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2027年開業予定ホテル34件・5,028室の一覧 — 都道府県別と200室超の全案件

投稿日 : 2026.09.10

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新規開業・供給

2027年開業予定ホテル34件・5,028室の一覧 — 都道府県別と200室超の全案件

2027年に開業予定のホテルを、メトロエンジンリサーチが把握する範囲で一覧化した。主要OTAの掲載確認と、公表済みの建築計画(国土交通省「建築物動態統計調査」)、および事業者・ブランドの公表資料を突き合わせた結果、現時点で確認できたのは34件・約5,028室(1件は客室数未公表)である。本記事は分析ではなく名前で引ける棚卸し表を主目的とし、施設名・所在地・客室数・開業予定時期・事業者を個別に列挙する。

本一覧は全数調査ではありません

掲載しているのは、主要OTAの掲載確認および公表済み建築計画・報道から拾える範囲の案件です。小規模施設、計画初期段階の案件、非公表のラグジュアリー案件などは構造的に欠落します。「全数」「完全なリスト」ではなく、調査時点で確認できた下限値としてご参照ください。表の「出典区分」列で、当社データベース由来か報道由来かを区別しています。

本記事における指標の定義

  • ADR(平均客室単価):各施設がOTA上で公開する最安プラン水準(2名1室利用時・1室あたり料金・税込)に業態別の補正係数を適用して算出した推定成約単価(税抜相当)。上場ホテルREITが開示する物件別実績との照合(91施設・直近3ヶ月間)で誤差中央値は約7%。推定値であり、各施設の実際の成約価格・会計数値とは異なります。エリア単位のADRは対象施設の中央値(エリアの標準的な施設の水準)。
  • OTA掲載確認ベース:主要OTA上で価格が観測され、当社データベースに開業日が登録された施設。掲載は開業の数ヶ月前から出るため、先の年次ほど過少カウントになります。
  • 建築計画ベース:国土交通省「建築物動態統計調査」に基づく確認申請済みプロジェクト。申請は通常開業の1〜2年前に行われるため、こちらも先の年次ほど件数が少なく出ます。
  • 供給増分比率:当該都道府県の既存客室ストック(当社が稼働を確認できる施設の合計客室数)に対する、2027年開業予定客室数の割合。
Key Takeaways
  • — 2027年開業予定として名前まで確認できたのは34件・5,028室。全数調査ではなく、把握できた範囲の下限値である。
  • — 200室以上は8件2,587室で客室数全体の51.5%を占める。100室以上まで広げると21件になる。
  • — 都道府県別では東京都が10件1,282室で最多。単一案件では千葉・幕張の1,000室が突出する。
  • — 既存客室ストック比の供給増分は千葉県6.93%・島根県3.36%・兵庫県2.54%が上位。
  • — 業態別ではシティ・フルサービス型が客室数の56.9%(12件2,861室)を占める。

2027年パイプラインの全体像 — 34件・5,028室、平均152室

把握できた34件のうち客室数が判明している33件の合計は5,028室、1件あたりの平均は152室である。参考までに、2026年開業として当社が確認している施設は調査時点で1,393軒・平均26室であり、内訳の47.7%(665軒)を貸別荘が占める。

ただしこの2つの数字を「2027年は大型化する」と読むのは誤りである。2026年の数字はOTA掲載確認ベースで1室規模の貸別荘まで拾えているのに対し、2027年は建築計画と報道が主な情報源であり、確認申請に載らない小規模施設・既存建物を使う施設は原理的に入らない。母集団が違う以上、平均客室数の比較は成立しない。実際、2026年の集計値も時間の経過とともに増え続けており、テーマ設計時点の把握分(約1,198軒・平均28室)から、本稿の調査時点では1,393軒まで増加している。先の年次の件数は、確定値ではなく下限値である。

