Oneリート投資法人(3290)は、2025年3月にコンフォートイン名古屋栄駅前を取得してホテルに初めて投資した。2025年12月にはカンデオホテルズ京都烏丸六角、2026年3月にはダブルツリーbyヒルトン那覇首里城を含むホテル5物件を加え、中小規模オフィスビル中心だった同投資法人のポートフォリオは、1年あまりでホテル7物件・1,221室を抱える構成になった。本稿では公式開示の取得価格・客室数・賃料形態を物件単位で整理し、1室あたりの取得単価をホテル特化型7投資法人の保有300物件と比べる。あわせて、取得単価を所在市区町村の推定成約ADRと並べ、どの価格で、どの需要を取りにいった資産入替なのかを読み解く。
本記事における指標の定義
- ADR(平均客室単価):各施設がOTA上で公開する最安プラン水準(2名1室利用時・1室あたり料金・税込)に業態別の補正係数を適用して算出した推定成約単価(税抜相当)。上場ホテルREITが開示する物件別実績との照合(91施設・直近3ヶ月間)で誤差中央値は約7%。推定値であり、各施設の実際の成約価格・会計数値とは異なります。エリア単位のADRは対象施設の中央値(エリアの標準的な施設の水準)で、本稿では2025年9月〜2026年8月の12ヶ月の月次値を単純平均しています。
- 1室あたり取得単価:投資法人が開示する取得価格(百万円)を客室数で割った値。土地・建物・付帯施設(宴会場・レストラン等)をすべて含む価格を客室数で割るため、フルサービス型ほど高く出やすい点に留意してください。
- 鑑定NOI利回り:取得時の不動産鑑定評価書に記載された直接還元法の運営純収益を取得価格で割った値(Oneリート開示)。
- データ出典:メトロエンジンリサーチ&コンサルティング/Oneリート投資法人 公式開示
- — 1室あたり約3,091万円:ホテル7物件(取得価格37,736百万円・1,221室)の加重平均。ホテル特化型7投資法人の国内300物件の中央値(約2,441万円)を約27%上回る。
- — 単価の幅は2.9倍:福岡博多の約5,230万円から鹿児島天文館の約1,798万円まで。所在市区町村の推定成約ADR(2025年9月〜2026年8月平均)との相関係数は0.91(7点の参考値)。
- — ADR倍率は6.4〜10.0倍:取得単価をエリアADRの年間客室売上(通年稼働率100%)で割った倍率は狭い範囲に収まり、所在地の単価水準に見合った取得と読める。
- — 取得価格の約87%がGOP連動を含む変動賃料:固定賃料はカンデオホテルズ京都烏丸六角の1物件(12.7%)のみ。
- — ホテル比率は1年で24.8%へ:2026年3月19日にホテル5物件を一括取得。那覇首里城は約12億円を投じ、2027年5月にヒューイットリゾートとしてリブランド開業予定。
結論 — 需要の厚い都市ほど高い単価で買い、6物件を変動賃料で持つ
最初に要点をまとめる。Oneリートのホテル7物件の取得価格は合計37,736百万円で、客室数は開示ベースで1,221室、1室あたり取得単価は加重平均で約3,091万円、物件別の中央値は約3,225万円となる。ホテル特化型の上場7投資法人が国内に保有する300物件の中央値(約2,441万円)と比べると、加重平均で約27%、中央値で約32%高い水準である。
ただし単価の幅は大きい。最も高いクインテッサホテル福岡博多 Relax&Sleepは1室約5,230万円、最も低いクインテッサホテル鹿児島天文館 Relax&Sleepは約1,798万円で、2.9倍の開きがある。この差は所在地のホテル単価水準とよく対応しており、所在市区町村の推定成約ADR(12ヶ月平均)が高い都市ほど、1室あたりの取得単価も高い。7点のみの参考値ではあるが、両者の相関係数は0.91に達する。
もう一つの特徴が賃料形態である。7物件のうち5物件はGOP(営業粗利益)連動の変動賃料、ザ エディスターホテル成田はGOP連動と固定賃料の組み合わせで、固定賃料はカンデオホテルズ京都烏丸六角の1物件にとどまる。取得価格ベースでは約87%が、ホテルの営業成績が賃料に反映される契約となっている。宿泊単価の上昇をそのまま分配金の原資に取り込める一方、賃料収入は宿泊市場の動きに連動して振れやすくなる。オフィスビルの安定賃料と組み合わせることで、両者の特性を補い合う構成といえる。
資産入替の経緯 — 1年でホテル比率0%から24.8%へ
