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ビジネスホテルのダブルルーム平均料金は¥16,000|2026年主要11都市の平日・土曜と前年差

投稿日 : 2026.11.04

東京都

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ビジネスホテルのダブルルーム平均料金は¥16,000|2026年主要11都市の平日・土曜と前年差

メトロエンジンリサーチが追跡する主要11都市のビジネスホテルのうち、ダブルルームを2名1室で販売していた1,620施設の掲載価格を集計すると、2026年2〜9月の平均は1室あたり¥16,000(税込)だった。平日(月〜木)の¥14,700に対して土曜は¥22,700と1.55倍に開き、同一施設で比べた前年同期比は−3.6%だが、万博会期の反動が出た大阪市を除く10都市では+0.9%と前年並みを保っている。本稿では都市別・曜日別の実勢価格、前年同月差、そしてシングルルームに対するダブルの価格倍率(ダブルプレミアム)を整理し、運営者と投資家がベンチマークとして使える形にまとめる。

Average double-room rate in Japanese business hotels in 2026 was ¥16,000 (about US$100 at ¥157 per dollar) per room per night for two adults, tax included, based on 1,620 hotels in 11 major cities from February to September 2026. Weekday (Mon–Thu) average ¥14,700 (US$90), Saturday ¥22,700 (US$140); same-hotel year-on-year change −3.6% (+0.9% excluding Osaka, where 2025 was inflated by the Expo).

本記事のデータについて
• ADR(平均客室単価)=各施設がOTA上で公開する最安プラン水準(2名1室利用時・1室あたり料金・税込)に業態別の補正係数を適用して算出した推定成約単価(税抜相当)。上場ホテルREITが開示する物件別実績との照合(91施設・直近3ヶ月間)で誤差中央値は約7%。推定値であり、各施設の実際の成約価格・会計数値とは異なります。
• エリア(都道府県・市区町村)単位のADRは、対象施設の推定成約単価の中央値(エリアの標準的な施設の水準)です。
• 掲載価格に言及する箇所は、2名1室利用時の1室あたり料金(税込)です。
• OCC(稼働率)=エリア内の総客室数に対する販売済み客室数の割合(OTA販売在庫に基づく推定値)。
• 出典:メトロエンジンリサーチ(国内約168,000施設のOTA公開価格を継続追跡、うち稼働確認済み約27,000施設)
本稿の母集団と集計方法
• 対象:メトロエンジンリサーチが追跡する施設のうち、業態区分がビジネスホテルで、東京23区・大阪市・京都市・福岡市・札幌市・名古屋市・仙台市・広島市・神戸市・横浜市・那覇市に所在する3,525施設。このうち客室名に「ダブル」を含む客室(「セミダブル」「ツイン」を含む名称は除く)を2名1室利用で国内主要予約サイトに掲載していた1,620施設を集計した。
• 価格:施設×宿泊日ごとに、ダブル客室の全プランのうち最も安い掲載価格(1室あたり・税込)を1標本とし、チェックイン前の最終観測値を採用した。標本数は11都市合計で359,442施設×宿泊日。食事付きや早期割引を含むプラン構成は施設により異なる。
• 期間:2026年2月1日〜9月30日チェックイン分。前年比は2025年の同じ8ヶ月と、各月とも両年に掲載があった同一施設のみで比較した。
• 曜日:平日=月〜木曜チェックイン(祝日・祝前日を除く)、土曜=全土曜。金曜・日曜・祝日前は別区分として扱い、本稿の平日平均には含めない。
• シングル比:同一施設・同一宿泊日にシングル客室の1名利用とダブル客室の2名利用の両方の掲載があった組み合わせだけで倍率を求め、その平均をダブルプレミアムとした。
• 円ドル換算:1ドル=157円(2026年10月23日の東京外国為替市場17時時点156.95円を丸めた)。
Key Takeaways
  • — ¥16,000 — 主要11都市のビジネスホテル1,620施設、ダブル2名1室の平均掲載価格(2026年2〜9月・税込)。平日¥14,700・土曜¥22,700で、土曜は平日の1.55倍。
  • — 1.55倍 — 最高の東京23区¥19,127(N=575)と最低の大阪市¥12,371(N=264)の差。土曜/平日倍率は那覇市1.27倍〜仙台市1.98倍。
  • — −3.6% — 同一施設ベースの前年同期比。大阪市(−25.3%・万博会期の反動)を除く10都市では+0.9%で、那覇市は+15.6%。
  • — 1.30倍 — ダブル2名利用÷シングル1名利用(935施設・198,145組)。1名あたりはシングルの65%で、倍率はすべての都市で土曜のほうが小さい。
  • — +0.8〜5.5% — 土曜のダブル/シングル倍率を平日並みに戻した場合の土曜ダブルの上積み率(概算)。客室売上全体では、土曜ダブル売上の構成比5〜25%の仮定で+0.05〜1.25%(表7)。

