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ホテル客室数ランキング2026|全国TOP30・沖縄TOP20と大箱が立つ4条件

投稿日 : 2026.09.23

沖縄県

東京都

大阪府

エリア・施設分析

ホテル客室数ランキング2026|全国TOP30・沖縄TOP20と大箱が立つ4条件

「客室数が多いホテル」は、単なる規模の話ではない。大型団体、学会・MICE、コンサートやスポーツの大型イベント——一度に数百人分の寝床を確保しなければならない需要を受け止められる施設は、実は全国でも限られている。本稿では主要OTAに掲載され当社が客室数を把握している施設を対象に、施設単位(1棟/1館)の客室数ランキングを全国TOP30と沖縄県TOP20の2本立てで整理し、そのうえで「大箱はどこに立つのか」「規模は単価と評価にどう効くのか」をデータで検証する。

Key Takeaways
  • 1,000室超は全国22施設のみ。最大は品川プリンスホテル2,384室(運営者公表の全館合計は3,679室)で、単棟としてはアパホテル&リゾート〈横浜ベイタワー〉2,311室が最大。
  • — 300室以上546施設のうち369施設・175,767室が都心ターミナル立地。施設数で全体の3分の2を占め、大量の客室は鉄道ターミナルの集客力に支えられている。
  • — 単価が最も高いのはテーマパーク近接(推定成約ADR中央値¥23,500)。規模中央値491室・評価中央値4.29も4類型で最高で、量と単価を両立できる類型である。
  • — 客室数と推定成約ADRはほぼ無相関(r=0.05)、レビュー評価とも無相関(r=0.02)。単価差を生むのは規模ではなく立地類型で、類型間で約3倍の開きがある。
  • 300室超がゼロの県は8県、1施設のみの県も8県。沖縄県は300室超34施設で全国5位の厚みを持つ一方、500室超は3施設にとどまる。

本記事における指標の定義

  • 集計対象(母集団):主要OTAに掲載され、当社が客室数を把握している国内の宿泊施設。直近の掲載実績(2026年6〜7月のチェックイン日で20日以上の掲載を観測)を確認できた施設に限定しています。全数調査ではなく、OTAに掲載されない施設・掲載が確認できなかった施設は含まれません。
  • 集計単位:OTA上で1つの宿泊施設として掲載されている単位(1棟/1館)。複数のタワーからなる複合ホテルは、運営者が全館合計として公表する客室数と一致しない場合があります。該当する施設には表内に注記を付しています。
  • 客室数:当社が収集・管理する客室数データ。上位施設については運営者の公表資料と個別に照合し、公表値が異なる場合は公表値を採用しています(採用元は表内に注記)。
  • ADR(平均客室単価):各施設がOTA上で公開する最安プラン水準(2名1室利用時・1室あたり料金・税込)に業態別の補正係数を適用して算出した推定成約単価(税抜相当)。上場ホテルREITが開示する物件別実績との照合(91施設・直近3ヶ月間)で誤差中央値は約7%。推定値であり、各施設の実際の成約価格・会計数値とは異なります。本記事では直近12ヶ月(2025年9月〜2026年8月)の月次中央値を掲載しています。推定成約ADRは検証済みの業態区分(ビジネス・シティ・リゾート・旅館・カプセル)で算出しており、対象外の区分は「—」と表記しています。
  • レビュー評価:宿泊者口コミの総合スコア(5点満点)。評価が蓄積されていない施設は「—」と表記しています。
  • データ出典:メトロエンジンリサーチ

全国TOP30 — 最大は2,384室、1,000室超はわずか22施設

まず全国のランキングから見ていく。集計対象となった886施設(250室以上)のうち、300室以上は546施設、500室以上は140施設、そして1,000室を超えるのはわずか22施設にとどまる。日本のホテル市場全体から見れば、1,000室級の「大箱」は極めて希少な存在である。

最も客室数が多いのは東京・品川の品川プリンスホテル(2,384室)。ただしこの施設はメインタワー・アネックスタワー・Nタワー・イーストタワーからなる複合体で、運営者は全館合計を3,679室と公表している。本表はOTA掲載単位での集計のため、イーストタワー(919室)は27位に別掲載として並んでいる。2位のアパホテル&リゾート〈横浜ベイタワー〉(2,311室)については、運営者が開業時のプレスリリースで「1棟の建物としては日本最大客室数」と公表しており、単棟としての規模ではこちらが上位に立つ。