Oneリートのホテル投資は段階的に進んだ。2025年3月7日に公表したコンフォートイン名古屋栄駅前の取得リリースでは、ホテルを「キャッシュフロー成長力」と「インフレ耐性」を持つ資産と位置づけ、築年数が進んだオフィスビルとの資産入替を通じてポートフォリオの質を高める方針を示している。同物件は名古屋市営地下鉄「栄」駅から徒歩1分、2014年竣工・240室の宿泊特化型ホテルで、運営はグリーンズが担う。
続く2025年12月には、京都の築約40年のオフィスビル(ONEST京都烏丸スクエア)を4回に分けて計50億円で譲渡する一方、2021年3月竣工のカンデオホテルズ京都烏丸六角を48億円で取得した。こちらは定期借家契約による固定賃料で、変動賃料中心のホテル群の中で収益の安定部分を担う。
転機は2026年3月である。約4年半ぶりの公募増資を実施し、ホテル5物件とオフィス1物件(神楽坂プラザビル、現ONEST飯田橋スクエア)を取得価格合計299億円で取得した。決算説明資料によると6物件の平均鑑定NOI利回りは6.16%である。この結果、取得価格ベースのホテル比率は2025年8月期末の6.3%、2026年2月期末の10.2%から、2026年3月19日の取得後には24.8%まで上がった。資産規模は1,521億円となり、うちホテルが377億円を占める。
| 取得日 | 物件名 | 取得価格(百万円) | 客室数 | 賃料形態 | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2025年3月21日 | コンフォートイン名古屋栄駅前(H-1) | 7,740 | 240 | GOP連動 | 初のホテル取得。鑑定評価額8,310百万円 |
| 2025年12月18日 | カンデオホテルズ京都烏丸六角(H-2) | 4,800 | 106 | 固定 | ONEST京都烏丸スクエアの4回分割譲渡(計50億円)と入替 |
| 2026年3月19日 | ダブルツリーbyヒルトン那覇首里城(H-7) | 10,460 | 333 | GOP連動 | スポンサーブリッジによる取得 |
| 2026年3月19日 | ザ エディスターホテル成田(H-6) | 4,770 | 261 | GOP連動+固定 | 2027年2月にクインテッサホテルへリブランド予定 |
| 2026年3月19日 | クインテッサホテル福岡博多 Relax&Sleep(H-5) | 4,184 | 80 | GOP連動 | 2019年8月竣工 |
| 2026年3月19日 | クインテッサホテル札幌すすきの63 Relax&Spa(H-3) | 4,020 | 103 | GOP連動 | すすきのエリア所在 |
| 2026年3月19日 | クインテッサホテル鹿児島天文館 Relax&Sleep(H-4) | 1,762 | 98 | GOP連動 | 天文館エリア所在 |
| 合計 | ホテル7物件 | 37,736 | 1,221 | — | 取得価格はポートフォリオ一覧(2026年7月30日現在) |
下のグラフは、ホテル取得価格の累計と、ポートフォリオ全体に占めるホテル比率の推移である。2026年3月の一括取得で比率が約2.4倍になったことがわかる。なお、2026年2月期の決算説明資料では、用途別投資割合の方針として「オフィスビル50%以上」「ホテル・住宅・商業施設・その他用途50%以下」が示されている。
賃料形態 — 取得価格の87%がGOP連動を含む変動賃料
ホテル7物件の賃料形態を取得価格で重みづけすると、GOP連動のみが28,166百万円(74.6%)、GOP連動+固定が4,770百万円(12.6%)、固定が4,800百万円(12.7%)となる。GOP連動賃料は、ホテルの売上から運営費用を差し引いた営業粗利益に一定の料率を掛けて賃料を決める仕組みで、料率はいずれも非開示である。宿泊単価や稼働が上向けば賃料も増えるアップサイド型の契約であり、ホテル特化型REITが近年採用を広げている形態でもある。固定賃料と変動賃料の使い分けについては、ホテルリーシングとは — 契約3方式と賃料形態、J-REIT4社の開示で読む固定・変動で詳しく整理している。
その効果は既に開示数字に表れている。2026年2月期の決算説明資料によると、コンフォートイン名古屋栄駅前は同期のRevPARが当初予想を32.1%上回り(ADR+20.5%、OCC+7.7pt)、変動賃料収入も当初予想比+20.1%で着地した。栄駅至近の立地と、ビジネス・観光・イベントの幅広い需要を取り込める強みが、変動賃料の上振れにつながった形である。
