眠っていたデータから新たな付加価値を
指定なし
投資・開発
ホテル供給の話は、ほとんどが「足し算」で語られてきた。今年は何軒開業する、何室増える、どのエリアに供給圧がかかる——。しかし市場に存在する客室の総数は、開業だけでは決まらない。同じ年に、廃業・用途転換・承継断念によって市場から退出する施設がある。増えた分から減った分を引いた「ネット供給」こそが、既存ストックの希少性を決める。 厚生労働省「衛生行政報告例」は、この引き算を数えられる唯一の全数統計であ...
北海道
栃木県
福島県
東京都
新潟県
岡山県
広島県
福岡県
百貨店やGMSが役割を終えた区画は、都市にとって「駅前にまとまって出てくる、めったにない開発余地」である。売場という単一用途で数万平方メートルを占めていた土地が、まとめて市場に戻ってくる機会は、成熟した中心市街地ではほとんど発生しない。本稿では、2020年以降に閉店・閉館した大型商業施設のうち跡地利用が公表され、一次情報で確認できた14件を追跡し、その跡地でホテル用途がどれだけ選ばれているか、そし...
不動産投資というひとつの資金プールのなかで、ホテルというアセットタイプにいくらが配られているのか。この「配分比率(アロケーション)」の視点でホテル投資を見ると、個別プレイヤーの動きやCap Rate水準を追うだけでは見えない構造が浮かび上がる。2026年第1四半期、J-REIT全体の物件取得額4,662億円のうち、実に1,260億円――27.0%が、たった1件のホテル取得だった。本稿では、外部の市...
ホテルを買うとき、売買契約書に書かれた金額は支払総額ではない。仲介手数料、不動産取得税、登録免許税、印紙税、司法書士報酬、デューデリジェンス費用、融資関連費用——価格の外側に積み上がるこれらの費目は、12億円の宿泊特化型ホテルで合計8,507万円、価格の7.09%に達する。この金額は初年度NOIの1.42年分にあたる。 本稿では、ホテル取得時にかかる費用を一次情報(国税庁・財務省・都道府県税条例・...
国内の宿泊市場は「どこに、いくらの売上が存在するのか」という問いに、意外なほど答えにくい。観光庁の統計は延べ宿泊者数と客室稼働率を都道府県別に公表しているが、そこに単価が掛かっていないため金額のマップにならない。本稿では、メトロエンジンリサーチ&コンサルティングが把握する客室ストックに、観光庁「宿泊旅行統計調査」の実績稼働率と推定成約ADRを掛け合わせ、2025年(暦年)の宿泊売上プールを都道府県...
全国の市区町村を一つずつ数えると、OTA上で稼働が確認できる宿泊施設が1軒以下の自治体は429あった。判定対象1,721自治体の24.9%、およそ4つに1つである。ただしこの429をそのまま「宿泊供給の空白地帯」と読むと、大きく判断を誤る。役場所在地から半径30kmの客室在庫を測り直すと、429のうち378(88.1%)は隣接エリアに厚い受け皿がある。市域の中に宿が無いだけで、商圏としては足りてい...
日本のホテル・旅館ストックを「何年に開業したか」で切る記事は、これまでも本メディアで扱ってきた。ただし1996年、2015年、開業10年——そこで使われる区切りは、いずれも分析者が選んだ任意の年である(開業10年という区切りで改装の効きどきを測った分析は開業10年の宿はいまにまとめている)。本稿はそこを離れ、区切りを1981年6月1日ひとつに固定する。建築基準法施行令の改正により新耐震基準が適用さ...
青森県
秋田県
山形県
富山県
石川県
福井県
長野県
岐阜県
群馬県
ホテルの立地を測る物差しは、これまで需要(商圏・交通・イベント)、供給(競合客室数)、地価、そして災害リスクの四つで語られてきた。本稿では五つ目の軸——気候そのものが毎年生む運営コスト——を、気象庁の平年値とメトロエンジンリサーチの宿泊単価データで定量化する。夏の冷房費は近年よく議論されるが、冬の暖房と除排雪は通年コストでありながら、立地選定の判断材料として数値化されることがほとんどない。 結論か...
大阪府
京都府
宮城県
鹿児島県
土地を買ってホテルを建てる——この前提が、いま音を立てて崩れつつある。国土交通省「建築着工統計調査」によれば、宿泊業用建築の工事費予定額は2024年に坪195万円まで上昇した。2017年の坪111万円から7年で76%増である。同じ期間に主要都市の商業地価も上昇を続け、2025年の地価公示では東京・浅草周辺の商業地が前年比+21.3%(周辺地点の中央値、N=10地点)を記録している。建設費と地価が同...
山口県
島根県
岩手県
山梨県
三重県
奈良県
新規開業の供給圧を語るとき、業界の共通言語は長らく「何室増えるか」だった。だが同じ1万室でも、その大半が2015年以降に建った棟で構成される市場と、半分以上が1996年以前の建物で構成される市場とでは、投資家が向き合う論点はまるで違う。前者で問われるのは新規参入の余地であり、後者で問われるのは既存ストックをどう作り替えるかである。 本稿では、三大都市圏を外した地方の県庁所在地・政令市中心区・主要中...