都市別のダブル平均 — 東京23区¥19,100から大阪市¥12,400まで

まず都市別の水準を見る。2026年2〜9月のダブル平均が最も高かったのは東京23区の¥19,100(N=575施設)で、最も低い大阪市の¥12,400(N=264施設)との差は1.55倍だった。どの都市でも中央値は平均を下回っており、少数の高額日・高額施設が平均を押し上げる右に裾の長い分布である点は、ベンチマークとして使う際に留意したい。たとえば東京23区は平均¥19,100に対して中央値¥16,800、25%点¥12,600・75%点¥23,200と、施設間・日付間の幅が大きい。

曜日差はさらに都市ごとの性格を映す。土曜平均を平日平均で割った倍率は仙台市が1.98倍と最も大きく、那覇市の1.27倍が最も小さい。倍率の大きい都市はレジャーの2名需要が土曜に集中し、平日は出張需要が単価を支える二層構造であることを示す。一方で倍率の小さい都市は平日も土曜も需要の厚みが似ており、曜日よりもイベントや季節で単価が動くと読める。

表1 都市別のダブル平均・分位点・曜日別平均(2026年2〜9月、2名1室・税込)
都市対象施設数施設×宿泊日平均中央値25%点75%点平日平均土曜平均土曜/平日
東京23区575125,092¥19,127¥16,800¥12,600¥23,200¥18,135¥26,0491.44倍
大阪市26461,053¥12,371¥10,680¥8,550¥14,400¥11,283¥17,1831.52倍
京都市14831,818¥15,758¥12,750¥9,350¥18,500¥14,517¥21,1171.45倍
福岡市14933,033¥18,314¥15,510¥12,038¥22,000¥15,879¥28,7341.81倍
札幌市9621,030¥15,832¥14,000¥10,260¥19,262¥13,796¥23,0521.67倍
名古屋市11626,011¥13,589¥11,590¥9,020¥15,674¥12,108¥20,1451.66倍
仙台市5613,229¥12,703¥11,100¥8,640¥15,200¥10,802¥21,3941.98倍
広島市5412,352¥12,963¥11,304¥9,000¥15,120¥11,634¥18,9791.63倍
神戸市358,209¥13,497¥11,656¥9,540¥15,641¥11,702¥21,4451.83倍
横浜市5612,039¥14,593¥11,970¥9,976¥17,384¥12,456¥24,2961.95倍
那覇市7115,576¥12,839¥11,500¥9,350¥15,000¥12,007¥15,2131.27倍
11都市計1,620359,442¥16,012———¥14,656¥22,6681.55倍

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(2026年2〜9月チェックイン分、ダブル客室の各施設最安掲載価格・2名1室・税込。11都市計は施設×宿泊日の加重平均)

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(2026年2〜9月、ダブル客室の施設最安掲載価格・2名1室・税込、N=1,620施設)

前年同月差 — 同一施設で比べると11都市計−3.6%、都市ごとの向きは分かれる

次に前年との差を、各月とも両年に掲載があった同一施設だけで比べる。施設の入れ替わりの影響を除いたこのベースでは、11都市計のダブル平均は2025年2〜9月の¥16,700から2026年同期の¥16,100へ−3.6%となった。大阪市を除く10都市では+0.9%である。向きは都市で分かれ、福岡市・札幌市・名古屋市・仙台市・神戸市・横浜市・那覇市が前年を上回った一方、東京23区・大阪市・京都市・広島市は前年を下回っている。

