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沖縄のホテル客室数ランキング2026|1位826室、300室超34軒を圏域別に

投稿日 : 2026.09.14

沖縄県

エリア・施設分析

沖縄のホテル客室数ランキング2026|1位826室、300室超34軒を圏域別に

沖縄県で最も客室数の多いホテルは、恩納村のリザンシーパークホテル谷茶ベイで826室である。メトロエンジンリサーチが把握する沖縄県の宿泊施設4,388施設・75,909室(2026年9月時点、OTA掲載が確認できた施設のうち客室数が登録されているもの)を客室数で並べ、上位30施設のランキングと、本島北部・本島中部・那覇/南部・宮古・八重山の5圏域別の供給構造を集計した。300室以上の「大箱」は34軒しかなく、そこに県内客室の17.2%が集中している。

本記事における指標の定義

  • 客室数:各施設の登録客室数。メトロエンジンリサーチが把握する範囲での集計であり、全数調査ではない。OTAに掲載されていない旅館・民宿・簡易宿所や、客室数が登録されていない施設は含まれない。
  • ADR(平均客室単価):各施設がOTA上で公開する最安プラン水準(2名1室利用時・1室あたり料金・税込)に業態別の補正係数を適用して算出した推定成約単価(税抜相当)。上場ホテルREITが開示する物件別実績との照合(91施設・直近3ヶ月間)で誤差中央値は約7%。推定値であり、各施設の実際の成約価格・会計数値とは異なる。エリア単位のADRは対象施設の中央値(エリアの標準的な施設の水準)。
  • 圏域区分:本島北部=名護市・恩納村・本部町ほか国頭地域、本島中部=沖縄市・宜野湾市・読谷村・北谷町・うるま市・浦添市ほか、那覇・南部=那覇市・糸満市・豊見城市・南城市ほか島尻地域および慶良間・久米島・大東、宮古=宮古島市・多良間村、八重山=石垣市・竹富町・与那国町。
  • データ出典:メトロエンジンリサーチ
Key Takeaways
  • — 沖縄の宿泊在庫は4,388施設・75,909室。施設数の73.4%は9室以下だが、客室数の52.5%は100室以上の193施設が持つ二層構造。
  • — 客室数1位はリザンシーパークホテル谷茶ベイ826室。上位30施設で県内客室の15.6%、上位10施設で6.5%を占める。
  • 300室以上は34軒(13,025室)、400室以上は9軒、500室以上は3軒。団体・MICE需要を単独で受けられる施設は限られる。
  • — 大箱客室比率は本島北部26.0%が最高、客室数最大の那覇・南部が13.1%で最低という逆転が起きている。
  • — 大箱29施設の推定成約ADRは2クラスターに分かれ、¥35,000〜¥44,000の帯に300室超が1軒もない

沖縄の宿泊供給4,388施設・75,909室 — 中央値はわずか3室

まず全体像から確認する。沖縄県内でメトロエンジンリサーチが客室数を把握している宿泊施設は4,388施設、客室数の合計は75,909室である。ここには貸別荘・コンドミニアム・ペンション・ゲストハウスといった小規模施設が多数含まれており、1施設あたりの客室数の中央値は3室、平均は17.3室という強い右に裾を引いた分布になる。

分布を規模帯で切り分けると、施設数では9室以下が3,221施設と全体の73.4%を占める一方、それらが持つ客室は8,108室で全体の10.7%にとどまる。逆に100室以上の施設はわずか193施設(4.4%)だが、客室数では39,853室と県内客室の52.5%を担う。沖縄の宿泊在庫は「軒数は小規模施設、部屋数は大型ホテル」という二層構造になっている。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

参考までに、沖縄県が実施する公式の全数把握である「宿泊施設実態調査」では、令和6年12月31日時点で県内の宿泊施設は4,251軒・64,371室・収容人数188,425人とされている(同調査はモーテル等の風俗営業関連施設および民泊施設を除く)。本稿の集計は調査時点が異なるうえ、OTAに掲載されている貸別荘・コンドミニアム型の在庫を広く含むため、軒数・客室数とも公式調査を上回る。両者は母集団の定義が異なる別々の数値として読んでいただきたい。

