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大阪府ビジネスホテル分析:中央区の2023年5月の施設数・部屋数・稼働率を徹底調査

投稿日 : 2023.05.25

新規ホテル情報

ホテル統計データ

大阪府ビジネスホテルの施設数・部屋数の推移

メトロエンジンリサーチによると、2019年から2023年の大阪府のビジネスホテルの施設数・部屋数は先月に引き続き増加傾向にある。施設数は37%の増加、部屋数は56%の増加だった。

詳細な施設数は2023年5月時点で595施設(2019年1月時点:434施設)、部屋数は2023年5月時点で77,228室(2019年1月時点:49,494室)となっている。

  2019年1月 2020年1月 2021年1月 2022年1月 2023年1月 2023年5月
施設数

434

498

534

567

585

595

部屋数

49,494

60,339

66,062

71,651

73,886

77,228

出典:メトロエンジンリサーチ

大阪府ビジネスホテルの施設数・部屋数の推移について

過去5年間で大阪府のビジネスホテルが37%増加!大阪市中央区の開発と客室数を徹底分析

大阪府のビジネスホテルは、過去5年間で施設数が37%増加、部屋数が56%増加と成長している。コロナ禍の中でも、建設や新規開業は着実に進められており、事業者はアフターコロナのインバウンド復活や国内需要の高まりを見越して準備を進めていたことが伺える。特に大阪府は2025年に大阪万博の開催が決まっており、今後も継続してホテルが新規開業されることが予想される。

大阪府の中でも新規開業の85%が大阪市で行われ、大阪市の中の30%以上が中央区に集中している。

今回は、中央区のビジネスホテル業界の施設数と客室数のデータに焦点を当てて詳しく解説する。

中央区ビジネスホテルの施設数・部屋数の推移

  2019年1月 2020年1月 2021年1月 2022年1月 2023年1月 2023年5月
施設数

116

142

148

162

171

175

部屋数

15,268

20,112

21,138

23,856

25,018

25,541

出典:メトロエンジンリサーチ

大阪府のビジネスホテル市場は、2019年から2023年にかけて右肩上がりの成長を見せているが、特に大阪市中央区のビジネスホテルは、施設数が51%増加し、部屋数は67%増加している。

2023年5月時点の中央区のビジネスホテル施設数は175施設(2019年1月時点では116施設)、部屋数は25,541室(2019年1月時点では15,268室)である。データ比較によると、中央区のビジネスホテルの新規施設数•部屋数は大阪府全体の増加率よりも高い結果となっている。

分布図を参照すると、中央区の難波・心斎橋・本町・中之島のエリアに多くのビジネスホテルが展開されていることがわかる。中之島・本町は大阪を代表するオフィス街であり、本町駅周辺には「オリックス」や「竹中工務店」など日本を代表する企業が本社を構えている。大阪に出張で来るビジネスパーソンにとって本町は利便性が良く、出張の拠点として選ばれている。

難波・心斎橋エリアはJR・近鉄(阪神)・地下鉄(御堂筋線、四つ橋線、千日前線)等の複数の路線が集中していて、「ミナミ」エリアと呼ばれている大阪のアイコンと呼ぶにふさわしい観光エリアとなっている。

難波から心斎橋まで続く商店街の途中には、写真スポットで有名な「グリコの看板」があり、多くの観光客がこの看板の前で写真を撮って、川沿いの道頓堀筋でコナモングルメを楽しんでいる。大阪を代表する観光地エリアのため観光客にとって大変魅力的であることがこのエリアで多くのビジネスホテルが展開されている大きな要因の一つだろう。

観光とビジネスユース両方の需要が生まれている中央区は、今後も大阪府のビジネスホテルの新規開業を牽引し続けることになることが考えられる。2019~2023年の5年間も施設数と部屋数ともに5割以上の増加が見られたが、2023〜2028年の5年間は更なる増加率となることが予想される。

大阪府と全国の稼働率の比較推移

出典:宿泊旅行統計調査(観光庁)

2019年は訪日外国人数が過去最高の3188万2000人を記録し、大阪府のビジネスホテルの稼働率も全国平均を上回る高い水準で推移していた。2019年3月時点での大阪のビジネスホテルの平均稼働率は、全国平均の77.2%に対して83%と5.8%高い水準だった。

2020年に入ってからのコロナ期間中は大阪府の意向で独自の緊急事態宣言が発令されて移動制限が厳しくなり、地方からの旅行者が減少した。インバウンドの入国もほぼなくなったため、稼働率は全国平均を大幅に下回っていた。現在も大阪の稼働率は2023年1月時点で全国平均を下回っているが、2023年の3月には全国の訪日外国人観光客数は約181万人に到達しており、2019年同月比で65.8%まで回復している。大阪府も比例して稼働率が急速に戻ることが予想されていて、実際に3月〜4月の桜の時期には大阪にもたくさんの外国人観光客が観光で訪れており、インバウンド復活の兆しが見え始めている。GWには大阪の主要観光地の大変な混雑ぶりがニュースに取り上げられるなど旅行需要の高まりが目に見えて高まっていることから夏以降の稼働率は全国平均を上回って推移していた2019年の水準まで高まることが予測される。

 

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