全国の客室数ランキング TOP30(施設単位・主要OTA掲載確認ベース、母集団N=886施設)
順位施設名所在地客室数開業年推定成約ADR評価立地類型
1品川プリンスホテル ※運営者は4タワー全館合計で3,679室と公表。本表はOTA掲載単位。東京都港区2,3841978¥32,2003.91都心ターミナル
2アパホテル&リゾート〈横浜ベイタワー〉神奈川県中区2,3112019¥7,9004.11都心ターミナル
3アパホテル&リゾート〈大阪なんば駅前タワー〉大阪府浪速区2,0552024¥12,2003.95都心ターミナル
4アパホテル&リゾート〈東京ベイ幕張〉千葉県美浜区2,0071993¥13,5003.91都心ターミナル
5アパホテル&リゾート〈大阪梅田駅タワー〉大阪府北区1,7042023¥14,1004.00都心ターミナル
6ヴィラフォンテーヌグランド羽田空港 ※隣接の姉妹館と合わせ全1,717室と公表。東京都大田区1,5572022¥25,7004.45空港近接
7ホテルニューオータニ東京東京都千代田区1,4791964¥55,3004.47都心ターミナル
8京王プラザホテル ※公式会社概要の1,452室を採用。東京都新宿区1,45219714.62都心ターミナル
9アワーズイン阪急東京都品川区1,3881971¥13,7004.20都心ターミナル
10東横INN中部国際空港2愛知県常滑市1,2872019¥7,2003.74空港近接
11新宿ワシントンホテル 本館東京都新宿区1,2801983¥17,8003.71都心ターミナル
12苗場プリンスホテル新潟県湯沢町1,2161962¥12,6003.64リゾート地
13アパホテル&リゾート〈両国駅タワー〉東京都墨田区1,1112020¥12,7004.18都心ターミナル
14サンシャインシティプリンスホテル東京都豊島区1,0851980¥30,2004.20都心ターミナル
15ヒルトン福岡シーホーク ※ヒルトン会社概要の1,052室を採用。福岡県中央区1,0521995¥37,8003.96都心ターミナル
16ホテル阪急レスパイア大阪大阪府北区1,0302019¥26,6004.30都心ターミナル
17シェラトン・グランデ・トーキョーベイ・ホテル千葉県浦安市1,0161988¥27,8004.05テーマパーク近接
18東京ドームホテル東京都文京区1,0062000¥29,0004.29都心ターミナル
19リーガロイヤルホテル大阪ヴィニェット コレクション大阪府北区1,00119653.69都心ターミナル
20東横INN中部国際空港1愛知県常滑市1,0012007¥7,1003.98空港近接
21アパホテル〈六本木SIX〉東京都港区1,0012020¥11,8003.84都心ターミナル
22アパホテル&リゾート〈新潟駅前大通〉新潟県中央区1,0012022¥7,2003.86都心ターミナル
23都ホテル 京都八条京都府南区9881975¥19,2004.27都心ターミナル
24ホテルグレイスリー新宿東京都新宿区9702015¥35,1004.30都心ターミナル
25大阪新阪急ホテル大阪府北区96119643.91都心ターミナル
26京急EXホテル品川東京都港区9352011都心ターミナル
27品川プリンスホテル イーストタワー ※品川プリンスホテルの別掲載単位。東京都港区9191978¥17,0003.47都心ターミナル
28アパホテル&リゾート〈御堂筋本町駅タワー〉大阪府中央区9132019¥9,9004.16都心ターミナル
29相鉄グランドフレッサ 東京ベイ有明東京都江東区9122009¥15,6003.56都心ターミナル
30グランドプリンスホテル新高輪東京都港区9081982¥32,7004.06都心ターミナル

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(母集団N=886施設/250室以上・OTA掲載確認ベース)

顔ぶれを見ると、上位30施設のうち26施設が東京・大阪・千葉・愛知・神奈川の大都市圏に集中している。一方で新潟県からは苗場プリンスホテル(1,216室)とアパホテル&リゾート〈新潟駅前大通〉(1,001室)の2施設が、福岡県からはヒルトン福岡シーホーク(1,052室)が入っており、地方にも1,000室級の拠点が存在することがわかる。