沖縄ホテル客室数ランキングTOP30 — 1位826室、30軒で県内客室の15.6%

客室数の上位30施設は以下のとおり。施設名・客室数は当社データベースの登録値をもとに、各施設の公式サイトおよび運営会社の公表資料と突き合わせて確認した。同一建物のブランド転換前後で複数の名称が併存するものは現行ブランドに名寄せし、宿泊施設としての営業が確認できないものは除いている。

この30施設の客室数合計は11,815室。施設数では県内の0.68%にすぎないが、客室数では15.6%を占める。上位10施設に絞っても4,897室(6.5%)に達し、沖縄の団体受入キャパシティが少数の施設に集中している構造がはっきり出る。

表1 沖縄県 ホテル客室数ランキング TOP30(2026年9月時点・OTA掲載確認ベース)
順位施設名客室数所在地圏域開業年
1リザンシーパークホテル谷茶ベイ826恩納村本島北部1993
2ロワジールホテル 那覇533那覇市那覇・南部1993
3沖縄かりゆしビーチリゾート・オーシャンスパ516恩納村本島北部1987
4グランドメルキュール沖縄残波岬リゾート465読谷村本島中部1988
5ANAインターコンチネンタル石垣リゾート458石垣市八重山1988
6サザンビーチホテル&リゾート沖縄448糸満市那覇・南部2009
7琉球ホテル&リゾート 名城ビーチ443糸満市那覇・南部2022
8ザ・ブセナテラス410名護市本島北部1997
9ANAインターコンチネンタル万座ビーチリゾート400恩納村本島北部1983
10フサキビーチリゾート ホテル&ヴィラズ398石垣市八重山1982
11ホテル日航アリビラ396読谷村本島中部1994
12パシフィックホテル沖縄389那覇市那覇・南部1973
13ルネッサンスリゾートオキナワ377恩納村本島北部1988
14THE NEST那覇366那覇市那覇・南部2025
15アパホテル〈那覇松山〉361那覇市那覇・南部2007
16オリエンタルホテル 沖縄リゾート&スパ361名護市本島北部2021
17ハレクラニ沖縄360恩納村本島北部2019
18沖縄ハーバービューホテル352那覇市那覇・南部1975
19ヒルトン沖縄北谷リゾート346北谷町本島中部2014
20ハイアット リージェンシー 瀬良垣アイランド 沖縄343恩納村本島北部2018
21沖縄プリンスホテル オーシャンビューぎのわん340宜野湾市本島中部2022
22ホテルモントレ沖縄 スパ&リゾート339恩納村本島北部2013
23ダブルツリーbyヒルトン那覇首里城333那覇市那覇・南部1973
24カフーリゾート フチャク コンド・ホテル333恩納村本島北部2009
25ヒューイットリゾート那覇331那覇市那覇・南部2021
26ヒルトン沖縄宮古島リゾート329宮古島市宮古2023
27インフィニシス 那覇 首里城 by ヒューイットリゾート328那覇市那覇・南部2026
28ベッセルホテルカンパーナ沖縄324北谷町本島中部2012
29キャノピーbyヒルトン沖縄宮古島リゾート306宮古島市宮古2026
30ホテルブリーズベイマリーナ304宮古島市宮古1993

出典:メトロエンジンリサーチ、各施設公式サイト・運営会社公表資料よりホテルバンク編集部作成(N=4,388施設)

