眠っていたデータから新たな付加価値を
投資・開発
ホテル投資のアンダーライティングでは、オペレーターが提示する事業計画(プロフォーマ)のADR前提が妥当かどうかが、取得価格と利回りを左右する最重要論点になる。とりわけ「著名ブランドを冠すれば客室単価はいくら押し上がるのか」というブランドの寄与は、感覚では語られても、同一商圏での実勢比較として定量化されることは少ない。本稿では、マリオット・ヒルトン・ハイアットの主要8物件について、まったく同じ商圏(...
調査
宿泊体験を左右する接客の中でも、「おもてなしの心」や「女将・主人の人柄」とは一線を画す力がある。タクシーや店の予約、荷物の手配、周辺情報の提示――つまり情報と段取りで滞在そのものを良くするコンシェルジュ力だ。ホテルバンク編集部が集計した宿泊者口コミを対象に、コンシェルジュ・各種手配・相談対応への「ポジティブ言及」を施設別に分析し、提案力が評価される宿の上位30施設と、業態・エリアによる偏在を読み解...
客層・セグメント分析
秋が深まると、春に搾った酒を夏のあいだ静かに熟成させた「ひやおろし」「秋あがり」が全国の酒蔵から出回りはじめる。9月の「夏越し酒」、10月の「秋出し一番酒」、11月の「晩秋旨酒」と、ひと月ごとに呼び名も味わいも移ろうこの季節は、宿にとって地元の一杯を旅の記憶に変える絶好のタイミングである。本稿では、宿泊者の口コミに現れる「地酒・利き酒」への言及を手がかりに、地酒体験が高く評価されている宿を都道府県...
鹿児島県
南九州の玄関口・鹿児島市は、九州新幹線の終着駅とクルーズ寄港地、桜島・錦江湾という唯一無二の景観資源を併せ持つ。しかし宿泊市場の価格構造を定量的に見ると、上限(ラグジュアリー2施設)と下限(宿泊特化の密集帯)に二極化し、その中間の「アッパーミドル帯」が空白のまま残っている。本稿では、天文館・鹿児島中央駅・ウォーターフロントを中心とする市中心部について、推定成約ADRと残室消化速度、周辺商圏データ、...
宮崎県
取材
新規ホテル情報
宮崎市中心部を流れる大淀川のほとりに7月1日、サウナと食、運動を一体で楽しめるホテル「FAV LUX 宮崎(ファブ ラックス ミヤザキ)」が開業した。青島や日南海岸への観光拠点となる一方、ホテルで過ごす時間そのものを旅の目的に据えた施設だ。 館内には、フィンランド式とモリス式を組み合わせた本格サウナや、15℃と9℃の水風呂、外気浴テラスを備えるほか、標高2,500メートル相当の環境を再現した低酸素...
兵庫県
静岡県
ホテル運営者の変更、いわゆるブランド転換(リブランド)は、既存ストックの収益力を引き上げる代表的なバリューアッド手法として提案される機会が増えている。しかし「グローバルブランドを付ければ単価が上がる」という説明は、これまで個別事例の紹介にとどまり、物件群を横断して期待値を測った例は多くない。本稿では、実際に運営ブランドが切り替わった国内33物件・計9,113室の推定成約ADR推移を時系列で追い、ブ...
大分県
岐阜県
インバウンド
2026年5月の訪日外客数は、韓国と台湾が牽引する一方で中国が大幅に減少するという、市場構成の転換を鮮明にした。こうしたインバウンド需要の質を「どの国が日本のどんな体験を評価しているか」という視点で読み解くと、日本の温浴文化——大浴場・露天風呂・サウナ——が特定の国・地域から強く支持されている構図が浮かび上がる。本稿では、宿泊者口コミを言語別に集計し、温浴体験がどの市場から評価され、その需要を地方...
業界トレンド
宿泊業の人材確保において、いま最も逼迫が意識されている領域は客室清掃ではなく「料理を作り、運ぶ」現場である。株式会社ダイブと株式会社宿屋塾が2025年11月に実施し同年12月に公表した人材調査では、採用で不足が懸念される職種として「サービス(レストラン・宴会)」が26.7%、「調理」が25.6%と上位を占めた。両者を合わせると52.3%に達し、客室清掃(14.8%)を大きく上回る。本稿では、この「...
福岡県
福岡県福津市津屋崎の海岸沿いに、ペットと泊まれる一棟貸しヴィラ「Tomorrow is another day in my calm house by ritomaru」が7月3日、プレオープンした。グランドオープンは7月22日。 眼前に広がるのは、干潮時に砂浜が空を映し出す景観で知られる「かがみの海」。最大14名まで宿泊でき、すべてのペットを無料で受け入れるほか、吹き抜けのリビングにはピアノを常...
和歌山県
エリア・施設分析
和歌山県の宿泊市場は、県北の和歌山市圏(都市・ビジネス)、太平洋岸の白浜・南紀リゾート、そして山間の高野山・熊野古道(世界遺産)という、性格の異なる3つの層が併存する点に特徴がある。本稿では、メトロエンジンリサーチの推定成約ADRとエリア圏内の施設分布を用いて、3層それぞれの価格帯と供給構造を可視化し、需要に対して供給が薄い「価格帯の空白」を読み解く。2025年に外国人延べ宿泊者数が過去最高を更新...