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北海道の食事プレミアム、朝食はシティ+20.5%・ビジネス+10.6% — スキー期前に見直す2食付の段差設計

投稿日 : 2026.10.28

北海道

エリア・施設分析

レベニューマネジメント

北海道の食事プレミアム、朝食はシティ+20.5%・ビジネス+10.6% — スキー期前に見直す2食付の段差設計

同一ホテル内で素泊まりと朝食付の両方を販売している施設だけを並べると、北海道の2026年10月宿泊分の朝食プレミアムはシティホテルが+20.5%(N=49)、ビジネスホテルが+10.6%(N=197)、リゾートホテルが+8.3%(N=48)だった。シティの朝食段差は、ペア施設が10軒以上ある31都道府県の中で5番目に高く、その中央値14.4%を6.1pt上回る。一方で朝食付から2食付への段差は、ビジネスが+23.8%(N=44)と全国の中央値26.7%を下回る位置にとどまった。5〜10月の推移をたどると、円で見た差額はほぼ動かず、客室価格が高い夏ほど率が縮む「定額型」の動きも見えてくる。本稿はこの3つの事実をもとに、推定成約ADRが夏と並ぶ山を迎える冬(スキー期)を前に、プランの段差を率で置くか額で置くかを考える。

対象: 北海道のシティホテル・ビジネスホテル・リゾートホテル(旅館は対象外)。食事プレミアムは同一ホテル内ペア比較で、2026年10月宿泊分のペア施設数はN=26〜197施設。本記事の価格指標は推定成約ADR(OTA等の販売データから推定される成約価格水準・税抜相当、シティN=69〜75・ビジネスN=346〜441・リゾートN=120〜147施設)。定義は記事末尾。データ時点: 2026年10月26日(食事プレミアムは2026年10月2日集計)。

本記事のデータについて
• ADR(平均客室単価)=各施設がOTA上で公開する最安プラン水準(2名1室利用時・1室あたり料金・税込)に業態別の補正係数を適用して算出した推定成約単価(税抜相当)。上場ホテルREITが開示する物件別実績との照合(91施設・直近3ヶ月間)で誤差中央値は約7%。推定値であり、各施設の実際の成約価格・会計数値とは異なります。
• エリア(都道府県・市区町村)単位のADRは、対象施設の推定成約単価の中央値(エリアの標準的な施設の水準)です。
• 掲載価格に言及する箇所は、2名1室利用時の1室あたり料金(税込)です。
• OCC(稼働率)=エリア内の総客室数に対する販売済み客室数の割合(OTA販売在庫に基づく推定値)。
• 出典:メトロエンジンリサーチ(国内約168,000施設のOTA公開価格を継続追跡、うち稼働確認済み約27,000施設)
Key Takeaways
  • — 北海道の朝食プレミアム(2026年10月宿泊分)はシティ+20.5%・ビジネス+10.6%・リゾート+8.3%。シティはペア施設10軒以上の31都道府県で5番目に高い。
  • — 朝食付→2食付の上乗せはビジネス+23.8%(38都道府県中30番目)、シティ+30.6%と全国中央値に届かず、夕食側に見直しの余地がある。
  • — 5〜10月の朝食の差額はシティ¥4,800〜¥5,700・ビジネス¥1,800〜¥2,000とほぼ定額。推定成約ADRが冬の山を迎える2月は、差額据え置きなら段差が率で最も薄くなる。

北海道の朝食段差 — シティは全国上位、リゾートは率が小さくても全国では高い側

まずは計測方法を確認しておきたい。本稿の食事プレミアムは、同じホテルが素泊まりプランと朝食付プランの両方を販売している場合に限って両者を比べた「同一ホテル内の差額(率)」である。食事付プランを出す施設と出さない施設を混ぜて平均すると、食事の価値ではなく施設の格の差を拾ってしまうため、ペアがそろう施設だけに絞っている。料金はいずれも大人2名で1室を利用する条件で比べた。