※ハイアット リージェンシー 瀬良垣アイランド 沖縄は日本ハイアット株式会社「報道資料 2026年4月」記載の343室、キャノピーbyヒルトン沖縄宮古島リゾートは三菱地所・ヒルトンの開業リリース記載の306室を採用した。ダブルツリーbyヒルトン那覇首里城は2027年1月1日に「ザ グランドキャッスル 那覇 首里城 by ヒューイットリゾート」へのリブランドが公表されている。インフィニシス 那覇 首里城 by ヒューイットリゾートは2026年7月31日に旧ノボテル沖縄那覇からブランドを転換した同一建物である。ロワジールホテル 那覇は隣接する「ロワジール スパタワー 那覇」を別施設として分離した登録値で、運営側はスパタワーを含む複合体として640室と案内している。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

顔ぶれを見ると、上位10施設のうち7施設が1980〜1990年代に開業したビーチリゾートである。1993年開業のリザンシーパークホテル谷茶ベイ(826室、収容2,600名)は突出した規模で、2位のロワジールホテル 那覇(533室)に293室の差をつけている。全国の客室数ランキングでは品川プリンスホテルの2,384室が首位だが(全国の客室数ランキングTOP30)、沖縄で800室級はリザン1軒のみであり、全国で152軒ある500室超のうち沖縄が持つのは3軒にとどまる。

一方で上位30には、2019年のハレクラニ沖縄、2021年のオリエンタルホテル 沖縄リゾート&スパとヒューイットリゾート那覇、2022年の琉球ホテル&リゾート 名城ビーチと沖縄プリンスホテル オーシャンビューぎのわん、2023年のヒルトン沖縄宮古島リゾート、2025年のTHE NEST那覇、2026年のキャノピーbyヒルトン沖縄宮古島リゾートと、直近7年の開業が9施設入っている。大型ホテルの世代交代は現在進行形だといえる。

5圏域別の供給構造 — 那覇・南部が客室の42%、大箱比率は本島北部が最大

次に県内を5圏域に分けて集計する。客室数のシェアは那覇・南部が42.2%と圧倒的で、本島北部21.6%、本島中部13.5%、八重山12.1%、宮古10.6%と続く。ただし施設数で見ると本島北部が1,621施設と最も多く、1施設あたり平均10.1室と小規模施設の密度が際立つ。恩納村・本部町・今帰仁村に並ぶ貸別荘・ペンション群が数を押し上げている。

表2 5圏域別の供給構造 — 施設数・客室数・大箱客室比率
圏域施設数客室数客室シェア100室以上300室以上大箱客室比率平均室数
那覇・南部86032,01242.2%101軒11軒13.1%37.2室
本島北部1,62116,38921.6%36軒10軒26.0%10.1室
本島中部69410,26713.5%17軒7軒24.1%14.8室
八重山6679,18112.1%19軒3軒12.6%13.8室
宮古5468,06010.6%20軒3軒11.7%14.8室
合計4,38875,909100.0%193軒34軒17.2%17.3室

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(N=4,388施設・75,909室、2026年9月時点・OTA掲載確認ベース)

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

注目したいのは大箱客室比率(300室以上の施設が持つ客室が、その圏域の全客室に占める割合)である。本島北部が26.0%と最も高く、本島中部24.1%が続く。恩納村を中心とするリゾート集積は、小規模施設の軒数が多いにもかかわらず、客室ベースでは大型ホテルへの依存度が高い。

これに対し、那覇・南部は客室数こそ32,012室と最大だが、大箱比率は13.1%と5圏域で最も低い。那覇市内には200室台のビジネス・シティホテルが厚く積み上がっており、100室以上の施設が101軒と県内の過半を占める一方、300室を超える施設は11軒しかない。宮古(11.7%)と八重山(12.6%)も同様に大箱比率が低く、両圏域とも300室以上は3軒ずつである。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

地図に落とすと、大箱の分布は「恩納村〜読谷・北谷の西海岸ベルト」「那覇市中心部」「石垣・宮古の島嶼中核」の3つのクラスターに集約されることがわかる。名護市の2軒(ザ・ブセナテラス、オリエンタルホテル 沖縄リゾート&スパ)を除けば、本島北部の大箱はほぼ恩納村に集中している。