最も伸びたのは那覇市の+15.6%で、平日+15.2%・土曜+16.7%と曜日を問わず単価が上がった。対照的に大阪市は−25.3%と大きく下回るが、これは2025年4〜10月に大阪・関西万博の会期が重なった前年の水準が高かったことによる基準年効果で、2026年の水準自体が崩れたわけではない。大阪市の月別推移を見ると、万博開幕前の2〜3月は−3.3%・−1.8%とほぼ前年並みで、会期に入った4月以降に−23.8%から−38.0%まで前年差が広がり、9月は−34.5%だった。2026年の大阪を評価するなら、万博会期の前年ではなく2024年を基準線に置くのが実務的である(大阪の確定9月、推定成約ADRはビジネス−34.0%・シティ−21.8%)。

東京23区は同一施設ベースで−1.4%とほぼ前年並みで、月別では4月が¥23,000で2026年の最高、8月が¥15,800で最低だった。月別の前年同月比は2〜5月が+11.7%から+5.2%のプラス圏、6月以降は−6.8%から−16.1%のマイナス圏と、上期と下期で向きが変わった。9月単月は−10.1%である。同じ9月の推定成約ADRはビジネスで+2.2%と前年を上回っており(東京の確定9月)、ダブル客室の最安掲載水準が前年を下回る一方で成約水準は保たれている、という読み方になる。最安掲載価格は販売初期の価格や広告的な低価格プランを含むため、成約単価より振れが大きい点は差し引いて読みたい。

名古屋市は9月に¥19,200と8月の¥11,800から大きく上がり、同一施設ベースの前年同月比は+47.2%に達した。9月19日から10月4日まで愛知・名古屋で開催されたアジア競技大会の期間が重なっており、大規模イベントが平日を含めてダブルの単価を押し上げた月といえる。

表2 同一施設ベースの前年同期比(2025年2〜9月→2026年2〜9月)
都市同一施設数(月平均)2025年2〜9月2026年2〜9月前年同期比平日 前年比土曜 前年比2026年9月 前年同月比
東京23区497¥19,680¥19,412-1.4%-1.5%+3.5%-10.1%
大阪市241¥16,647¥12,434-25.3%-26.2%-23.4%-34.5%
京都市126¥16,247¥15,676-3.5%-4.8%+0.0%-5.2%
福岡市128¥17,613¥18,408+4.5%+6.0%+2.9%-8.6%
札幌市84¥15,381¥15,946+3.7%+5.4%+2.9%+2.8%
名古屋市104¥12,648¥13,691+8.2%+8.8%+5.2%+47.2%
仙台市53¥12,540¥12,795+2.0%-0.3%+5.4%+3.9%
広島市47¥13,070¥12,985-0.7%-2.6%+3.1%-0.6%
神戸市33¥13,495¥13,600+0.8%-1.0%+4.2%+2.8%
横浜市46¥14,503¥14,610+0.7%+1.5%+0.1%-8.9%
那覇市61¥11,380¥13,160+15.6%+15.2%+16.7%+7.3%
11都市計—¥16,740¥16,138-3.6%———

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(同一施設ベース:各月とも両年に掲載があった施設のみで比較。11都市計は2026年の施設×宿泊日数で加重)

東京23区:月別ダブル平均(2025年 vs 2026年)
大阪市:月別ダブル平均(2025年 vs 2026年)

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(各年2〜9月、ダブル客室の施設最安掲載価格・2名1室・税込。東京23区N=575施設、大阪市N=264施設。月別平均は当該月に掲載があった全施設)

ダブルプレミアム — シングル1名利用に対してダブル2名利用は1.30倍

ここからは客室タイプ間の価格関係を見る。同一施設・同一宿泊日でシングル客室の1名利用とダブル客室の2名利用の両方が掲載されていた935施設・198,145組の倍率を平均すると、11都市計で1.30倍だった。1室料金ではダブルが30%高いが、1名あたりに直すとダブル2名利用はシングルの65%の水準にとどまる。2名で泊まる客にとってダブルは1名あたり35%安い選択肢であり、施設側から見れば、同じ客室面積の中でシングルを1名に売るよりダブルを2名に売るほうが1室あたりの収入を30%前後押し上げられる、という関係になる。