この方法で北海道の2026年10月宿泊分を集計すると、朝食付の段差はシティホテルが+20.5%(N=49)に対し、ビジネスホテルは+10.6%(N=197)、リゾートホテルは+8.3%(N=48)と、業態によって倍以上の開きがあった。素泊まりから2食付までの段差はシティ+57.6%(N=27)、リゾート+44.8%(N=43)、ビジネス+36.8%(N=44)となる。2食付の段差を「朝食付からの上乗せ」で見ると、シティ+30.6%(N=26)とリゾート+30.2%(N=44)がほぼ並び、ビジネスは+23.8%(N=44)にとどまった。

表1 北海道の業態別プラン段差(2026年10月宿泊分・同一ホテル内ペア比較)
プランの段差(2026年10月宿泊分)シティホテルビジネスホテルリゾートホテル
素泊まり → 朝食付+20.5%(N=49)+10.6%(N=197)+8.3%(N=48)
朝食付 → 2食付+30.6%(N=26)+23.8%(N=44)+30.2%(N=44)
素泊まり → 2食付+57.6%(N=27)+36.8%(N=44)+44.8%(N=43)
素泊まり → 夕食のみ+34.4%(N=8)+14.0%(N=22)+21.3%(N=18)

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(N=段差ごとのペア施設数)

ただし、リゾートの+8.3%を「朝食の値付けが弱い」と読むのは早い。全国と並べると、リゾートホテルの朝食段差はペア施設が10軒以上ある13都道府県の中央値が3.2%で、北海道はその中で3番目に高い水準にある。リゾートは素泊まりの段階で客室価格が高く、同じ額の朝食を乗せても率は小さく見えやすい。業態ごとの物差しを分けて読む必要があるのは、このためだといえる。業態をまたいだ朝食段差の都道府県別の分布は、朝食プレミアム全国47都道府県 — ビジネス中央値9.9%・シティ14.45%、業態をまたぐと順位は入れ替わるで詳しく分析している。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(2026年10月宿泊分。「2食付」は朝食付からの上乗せ率。中央値はペア施設10軒以上の都道府県)

他県と並べる — 朝食で厚く取り、夕食の段差は全国並みかやや控えめ

次に、同じ手法の数値を主要都市圏・観光地と並べてみる。朝食付の段差について、北海道のシティ+20.5%(N=49)は東京都の+13.3%(N=64)や大阪府の+14.4%(N=57)を大きく上回り、比較した7道府県の中では沖縄県の+23.5%(N=8)に次ぐ水準だった。ビジネスでも北海道は+10.6%(N=197)と、東京都+9.0%(N=354)・福岡県+7.7%(N=144)より厚い。スキー目的地として比べたい長野県は、ビジネス+4.2%(N=79)、リゾート+5.0%(N=38)と北海道より薄かった。

ところが朝食付から2食付への段差になると、順位が入れ替わる。ビジネスの北海道+23.8%(N=44)は、大阪府+29.6%(N=24)、福岡県+29.2%(N=52)、京都府+28.6%(N=16)を下回り、ペア施設10軒以上の38都道府県の中では30番目の位置にあった。シティの+30.6%(N=26)も、17都道府県の中央値32.9%にわずかに届かない。リゾートだけは+30.2%(N=44)と13都道府県の中央値26.1%を上回り、長野県+25.2%(N=39)、沖縄県+19.8%(N=65)よりも厚い段差を付けている。リゾートの比重が大きい沖縄の段差の作り方については、沖縄の食事プレミアム、ビジネス朝食+12.9%・リゾート+7.4%が掘り下げている。