300室以上は34軒だけ — 「一度に数百室」を受けられる施設の希少性

沖縄で300室以上を持つ施設は34軒、その客室数は13,025室である。400室以上に絞ると9軒・4,499室、500室以上はリザンシーパークホテル谷茶ベイ(826室)、ロワジールホテル 那覇(533室)、沖縄かりゆしビーチリゾート・オーシャンスパ(516室)の3軒・1,875室しかない。

この数字が効いてくるのは、団体旅行・スポーツ合宿・学会・企業インセンティブ・クルーズ寄港といった「一度に数百室を同一施設で押さえたい」需要である。修学旅行の1学年、Jリーグやプロ野球のキャンプ帯同、全国規模の学術大会、いずれも200〜400室を1棟で確保できるかどうかが受注の分かれ目になる。沖縄県内で400室以上を単独で供給できるのは9軒しかなく、そのうち那覇・南部にあるのは3軒(ロワジールホテル 那覇、サザンビーチホテル&リゾート沖縄、琉球ホテル&リゾート 名城ビーチ)である。

表3 規模帯別の施設数・客室数分布
規模帯施設数施設シェア客室数客室シェア
500室以上30.07%1,8752.5%
400〜499室60.14%2,6243.5%
300〜399室250.57%8,52611.2%
200〜299室491.12%11,54915.2%
100〜199室1102.51%15,27920.1%
50〜99室1443.28%10,31713.6%
30〜49室1603.65%6,0237.9%
10〜29室67015.27%11,60815.3%
9室以下3,22173.40%8,10810.7%

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(N=4,388施設・75,909室、2026年9月時点・OTA掲載確認ベース)

宴会・会議機能の側面も見ておきたい。おきなわMICEナビ(沖縄観光コンベンションビューロー)に登録された情報では、リザンシーパークホテル谷茶ベイの最大宴会場「ブリリアントホール」は1,232平方メートル・シアター形式1,000名、ホテル全体の収容は2,600名。ロワジールホテル 那覇は最大宴会場「ボールルーム天妃」がシアター900名、館全体で約1,700名の受入実績を持つ。2022年開業の琉球ホテル&リゾート 名城ビーチも、1,130平方メートル・天井高6.1メートルの県内最大級宴会場を備える。客室数の上位と宴会キャパシティの上位はおおむね重なるため、客室数ランキングはそのままMICE受入余力のランキングとしても読める。

大箱30軒の価格帯 — ¥35,000〜¥44,000がまるごと空いている

規模の次は単価である。上位30施設のうち推定成約ADRを集計できた29施設について、2026年8月(沖縄の最需要月)の水準を客室数と重ねてプロットした。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(N=29施設、2026年8月・推定成約ADR)

29施設の推定成約ADRの中央値は¥34,400で、同月の沖縄県全体の中央値¥14,700(N=513施設)の約2.3倍にあたる。大型施設ほど単価が高いという単純な関係ではなく、分布は明確に2つの塊に割れている

ひとつは¥6,700〜¥34,400のクラスターで15施設。うち8施設が那覇市内にあり、都市型のビジネス・シティホテルと、那覇近郊の大衆型リゾートで構成される。もうひとつは¥44,400〜¥78,800のクラスターで14施設。こちらは恩納村・読谷村・北谷町・石垣島・宮古島のビーチリゾートが並び、那覇市内の施設はひとつも含まれない。

そして両者の間、¥35,000〜¥44,000の帯には300室以上の施設が1軒も存在しない。約1万円分の価格帯が、県内の大箱セグメントからまるごと抜け落ちている格好である。300室規模のオペレーションを回しながら、リゾート系の半額弱・都市型の1.5倍という中間価格でファミリーやグループを取りにいく打ち手は、少なくとも現在の掲載状況からは見当たらない。