倍率は都市で1.25倍(横浜市)から1.36倍(仙台市)の範囲にあり、差は小さい。曜日別に見ると、倍率はすべての都市で平日のほうが土曜より大きい。たとえば神戸市では平日1.35倍に対して土曜1.28倍で、土曜はシングルの値上がり幅がダブルより大きく、両者の差が縮む。言い換えれば、土曜のダブルにはシングルの上げ幅に追随して値付けを上積みする余地が残っている。もうひとつ注目したいのは、ダブル客室を1名で利用する場合の価格で、シングル1名利用に対して1.13倍(広島市)から1.26倍(仙台市)と、どの都市でも13〜26%のプレミアムが付いている。シングルが満室に近づいた平日に、ダブルを1名用の上位カテゴリーとして販売する運用が、価格面でも成立していることを示す数字である。

表3 ダブル(2名)とシングル(1名)の価格倍率(同一施設・同一宿泊日のペア、2026年2〜9月)
都市ペア施設数シングル(1名)平均ダブル(2名)平均ダブル/シングル平日土曜ダブル1名利用/シングル
東京23区349¥14,151¥17,5421.28倍1.27倍1.24倍1.21倍(N=316)
大阪市139¥8,817¥11,3041.31倍1.31倍1.30倍1.18倍(N=119)
京都市71¥11,130¥14,1551.32倍1.32倍1.29倍1.16倍(N=68)
福岡市74¥12,408¥16,0421.32倍1.32倍1.30倍1.22倍(N=71)
札幌市53¥11,759¥14,9931.30倍1.30倍1.27倍1.18倍(N=48)
名古屋市78¥9,704¥12,7771.34倍1.35倍1.30倍1.20倍(N=68)
仙台市40¥8,840¥11,6631.36倍1.36倍1.34倍1.26倍(N=37)
広島市40¥9,360¥12,3191.35倍1.34倍1.32倍1.13倍(N=35)
神戸市23¥9,732¥12,6271.34倍1.35倍1.28倍1.24倍(N=20)
横浜市36¥10,801¥13,1931.25倍1.26倍1.20倍1.18倍(N=36)
那覇市32¥9,126¥11,2331.29倍1.29倍1.28倍1.13倍(N=28)
11都市計935——1.30倍———

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(2026年2〜9月。同一施設・同一宿泊日にシングル1名利用とダブル2名利用の両方の掲載があった組み合わせのみで倍率を算出し平均)

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(2026年2〜9月、同一施設・同一宿泊日のペアで算出、N=935施設・198,145組)

ツイン・セミダブルとの位置関係 — ツインはダブルの1.0〜1.1倍、セミダブルはほぼ同水準かやや下

ダブルの位置をほかの2名客室と比べると、ツイン(2名利用)は同一施設・同一日のペアでダブルの1.01〜1.12倍と、わずかに高い水準で並ぶ。ベッド2台ぶんの客室面積が価格に反映されている一方、差は1割以内に収まる都市がほとんどで、ダブルとツインを同一価格帯で運用する施設が多いことがうかがえる。セミダブル(2名利用)はダブルに対して0.91〜1.07倍で、都市によってはダブルと変わらないか、むしろ上回る。セミダブルを2名で売る場合の価格は「ダブルの廉価版」ではなく、同じ2名需要を受ける並列のカテゴリーとして値付けされているとみてよい。

表4 ツイン・セミダブルとダブルの価格倍率(同一施設・同一宿泊日のペア、2026年2〜9月)
都市ツイン/ダブルペア施設数セミダブル/ダブルペア施設数セミダブル平均(2名)ツイン平均(2名)
東京23区1.06倍5090.98倍146¥16,779¥20,162
大阪市1.03倍2570.96倍43¥10,328¥12,517
京都市1.01倍1411.07倍16¥13,141¥16,807
福岡市1.09倍1290.99倍31¥14,770¥19,088
札幌市1.03倍910.96倍28¥13,985¥16,626
名古屋市1.12倍1091.00倍31¥12,111¥15,075
仙台市1.05倍520.94倍26¥10,940¥13,235
広島市1.08倍501.01倍9¥10,438¥13,420
神戸市1.06倍330.92倍9¥11,034¥13,739
横浜市1.05倍540.93倍14¥13,037¥15,470
那覇市1.04倍630.91倍9¥9,463¥13,390

