼ全ての月で80%以上で推移しており、運営が収益性の高い見通しとなっているため、多くのホテル事業者が東京23区での新規開業を計画している。

コロナ禍では、東京の人口が多いことから感染者数も多く、移動制限が厳しくなり、地方からの旅行者が減少した。また、インバウンドの入国もほぼなくなったため、稼働率は全国平均を下回ることが多かった。

しかし、2022年6月のデータでは、東京のビジネスホテル稼働率が1年半ぶりに全国平均を上回るようになり、旅行需要が回復しつつあることが伺える。2022年10月の入国制限緩和のタイミングから東京の稼働率は全国平均より大幅な回復を見せている。2023年の3月には全国の訪日外国人観光客数は約181万人に到達しており、2019年同月比で65.8%まで回復している。東京都もそれに比例して、3月のビジネスホテル稼働率は76.2%まで回復して、コロナ禍の直前の2020年1月の水準まで戻している。

GWシーズンには東京のホテルの需要が大幅に高くなりビジネスホテルの中には通常時の2倍から4倍高く宿泊料金を設定しているホテルも存在していた。それでも浅草や六本木や銀座などの主要観光地は多くの観光客で混雑したことから、今年の下半期にはコロナ禍前のインバウンドバブルと言われていた2019年の水準まで戻ることが予想される。

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