表2 朝食付・2食付の段差を7道府県と都道府県中央値で比較(2026年10月宿泊分)
都道府県(2026年10月宿泊分)シティ 朝食付ビジネス 朝食付リゾート 朝食付シティ 2食付ビジネス 2食付リゾート 2食付
北海道+20.5%(N=49)+10.6%(N=197)+8.3%(N=48)+30.6%(N=26)+23.8%(N=44)+30.2%(N=44)
東京都+13.3%(N=64)+9.0%(N=354)—+20.8%(N=26)+12.3%(N=38)—
大阪府+14.4%(N=57)+9.9%(N=162)—+26.5%(N=21)+29.6%(N=24)—
京都府+13.6%(N=29)+12.9%(N=70)—+24.6%(N=22)+28.6%(N=16)—
福岡県+15.2%(N=30)+7.7%(N=144)—+23.6%(N=18)+29.2%(N=52)—
沖縄県+23.5%(N=8)+12.9%(N=75)+7.4%(N=88)—+24.4%(N=14)+19.8%(N=65)
長野県+9.5%(N=12)+4.2%(N=79)+5.0%(N=38)+39.8%(N=9)+24.7%(N=21)+25.2%(N=39)
都道府県中央値+14.4%(31都道府県)+9.8%(47都道府県)+3.2%(13都道府県)+32.9%(17都道府県)+26.7%(38都道府県)+26.1%(13都道府県)

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(「2食付」は朝食付からの上乗せ率。中央値はペア施設10軒以上の都道府県で算出。—はペア施設なし)

ここまでを整理すると、北海道は「朝食で厚く取り、夕食の上乗せは全国並みかやや控えめ」という構図になる。シティで朝食段差が厚いのは、朝食を滞在価値の中心に据えて訴求する施設が多いことの表れと読める。裏を返せば、ビジネスやシティの2食付にはまだ段差を設計し直す余地が残っている、と考えることもできるだろう。

5〜10月の推移 — 差額はほぼ一定、率は客室価格の山で縮む

冬の段差設計を考えるうえで最も示唆が大きいのが、月ごとの動きである。北海道のシティホテルの朝食段差は、5〜10月の6か月間で+16.7%から+20.5%の幅に収まり、最も低かったのは客室価格が高い7月(+16.7%、N=50)だった。ビジネスも同じく7月の+8.9%(N=199)が底で、5月の+12.2%(N=195)が最も高い。

背景にあるのは、円で見た差額がほとんど動かないことだ。シティの朝食の差額は同じ6か月間でおおむね¥4,800〜¥5,700、ビジネスは¥1,800〜¥2,000の範囲に収まっていた。差額が一定のまま素泊まり側の価格が夏に上がれば、率は自然に縮む。つまり北海道の施設の多くは、朝食を「客室価格に比例する率」ではなく「ほぼ定額の上乗せ」で値付けしていると読める。2食付の上乗せも同じ動きで、リゾートは8月の+23.3%(N=44)が底、10月は+30.2%(N=44)まで戻った。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(素泊まり→朝食付の上乗せ率。2026年5〜10月宿泊分、N=47〜199施設)

表3 北海道の業態別プラン段差の月次推移(2026年5〜10月宿泊分・上乗せ率と差額)
段差(2026年宿泊分)5月6月7月8月9月10月
シティ 朝食付+19.1%
¥4,793(N=48)
+19.5%
¥5,337(N=50)
+16.7%
¥5,310(N=50)
+18.3%
¥5,671(N=50)
+18.1%
¥5,265(N=49)
+20.5%
¥5,417(N=49)
ビジネス 朝食付+12.2%
¥1,903(N=195)
+10.2%
¥1,819(N=198)
+8.9%
¥1,861(N=199)
+9.3%
¥1,951(N=196)
+9.8%
¥1,935(N=196)
+10.6%
¥1,869(N=197)
リゾート 朝食付+5.2%
¥1,696(N=47)
+7.7%
¥2,738(N=50)
+7.6%
¥2,980(N=51)
+7.8%
¥3,105(N=51)
+8.5%
¥3,054(N=50)
+8.3%
¥2,640(N=48)
シティ 2食付(朝食付から)+32.0%
¥9,915(N=25)
+29.9%
¥10,378(N=26)
+27.1%
¥10,881(N=27)
+26.9%
¥10,687(N=27)
+29.9%
¥10,931(N=26)
+30.6%
¥10,434(N=26)
ビジネス 2食付(朝食付から)+27.8%
¥4,683(N=50)
+25.7%
¥5,071(N=49)
+22.9%
¥5,152(N=46)
+21.7%
¥5,046(N=43)
+21.4%
¥4,641(N=44)
+23.8%
¥4,711(N=44)
リゾート 2食付(朝食付から)+31.2%
¥11,135(N=41)
+27.1%
¥10,686(N=44)
+24.3%
¥10,520(N=44)
+23.3%
¥10,391(N=44)
+27.7%
¥11,047(N=45)
+30.2%
¥11,171(N=44)

