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過去のホテル料金の検証手順|東京ビジネスホテル2025年9月は前年比+9.4%、4つの公表値で突き合わせ

投稿日 : 2026.10.02

東京都

過去のホテル料金の検証手順|東京ビジネスホテル2025年9月は前年比+9.4%、4つの公表値で突き合わせ

過去のホテル料金を遡って調べる必要が出るのは、アンダーライティングで前提ADRの妥当性を確かめるとき、コンプスを組むとき、そして自社の料金推移を市場と突き合わせるときだ。ところが「2025年9月の東京のビジネスホテルはいくらで売れていたか」という問いに、単独で答えられる公表資料は存在しない。本稿では、観光庁統計・総務省CPI・上場ホテルREITの月次開示・OTA掲載価格の月次集計という4つの公表値を、同じ月・同じ業態に当てはめて突き合わせる手順を示す。実例には東京都のビジネスホテル2025年9月(掲載価格の全プラン平均¥21,500・N=883施設)を用いる。

本記事における指標の定義

  • ADR(平均客室単価):各施設がOTA上で公開する最安プラン水準(2名1室利用時・1室あたり料金・税込)に業態別の補正係数を適用して算出した推定成約単価(税抜相当)。上場ホテルREITが開示する物件別実績との照合(91施設・直近3ヶ月間)で誤差中央値は約7%。推定値であり、各施設の実際の成約価格・会計数値とは異なります。エリア単位のADRは対象施設の中央値(エリアの標準的な施設の水準)。
  • 掲載価格(全プラン平均・税込):素泊まりから食事付きまで、販売中の全プランの公開価格(2名1室利用時の1室あたり料金・税込)の平均。成約価格ではなく、ADRとは別の指標です。
  • 客室稼働率(観光庁):観光庁「宿泊旅行統計調査」の公表値。利用客室数を総客室数で割ったもの。
  • REITのADR・RevPAR:各投資法人が月次で開示する成約実績(消費税抜き)。本記事では公表値をそのまま引用しています。
  • データ出典:メトロエンジンリサーチ(東京都ビジネスホテルの月次集計)、観光庁、総務省統計局、各REIT開示資料
Key Takeaways
  • — 公的統計に円単位の客室単価はない。客室単価を円で公表する公的統計はない。観光庁統計は需要量と稼働率まで、CPIは価格の変化率までを示す。
  • — 2025年9月の東京都ビジネスホテルは前年同月比+9.4%。東京都ビジネスホテルの2025年9月は、掲載価格(全プラン平均・税込)¥21,500(N=883施設)に対し推定成約ADRは¥13,100(N=894施設)。前年同月比はそれぞれ+10.0%・+9.4%で、同月のCPI宿泊料(全国)+5.8%を上回った。
  • — CPI宿泊料は基準年で前年比が1.2pt変わる。CPIは2026年7月分から2025年基準に移行。2026年8月の宿泊料の前年同月比は2025年基準で−1.4%、2020年基準で−0.2%と、基準によって1.2pt異なる。
  • — REIT開示ADRは変化率で突き合わせる。REIT開示ADRは消費税抜きの成約実績で、集計範囲がREITごとに違う。水準ではなく変化率で市場データと突き合わせる。

4つの公表値は「何が分かり、何が分からないか」が違う

過去料金の調査手段は、4つの系統に整理できる。重要なのは、それぞれが「料金そのもの」を示すのか、「料金の変化」だけを示すのか、それとも「料金以外」を示すのかという違いである。同じ「前年比」という言葉でも、稼働率の前年差、価格指数の前年比、成約ADRの前年比はそれぞれ意味が異なる。まずは下の表で守備範囲を確認し、問いに合う資料から当たるのが効率的だ。