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(2026年2〜9月。倍率は同一施設・同一宿泊日のペアで算出。平均は各客室タイプの施設最安掲載価格・2名1室・税込)

稼働率との照合 — 観光庁統計でビジネスホテルは2026年8月75.7%、都道府県では北海道・東京が8割超

価格の背景として稼働率を観光庁「宿泊旅行統計調査」で確認しておく。2026年8月(第1次速報)の客室稼働率はビジネスホテルが75.7%(前年同月差−0.7pt)で施設タイプ別の最高、シティホテル72.3%(同−3.0pt)、全体では64.4%(同−1.3pt)だった。7月(第2次速報)の都道府県別ビジネスホテル稼働率では、11都市の所在道府県のうち北海道83.0%、東京都81.9%、神奈川県81.2%、兵庫県80.5%が8割を超え、ダブル平均で上位の東京23区・福岡市(福岡県79.0%)・札幌市は稼働でも上位にある。一方で京都市は京都府の稼働が76.7%(13位)と中位ながら単価は4番目に高く、大阪市は大阪府76.0%で単価が11都市中で最も低い。愛知県は69.2%と11都市の中で最も低く、名古屋市のダブル平均が年間では抑えられている背景として整合的だが、9月はアジア競技大会で局面が変わった。なお観光庁は2026年1月調査から標本の層化基準を従業者数から客室数に変更しており、稼働率の前年差には見直しの影響が含まれる可能性があると注記している。

表5 所在都道府県のビジネスホテル客室稼働率(観光庁・2026年7月第2次速報)とダブル平均
都市都道府県ビジネスホテル客室稼働率(2026年7月)全国順位ダブル平均(本稿・2026年2〜9月)
東京23区東京都81.9%3位¥19,127
大阪市大阪府76.0%16位¥12,371
京都市京都府76.7%13位¥15,758
福岡市福岡県79.0%8位¥18,314
札幌市北海道83.0%1位¥15,832
名古屋市愛知県69.2%29位¥13,589
仙台市宮城県76.2%14位¥12,703
広島市広島県73.6%19位¥12,963
神戸市兵庫県80.5%5位¥13,497
横浜市神奈川県81.2%4位¥14,593
那覇市沖縄県79.5%6位¥12,839

出典:観光庁「宿泊旅行統計調査」2026年7月(第2次速報)都道府県別宿泊施設タイプ別客室稼働率/ダブル平均はメトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

運営者・投資家への示唆 — 曜日差とタイプ差を収益機会として読む

まず運営者にとっての機会は曜日差の設計にある。11都市計で土曜は平日の1.55倍だが、都市別には1.27倍から1.98倍まで幅がある。この曜日プレミアムの幅が施設のNOIにどれだけ効くかは、土曜は火曜の1.8倍か1.2倍か — 8道府県2,153施設の曜日プレミアムとNOIの振れ幅で試算している。自施設の土曜/平日倍率を同じ都市の平均と並べると、土曜の2名需要に対して値付けを上積みできる余地が見えてくる。たとえば土曜倍率が都市平均を下回る施設は、ダブルの土曜価格を段階的に引き上げても相対的な競争力を保てる可能性が高い。

曜日とタイプを掛け合わせると、土曜のダブルプレミアムが平日より縮むという事実が機会になる。土曜はシングルの上げ幅が大きいため、ダブルを同じ幅で上げても相対的な割高感は生まれにくい。2名需要が厚い土曜にダブルの上げ幅をシングル並みにそろえる、つまり土曜のダブル/シングル倍率を平日の倍率に戻すと、土曜のダブル1室あたりの収入は都市により約0.8〜5.5%押し上がる計算になる(表6)。上積み率が大きいのは土曜に倍率が大きく縮む神戸市(+5.5%)と横浜市(+5.0%)で、大阪市と那覇市は+0.8%と余地が小さい。