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(上段=上乗せ率、下段=同一ホテル内の差額。大人2名で1室を利用する条件の1室あたり)

リゾートの朝食だけは、5月の差額が¥1,700前後と小さく、6月以降は¥2,600〜¥3,100の範囲で推移した。ペアの顔ぶれが月ごとに少しずつ入れ替わる点を踏まえても、夏の繁忙期に向けて朝食の額そのものを引き上げた施設があったと考えられる。定額型が主流の中で、リゾートは季節に合わせて額を動かす施設が混じる業態といえそうだ。

冬の推定成約ADR — 冬は2月が山、昨冬はシティが前年を大きく上回った

では、冬の客室価格はどう動くのか。推定成約ADRの確定値で昨冬(2025年12月〜2026年2月)を見ると、シティホテルは12月が¥13,600(N=74)で前年同月比+24.6%、1月が¥14,700(N=75)で+29.4%と大きく伸び、2月は¥18,200(N=75)で+4.4%だった。リゾートホテルは2月が¥19,000(N=134)で前年同月比+0.1%と横ばいながら、12月¥18,600(N=135)・1月¥19,100(N=128)と冬の3か月を通じて高い水準を保っている。ビジネスホテルは2月が¥8,800(N=441)で+8.1%だった。

今冬(2026年12月〜2027年2月)については、現時点の販売状況に基づく推定で、シティの2月が¥20,200(N=69)、リゾートの2月が¥21,800(N=120)と、いずれも現時点推定の各月の中で最も高い。これらは月末にかけて変動し得る推定値であり、昨冬の確定値との単純比較は各月の確定を待ちたい。それでも、冬の中では2月が客室価格の山になるという形は、シティの確定値(昨冬は2月の¥18,200が冬の3か月で最も高い)と現時点推定の双方で共通している。リゾートは昨冬の確定値でも1〜2月が¥19,000前後と、夏の山(2025年8月¥20,700、N=141)に迫る水準だった。シティとビジネスの確定値の推移と冬季価格の論点は、北海道のシティ確定9月+0.1%・ビジネス+8.9% — 推定成約ADRと冬季価格の論点も参考になる。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(北海道リゾートホテルの推定成約ADR・税抜相当、N=120〜147施設。実線=確定、点線=現時点の販売状況に基づく推定)

表4 北海道の業態別 冬季の推定成約ADR(2024-25冬〜2026-27冬・税抜相当)
業態・冬季12月1月2月
シティ 2024-25冬(確定)¥10,931(N=75)¥11,324(N=75)¥17,410(N=75)
シティ 2025-26冬(確定・前年同月比)¥13,622(N=74)+24.6%¥14,658(N=75)+29.4%¥18,171(N=75)+4.4%
シティ 2026-27冬(現時点推定)¥14,278(N=74)¥14,428(N=72)¥20,229(N=69)
ビジネス 2024-25冬(確定)¥6,877(N=422)¥7,057(N=425)¥8,112(N=425)
ビジネス 2025-26冬(確定・前年同月比)¥7,518(N=425)+9.3%¥8,074(N=430)+14.4%¥8,769(N=441)+8.1%
ビジネス 2026-27冬(現時点推定)¥11,076(N=388)¥11,511(N=360)¥13,894(N=346)
リゾート 2024-25冬(確定)¥17,379(N=129)¥18,842(N=128)¥19,011(N=127)
リゾート 2025-26冬(確定・前年同月比)¥18,585(N=135)+6.9%¥19,096(N=128)+1.3%¥19,026(N=134)+0.1%
リゾート 2026-27冬(現時点推定)¥18,254(N=130)¥19,950(N=123)¥21,775(N=120)