表1 過去料金の調査に使える4つの公表資料と守備範囲
資料公表される主な項目料金の扱い公表タイミング使う前に確認すること
観光庁「宿泊旅行統計調査」延べ宿泊者数・実宿泊者数・客室稼働率・定員稼働率(施設タイプ6区分・都道府県・月次)含まれない第1次速報は翌月末、第2次速報は約2ヶ月後、確定値は翌年2026年1月分から層化基準を「従業者数」から「客室数」に変更。前年比には見直しの影響が含まれうる
総務省「消費者物価指数」宿泊料価格の変化を示す指数(全国・東京都区部など)変化率のみ(円単位の水準は出ない)翌月下旬(全国)2026年7月分から2025年基準。2020年基準は2026年12月分まで並行公表され、数値が異なる
上場ホテルREITの月次開示ADR・稼働率・RevPAR・売上高と前年同月実績成約ADR(消費税抜き)各REITにより翌月〜翌々月集計範囲(物件数・変動賃料対象の有無)がREITごとに違う。保有物件のみ
OTA掲載価格の月次集計(メトロエンジンリサーチ)掲載価格(全プラン平均・税込)と推定成約ADR(税抜相当)掲載価格と推定値の2水準月次(当月は調査時点の途中経過)掲載価格は成約価格ではない。推定ADRはモデル推定値

出典:観光庁、総務省統計局、各REIT開示資料、メトロエンジンリサーチよりホテルバンク編集部作成

4系統の全体像と、47都道府県のADR一覧・2019年からの長期推移は過去のホテル料金を調べる4つの方法 — 都道府県別ADR一覧と2019年からの推移にまとめている。本稿はそこから一歩進み、1つの月を複数の資料で検証する実務の手順に絞って解説する。

観光庁「宿泊旅行統計調査」— 料金は調査項目に含まれない

最初に押さえるべき点は、観光庁の宿泊旅行統計調査には客室単価が含まれないことだ。公表されるのは延べ宿泊者数、実宿泊者数、客室稼働率、定員稼働率などで、施設タイプ(旅館・リゾートホテル・ビジネスホテル・シティホテル・簡易宿所・会社団体の宿泊所)別、都道府県別の月次値が得られる。したがって「過去の料金」を観光庁統計だけで再現することはできず、料金の議論に対しては需要量の裏付けとして使うのが正しい位置づけである。

直近の公表は2026年8月31日の「2026年7月・第1次速報」である。7月の延べ宿泊者数は5,467万人泊(前年同月比−3.5%)、客室稼働率は全体で60.8%、ビジネスホテルは74.2%(前年同月差−0.5pt)だった。ただし第1次速報は有効回収率32.9%の段階の推計値で、2026年9月30日公表予定の第2次速報で改定される。さらに2026年1月分から層化基準が「従業者数」から「客室数」に変更されており、観光庁自身が前年比には見直しの影響が含まれうると注記している。過去の稼働率を遡るときは、速報値か確定値か、そして2026年以降の前年比かどうかを必ず確認したい。

速報値の改定幅と3指標の読み方は宿泊旅行統計調査とは — 第1次速報は稼働率で平均0.6pt動くで詳しく扱っている。

総務省CPI「宿泊料」— 変化率は分かるが、2025年基準への移行に注意

料金の動きを示す公的統計として使えるのが、総務省統計局「消費者物価指数」の品目「宿泊料」である。これは価格の変化を指数で示すもので、円単位の料金水準は得られない。一方、毎月の全国値が翌月下旬に公表されるため、市場全体の料金が前年と比べて上がったのか下がったのかを早く確認できる。

ここで実務上の落とし穴になるのが基準改定である。CPIは2026年7月分から2025年基準に切り替わり、2025年1月分から2026年6月分までは2025年基準で遡って再計算された。2020年基準の指数も2026年12月分までは並行して公表されるため、e-Statには同じ月の宿泊料について2つの数値が並ぶ。2026年8月の全国の宿泊料指数は、2025年基準で106.8、2020年基準で181.1。前年同月比では2025年基準が−1.4%、2020年基準が−0.2%で、符号の強さまで変わる。

表2 CPI宿泊料(全国)前年同月比 — 2025年基準と2020年基準の比較(2026年1〜8月)
月(2026年)1月2月3月4月5月6月7月8月
2025年基準 前年同月比+5.5%+5.7%+4.5%+3.7%+3.6%+1.5%+0.9%-1.4%
2020年基準 前年同月比+6.0%+6.0%+5.0%+4.6%+4.8%+3.1%+2.0%-0.2%
差(2025年基準−2020年基準)-0.5pt-0.3pt-0.5pt-0.9pt-1.2pt-1.6pt-1.1pt-1.2pt