開業年にも特徴がある。上位30施設のうち11施設が2015年以降の開業で、うち10施設が2019年以降だ。タワー型の大型ホテルは近年も継続的に供給されており、2024年12月開業のアパホテル&リゾート〈大阪なんば駅前タワー〉(2,055室・地上40階建)は現在3位につけている。大規模開発が続いていることは、事業者側が「一度に大量の客室を供給できる立地」に成長余地を見出していることの表れといえる。

沖縄県TOP20 — 最大826室、500室超は3施設のみ

次に沖縄県。集計対象となったのは48施設(250室以上)で、300室以上は34施設ある。ただし500室を超えるのは3施設のみで、東京都の42施設、千葉県の21施設と比べると大型施設の層は薄い。リゾート立地では敷地が広く取れる一方、低層・分棟型の設計が選ばれやすいことが背景にあると考えられる。

沖縄県の客室数ランキング TOP20(施設単位・主要OTA掲載確認ベース、母集団N=48施設)
順位施設名市町村客室数開業年推定成約ADR評価立地類型
1リザンシーパークホテル谷茶ベイ恩納村8261993¥12,2003.89リゾート地
2ロワジールホテル 那覇那覇市5331993¥11,3003.44空港近接
3沖縄かりゆしビーチリゾート・オーシャンスパ恩納村5161987¥13,0003.23リゾート地
4グランドメルキュール沖縄残波岬リゾート読谷村4651988¥21,6004.02リゾート地
5ANAインターコンチネンタル石垣リゾート石垣市4581988¥31,0003.69リゾート地
6サザンビーチホテル&リゾート沖縄糸満市4482009¥13,9003.84リゾート地
7琉球ホテル&リゾート名城ビーチ糸満市4432022¥26,7004.36リゾート地
8ザ・ブセナテラス名護市41019974.52地方中核・その他
9ANAインターコンチネンタル万座ビーチリゾート恩納村4001983¥28,2004.03リゾート地
10フサキビーチリゾート ホテル&ヴィラズ(石垣島)石垣市3981982¥24,6004.22リゾート地
11ホテル日航アリビラ -ヨミタンリゾート沖縄-読谷村3961994¥24,4004.29リゾート地
12パシフィックホテル沖縄那覇市3891973¥6,7003.90空港近接
13ルネッサンスリゾートオキナワ恩納村3771988¥36,9003.79リゾート地
14THE NEST那覇那覇市3662025¥14,1004.48空港近接
15アパホテル〈那覇松山〉那覇市3612007¥8,1003.78空港近接
16オリエンタルホテル 沖縄リゾート&スパ名護市3612021¥27,6004.38リゾート地
17ハレクラニ沖縄恩納村3602019¥57,8004.79リゾート地
18沖縄ハーバービューホテル那覇市3521975¥13,0004.27空港近接
19ヒルトン沖縄北谷リゾート北谷町3462014¥40,0004.54リゾート地
20ハイアット リージェンシー 瀬良垣アイランド 沖縄恩納村3432018¥40,7004.61リゾート地

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(沖縄県 母集団N=48施設/250室以上・OTA掲載確認ベース)

最大規模のリザンシーパークホテル谷茶ベイ(826室)は1993年開業、敷地面積43,281平方メートル、収容人数2,600人を公表する県内最大級のリゾートである。2位のロワジールホテル 那覇(533室)、3位の沖縄かりゆしビーチリゾート・オーシャンスパ(516室)まで500室台が続き、4位以降は400室台に落ちる。

立地の分布も特徴的だ。300室以上34施設の内訳は那覇市9施設、恩納村8施設、石垣市・宮古島市が各3施設。空港アクセスに優れた那覇市の都市型ホテル群と、西海岸リゾートラインの恩納村・読谷村のビーチリゾート群という二極構造になっている。単価面でもこの差は明確で、那覇市内のパシフィックホテル沖縄は推定成約ADR約¥6,700、恩納村のハレクラニ沖縄は約¥57,800と、同じ県内でも8倍以上の開きがある。規模の順位と単価の順位はまったく一致しない。