2027年開業予定ホテルの全体像 — 2026年把握分との比較(メトロエンジンリサーチ把握分)
項目 2027年(把握分) 2026年(把握分) 主な情報源の違い
件数34件1,393軒2027は建築計画・報道主体/2026はOTA掲載確認主体
客室数合計5,028室35,369室2026は集計継続中で今後も増加
1件あたり平均客室数152室26室母集団が異なるため直接比較は不可
100室以上の案件21件118軒大型案件は両ベースとも捕捉しやすい
200室以上の案件8件55軒同上

出典:メトロエンジンリサーチ&コンサルティング(OTA掲載確認ベース)/国土交通省「建築物動態統計調査」、ホテルバンク編集部より作成。1件あたり平均客室数は、客室数が判明している施設のみを分母として算出しています。

都道府県別ランキング — 東京10件1,282室、千葉は1件で1,000室

把握分34件は17都道府県に分布する。件数では東京都が10件と突出し、次いで北海道4件、兵庫県4件と続く。一方、客室数では千葉県が単独案件で1,000室に達し、東京都に次ぐ2位に入る。海浜幕張駅前の大規模複合施設が1件で県内パイプラインの全量を占める構図である。

出典:メトロエンジンリサーチ&コンサルティング(OTA掲載確認ベース)/国土交通省「建築物動態統計調査」、ホテルバンク編集部より作成(N=33件・客室数判明分)

都道府県別の2027年開業予定 件数・客室数ランキング(全34件・5,028室)
都道府県 件数 客室数 主な所在市区
東京都101,282千代田区・中央区・渋谷区・荒川区・台東区・立川市
千葉県11,000千葉市美浜区
北海道4694札幌市・富良野市・函館市
兵庫県4354神戸市中央区・洲本市・南あわじ市
神奈川県1272横浜市中区
大阪府1220大阪市北区
岡山県1190岡山市北区
島根県1158安来市
群馬県1150みどり市
京都府1135京都市上京区
岩手県1134陸前高田市
沖縄県1127恩納村
香川県2114高松市・直島町
福岡県198福岡市博多区
福島県160福島市
大分県139由布市
静岡県11
奈良県1未公表明日香村

出典:メトロエンジンリサーチ&コンサルティング(OTA掲載確認ベース)/国土交通省「建築物動態統計調査」、ホテルバンク編集部より作成

200室超の全8案件 — 施設名・所在地・客室数・開業予定時期

ここからが本記事の中核である。把握分のうち200室以上の案件は8件で、合計2,587室。34件全体の客室数の51.5%を、この8件が占める。なお建築計画ベースの案件は「竣工予定日」が登録されているため、実際の開業はその数ヶ月後にずれ込むことがある点に留意されたい。

200室以上の全8案件 — 施設名・所在地・客室数・開業予定時期・事業者
施設名/計画名 所在地 客室数 開業予定時期 事業者・ブランド 出典区分
(仮称)幕張新都心タウンセンター地区 複合施設千葉県千葉市美浜区ひび野1-81,0002027年12月(竣工予定)ロイヤルリース建築計画+報道
コンラッド横浜神奈川県横浜市中区北仲通6丁目2722027年5月ヒルトン/大和地所・住友不動産建築計画+報道
(仮称)千代田区内神田1丁目 ホテル計画東京都千代田区内神田1-8-122612027年8月(竣工予定)アパホーム・アパマンション建築計画
(仮称)神戸市中央区小野柄通5丁目 ホテル計画兵庫県神戸市中央区小野柄通5-3172232027年7月(竣工予定)大和ハウスリアルティマネジメント建築計画
三井ガーデンホテル大阪堂島浜プレミア大阪府大阪市北区堂島浜2-1-92202027年2月26日三井不動産(パークタワー大阪堂島浜内)建築計画+報道
THE NEXTT HOTEL東京都立川市(旧パレスホテル立川跡地)2112027年3月1日OTA掲載+報道
(仮称)富良野市下御料 ホテル計画北海道富良野市下御料1996-12002027年12月(竣工予定)ルートインジャパン建築計画
ザ ロイヤルパークホテル(函館市大手町5丁目計画)北海道函館市大手町約2002027年夏三菱地所ホテルズ&リゾーツ報道