| 物件名 | 賃料形態 | オペレーター/賃借人 | 鑑定NOI利回り | 竣工 |
|---|---|---|---|---|
| ダブルツリーbyヒルトン那覇首里城 | GOP連動 | ヒルトン・ワールドワイド・マネージ・リミテッド | 8.3% | 1973年8月 |
| コンフォートイン名古屋栄駅前 | GOP連動 | グリーンズ | 4.7% | 2014年3月 |
| カンデオホテルズ京都烏丸六角 | 固定(定期借家) | カンデオ・ホスピタリティ・マネジメント | 3.9% | 2021年3月 |
| ザ エディスターホテル成田 | GOP連動+固定 | コアグローバルマネジメント | 6.1% | 1992年2月 |
| クインテッサホテル札幌すすきの63 Relax&Spa | GOP連動 | コアグローバルマネジメント | 5.1% | 1991年9月 |
| クインテッサホテル福岡博多 Relax&Sleep | GOP連動 | コアグローバルマネジメント | 4.6% | 2019年8月 |
| クインテッサホテル鹿児島天文館 Relax&Sleep | GOP連動 | コアグローバルマネジメント | 6.1% | 2008年2月 |
鑑定NOI利回りは3.9%〜8.3%に分布する。竣工が新しく立地が駅至近の物件ほど利回りが低く(=価格が高く)、築年数を重ねた物件やバリューアップを前提とする物件ほど利回りが高い。京都烏丸六角(2021年竣工)の3.9%と那覇首里城(1973年竣工、リノベーション前提)の8.3%は、その両端に位置する。後者は取得後の追加投資12億円を含めた利回りでも7.4%と開示されている。
1室あたり取得単価 — 7物件中5物件がホテル特化型の中央値を上回る
次に、各物件の取得価格を客室数で割った1室あたり取得単価を、ホテル特化型の上場7投資法人が国内に保有する300物件の分布と比べる。300物件の中央値は約2,441万円、第1四分位は約1,217万円、第3四分位は約4,102万円である。Oneリートの7物件は、福岡博多(約5,230万円)と京都烏丸六角(約4,528万円)が第3四分位を上回り、札幌すすきの(約3,903万円)、名古屋栄(約3,225万円)、那覇首里城(約3,141万円)が中央値と第3四分位の間に入る。成田(約1,828万円)と鹿児島天文館(約1,798万円)は中央値を下回るが、第1四分位より上の水準にある。取得単価が時期によってどう動いてきたかは、ホテル1室の取得単価、円建て+43.5%・ドル建て+4.5%も参考になる。
那覇首里城は333室に宴会場10室、料飲施設4か所、屋外プールを備えるフルサービス型で、付帯施設の面積が大きい(延床面積は27,934.89㎡)。そのため1室あたりの取得単価には宴会・料飲部門の価値も含まれており、宿泊特化型のクインテッサホテル3物件と単純には比べられない。この点を踏まえると、開示された賃貸可能面積1㎡あたりでは那覇首里城は約37万円と7物件で最も低く、築年数に応じた価格で大規模な床を確保した取得と読める。
比較の目安として、ホテル特化型7投資法人それぞれの国内保有物件の1室あたり取得単価中央値を示す。ポートフォリオの業態構成(宿泊特化型か、フルサービス・リゾートか)や取得時期によって水準は大きく異なる。
| 投資法人 | 国内物件数 | 1室あたり取得単価(中央値) |
|---|---|---|
| いちごホテルリート投資法人(3463) | 29 | 約1,380万円 |
| インヴィンシブル投資法人(8963) | 110 | 約2,330万円 |
| 日本ホテル&レジデンシャル投資法人(3472) | 16 | 約2,650万円 |
| ジャパン・ホテル・リート投資法人(8985) | 53 | 約2,580万円 |
| 星野リゾート・リート投資法人(3287) | 71 | 約1,930万円 |
| 森トラストリート投資法人(8961) | 6 | 約5,220万円 |
| 霞ヶ関ホテルリート投資法人(401A) | 15 | 約4,530万円 |
| 7投資法人 合計 | 300 | 約2,441万円 |
| Oneリート投資法人(3290)ホテル7物件 | 7 | 約3,225万円 |