表6 土曜のダブル/シングル倍率を平日並みに戻した場合の土曜ダブル上積み率(概算)
都市平日 ダブル/シングル土曜 ダブル/シングル土曜ダブルの上積み率土曜ダブル平均(表1)上積み額の目安
東京23区1.27倍1.24倍+2.4%¥26,049約¥630
大阪市1.31倍1.30倍+0.8%¥17,183約¥130
京都市1.32倍1.29倍+2.3%¥21,117約¥490
福岡市1.32倍1.30倍+1.5%¥28,734約¥440
札幌市1.30倍1.27倍+2.4%¥23,052約¥540
名古屋市1.35倍1.30倍+3.8%¥20,145約¥770
仙台市1.36倍1.34倍+1.5%¥21,394約¥320
広島市1.34倍1.32倍+1.5%¥18,979約¥290
神戸市1.35倍1.28倍+5.5%¥21,445約¥1,170
横浜市1.26倍1.20倍+5.0%¥24,296約¥1,210
那覇市1.29倍1.28倍+0.8%¥15,213約¥120

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(表3の平日・土曜倍率から算出。上積み率=平日倍率÷土曜倍率−1。倍率は小数第2位で丸めた値のため±1pt程度の幅がある。上積み額は表1の全施設の土曜平均に掛けた目安)

ただし、上積みが客室売上全体に与える効果は、土曜のダブルが売上に占める割合で薄まる。表7は上積み率と土曜ダブル売上の構成比を掛け合わせた押し上げ幅で、たとえば上積み3%・構成比15%なら客室売上全体では+0.45%にとどまる。土曜ダブルの値付けは単独では小さな改善であり、後述のダブル1名販売や曜日差の設計と組み合わせて積み上げる施策と位置づけるのが現実的である。

表7 客室売上全体の押し上げ幅(試算)— 土曜ダブルの上積み率 × 土曜ダブル売上の構成比
上積み率 \ 土曜ダブル売上の構成比5%10%15%20%25%
+1%+0.05%+0.10%+0.15%+0.20%+0.25%
+2%+0.10%+0.20%+0.30%+0.40%+0.50%
+3%+0.15%+0.30%+0.45%+0.60%+0.75%
+4%+0.20%+0.40%+0.60%+0.80%+1.00%
+5%+0.25%+0.50%+0.75%+1.00%+1.25%

出典:ホテルバンク編集部試算(客室売上全体の押し上げ幅=上積み率×土曜ダブル売上の構成比。販売室数は上積み前後で変わらないと仮定。構成比は施設ごとに異なるため5〜25%の幅で示した)

次にダブルの1名販売である。シングル1名利用に対してダブル1名利用は1.13〜1.26倍で売れており、出張需要が集中する平日にシングルの在庫が尽きた後の受け皿として、ダブルを上位カテゴリーで販売することは価格面でも成立している。シングル比率の高い施設では、ダブルを「2名の部屋」と固定せず、1名向けの広めの客室として平日に売る設計が収益機会になる。

投資家の視点では、都市間の水準差と前年差を分けて読みたい。水準では東京23区と大阪市で1.55倍の開きがあり、ドル換算ではUS$120とUS$80に相当する。前年差では大阪市の−25.3%が目立つが、これは万博会期という前年の特殊要因の反動であり、2024年との比較で評価すべき局面にある。逆に那覇市の+15.6%は平日・土曜の双方で伸びており、需要の裾野が広がっている都市として注目できる。ダブル客室の比率が高い施設は、2名需要が厚い土曜と1名需要の平日の両方を同じ客室で取り込めるため、客室構成を評価する際の着眼点になる。

よくある質問

Q. 日本のビジネスホテルのダブルルームは2026年にいくらでしたか。
主要11都市のビジネスホテル1,620施設の集計では、2026年2〜9月の平均は1室¥16,000(2名利用・税込、約US$100)です。都市別では東京23区が最も高く¥19,100、大阪市が最も低く¥12,400でした。