出典:総務省統計局「消費者物価指数(2025年基準)」「同(2020年基準)」品目別・宿泊料・全国(e-Stat)よりホテルバンク編集部作成

出典:総務省統計局「消費者物価指数」宿泊料・全国(e-Stat)よりホテルバンク編集部作成

2025年の各月は新旧どちらの基準でも前年同月比が一致するが、2026年に入ると差が開き、6月には1.6pt、8月も1.2ptとなった。基準年とウエイトが更新されたことが背景にある。過去のレポートや社内資料でCPIの宿泊料を引用している場合、その数値がどちらの基準かを確認しないまま最新値と並べると、実態以上の変化があるように見えてしまう。時系列を作るときは同じ基準の系列だけをつなぎ、引用時には「2025年基準」と明記するのが安全だ。CPIと成約単価の長期の乖離については宿泊料CPIは3年で+25.6%、実勢の成約単価は+10.9%で分解している。

上場ホテルREITの月次開示 — 公表値をそのまま引用する

成約ベースのADRを月次で公表している数少ない一次情報が、上場ホテルREITの月次運営実績である。国内の上場ホテルREITは、いちごホテルリート投資法人(3463)、インヴィンシブル投資法人(8963)、日本ホテル&レジデンシャル投資法人(3472)、ジャパン・ホテル・リート投資法人(8985)、星野リゾート・リート投資法人(3287)、森トラストリート投資法人(8961)、霞ヶ関ホテルリート投資法人(401A)の7法人。ポートフォリオ単位の合計値を開示する法人と、物件別の開示を中心とする法人がある。

引用のルールは単純で、各法人が公表した数値を加工せずにそのまま使うことだ。物件別の数値を自分で平均してポートフォリオの値を作ると、集計範囲や加重の違いで公表値と一致しなくなる。下表は2026年8月の月次開示から、ポートフォリオ単位の数値を公表どおりに転記したものである。

表3 上場ホテルREIT 3法人の月次運営実績(2026年8月・公表値)
投資法人集計範囲客室稼働率ADR前年同月ADRADR前年同月比RevPAR
インヴィンシブル投資法人(8963)国内ホテル101物件87.3%¥17,887¥18,485−3.2%¥15,608
ジャパン・ホテル・リート投資法人(8985)変動賃料等導入29ホテル84.1%¥23,337—−8.8%¥19,616
いちごホテルリート投資法人(3463)23ホテル合計(全館閉館中のホテルを除く)84.9%¥10,510¥10,801−2.7%¥8,925

出典:各社REIT月次運営データよりホテルバンク編集部作成(2026年8月実績、ADR・RevPARは消費税抜き)。ジャパン・ホテル・リート投資法人の前年同月ADRは同社開示の該当欄に記載がないため「—」とした

3法人とも2026年8月のADRは前年同月を下回り、下落幅は−2.7%から−8.8%まで幅がある。この差は、保有物件の立地や業態構成、集計対象(全物件か変動賃料対象のみか)の違いを反映している。REITの数値は精緻だが、あくまで保有物件の実績であり、特定エリア・特定業態の相場そのものではない。エリアの相場として使う場合は、物件別開示から対象エリアの物件を選んで確認するのが望ましい。REITの公表稼働率とOTA側の推定値の使い分けはREIT公表稼働率とOTA推定OCCの差をどう使うかを参照されたい。

OTA掲載価格の月次集計 — 東京都ビジネスホテル2025年9月の実例

エリア×業態の相場水準を月次で遡れるのが、OTA掲載価格の集計である。メトロエンジンリサーチが追跡するうち、稼働が確認できる約27,000施設の公開価格を月次で集計しており、同じ月について2つの水準を示している。1つは販売中の全プランを平均した掲載価格(税込)、もう1つは最安プラン水準に業態別の補正をかけた推定成約ADR(税抜相当)である。

表4 東京都ビジネスホテルの掲載価格と推定成約ADR(2024年9月・2025年9月)
指標(東京都・ビジネスホテル)2024年9月2025年9月前年同月比集計条件
掲載価格(全プラン平均・税込)¥19,589¥21,547+10.0%N=883施設(2025年9月)/901施設(2024年9月)。2名1室利用時の1室料金、素泊まり〜食事付きの全プランを含む
推定成約ADR(税抜相当)¥11,954¥13,072+9.4%N=894施設(2025年9月)/910施設(2024年9月)。対象施設の中央値。REIT開示実績との照合で誤差中央値約7%
参考:CPI宿泊料(全国)前年同月比——+5.8%総務省統計局。2025年基準・2020年基準とも同値