離島リゾートの存在感も無視できない。石垣市のANAインターコンチネンタル石垣リゾート(458室)とフサキビーチリゾート ホテル&ヴィラズ(398室)、宮古島市の3施設など、本島以外にも400室級の受け皿が育っている。ヒルトン沖縄北谷リゾート(346室)は評価4.54、ハイアット リージェンシー 瀬良垣アイランド 沖縄(343室)は評価4.61と、300室台でも高い評価を維持している点は注目に値する。県内の300室超34施設を那覇・西海岸・離島といった圏域別に分解した内訳は、沖縄のホテル客室数ランキング2026で詳しく扱っている。

大箱が立つ4つの条件 — 空港・都心ターミナル・リゾート・テーマパーク

では大型施設はどこに立つのか。300室以上の546施設を、施設の座標から最寄りの空港・テーマパークまでの距離と業態区分をもとに4類型に分類した。空港から6km圏内を「空港近接」、主要テーマパークから4km圏内を「テーマパーク近接」、それ以外でリゾート・旅館区分のものを「リゾート地」、大都市圏の市街地に立地するものを「都心ターミナル」とし、いずれにも当てはまらない地方都市立地を「地方中核・その他」とした。

立地類型別の施設数・客室数・推定成約ADR中央値・規模中央値・評価中央値(300室以上N=546施設)
立地類型施設数総客室数規模中央値推定成約ADR中央値評価中央値
都心ターミナル369175,767384¥15,600 (n=325)4.1 (n=360)
空港近接5224,206372¥13,600 (n=50)4.08 (n=51)
テーマパーク近接3015,941491¥23,500 (n=23)4.29 (n=28)
リゾート地5624,045369¥18,200 (n=56)3.89 (n=56)
地方中核・その他3914,447351¥7,800 (n=38)3.94 (n=39)

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(300室以上N=546施設)

最も施設数が多いのは都心ターミナルで369施設・総客室175,767室。全体の3分の2を占める。大量の客室を埋めるには恒常的なビジネス需要とイベント需要が不可欠であり、鉄道ターミナルの集客力がその前提になっている。その大量の客室が実際にどのタイミングで消化されるのかについては、大箱は最後に埋まるのかが客室規模別の在庫消化スピードを検証している。

単価で見ると様相が変わる。テーマパーク近接が推定成約ADR中央値¥23,500と最も高く、規模中央値も491室と4類型で最大だ。滞在目的が明確で家族・グループ単位の利用が中心になるため、客室あたりの人数が多く、単価と規模の両立が可能になる。評価中央値4.29も4類型で最高で、目的地直結という体験価値がそのまま満足度に反映されている。東京ディズニーリゾート周辺、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン周辺の施設がこの層を形成している。

空港近接は52施設・ADR中央値¥13,600で、前泊・乗継という「確実に泊まれること」が最優先される需要をおさえる帯だ。立地の確実性がそのまま選ばれる理由になるため、評価中央値は4.08と都心ターミナル(4.10)とほぼ並び、用途に対する満足度は高い。羽田・成田・中部の各空港周辺には1,000室級が複数立地しており、ヴィラフォンテーヌグランド羽田空港(1,557室・隣接の姉妹館と合わせ全1,717室と公表)や東横INN中部国際空港2(1,287室)がその代表例である。

リゾート地は56施設・ADR中央値¥18,200。上位には高単価施設が並ぶ一方で中央値は都心ターミナルの少し上にとどまり、この層の単価分散が大きいことを示している。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(500室以上N=140施設)

500室以上140施設を地図上に置くと、分布の偏りは一目瞭然だ。東京湾岸(羽田・舞浜・有明)、大阪(梅田・難波・ユニバーサルシティ)、名古屋・中部空港、札幌、福岡という5つの塊に集中しており、その間はほぼ空白である。円の大きさは客室数、色は立地類型を表している。

規模は単価を下げない — 相関係数0.05という結果

「客室数が多いホテルほど単価が安い」という見方は業界でしばしば語られる。大量の客室を埋めるために価格を下げざるを得ない、という理屈だ。しかしデータはこれを支持しない。

300室以上で推定成約ADRを算出できた492施設について、客室数とADRの相関係数を計算するとr=0.05。ほぼ無相関である。客室数とレビュー評価についても534施設でr=0.02と、こちらも関係は認められなかった。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(N=492施設)

