眠っていたデータから新たな付加価値を
宿泊市場動向
ホテルの収益を語るとき、客室単価(ADR)や稼働率(OCC)が主役になりがちだが、「食事」が客単価に上乗せする価値は意外なほど見えにくい。素泊まりと食事付きを別のホテルで比べても、立地やグレードの差が混ざって正確には測れないからだ。本記事では、同一ホテルが「素泊まり」と「朝食付き」「朝夕食付き」を同時に販売しているケースだけを抜き出し、そのホテル内での価格差(ペアード比較)を集計した。これにより「...
東京都
大阪府
初夏から夏季にかけて、シティホテルのF&B収益は屋内レストランから屋外・屋上空間へと比重が移る。本記事では「ルーフトップダイニング(屋上レストラン・スカイラウンジ・最上階ダイニング)併設シティホテル」が、宿泊単価(ADR)にどの程度の波及効果をもたらしているかを、メトロエンジンリサーチのOTA公開価格データ・宿泊者口コミデータ・推定OCCをクロス集計して検証する。既存記事『祝日ゼロ・梅雨入り6月の...
「需要はあるのに、部屋を開けられない」。地方の温泉旅館でいま静かに進んでいるのは、人手不足を起点とした稼働客室数そのものの絞り込みである。フロント・配膳・調理を一定数そろえられない施設は、空室を埋める以前に「開けられる部屋数」が頭打ちになる。本記事では、観光庁の公式稼働率とメトロエンジンリサーチのOTA公開価格データを突き合わせ、「全室稼働できない」制約のなかで一室単価(ADR)を押し上げて黒字を...
北海道
京都府
原材料費・人件費の高騰を背景に、ホテル朝食の値上げが2025年から2026年にかけて加速している。本稿はその「値上げ後」を実勢検証する。WebSearchで集約した8軒の値上げ事例について、施行月の前後6ヶ月における朝食カテゴリの口コミスコア推移を追跡。一般外食CPIとの比較、ペアード朝食プレミアム分析、価格転嫁に成功している高評価ホテルtop30の特徴を、メトロエンジンリサーチが集計した宿泊者口...
新潟県
エリア・施設分析
季節・イベント
2026年4月25日に開幕した「2026年の越後妻有・大地の芸術祭」は、11月8日までの213日間という長期会期で展開される。2022年574,138人・2024年545,931人という来場実績を持つ国内最大級の現代アート祭が、夏休み期間(7-8月)と完全に重なる構造的高需要期を抱える形で進行している。本稿では、開幕2ヶ月時点での十日町市・津南町・松代エリアの宿泊価格動向と、夏季ピーク(8-9月)...
2026年初春、ドル円相場は再び160円台を視野に入れた。出国日本人数は伸びているものの、コロナ前2019年比ではいまだ7割台にとどまる。一方、国内主要6都市の宿泊価格(ADR)は2026年7-8月で前年同月比+10%〜+28%という大幅な上昇を示している。本稿では、海外旅行コストが実質2倍化した円安環境下で、出国に向かわなかった日本人需要が「どこに」「どれだけ」流入しているか、ADRの弾性から定...
観光庁は2026年3月、2025年通年の宿泊旅行統計(速報値)を公表し、全国の客室稼働率は61.8%、延べ宿泊者数は6億5,348万人泊(前年比-0.8%)となった。この速報値は2026年6月30日に「確定値」として再公表される見込みである。本稿では、過去5年間(2020〜2024年)の速報→確定の修正幅履歴を体系的に整理し、2025年確定値の予測レンジを提示する。あわせて、2026年1〜5月の主...
神奈川県
6月は梅雨で観光需要が落ち込みやすいシーズン——しかし「紫陽花の名所周辺」だけは別格である。明月院・長谷寺(鎌倉)、箱根登山鉄道沿線(箱根)、三室戸寺(京都・宇治)、八景島シーパラダイス(横浜)。この4エリアの名所から3〜5km圏内にある全168施設のOTA販売価格と在庫推移を集計したところ、6月平均ADRは鎌倉で前年同月比+17.2%、京都+15.2%、八景島+16.9%と二桁伸長していた。さら...
京都市の宿泊税が2026年3月1日から大幅に引き上げられた。最高税額は従来の1,000円から10倍の10,000円となり、税率区分も3段階から5段階の傾斜構造に変わった。市の年間税収見込みは52億円から126億円へとほぼ倍増する。引き上げから約3ヶ月が経過した今、実際の宿泊市場はどう動いたのか。メトロエンジンリサーチの京都市内1,800施設超のOTA公開価格データを用いて、税負担帯別のADR・在庫...
インバウンド
日本政府観光局(JNTO)が2026年5月20日に公表した4月推計値は、訪日外客数369万2,200人・前年同月比-5.5%という、2026年に入って初めての前年割れとなった。ただし、この単月マイナスを「インバウンドの減速」と単純化するのは早計である。中国-56.8%という単一市場の急減を、韓国・台湾・米国・フランス等9市場が4月単月で過去最高を更新する構図で吸収しており、地方都市のADRはむしろ...