出典:メトロエンジンリサーチ&コンサルティング(OTA掲載確認ベース)/国土交通省「建築物動態統計調査」/各社公表資料・報道、ホテルバンク編集部より作成

100〜199室の13案件 — 再開発ビル内ホテルが半数近く

100〜199室のレンジには13件が並ぶ。特徴的なのは、日本橋一丁目中地区、渋谷道玄坂二丁目南地区、大手町二丁目/八重洲一丁目、岡山駅前町一丁目といった市街地再開発事業の一部としてホテルが組み込まれる案件が目立つことである。単独のホテル新築ではなく、事務所・商業・住宅との複合用途の中に100〜200室が確保される形が、都心部の標準になりつつある。

100〜199室の全13案件 — 施設名・所在地・客室数・開業予定時期・事業者
施設名/計画名 所在地 客室数 開業予定時期 事業者・ブランド 出典区分
日本橋一丁目中地区 再開発(ホテル部分)東京都中央区日本橋1-30〜321972027年10月(竣工予定)再開発組合/三井不動産・野村不動産ほか建築計画
(仮称)岡山駅前町1丁目 再開発(ホテル部分)岡山県岡山市北区駅前町1-2ほか1902027年4月(竣工予定)野村不動産建築計画
(仮称)荒川区東日暮里1丁目 ホテル計画東京都荒川区東日暮里1-2-11792027年8月(竣工予定)アパホーム・アパマンション建築計画
(仮称)札幌市北区北6条西6丁目 ホテル計画北海道札幌市北区北6条西6-3-11682027年4月(竣工予定)アパホーム・アパマンション建築計画
HOTEL AZ島根安来店島根県安来市1582027年1月OTA掲載
(仮称)みどり市笠懸町阿左美 ホテル計画群馬県みどり市笠懸町阿左美1491-11502027年4月(竣工予定)タイムプロヂュース建築計画
プルマン東京銀座東京都中央区銀座1452027年末アコー(プルマン)報道
(仮称)京都市上京区相国寺門前町 ホテル計画京都府京都市上京区相国寺門前町709-11352027年9月(竣工予定)三菱地所建築計画
(仮称)陸前高田市高田 ホテル計画岩手県陸前高田市高田1342027年2月(竣工予定)共立メンテナンス建築計画
渋谷道玄坂二丁目南地区 再開発(ホテル部分)東京都渋谷区道玄坂2-381302027年3月(竣工予定)再開発組合/三菱地所建築計画
フォーシーズンズリゾート アンド プライベートレジデンス 沖縄(ホテル部分)沖縄県恩納村1272027年夏フォーシーズンズ報道
(仮称)札幌市中央区南7条西4丁目 ホテル計画北海道札幌市中央区南7条西4丁目422-191262027年2月(竣工予定)東急不動産建築計画
大手町二丁目/八重洲一丁目 複合再開発(ホテル部分)東京都千代田区大手町2-8-1ほか1002027年12月(竣工予定)三菱地所建築計画

出典:メトロエンジンリサーチ&コンサルティング(OTA掲載確認ベース)/国土交通省「建築物動態統計調査」/各社公表資料・報道、ホテルバンク編集部より作成

99室以下の13案件 — ラグジュアリー小規模と地方旅館

99室以下のレンジには、ラグジュアリーブランドの小規模リゾートと、地方の旅館・小型ホテルが混在する。瀬戸内の2施設はいずれも100室未満で、規模ではなく単価と体験で成立させる設計である。

