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【取材】千葉・八千代市に築195年の古民家宿「EMON-右衛門-」誕生 再生のこだわりを聞く

投稿日 : 2026.10.05

千葉県

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築195年の古民家を再生した一棟貸し宿「EMON-右衛門-」

千葉県八千代市に、築195年の古民家を再生した一棟貸し宿「EMON-右衛門-」が2026年10月8日にグランドオープンする。手掛けるのは、千葉県を中心に古民家の再生や宿泊施設の運営に取り組んできた株式会社人と古民家。八千代市で15代続く家族から託された古民家を、1日1組・最大8名で利用できる宿泊施設として再生した。

約800坪の敷地にはサウナやガーデンダイニングなどを備え、出張シェフによる食事やBBQ、周辺のゴルフ場と組み合わせた滞在にも対応する。さらに、マルシェの開催などを通じ、地域との交流拠点としての役割も目指している。

これまでの古民家宿運営で培った経験をどのように生かしたのか。施設づくりのこだわりや八千代市で描く今後の展望について、同社に話を聞いた。

公式サイト:https://www.yachiyo-emon.com/

――これまで「まるがやつ」や「ほりのみせ」などの古民家宿を手掛けてこられました。これまでの施設運営で得た経験のうち、「EMON-右衛門-」の企画や運営に生かされていることがあれば教えてください。

「EMON-右衛門-」は、これまで手掛けてきた宿の経験が詰まった施設になっています。

弊社は設計事務所でもあるため、古民家の改築では女性目線を大切にしています。旅行やイベントを企画するのは、奥様や彼女など女性が中心になることも多いと考えています。そのため、「古民家=暗い、使い勝手が悪い」という印象にならないよう、キッチンやお風呂などの水回りを中心に、女性にも快適に過ごしていただける空間づくりを心掛けています。

運営面では、古民家は地域に根ざしてきた歴史ある建物だからこそ、「田舎に帰ってきた」と感じていただけるような、「お帰りなさい」という気持ちでお迎えする接客を大切にしています。

これまでの施設でも、スタッフに対してお母さんやおばあちゃんのような親しみを感じ、「ほっとできた」とアンケートでお声をいただくことがありました。「EMON-右衛門-」でも、そうした温かな接客を継承していきたいと考えています。

株式会社人と古民家が手掛ける「一棟貸し古民家の宿 まるがやつ 萱」

――「この古民家だから訪れたい」と思ってもらえる場所を目指されています。施設そのものを目的地として選んでもらうために、どのような魅力や過ごし方を打ち出していきたいと考えていますか。

八千代市は、いわゆる観光地ではありません。そのため、敷地内での滞在そのものを楽しみ、寛いでいただけるような設計やインテリアを意識しています。

「EMON-右衛門-」には築195年という歴史があります。その年月が生み出す重みは、簡単につくれるものではありません。寝室として使用している部分は、大雨が降っていてもほとんど音を感じないほど静かな空間です。古民家には、「陰翳礼讃」という言葉がよく似合うと感じています。

床の間を備えたベッドルーム

館内には、ゆっくり寛ぐスペース、食事やBBQを楽しむスペース、和の趣を感じられるスペースなど、さまざまな居場所を設けています。建物の中で思い思いの時間を過ごしていただきたいと考えています。

――古民家の歴史や趣を残しながら、サウナや人工温泉、ベッドルームなど現代的な設備も取り入れています。古民家らしさと宿泊時の快適性を両立するうえで、特に重視したことを教えてください。

先ほどのお話とも重なりますが、80坪弱ある建物の中に、さまざまな居場所をつくることを大切にしました。

また、特に水回りは快適性を重視しています。古民家ならではの趣を残しながらも、キッチンやお風呂などは現代の宿泊施設として気持ちよく使っていただけるように整えています。

サウナや浴室、水風呂、外気浴スペースを備える

一つの場所で過ごすだけではなく、施設の中を移動しながら、それぞれ異なる時間の過ごし方を楽しめるような設計を心掛けています。

――平日限定で「ゴルフ×古民家」プランを設けています。周辺のゴルフ場と宿泊を組み合わせることで、どのような利用者や滞在のかたちを想定しているのでしょうか。

八千代市周辺にはゴルフ場が多くありますが、宿泊施設を併設しているゴルフ場はそれほど多くありません。

周辺のゴルフ場と宿泊を組み合わせる平日限定の「ゴルフ×古民家」プラン

そこで、プレー前日に宿泊する場合は、夕方から「EMON-右衛門-」に入り、翌朝早く出発して、朝食はゴルフ場で取るといった利用を想定しています。

一方、プレー後に宿泊する場合には、ゴルフを終えた後に「EMON-右衛門-」へ移動し、サウナに入りながらゆっくり過ごしていただくこともできます。出張シェフを手配して、ゴルフ後の食事も含めた滞在を楽しんでいただくなど、ゴルフと宿泊を組み合わせたさまざまな過ごし方を提案していきたいと考えています。

――今後はマルシェの継続開催や地域事業者との連携なども予定されています。「EMON-右衛門-」を起点に、八千代市や周辺地域にどのような人の流れやつながりを生み出していきたいと考えていますか。

私たち「人と古民家」が目指しているのは、「日本文化の保存・再生・継承」と「デザインを通じた地域への貢献」です。

私たちは設計事務所でもあるため、デザインの力を信じ、人が心地よいと感じられる空間づくりを目指しています。同時に、古民家という日本人の心が詰まった建物を、後世に残していきたいと考えています。

改修前の古民家
改修後のダイニングスペース

成田から東京までの間にある成田市、佐倉市、八千代市には、今も多くの古民家が残っています。その中で、後世に残していきたいと思える古民家に出会えたら、ぜひ再生し、宿泊施設として蘇らせたいです。

そうした一つひとつの拠点が、やがて点から面へと広がり、将来的にはインバウンドも見据えた事業へと発展していければと考えています。

■ 施設概要

施設名:一棟貸し古民家の宿 EMON-右衛門-
所在地:千葉県八千代市萱田2028
定員:4名様から最大8名様
設備:一棟貸し/サウナ/人工温泉/ガーデンダイニング/BBQ設備/ペット同伴可 など
公式サイト:https://www.yachiyo-emon.com/

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