圏域別の傾向も明快で、那覇市内の大箱8軒はすべて¥34,400以下、リゾート立地の大箱14軒はすべて¥44,400以上に位置する。立地が価格クラスを決めており、その中間を埋める「リゾート立地で中価格帯の大型ホテル」あるいは「那覇立地でアッパーミドル価格の大型ホテル」というポジションに伸びしろがある。

2026年の新規供給88施設・2,907室 — 件数は小箱、客室数は大箱に寄る

沖縄は2026年の新規開業件数が全国でも上位に入る県だが、その中身は件数と客室数で見え方が大きく変わる。当社がOTA掲載を確認できた2026年開業(ブランド転換を含む)は88施設・2,907室。このうち客室数が把握できる87施設を規模帯で割り戻すと、9室以下が59施設(67.8%)を占める一方、その客室数は111室で全体の3.8%にすぎない。逆に100室以上の10施設が2,316室、実に新規供給客室の79.7%を占める。

出典:メトロエンジンリサーチ&コンサルティング(OTA掲載確認ベース、N=87施設)

「件数は小箱中心、客室数は大箱中心」というのが2026年沖縄の新規供給の姿である。業態別の在庫比への割り戻しは沖縄の新規供給を業態別に割り戻した別稿で扱っているが、今回のランキングの観点から重要なのは、100室以上の10施設の内訳である。

表4 2026年開業のうち100室以上の10施設
施設名客室数所在地開業・転換区分
インフィニシス 那覇 首里城 by ヒューイットリゾート328那覇市2026年7月31日ブランド転換(旧ノボテル沖縄那覇)
キャノピーbyヒルトン沖縄宮古島リゾート306宮古島市2026年4月1日新築
ザ ロイヤルパークホテル アイコニック 那覇257那覇市2026年1月30日新築
ホテルモントレ ラ・スール那覇223那覇市2026年4月3日新築
サウスゲートホテル沖縄216那覇市2026年5月23日新築
リーガロイヤルリゾート沖縄北谷209北谷町2026年4月1日新築
PGMホテルリゾート沖縄201恩納村2026年7月3日新築
BLISSTIA SUITES&RESORT沖縄恩納村139恩納村2026年7月1日新築
アラマンダスプレンディド〈宮古島〉100宮古島市2026年4月29日新築
スマイルスマートイン那覇久米54那覇市2026年4月20日新築

出典:メトロエンジンリサーチ&コンサルティング(OTA掲載確認ベース)、各社公表資料よりホテルバンク編集部作成

10施設のうち9施設が那覇市・北谷町・恩納村・宮古島市に集中し、うち6施設が那覇市内である。ブランド転換1件を除いた実質的な新築供給は9施設・1,988室。300室を超えたのは新築ではキャノピーbyヒルトン沖縄宮古島リゾート(306室)1軒のみで、残る新築は100〜260室のレンジに収まっている。2026年の供給は「那覇の200室級シティホテル」と「島嶼リゾートの300室級」という2本立てであり、上位ランキングの顔ぶれを塗り替えるほどの超大型は含まれていない。

なお開業データはOTA掲載確認ベースであり、掲載は開業の数ヶ月前から出るため、直近以降の月は今後の掲載で増加する可能性がある。年後半の件数は現時点での観測値として読んでいただきたい。

まとめ — 沖縄の大箱に残るホワイトスペース

今回の集計から見えたことを整理する。

  • 沖縄の宿泊在庫は4,388施設・75,909室。施設数の73.4%は9室以下だが、客室数の52.5%は100室以上の193施設が持つ
  • 客室数トップはリザンシーパークホテル谷茶ベイ826室。上位30施設で県内客室の15.6%、上位10施設で6.5%
  • 300室以上は34軒(13,025室)、400室以上は9軒、500室以上は3軒。団体・MICE需要を単独で受けられる施設は限られる
  • 大箱客室比率は本島北部26.0%が最高、那覇・南部13.1%が最低。客室数最大の圏域が大箱比率では最下位という逆転が起きている
  • 大箱29施設の推定成約ADRは¥6,700〜¥78,800の2クラスターに分かれ、¥35,000〜¥44,000の帯が空白
  • 2026年の新規供給は88施設・2,907室。件数の67.8%は9室以下だが、客室数の79.7%は100室以上の10施設が占める