取得単価と所在地ADR — 単価の高い都市ほど高く買っている
取得単価の差は何で説明できるか。各物件の所在市区町村について、2025年9月〜2026年8月の推定成約ADR(12ヶ月平均)を算出し、1室あたり取得単価と並べたのが下の散布図である。京都市中京区(約16,900円)、札幌市中央区(約14,400円)、福岡市博多区(約14,300円)の3エリアはADRが高く、取得単価も約3,900万〜5,230万円と高い。反対に、鹿児島市(約6,700円)と成田市(約7,900円)はADRが低く、取得単価も約1,800万円にとどまる。名古屋市中区(約9,600円)と那覇市(約10,200円)はその中間に位置する。
取得単価を「エリア標準ADRで通年稼働率100%を仮定した場合の1室あたり年間客室売上」で割ると、何年分の売上で1室を買ったかという目安(ADR倍率)が得られる。7物件では6.4〜10.0倍に収まり、ADRの水準差ほどには開かない。つまりOneリートは、ADRが低い都市では安く、高い都市では高く買っており、所在地の単価水準に見合った価格で取得していると解釈できる。倍率が最も高い福岡博多(10.0倍)は2019年竣工と築浅で、全客室が2名以上の宿泊に対応する間取りである。名古屋栄(9.2倍)は駅徒歩1分という立地の希少性が価格に反映されていると考えられる。
| 物件(所在市区町村) | 1室あたり取得単価 | エリア推定成約ADR(12ヶ月平均) | 前年同期比 | ADR倍率(当社試算) |
|---|---|---|---|---|
| 福岡博多(福岡市博多区) | 5,230万円 | ¥14,314 | +11.2% | 10.0倍 |
| 京都烏丸六角(京都市中京区) | 4,528万円 | ¥16,943 | +1.8% | 7.3倍 |
| 札幌すすきの63(札幌市中央区) | 3,903万円 | ¥14,424 | +11.1% | 7.4倍 |
| 名古屋栄(名古屋市中区) | 3,225万円 | ¥9,587 | +6.5% | 9.2倍 |
| 那覇首里城(那覇市) | 3,141万円 | ¥10,198 | +16.9% | 8.4倍 |
| 成田(成田市) | 1,828万円 | ¥7,876 | −3.7% | 6.4倍 |
| 鹿児島天文館(鹿児島市) | 1,798万円 | ¥6,715 | −1.5% | 7.3倍 |
なお、ADR倍率は通年稼働率100%を置いた目安であり、実際の客室売上に対する倍率はこれより大きくなる。下の表は、同じ式で通年稼働率を85%・70%に置き換えた感応度である。通年稼働率70%では7物件の倍率は9.1〜14.3倍に広がり、福岡博多は約14.3倍、名古屋栄は約13.2倍、最も低い成田でも約9.1倍となる。稼働率の置き方で物件間の順位は変わらないため、物件同士の比較には100%基準の倍率で足りるが、取得価格の絶対水準を評価する際は稼働率を織り込んだ倍率も併せて確認したい。
| 物件(所在市区町村) | 通年稼働率100% | 通年稼働率85% | 通年稼働率70% |
|---|---|---|---|
| 福岡博多(福岡市博多区) | 10.0倍 | 11.8倍 | 14.3倍 |
| 京都烏丸六角(京都市中京区) | 7.3倍 | 8.6倍 | 10.5倍 |
| 札幌すすきの63(札幌市中央区) | 7.4倍 | 8.7倍 | 10.6倍 |
| 名古屋栄(名古屋市中区) | 9.2倍 | 10.8倍 | 13.2倍 |
| 那覇首里城(那覇市) | 8.4倍 | 9.9倍 | 12.1倍 |
| 成田(成田市) | 6.4倍 | 7.5倍 | 9.1倍 |
| 鹿児島天文館(鹿児島市) | 7.3倍 | 8.6倍 | 10.5倍 |
エリアADRの前年同期比にも差が出ている。那覇市は+16.9%、札幌市中央区と福岡市博多区は+11%台と伸びが大きく、名古屋市中区も+6.5%と堅調である。一方、京都市中京区は+1.8%と高水準のまま横ばい圏、成田市と鹿児島市は小幅な前年割れとなった。GOP連動賃料の物件が集まる那覇・札幌・福岡でエリア単価が伸びていることは、変動賃料の上振れ余地を示すデータといえる。成田市は対象施設数が27〜29と少ないため、変化率は幅をもって見る必要がある。
立地 — 7物件はいずれも各都市の商業集積地に所在