規模帯別に中央値を並べても、この傾向は変わらない。300〜499室が¥15,300、500〜799室が¥16,400、800〜1,199室が¥17,000と、むしろ規模が大きいほどわずかに高い。1,200室以上の12施設で¥13,900に下がるが、これは空港近接の宿泊特化型施設がこの帯に集中していることの反映であり、規模そのものの効果とは切り分けて読む必要がある。300室未満の小規模帯まで含めて客室数とADRの関係を業態別に追った結果は、ホテル客室数は何室が最適かで整理している。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(300室以上N=546施設)

評価についても同様で、規模帯別の中央値は4.08/4.09/4.02/3.98とほぼ横並びだ。「大型施設はサービスが画一的になる」という通説も、口コミスコアの水準では確認できない。

では何が単価を決めているのか。答えは立地類型である。先の4類型別ADR中央値は、地方中核・その他の¥7,800からテーマパーク近接の¥23,500まで約3倍の開きがあった。規模がほぼ効かないのに対し、立地類型は3倍の差を生む。大箱の収益性を左右するのは客室の量ではなく、その客室がどの需要に接続しているかだといえる。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(300室以上N=546施設)

都道府県別の受け皿 — 300室超は8県でゼロ

団体・MICE・大型イベントの誘致可能性を考えるうえで重要なのは、その地域に何室級の施設が何軒あるかである。300室以上・500室以上の施設数を都道府県別に集計した。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(300室以上N=546施設)

都道府県別の300室以上・500室以上の施設数と総客室数(上位20都道府県)
都道府県300室以上うち500室以上300室以上の総客室数
東京都1164263,453
大阪府1052749,373
北海道501020,327
千葉県382122,317
沖縄県34313,020
愛知県24711,719
京都府2449,939
福岡県2379,731
神奈川県21510,669
兵庫県1124,612
新潟県1035,057
広島県924,022
静岡県802,933
宮城県612,256
石川県622,585
埼玉県501,706
岡山県501,603
栃木県401,460
熊本県401,452
長崎県401,425

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(300室以上N=546施設・500室以上N=140施設/上位20都道府県を掲載)

東京都が116施設・総客室63,453室と最も多く、大阪府が105施設・49,373室で続く。この2都府だけで300室以上施設の40%、総客室数の44%を占める。3位以下は北海道50施設、千葉県38施設、沖縄県34施設と続く。

500室以上に絞ると集中はさらに強まる。東京都42施設、大阪府27施設、千葉県21施設、北海道10施設で、この4都道府県だけで140施設中100施設だ。千葉県が北海道の倍以上ある点は、成田空港周辺と舞浜エリアという2つの大型クラスターを抱えているためである。

一方で、300室以上の施設が1軒もない県が8県ある(青森県・秋田県・山形県・茨城県・岐阜県・徳島県・高知県・佐賀県)。さらに300室以上が1施設のみという県も8県あり、合わせて16県では300名規模の宿泊を1〜2施設に依存する構造になっている。大型学会や全国大会の開催地選定において、宿泊キャパシティが実質的な制約条件として働くことがわかる。

もっとも、これは分散開催や近隣県との連携という運用設計の余地が大きいことも意味している。300室以上が4施設ある熊本県・長崎県・愛媛県・富山県のように、複数施設の合計で1,300室前後を確保できる県は少なくない。単館の規模ではなくエリア全体の客室プールで受け皿を設計するという発想に立てば、開催可能な地域の選択肢は数字の見た目より広い。

まとめ

本稿の集計から見えたのは次の4点である。

第一に、1,000室を超える施設は全国で22施設と極めて限られる。最大規模は品川プリンスホテルの2,384室(運営者公表の全館合計は3,679室)で、単棟としてはアパホテル&リゾート〈横浜ベイタワー〉の2,311室が運営者により日本最大客室数と公表されている。

第二に、沖縄県は300室以上が34施設と全国5位の層の厚さを持ちながら、500室超は3施設にとどまる。那覇市の都市型と恩納村・読谷村のビーチリゾートという二極構造で、同じ県内でも推定成約ADRに8倍以上の幅がある。

第三に、規模と単価・評価の間に相関はほぼない(それぞれr=0.05、r=0.02)。代わりに立地類型が約3倍の単価差を生んでいる。テーマパーク近接が最も高く、規模も最大という「量と単価を両立できる」類型である点は、開発・投資判断において示唆的だ。

第四に、300室以上の施設が存在しない県が8県ある一方、複数施設の合計で数百室を確保できる県は多い。大型需要の受け皿は単館規模ではなくエリア単位の客室プールで捉えるべきである。

客室数ランキングは「どこが大きいか」を示すと同時に、「その規模がどの需要に支えられているか」を映す指標でもある。大箱の価値は室数そのものではなく、立地が接続している需要の厚みにあるという点が、今回のデータが示す最も実務的な結論といえる。

よくある質問

日本で最も客室数が多いホテルはどこですか?