投資・開発の観点で残るホワイトスペースは3つに整理できる。第一に、価格帯としての¥35,000〜¥44,000×300室規模。リゾート立地でありながら中価格帯を狙う大型ホテル、あるいは那覇立地でアッパーミドル価格を取りにいく大型ホテルは、現在の掲載データ上では存在しない。ファミリー・グループの4名1室利用を前提にすると、1室あたり¥35,000〜¥44,000は1名あたり¥8,750〜¥11,000に相当し、都市型ホテルを複数室押さえた場合の総額と比較できる水準になる(1室あたりADRと1名あたり換算値は算出単位の異なる指標であり、数値をそのまま並べて比較することはできない)。

第二に、宮古・八重山の大箱。両圏域は客室数で県全体の22.7%を占めながら、300室以上は各3軒ずつしかなく、大箱客室比率は11.7%・12.6%と県内最低水準にある。宮古島では2023年のヒルトン沖縄宮古島リゾート、2026年のキャノピーbyヒルトン沖縄宮古島リゾートと300室級が続いており、島嶼部でも大型化の余地があることを示している。クルーズ寄港や離島でのスポーツ合宿を取り込むうえで、300室級の受け皿にはまだ厚みを増す余地がある。

第三に、本島中部の大箱。本島中部は施設数694・客室10,267室と規模自体は中位ながら、300室以上を7軒抱え大箱比率24.1%と高い。北谷・宜野湾・読谷という那覇と恩納村の中間に位置する立地は、MICEの分宿受け皿としても、レジャーの拠点としても機能する。米軍返還跡地の大型開発が動く地域でもあり(本島中部の米軍跡地ホテル開発)、今後の供給が上位ランキングを動かす可能性が最も高い圏域といえる。

いずれの論点も、まずは「どこに何室あるのか」という在庫の地図を正確に持つことから始まる。客室数は最も基礎的で、かつ最も更新が遅れやすいデータでもある。ブランド転換や増改築のたびに数字は動くため、定点で追い続ける価値がある指標だといえる。

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参考資料・出典一覧

■ データソース

メトロエンジンリサーチが収集したOTA掲載データ(沖縄県4,388施設・75,909室、2026年9月時点、客室数の登録がある施設)を基礎集計とし、各施設の公式サイト・運営会社の公表資料、沖縄県および沖縄観光コンベンションビューローの公開資料と突き合わせて確認した。推定成約ADRは2026年8月時点の水準(大箱29施設、県全体N=513施設)。

■ 試算前提

客室数は各施設の登録客室数を用い、同一建物のブランド転換前後で複数の名称が併存するものは現行ブランドに名寄せし、宿泊施設としての営業が確認できないものは除いた。「大箱」は300室以上と定義する。圏域区分は本文冒頭の指標定義に従う。推定成約ADRはOTA公開の最安プラン水準に業態別の補正係数を適用した推定値で、エリア単位は対象施設の中央値(標準的な施設の水準)を採る。

■ 限界・留意点

本集計は全数調査ではなく、OTA掲載が確認できた施設に限られる。OTAに掲載されていない旅館・民宿・簡易宿所や、客室数が登録されていない施設は含まれない。沖縄県「宿泊施設実態調査」とは母集団の定義と調査時点が異なるため、軒数・客室数を直接比較することはできない。推定成約ADRは推定値であり、各施設の実際の成約価格・会計数値とは異なる。新規開業はOTA掲載確認ベースであり、掲載は開業の数ヶ月前から出るため、年後半の件数は今後の掲載で増加する可能性がある。

■ 市場データ

■ 公的統計・公的機関

■ 各施設・運営会社の公表資料

出典: 日本ハイアット 株式会社「報道資料 2026年4月」

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