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成/総務省統計局「消費者物価指数」

2025年9月の東京都ビジネスホテルは、掲載価格が¥21,500、推定成約ADRが¥13,100で、掲載価格は成約水準の約1.65倍だった。掲載価格が高く出るのは、売れ残った高価格帯プランや食事付きプランが販売画面に残り続けるためで、「掲載されていた価格」を「売れた価格」として扱うとADRを大きく見積もることになる。また掲載価格は税込、REIT開示や推定成約ADRは税抜で、消費税の約10%分も定義差として上乗せされる。アンダーライティングの前提ADRと照合するなら、推定成約ADRの方を使うべきだ。

変化率で見ると、前年同月比は掲載価格が+10.0%、推定成約ADRが+9.4%で、ほぼ同じ方向と大きさを示した。同じ月のCPI宿泊料(全国)は+5.8%で、東京のビジネスホテルは全国の宿泊料全体よりも強く上昇していたことが分かる。このように、水準は定義の揃った資料同士で、変化率は複数の資料で方向を確認する、という使い分けが基本になる。掲載価格と成約単価の比率を都道府県別に見た分析はホテル相場は2種類ある|掲載価格÷成約単価は1.7〜2.9倍にある。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(東京都・ビジネスホテル、推定成約ADRは各月N=894〜924施設、掲載価格はN=883〜903施設。2026年9月は集計途中のため除外)

年ごとに重ねると、東京のビジネスホテルは4月と10〜11月に高く、1月・6〜8月に低い季節性がはっきり出る。過去料金を遡る際に「前月比」ではなく「前年同月比」で比べるべき理由はここにある。9月から10月にかけての上昇幅は2025年で約2,300円あり、月をずらして比較すると季節差を価格変動と取り違えかねない。

最新月で4つを突き合わせる — 2026年8月の前年同月比

同じ手順を最新月に当てはめると、資料ごとの性格の違いがより鮮明になる。2026年8月の前年同月比を並べると、東京都ビジネスホテルの推定成約ADRは−8.9%(¥12,700→¥11,600、N=900→915施設)、CPI宿泊料(全国・2025年基準)は−1.4%、REITのADRは−2.7%〜−8.8%だった。観光庁統計の8月分は2026年9月30日公表予定のため、現時点で使えるのは7月の第1次速報(ビジネスホテルの客室稼働率74.2%、前年同月差−0.5pt)までとなる。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成/総務省統計局「消費者物価指数(2025年基準)」/各社REIT月次運営データ(公表値)

4つの数値はいずれも「前年を下回った」という方向で一致している。一方で下落幅には開きがあり、これは集計範囲の違いによるものだ。CPIは全国の宿泊料全体、REITは各法人の保有物件、OTA集計は東京都のビジネスホテルという、それぞれ別の母集団を見ている。ここで注意したいのは掲載価格側の施設数で、2026年8月は991施設と前年同月の892施設から増えている。掲載価格の前年同月比(−5.3%)には対象施設の入れ替わりが含まれるため、前年比の議論には施設数が安定している推定成約ADR(900→915施設)を使う方が適切である。

過去料金を検証する実務の手順

以上を踏まえると、過去の料金を遡って検証する作業は次の順で進めると手戻りが少ない。

表5 過去料金を検証する5つの手順
手順ポイント
1. 問いを「水準」と「変化率」に分ける前提ADRの妥当性を見るなら水準、市場の方向感を見るなら変化率。水準の比較は税込・税抜、成約・掲載の定義が揃った資料同士に限る。
2. 水準は定義の揃った資料で確認する成約ADR同士(REIT開示と推定成約ADR)を比べる。掲載価格を使う場合は成約水準の約1.65倍(東京都ビジネスホテル・2025年9月)といった定義差を前提に置く。
3. 変化率は複数の資料で方向を確かめるOTA集計の前年同月比に、CPI宿泊料とREIT開示の前年同月比を並べ、方向が一致するかを確認する。
4. 需要量で裏付ける観光庁統計の延べ宿泊者数・客室稼働率で、価格の動きが需要の増減と整合しているかを見る。速報値か確定値かを明記する。
5. 出典と条件を必ず残すN=(施設数)、税込・税抜、CPIの基準年、REITの集計範囲を資料の脚注に記録しておくと、後から数値を検証できる。