7物件の所在地を地図に示した。札幌・名古屋・京都・福岡・鹿児島の5物件は各都市の中心繁華街や主要駅から徒歩圏にあり、成田は空港アクセス、那覇首里城は首里城至近の観光立地という性格を持つ。北海道から沖縄まで地域が分散しており、季節性の異なる需要を組み合わせたポートフォリオといえる。決算説明資料では、変動賃料6ホテルの2025年の売上構成比が3〜8月で47%、9〜2月で53%と示されており、半期ごとの収益の偏りが小さい点も強調されている。
各物件に最も近い商業系の地価公示地点(2026年1月1日時点)を見ると、上昇率は札幌中央5-2の+20.0%が最も大きく、福岡博多5-11の+10.4%、京都中京5-5の+10.0%が続く。地価の上昇は、エリアの商業価値が高まっていることを示す一方、今後同じエリアでホテル用地を取得するコストの上昇も意味する。既存ホテルを保有する側にとっては、新規供給のハードルが上がることが相対的な追い風となる。
| 物件 | 最寄りの商業系公示地点 | 物件からの距離 | 用途地域 | 地価(円/㎡) | 前年比 |
|---|---|---|---|---|---|
| 那覇首里城 | 那覇5-6(首里池端町) | 約570m | 近隣商業地域 | 251,000 | +6.8% |
| 名古屋栄 | 名古屋中5-17(栄3丁目) | 約260m | 商業地域 | 12,100,000 | +3.4% |
| 京都烏丸六角 | 京都中京5-5(烏丸通六角下る七観音町) | 約120m | 商業地域 | 5,520,000 | +10.0% |
| 成田 | 成田5-1(花崎町) | 約710m | 商業地域 | 187,000 | +2.7% |
| 札幌すすきの63 | 札幌中央5-2(南6条西4丁目) | 約110m | 商業地域 | 2,160,000 | +20.0% |
| 福岡博多 | 福岡博多5-11(博多駅東3丁目) | 約180m | 商業地域 | 1,910,000 | +10.4% |
| 鹿児島天文館 | 鹿児島5-7(中町) | 約120m | 商業地域 | 631,000 | +1.0% |
那覇首里城 — ダブルツリーbyヒルトンからのリブランドと追加投資
取得価格が最大の那覇首里城は、ホテル7物件の中でも運営体制の変化が最も大きい物件である。ヒルトン「会社概要」(2026年8月25日更新)によると、ダブルツリーbyヒルトン那覇首里城は国内のダブルツリーbyヒルトン8軒の1つで、客室数333室、宴会場10室、料飲施設4か所を持ち、2016年にリブランドで開業した。沖縄県内では、2012年にダブルツリーbyヒルトン那覇がブランドの日本初進出として開業しており、那覇首里城はそれに続く県内2軒目のダブルツリーである。
Oneリートの2026年2月期決算説明資料によると、同ホテルの現行の運営契約は2026年12月に終了し、約4ヶ月のリノベーション期間を経て、2027年5月にコアグローバルマネジメントの運営による「ヒューイットリゾート」ブランドでリブランド開業する予定である。エントランス・フロント・ロビー・レストラン・プール等の改修に約12億円の資本的支出を見込み、巡航稼働は2029年1月を想定している(ホテルの大規模修繕にかかる1室あたりの資本的支出の水準はホテルの資本的支出は1室あたり年13万〜62万円を参照)。首里城に最も近いホテルという立地と、大人数を収容できる宴会場や那覇市内最大規模の屋外プールを生かし、プロスポーツ団体や学生団体の宿泊需要にも応えられる点が強みとして挙げられている。
同じオペレーターは札幌・福岡・鹿児島のクインテッサホテル3物件と成田の運営も担っており、那覇首里城のリブランド後はホテル7物件のうち5物件が同社の運営となる。資料では、成田は2027年2月にクインテッサホテルへのリブランド、クインテッサホテル3物件は2028年の巡航稼働を想定しており、レベニューマネジメントの精緻化や国内外の宿泊需要の取り込みを進める計画である。那覇市のエリアADRが前年同期比+16.9%と伸びていることは、リブランド後の価格設定にとって追い風となるデータである。
取得単価の読み方:那覇首里城の1室あたり取得単価(約3,141万円)は、リノベーション費用約12億円を加えると約3,501万円になる。追加投資後の鑑定NOI利回りは7.4%と開示されており、リブランドによるADR上昇が実現すれば、変動賃料を通じて投資法人の収益に直接反映される構造である。