Q. 平日と土曜でどのくらい差がありますか。
11都市計で平日(月〜木)が¥14,700、土曜が¥22,700と、土曜は平日の1.55倍です。差が最も大きい仙台市では1.98倍、最も小さい那覇市では1.27倍でした。

Q. シングルルームと比べるとどのくらい高いですか。
同じ施設・同じ日で比べると、ダブル2名利用はシングル1名利用の1.30倍です。1名あたりではダブルのほうが35%ほど安くなります。ダブルを1名で利用する場合はシングルの1.13〜1.26倍です。

Q. 前年と比べて上がりましたか。
同一施設ベースの11都市計では−3.6%、大阪市を除く10都市では+0.9%です。大阪市は万博会期だった2025年の反動で−25.3%となっており、都市によって向きが分かれています。

Q. ツインやセミダブルはダブルより高いですか。
同じ施設・同じ日で比べると、ツイン(2名利用)はダブルの1.01〜1.12倍とわずかに高く、セミダブル(2名利用)は0.91〜1.07倍とほぼ同水準かやや下です。差はおおむね1割以内に収まります。

Q. 土曜のダブルはどのくらい値上げの余地がありますか。
土曜のダブル/シングル倍率を平日の倍率に戻すと仮定した概算では、土曜のダブル1室あたりの収入は都市により約0.8〜5.5%押し上がります。客室売上全体への効果は土曜ダブル売上の構成比で薄まり、上積み3%・構成比15%なら+0.45%です。

まとめ

2026年2〜9月の主要11都市ビジネスホテルのダブルルームは、平均¥16,000・平日¥14,700・土曜¥22,700という水準にあり、同一施設ベースの前年同期比は−3.6%、大阪市を除けば+0.9%だった。都市別には東京23区が最も高く大阪市が最も低い。シングル1名利用に対するダブル2名利用の倍率は1.30倍で、都市による差は小さい。運営の実務では、自施設の土曜/平日倍率とシングル/ダブル倍率を本稿の都市平均と並べることで、曜日とタイプの値付けに残る機会を具体的な数字で確認できるだろう。

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参考資料・出典一覧

■ データソース

メトロエンジンリサーチが継続追跡するOTA公開価格のうち、業態区分がビジネスホテルで主要11都市(東京23区・大阪市・京都市・福岡市・札幌市・名古屋市・仙台市・広島市・神戸市・横浜市・那覇市)に所在する3,525施設の掲載価格(2025年2〜9月・2026年2〜9月チェックイン分)。客室名から「ダブル」「セミダブル」「ツイン」「シングル」を判別し、施設×宿泊日ごとの最安掲載価格(1室あたり・税込、チェックイン前の最終観測値)を1標本とした。稼働率は観光庁「宿泊旅行統計調査」(2026年8月第1次速報・7月第2次速報)。

■ 試算前提

平日=祝日・祝前日を除く月〜木曜、土曜=全土曜。前年比は各月とも両年に掲載があった同一施設のみで比較。ダブル/シングル倍率は同一施設・同一宿泊日のペアごとの倍率の平均。表6の上積み率は表3の平日倍率÷土曜倍率−1、表7は上積み率×土曜ダブル売上の構成比(5〜25%の仮定)で、販売室数は上積み前後で変わらないとした。円ドル換算は1ドル=157円。

■ 限界・留意点

最安掲載価格は販売初期の価格や広告的な低価格プランを含み、成約単価・会計上のADRとは一致しない。ダブル/シングル倍率はペアごとの倍率の平均のため、表3の平均価格同士の比(1.22〜1.32倍)とは一致しない。セミダブルのペア施設数は京都市16・広島市9・神戸市9・那覇市9と少なく参考値。2026年1月は掲載データの取得件数が平常月の6割未満だったため集計から除いた。観光庁の稼働率は都道府県単位・単月(7月)で、都市単位・2〜9月の価格とは対象と期間が異なる。同調査は2026年1月から層化基準を客室数に変更している。表6・表7は表示倍率からの概算であり、需要の価格弾力性は考慮していない。

■ 市場データ

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