99室以下の全13案件 — 施設名・所在地・客室数・開業予定時期・事業者
施設名/計画名 所在地 客室数 開業予定時期 事業者・ブランド 出典区分
&Here FUKUOKA HAKATA福岡県福岡市博多区982027年2月OTA掲載
マンダリン オリエンタル 瀬戸内 高松香川県高松市(高松駅隣接)922027年夏マンダリン オリエンタル報道
神戸三宮 雲井通5丁目 再開発(ホテル部分)兵庫県神戸市中央区雲井通5-6702027年12月(竣工予定)雲井通5丁目再開発建築計画
(仮称)福島市町庭坂神ノ森 ホテル計画福島県福島市町庭坂神ノ森1-6602027年12月(竣工予定)共立メンテナンス建築計画
(仮称)台東区浅草1丁目 ホテル計画東京都台東区浅草1-36402027年8月(竣工予定)大和ハウス工業建築計画
seven x seven 由布院大分県由布市392027年4月OTA掲載
(仮称)南あわじ市松帆古津路 ホテル計画兵庫県南あわじ市松帆古津路970-72362027年1月ホテルニューアワジ建築計画
(仮称)洲本市小路谷 ホテル計画兵庫県洲本市小路谷5-1252027年1月ホテルニューアワジ建築計画
マンダリン オリエンタル 瀬戸内 直島香川県直島町222027年夏マンダリン オリエンタル報道
(仮称)日本橋浜町3-1-21 ホテル計画東京都中央区日本橋浜町3-1-21122027年5月(竣工予定)水星建築計画
(仮称)日本橋浜町3-1-1 ホテル計画東京都中央区日本橋浜町3-1-172027年5月(竣工予定)水星建築計画
富士山呉竹荘 醒酔静岡県12027年12月OTA掲載
星のや飛鳥奈良県明日香村未公表2027年(時期未定)星野リゾート報道

出典:メトロエンジンリサーチ&コンサルティング(OTA掲載確認ベース)/国土交通省「建築物動態統計調査」/各社公表資料・報道、ホテルバンク編集部より作成

なお、開業時期が2027年から2028年にまたがると公表されている案件(北海道倶知安町のシックスセンシズ ニセコなど)は、年次が確定していないため上表からは除外している。また、既存施設のブランド変更(長野県・斑尾高原ホテルのMギャラリーコレクションへの参画など)は新規開業ではないため計上していない。リブランドを新規供給として数えると、客室ストックの増加を二重に見積もることになる。

業態構成 — シティ・フルサービスが客室数の57%

把握分33件を3つの業態グループに整理すると、シティ・フルサービス型が12件2,861室で客室数の56.9%を占める。ビジネス・宿泊特化型が8件1,437室(28.6%)、リゾート・旅館・小規模型が13件730室(14.5%)と続く。件数では小規模型が最多だが、客室数では都心・地方中核都市の大型フルサービスが圧倒的である。

出典:メトロエンジンリサーチ&コンサルティング(OTA掲載確認ベース)/国土交通省「建築物動態統計調査」、ホテルバンク編集部より作成

2026年の把握分(1,393軒)では貸別荘が665軒で47.7%を占め、ホステル84軒・ゲストハウス73軒・コテージ56軒・町家39軒などの小規模分散型を合わせると全体の86%に達する。ビジネスホテルは151軒(10.8%)、シティホテルは41軒(2.9%)である。2027年の構成比がこれと大きく異なるのは市場構造の変化ではなく、情報源の違いによる見え方の差である点を、繰り返し強調しておきたい。1室規模の施設が新規開業の多数派を占める構造については、2026年開業1,351軒の51%が1室規模で詳述している。

供給増分比率 — 千葉県6.93%、島根県3.36%が上位

各都道府県の既存客室ストックに対して、2027年の開業予定客室数がどれだけの割合にあたるかを計算した。分母は当社が稼働を確認できる施設の合計客室数である。

出典:メトロエンジンリサーチ&コンサルティング(OTA掲載確認ベース)/国土交通省「建築物動態統計調査」、ホテルバンク編集部より作成

既存客室ストックに対する2027年供給増分比率 上位10都道府県
順位 都道府県 2027年開業予定客室数 既存客室ストック 供給増分比率
1千葉県1,00014,4396.93%
2島根県1584,7073.36%
3兵庫県35413,9412.54%
4岡山県1909,5481.99%
5群馬県1507,8361.91%
6北海道69437,0811.87%
7香川県1146,1421.86%
8岩手県1347,7611.73%
9東京都1,28298,5011.30%
10神奈川県27222,0611.23%