よくある質問
Q. Oneリート投資法人はどのようなREITか?
A. みずほリートマネジメントが運用する上場REIT(証券コード3290)で、中小規模のオフィスビルを中心に運用してきた。2025年以降ホテルの取得を進め、2026年7月30日現在で34物件(オフィスビル27物件・ホテル7物件)、取得価格合計1,512億円を保有する。
Q. ホテル7物件の賃料形態は?
A. 5物件がGOP連動の変動賃料、ザ エディスターホテル成田がGOP連動と固定の組み合わせ、カンデオホテルズ京都烏丸六角が固定賃料である。取得価格ベースでは約87%がGOP連動を含む。
Q. 1室あたり取得単価はホテル特化型REITと比べて高いのか?
A. 7物件の加重平均は約3,091万円で、ホテル特化型7投資法人の国内300物件の中央値(約2,441万円)を上回る。ただし物件ごとに1,798万〜5,230万円と幅があり、所在地のADR水準が高い都市ほど単価も高い。
まとめ
Oneリートのホテル投資は、2025年3月の1物件から2026年3月の7物件・1,221室へと短期間で広がり、取得価格ベースのホテル比率は約25%に達した。1室あたり取得単価は加重平均約3,091万円とホテル特化型7投資法人の中央値を上回るが、その水準は所在地のADRとよく対応している。ADR倍率では6.4〜10.0倍に収まり、各都市の単価水準に見合った価格で取得したポートフォリオと整理できる。
賃料面では取得価格の約87%がGOP連動を含む変動賃料で、那覇・札幌・福岡のようにエリアADRが前年同期比で2桁伸びている都市に重点がある。那覇首里城のリブランドとリノベーション、成田のクインテッサホテル化など、今後2〜3年にわたるバリューアップ計画が収益にどう反映されるかが、オフィス中心だった総合型REITのホテル戦略を評価する材料になる。各物件の運営実績の開示が進めば、エリアADRの推移と賃料収入の関係もより具体的に検証できるだろう。
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参考資料・出典一覧
■ データソース
Oneリート投資法人の公式開示(ポートフォリオ一覧 2026年7月30日現在、各取得リリース、第24期・第25期決算説明資料)から取得価格・客室数・賃料形態・鑑定NOI利回りを整理した。エリアADRはメトロエンジンリサーチ&コンサルティングの推定成約ADR(7市区町村、月次の対象施設数27〜150)、比較母集団はホテル特化型7投資法人の国内保有300物件(2026年9月21日時点の開示取得価格・客室数)。地価は国土交通省 地価公示(2026年1月1日時点)。
■ 試算前提
1室あたり取得単価=取得価格÷開示客室数(成田は開示の261室)。加重平均は取得価格合計÷客室数合計。ADR倍率=1室あたり取得単価÷(エリア推定成約ADR×365日)で、通年稼働率100%を置いた目安。感応度表は同じ式で通年稼働率を85%・70%に置き換えたもの。エリアADRは2025年9月〜2026年8月の月次値の単純平均、前年同期比は2024年9月〜2025年8月との比較。
■ 限界・留意点
エリアADRは所在市区町村の標準的な施設の水準で、各物件の実績ADRではない。1室あたり取得単価には宴会場・料飲施設などの価値も含まれ、フルサービス型の那覇首里城は宿泊特化型と単純に比較できない。相関係数は7物件のみの参考値。GOP連動賃料の料率は非開示のため、賃料収入の感応度は試算していない。成田市は対象施設数が27〜29と少なく、前年同期比は幅をもって見る必要がある。
■ 市場データ
- メトロエンジンリサーチ&コンサルティング — 推定成約ADR(7市区町村、2024年9月〜2026年8月)、ホテル特化型7投資法人の国内保有物件の取得価格・客室数(N=300、2026年9月21日時点)
■ REIT・事業者開示
- Oneリート投資法人「ポートフォリオ一覧」(2026年7月30日現在)
- Oneリート投資法人「国内不動産信託受益権の取得及び貸借に関するお知らせ(コンフォートイン名古屋栄駅前)」(2025年3月7日)
- Oneリート投資法人「国内不動産信託受益権の取得(カンデオホテルズ京都烏丸六角)及び国内不動産信託受益権の譲渡(ONEST京都烏丸スクエア)に関するお知らせ」(2025年12月15日)
- Oneリート投資法人「2026年2月期(第25期)決算説明資料」
- Oneリート投資法人「2025年8月期(第24期)決算説明資料」
- ヒルトン「会社概要」(2026年8月25日更新)
■ 政府統計・公的データ
■ ニュース
出典: ヒルトン「会社概要」(2026年8月25日更新)