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(推定成約ADR・税抜相当。前年同月比は確定月同士のみ。現時点推定は変動し得るため、確定値との単純比較は月末の確定を待つ。ビジネスの2026-27冬の現時点推定は12月¥11,076と昨冬確定¥7,518を大きく上回る水準にあり、確定までの変動幅が大きい前提で参照する)

前節の「定額型」と重ね合わせると、冬の論点がはっきりする。夏に客室価格が上がった月に朝食の率が縮んだのと同じ理屈で、2月のように客室価格が冬の山を迎える月に朝食や夕食の差額を据え置けば、プラン間の段差は率で見て薄くなる。それが意図した設計なのか、単に夏から引き継いだ設定なのかを、冬の販売が本格化する前に確かめておく価値はありそうだ。

北海道のホテルを運営するレベニューマネージャーへ — スキー期前の示唆とアクションプラン

示唆1: 自館の段差を「率」と「額」の両方で書き出す。北海道の朝食段差はシティ+20.5%(N=49)、ビジネス+10.6%(N=197)、リゾート+8.3%(N=48)が業態ごとの目安になる。自館の素泊まりと朝食付の差を率に直して業態の目安と並べると、厚すぎるのか薄すぎるのかが一目で分かる。額だけを見ていると、客室価格が動く月に段差の厚みが変わっていることに気づきにくい。

示唆2: 冬は「定額のまま率が縮む」季節になる。5〜10月の推移では差額がほぼ一定で、客室価格が高い7〜8月に率が下がった。推定成約ADRは冬の中では2月が最も高くなるため、夏と同じ構造なら冬の段差は2月に率で見て最も薄くなる。率を守るのか、額を守るのかを、月ごとに意図して選びたい。

示唆3: 2食付の上乗せは、ビジネスとシティに見直しの余地がある。朝食付から2食付への上乗せは、ビジネス+23.8%(N=44)が38都道府県の中央値26.7%を下回り、シティ+30.6%(N=26)も中央値32.9%にわずかに届かない。夕食の原価や提供体制と照らし合わせたうえで、冬の夕食需要に合わせて段差を設計し直す余地があるといえる。

示唆4: リゾートは率の低さを弱さと読まない。リゾートの朝食段差+8.3%は全国の中央値3.2%より高い位置にある。客室価格の水準が高い業態では、率で他業態と比べるより、同じ業態の物差しで自館を見るほうが判断を誤りにくい。

表5 スキー期前のアクションプラン(時期・打ち手・判断のきっかけ)
時期打ち手判断のきっかけ(記事中の数値)狙い
今週12〜2月の素泊まり・朝食付・2食付の段差を、月別に率と額で一覧にする自館の朝食段差が業態の目安(シティ+20.5%・ビジネス+10.6%・リゾート+8.3%)から大きく離れている場合夏から引き継いだ設定と、冬に意図した設定を切り分ける
今週2月の客室価格を前提に、朝食段差が率で何%になるかを試算する2月の推定成約ADRがシティ¥20,229・リゾート¥21,775(現時点推定)と冬の山にあること定額の差額のままで段差が薄くなりすぎないかを確かめる
2週間以内2食付の上乗せを、夕食の原価と提供能力から見直す自館の2食付の上乗せがビジネスの中央値26.7%、シティの中央値32.9%を下回っている場合冬の夕食需要に見合う段差を付けられるか検討する
2週間以内12月・1月・2月で朝食の差額を変えるかどうかを決める5〜10月の差額がシティ¥4,800〜¥5,700、ビジネス¥1,800〜¥2,000とほぼ一定だった市場の傾向率を守る月と額を守る月を、意図して使い分ける
12月に向けて販売中の冬季プランについて、各月の段差を率で定点確認する客室価格を改定したのに食事の差額が据え置かれている月がある場合価格改定のたびに段差が意図せず崩れるのを防ぐ
12月に向けて各月が確定したら、推定成約ADRの前年同月比と自館の段差設計を照らし合わせる昨冬の確定値でシティの12月+24.6%・1月+29.4%と伸びが大きかったこと翌シーズンの段差設計に向けた自館の物差しを作る

