大阪のビジネスホテル施設数・部屋数の推移
メトロエンジンリサーチによると、2019年から2022年の大阪府ビジネスホテルの施設数・部屋数は右肩上がりの増加を続けています。施設数は34%の増加、部屋数は49%の増加です。
詳細な施設数は2022年12月時点で583施設(2019年1月時点:435施設)、部屋数は2022年12月時点で73,939室(2019年1月時点:49,697室)となっています。
2019年1月 | 2020年1月 | 2021年1月 | 2022年1月 | 2022年12月 | |
施設数 | 435 | 498 | 533 | 565 |
583 |
部屋数 | 49697 |
60494 |
66169 | 71758 |
73939 |
出典:メトロエンジンリサーチ
コロナ禍でも着実に増加している大阪のビジネスホテル
2020年から現在まで続く新型コロナウイルスによる観光経済への悪影響ですが、大阪のビジネスホテルの施設数と部屋数の推移を見てみると右肩上がりに増加していることがわかります。
新型コロナウイルスが猛威が振るった2020年から2022年にかけてもビジネスホテルの施設数と部屋数が増加している背景としては、ホテルの建設には計画段階から数えて3年、大型ホテルの場合は5年以上の時間がかかることが考えられます。
コロナ禍前の大阪は右肩上がりのインバウンドの入り込みやIR計画、2025年大阪万博の誘致などホテルが新規開業をするための前向きな要因が揃っていました。
その時に計画として動き出していた新規の開業ホテル計画がコロナ禍に突入しても、もはや止めることができずに開業せざるおえない状態になってしまったホテルもあるのではないでしょうか?
しかし新型コロナウイルスによる各国の渡航制限が緩和や撤廃されて観光業界の市況が回復しつつある現在では、大阪のビジネスホテルの需要が供給数に対して不足する可能性も十分にあり、またコロナ禍の前のように活発な新規ホテル開業が計画され2023年以降も右肩上がりで増加する可能性が十分に考えられます。
稼働率の推移
2022年は緩やかな回復傾向
2020年の5月の稼働率は9.8%の1桁を記録しており、世界がまだコロナウイルスの姿を掴めない中で発令された1回目の緊急事態宣言の影響の大きさが伺えます。あの時の情勢を思い返してみるとビジネスホテルの稼働率が一桁になってしまうのも仕方がないかもしれません。
その後は緩やかな回復カーブを描きながら稼働率が回復して見えますが、2020年の2月末から2022年の10月末までの間稼働率が50%を超えることがありませんでした。コロナ前は平均してビジネスホテルの稼働率は80%を超えていたことからもコロナ禍での苦しいビジネスホテル業界の運営事情が伺えます。
しかし2020年の秋から日本でも世界でもアフターコロナに向けて本格的に規制の緩和や撤廃を推し進めているので、2022年の10月末以降にビジネスホテルの稼働率が50%を下回ることは考えづらく、コロナ前の水準である80%以上に向けて急速に回復していく可能性があります。
止まっていたIR計画の構想再開や2025年の大阪万博に向けて大阪のビジネスホテルマーケットは活気を取り戻していくことでしょう。
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