主要OTAの掲載単位(1棟/1館)で見ると品川プリンスホテルの2,384室が最多です。ただし同ホテルはメインタワー・アネックスタワー・Nタワー・イーストタワーからなる複合体で、運営者は全館合計を3,679室と公表しています。単棟としてはアパホテル&リゾート〈横浜ベイタワー〉(2,311室)が、運営者により1棟の建物としては日本最大客室数と公表されています。

1,000室を超えるホテルは日本に何軒ありますか?

本稿の母集団(主要OTAに掲載され当社が客室数を把握している886施設)では22施設です。300室以上は546施設、500室以上は140施設で、1,000室級の大型施設は全体のごく一部にとどまります。全数調査ではないため、OTAに掲載されない施設は含まれません。

沖縄県で最も客室数が多いホテルはどこですか?

リザンシーパークホテル谷茶ベイ(恩納村・826室・1993年開業)です。次いでロワジールホテル 那覇(533室)、沖縄かりゆしビーチリゾート・オーシャンスパ(516室)と続きます。沖縄県は300室以上が34施設と全国5位の層の厚さを持つ一方、500室を超えるのは3施設のみです。

客室数が多いホテルほど宿泊単価は安いのですか?

データ上はそうなっていません。300室以上で推定成約ADRを算出できた492施設で客室数とADRの相関係数はr=0.05、レビュー評価との相関も534施設でr=0.02とほぼ無相関でした。単価を決めているのは規模ではなく立地類型で、テーマパーク近接の中央値¥23,500に対し地方中核・その他は¥7,800と約3倍の開きがあります。

300室以上のホテルがない都道府県はありますか?

8県あります(青森県・秋田県・山形県・茨城県・岐阜県・徳島県・高知県・佐賀県)。300室以上が1施設のみの県も8県あり、合わせて16県では300名規模の宿泊を1〜2施設に依存する構造です。一方で熊本県・長崎県・愛媛県・富山県のように、複数施設の合計で1,300室前後を確保できる県もあります。

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参考資料・出典一覧

■ データソース

客室数・所在地・開業年・レビュー評価は当社が収集・管理する施設データ、掲載状況は主要OTAの公開情報(2026年6〜7月チェックイン分でチェックイン日20日以上の掲載を観測した886施設)、推定成約ADRは各施設のOTA公開最安プラン水準に業態別補正係数を適用した推定値(直近12ヶ月=2025年9月〜2026年8月の月次中央値)です。上位施設の客室数は運営者の公表資料と個別に照合しています。

■ 試算前提

集計単位はOTA上で1つの宿泊施設として掲載されている単位(1棟/1館)です。立地類型は施設座標から算出し、空港6km圏内を空港近接、主要テーマパーク4km圏内をテーマパーク近接、それ以外でリゾート・旅館区分のものをリゾート地、大都市圏市街地立地を都心ターミナル、いずれにも該当しない地方都市立地を地方中核・その他としています。相関係数は推定成約ADRを算出できた492施設(評価はレビューが蓄積された534施設)を母数とするピアソン相関です。

■ 限界・留意点

全数調査ではありません。OTAに掲載されない施設・掲載が確認できなかった施設は母集団に含まれず、順位は当社が把握している範囲での相対順位です。複数タワーからなる複合施設は運営者公表の全館合計と一致しない場合があり、該当施設には表内に注記を付しています。推定成約ADRは上場ホテルREITが開示する物件別実績との照合(91施設・直近3ヶ月間)で誤差中央値が約7%の推定値であり、各施設の実際の成約価格・会計数値とは異なります。相関の有無は因果関係を示すものではありません。

■ 市場データ

  • メトロエンジンリサーチ — 客室数マスター、推定成約ADR、OTA掲載状況(母集団N=886施設)

■ 運営者公表資料(客室数の照合に使用)

出典: 日本ハイアット 株式会社「報道資料 2026年4月」

出典: ヒルトン「会社概要」(2026年8月25日更新)

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