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

まとめ — 段差を読む3つの物差し

本稿のデータは、プランの段差を考えるうえで再利用できる3つの物差しにまとめられる。1つ目は業態別の水準で、北海道の朝食段差はシティ+20.5%(N=49)、ビジネス+10.6%(N=197)、リゾート+8.3%(N=48)が目安になる。2つ目は全国との相対位置であり、北海道は朝食の段差が厚い一方、2食付の上乗せはビジネスとシティで全国の中央値を下回っていた。3つ目は季節との関係で、差額がほぼ一定のまま客室価格が動くため、価格の山ほど段差は率で薄くなる。

推定成約ADRが2月に山を迎える冬は、この3つ目の物差しが最も効いてくる季節だ。スキー期の販売が本格化する前に、自館の段差が率と額のどちらで設計されているのかを点検しておきたい。

よくある質問

Q. 食事プレミアムはどのように計算していますか。
A. 同じホテルが素泊まりと朝食付(または朝食付と2食付)の両方のプランを販売している場合に限り、両者を比べた上乗せ率です。大人2名で1室を利用する条件で比べています。

Q. リゾートホテルの朝食段差が小さいのはなぜですか。
A. 客室価格の水準が高いため、同じ程度の額を上乗せしても率は小さく出ます。全国のリゾートホテルと比べると、北海道の+8.3%は高い側に位置しています。

Q. 冬の推定成約ADRはこのまま確定しますか。
A. 2026年12月以降の値は現時点の販売状況に基づく推定で、販売の進み方によって変わり得ます。各月の確定後にあらためて確認することをおすすめします。

データについて

表6 本記事のデータ定義と対象
項目内容
食事プレミアム同一ホテル内での素泊まりと朝食付(または朝食付と2食付など)の差額を、上乗せ率で示したもの。両方の食事タイプを販売するホテルだけをペアとして比較し、大人2名で1室を利用する条件で集計した。旅館は対象外。N=は各段差のペア施設数(2026年10月宿泊分でシティ8〜49、ビジネス22〜197、リゾート18〜48施設)。都道府県中央値はペア施設10軒以上の都道府県で算出した。
推定成約ADROTA等の販売データ(最安プラン水準×業態別係数・複数チャネルのアンサンブル)から推定した成約価格水準(税抜相当)。過去月は確定値、現在・未来月は現時点の販売状況に基づく推定値。公表運営実績との照合で誤差中央値6.6%。前年同月比は確定月同士でのみ算出した。
対象N推定成約ADR(北海道。シティホテル・ビジネスホテルは表4の各冬12〜2月、リゾートホテルは2024年12月〜2027年3月の各月): シティホテルN=69〜75施設、ビジネスホテルN=346〜441施設、リゾートホテルN=120〜147施設(月ごとの施設数は表中に記載)。
データ時点2026年10月26日(食事プレミアムは2026年10月2日集計)。販売状況・在庫は日々変動するため、本記事の数値は取得時点のスナップショットである。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

■ データソース

メトロエンジンリサーチのOTA公開価格データ。食事プレミアムは北海道のシティ・ビジネス・リゾートホテルのうち、同一ホテル内で比較対象の食事タイプを両方販売する施設のペア比較(2026年5〜10月宿泊分、2026年10月2日集計)。推定成約ADRは同データから推定した業態別の月次水準(2024年12月〜2027年3月、2026年10月26日取得)。

■ 試算前提

食事プレミアムは大人2名で1室を利用する条件の1室あたり掲載価格(税込)で比較した上乗せ率と差額。都道府県中央値はペア施設10軒以上の都道府県で算出。推定成約ADRは税抜相当で、2026年12月以降は現時点の販売状況に基づく推定値。

■ 限界・留意点

ペア施設の顔ぶれは月ごとに入れ替わるため、月次推移には構成変化の影響が含まれる。食事プレミアム(掲載価格・税込)と推定成約ADR(税抜相当)は価格の基準が異なるため、両者を組み合わせた段差の試算は方向感の確認にとどめる。今冬の推定値は確定までに変動し得る。

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