2023年1月時点の大阪府のホテル展開状況(増加客室数/2019年との比較)をお伝えする。
大阪のホテル展開分布
メトロエンジンリサーチによると、大阪府の新規開業ホテルの分布は大阪市に集中している。

大阪府全体では大阪市に集中

大阪市内では北区・浪速区・中央区に集中
大阪の新規開業施設は大阪市に集中
2023年の大阪はホテル開業ラッシュ
大阪府では2018年から2019年の1年間で8,891室が新たに供給されているが、2023年は14,172室が現時点で予定されており、すでに160%のペースで推移している。
部屋数と大阪府における割合(大阪市の既存・新規施設)
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大阪府の部屋数 | 大阪市の部屋数 | 大阪市の割合 |
現在 |
135,111室 | 104,331室 | 約77% |
増加予定 |
12,706室 | 12,706室 | 約90% |
2023年1月時点での大阪府の既存客室数は135,111室。
そのうちの約77%(104,331室)が大阪市に集中している。
一方、2023年大阪府に展開予定の客室数は14,172室。
そのうちの約90%(12,706室)が大阪市に集中している。
大阪市の新規開業施設は都心区に集中
大阪市のホテル展開は都市中枢機能を担う、北区・浪速区・中央区の大阪都心区に集中。
都心区以外でランクインした此花区(このはなく)
大阪都心区外でランクインした此花区(このはなく)は、USJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)がある沿岸の娯楽エリア。2025年に此花区・夢洲(ゆめしま)で開催される「大阪・関西万博」が大きく影響していると推察される。
順位 |
大阪市24区 | 部屋数(推定) |
1位 |
北区 | 4,216 |
2位 |
浪速区 | 2,924 |
3位 |
中央区 | 2,545 |
4位 |
此花区 | 2,500 |
5位 |
西区 | 371 |
6位 |
港区 | 150 |
合計 |
12,706 |
出典:メトロエンジンリサーチ
大阪市24区シェア(部屋数)
出典:メトロエンジンリサーチ
大阪市内の新規開業予定施設を一部紹介
メトロエンジンリサーチによると、2023年開業予定の新規施設で部屋数が多いトップ3は以下の通り。
順位 |
区 | 開業予定時期 | 施設名 | 部屋数 |
1位 |
北区 | 2023年2月ごろ | アパホテル&リゾート 〈大阪梅田駅タワー〉 |
1,704 |
2位 |
中央区 | 2023年6月ごろ | (仮称) 東横INN大阪なんば駅 | 617 |
3位 |
浪速区 | 2023月7月ごろ | センタラグランドホテル大阪 | 515 |
部屋数のトップ3はいずれも都心区の北区・中央区・浪速区となった。
1位のアパホテルに関しては2024年にも2000室を超えるホテルの開業を浪速区で予定しており、大阪でのさらなる事業拡大が予想される。
新規開業予定施設には大阪・関西万博が影響か
想定入場者数は2,800万人
大阪・関西万博は2025年4月13日〜10月13日の半年間開催されます。開催場所は大阪市此花区にある人工島・夢洲、想定入場者数 2,800万人が見込まれている。
経済波及効果は2兆5000億
大阪のシンクタンク「アジア太平洋研究所」は、2025年の大阪・関西万博の経済波及効果を試算しています。通常通りの開催をした場合で2兆5200億円。さらに、万博に合わせて関西各地で大規模なイベントや国際会議等を行った場合は来場者の延泊などが見込まれることから、2兆9100億円となるとしている。
インバウンド誘客への効果
大阪・関西万博ではインバウンド誘客への波及効果も期待されており、予想入場者数の2,800万人の内、約350万人のインバウンド誘客が見込まれている。また、開催地の夢洲は統合型リゾート(IR)として2024年から開業予定でもあり、コロナ禍で深刻な打撃を受けている観光業界にとって、2025年の大阪・関西万博の開催はインバウンド回復のきっかけとなり、観光の起爆剤になる可能性が十分感じられる。
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