出典:メトロエンジンリサーチ&コンサルティング(OTA掲載確認ベース)/国土交通省「建築物動態統計調査」、ホテルバンク編集部より作成

千葉県の6.93%は突出しているが、これは1件の大規模案件によるものであり、県内全域に均等に効くわけではない。海浜幕張駅周辺という限られた商圏での吸収余地については、海浜幕張駅前1,000室・総投資300億円の複合開発で個別に検証している。同様に、香川県の1.86%も高松・直島という2つの限定商圏に集中しており、県平均で薄まる性質のものではない(瀬戸内のラグジュアリー市場への影響試算)。

東京都は客室数では最大だが、既存ストック98,501室に対する比率は1.30%にとどまる。大阪府にいたっては0.43%で、把握分の供給は既存規模に対して極めて小さい。絶対量が多い市場ほど、供給増分比率で見ると影響は薄いという当たり前の構図が数字で確認できる。この比率を市区町村まで落とすと順位はさらに入れ替わり、既存ストック比で首位に立つのは熊本県大津町の30.8%である。市区町村単位の供給圧については新規開業ホテルの供給圧ランキング2026-2027で一覧化している。

着工統計で裏を取る — 2024年の宿泊業用着工は前年比+94.5%

建築計画ベースの案件は、時間の経過とともに追加されていく。現時点で見えている2027年のパイプラインが下限値であることを、着工統計の側からも確認しておきたい。

国土交通省「建築物動態統計調査」によれば、宿泊業用建築物の着工床面積は2023年の902,844㎡を底に、2024年は1,756,286㎡へと前年比+94.5%に回復した。棟数も2,222棟から2,836棟(+27.6%)に増えている。ホテルの標準的な工期を2〜3年とすると、2024年に着工した案件の相当部分が2026年後半から2027年にかけて竣工する計算になる。つまり、現在確認できている2027年の34件は、着工実績が示唆する規模には遠く及ばない。

出典:国土交通省「建築着工統計調査」(e-Stat)よりホテルバンク編集部作成

2017〜2019年の着工ピーク(2018年は304万㎡)と比べれば、2024年の175.6万㎡は依然として6割程度の水準である。それでも、コロナ後の底だった2023年からの回復幅は大きい。2027年の実際の開業件数は、本記事の一覧が示す34件から、今後の建築計画登録とOTA掲載の追加によって相当程度上振れすると見るのが妥当である。ただし着工から竣工までの間には建設費と人手の制約が挟まるため、着工実績がそのまま開業に変換されるわけではない。この目減り分の見立ては建設費+41%と人材難で消える供給 — 2027-2029年ホテル新規開業マップが扱っている。

開業前にOTA掲載が始まっている施設 — 現時点では1件のみ

2027年開業予定として当社が把握する34件のうち、調査時点で既にOTA上に2027年の販売価格が出ているのは1件のみである。島根県安来市のHOTEL AZ島根安来店(158室・2027年1月開業予定)が、2027年1月チェックイン分の掲載を17日分開始している。

開業前にOTA掲載が始まっている施設のローンチ価格と市場中央値の比較
項目 HOTEL AZ島根安来店(2027年1月) 島根県ビジネスホテル市場(2027年1月)
推定成約ADR¥7,800¥9,900(中央値・N=49施設)
掲載価格(全プラン平均・税込)¥10,900
掲載価格(最安プラン・税込)¥8,900
県市場水準に対する比約79%100%

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(島根県ビジネスホテル N=49施設)

ローンチ時の水準は県内ビジネスホテル市場の中央値に対して約79%に置かれている。安来市は松江市・米子市に挟まれた立地であり、県全体の中央値には松江の水準が含まれる。開業直後の価格設定が市場中央値を下回ること自体は珍しくなく、当社が182軒を実測した分析では、新規開業ホテルのADRが市場水準に追いつくまでの期間は中央値2ヶ月だった。他の33件については現時点で2027年分の掲載が確認できないため、価格の比較は行わない。