出典:ホテルバンク編集部作成

よくある質問

Q. 過去のホテル料金(客室単価)を公表している公的統計はありますか?

A. ありません。観光庁「宿泊旅行統計調査」が公表するのは延べ宿泊者数・実宿泊者数・客室稼働率などの需要量で、客室単価は調査項目に含まれていません。料金の動きを公的統計で追う場合は、総務省「消費者物価指数」の宿泊料(価格の変化率を示す指数)を使います。

Q. CPIの宿泊料は2025年基準と2020年基準でなぜ数値が違うのですか?

A. 2026年7月分から2025年基準に切り替わり、指数の基準年とウエイトが更新されたためです。2026年8月の宿泊料の前年同月比は2025年基準で−1.4%、並行公表されている2020年基準で−0.2%でした。前年比を引用するときは基準年を必ず明記し、時系列を作るときは同じ基準の系列だけをつなぎます。

Q. REITの月次ADRとOTA掲載価格はそのまま比較できますか?

A. 水準の比較には向きません。REITが開示するADRは成約実績で消費税抜き、OTA掲載価格は販売中プランの税込価格で、売れ残った高価格帯プランも含みます。東京都のビジネスホテルでは2025年9月の掲載価格(全プラン平均)が推定成約ADRの約1.65倍でした。比較するなら前年同月比などの変化率同士で行います。

Q. コンプス作成で過去のADRを遡るとき、どの資料を優先すべきですか?

A. 個別物件の実績が必要ならREITの物件別開示、エリア・業態の相場水準ならOTA掲載価格から推定した成約ADRの月次集計、需要量の裏付けには観光庁統計、物価全体との比較にはCPIを使い、1ヶ月を複数の資料で突き合わせるのが確実です。

まとめ

過去のホテル料金を1つの資料で再現することはできない。観光庁統計は需要量、CPIは価格の変化率、REIT開示は保有物件の成約実績、OTA集計はエリア×業態の相場水準と、それぞれが別の側面を示している。東京都ビジネスホテルの2025年9月を例にとると、掲載価格¥21,500・推定成約ADR¥13,100という2つの水準があり、前年同月比はいずれも約+9〜10%で、全国の宿泊料CPI(+5.8%)を上回っていた。4つの資料を同じ月に当てはめ、水準は定義を揃えて、変化率は方向の一致で確かめる。CPIの2025年基準移行のような定義変更を脚注に残しておけば、作成したコンプスや料金推移の検証は後から見直しても再現できる。

数値の時点について:本記事の数値は2026年9月26日の調査時点のものです。観光庁の2026年7月分は第1次速報値で、第2次速報(2026年9月30日公表予定)で改定される可能性があります。2026年9月分のOTA集計は当月の途中経過のため掲載していません。REITの数値は各法人の2026年8月の月次開示に基づきます。本記事のADRは推定値(REIT開示実績との照合で誤差中央値約7%)で、REIT開示の成約ADRは消費税抜き表示、本記事の推定成約ADRも税抜相当の水準です。

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参考資料・出典一覧

■ データソース

観光庁「宿泊旅行統計調査」(2026年7月・第1次速報)、総務省統計局「消費者物価指数」品目「宿泊料」・全国(2025年基準・2020年基準)、上場ホテルREIT 3法人(8963・8985・3463)の2026年8月月次開示、メトロエンジンリサーチによる東京都ビジネスホテルの月次集計(掲載価格N=883〜991施設、推定成約ADR N=894〜924施設、2024年8月〜2026年8月)。2026年9月26日時点で取得。

■ 試算前提

掲載価格は販売中の全プランの公開価格(2名1室利用時・1室あたり・税込)の月平均。推定成約ADRは最安プラン水準に業態別の補正係数を適用した税抜相当の推定値で、エリア値は対象施設の中央値。前年同月比は同じ集計条件の前年同月値との比較。REIT・CPIの数値は公表値をそのまま転記し、加工していない。

■ 限界・留意点

推定成約ADRはモデル推定値で、REIT開示実績との照合(91施設・直近3ヶ月間)で誤差中央値は約7%。掲載価格は成約価格ではなく、対象施設数の増減(2026年8月は991施設、前年同月892施設)の影響を受ける。CPIとREITは母集団が東京都ビジネスホテルと異なるため、水準ではなく変化率の方向で照合している。観光庁の2026年7月分は第1次速報で、第2次速報(2026年9月30日公表予定)で改定されうる。

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