⚠ 将来日程のADRに関する注意:本記事の2027年1月のADRは調査時点でOTAに公開されている販売価格をもとにした推定値であり、チェックイン日に近づくにつれて変動します。開業前の施設は掲載プラン数が限られるため、開業後の実勢とは乖離しうる点にご留意ください。

名寄せと計上の判断基準

一覧を作成するにあたり、以下の基準で重複と計上可否を判断した。読者が自社の集計と突き合わせる際の参考として明記しておく。

本記事における名寄せ・計上の判断基準
判断項目 本記事での扱い
建築計画と報道で同一物件所在地と客室数の一致で名寄せし1件として計上。出典区分を「建築計画+報道」と表記(コンラッド横浜、三井ガーデンホテル大阪堂島浜プレミアなど3件が該当)
既存施設のブランド変更新規開業として計上しない(客室ストックが増えないため)
複合施設内のホテル部分ホテル用途の客室数のみを計上。分譲住宅・コンドミニアム・ヴィラは除外(沖縄の案件は総284室のうちホテル127室のみ計上)
開業年が複数年にまたがる案件2027年に確定していないものは除外
同一事業者の近接する別物件住居表示が異なる場合は別件として計上(日本橋浜町の2件、淡路島の2件が該当)。実際には一体運営の可能性があり、判別できないものは注記として残す
開業月が未定の案件「時期未定」「〜夏」「〜末」など公表どおりに表記し、月次に按分しない

出典:ホテルバンク編集部

まとめ

2027年開業予定として現時点で名前まで確認できたのは34件・5,028室。うち200室以上が8件で客室数の51.5%を占め、100室以上まで広げると21件になる。地域では東京都が10件1,282室で最多だが、既存ストックに対する供給増分比率では千葉県6.93%、島根県3.36%、兵庫県2.54%が上位に立つ。

ただし本稿の一覧は、あくまで調査時点で確認できた下限値である。国土交通省の着工統計では宿泊業用の着工床面積が2024年に前年比+94.5%まで戻っており、工期を踏まえれば2027年の実際の開業はここから積み上がる。建築計画の追加登録とOTA掲載の開始によって、この一覧は今後も更新されていく性質のものである。自社の商圏に該当する案件がある事業者は、供給増分比率の分母が「県」ではなく「駅商圏」であることに留意しながら、個別に吸収余地を検証されたい。

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参考資料・出典一覧

■ データソース

メトロエンジンリサーチ&コンサルティングのOTA掲載確認ベース新規開業データおよび既存客室ストック、国土交通省「建築物動態統計調査」の建築計画データ、e-Stat「建築着工統計調査」(統計ID: 0003114490)、ならびに事業者・ブランドの公表資料および報道記事を突き合わせて作成した。表の「出典区分」列で、当社データベース由来か報道由来かを区別している。

■ 試算前提

集計対象は2027年中の開業または竣工が公表されている案件に限る。同一物件が建築計画と報道の双方に現れる場合は、所在地と客室数の一致をもって名寄せし1件として計上した。既存施設のブランド変更(リブランド)は客室ストックが増えないため新規開業に含めない。複合用途案件はホテル部分の客室数のみを計上する。供給増分比率の分母は、当社が稼働を確認できる施設の合計客室数である。

■ 限界・留意点

本一覧は全数調査ではなく、主要OTAの掲載確認および公表済み建築計画・報道から拾える範囲の下限値である。小規模施設、計画初期段階の案件、非公表のラグジュアリー案件は構造的に欠落する。開業年が複数年にまたがる案件は年次が確定していないため除外しており、開業予定時期は事業者の公表内容の更新によって変動しうる。供給増分比率の分母は都道府県単位であり、実際の競合は駅商圏単位で発生する点に留意されたい。

■ 市場データ

■ 政府統計

  • 国土交通省「建築物動態統計調査」(建築計画ベースの宿泊施設パイプライン)
  • e-Stat「建築着工統計調査」(統計ID: 0003114490、宿泊業用建築物の着工棟数・床面積・工事費予定額)

■ 報道・公表資料

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