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冬の3大都市マラソン2027、前回の前夜は京都+28%・東京+14%・大阪+59% — 日程と前泊需要の室数換算

投稿日 : 2026.11.04

京都府

大阪府

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季節・イベント

冬の3大都市マラソン2027、前回の前夜は京都+28%・東京+14%・大阪+59% — 日程と前泊需要の室数換算

2027年の冬は、京都マラソン(2月21日・日)、大阪マラソン(2月28日・日)、東京マラソン(3月7日・日)が3週連続の日曜日に並ぶ。定員は京都16,000人、大阪34,000人、東京40,000人で、合計9万人のランナーが3週間のうちに関西から関東へ移動する計算になる。前回2026年大会の前夜を主要予約サイトの掲載価格で振り返ると、京都は平安神宮周辺で通常の土曜より+28%、東京は都庁周辺で+14%の持ち上がりが観測された一方、大阪城周辺は+59%と最も大きかったが、この日は天皇誕生日の3連休初日と重なっていた。本稿では3大会の日程・定員・曜日配置を1本で横並びにし、前回の前夜と当日夜の価格反応、観光庁統計の月次稼働率、定員を前泊需要の室数に換算した値、スタート・フィニッシュ周辺の客室ストックを順に読み解く。

本記事のデータについて
• ADR(平均客室単価)=各施設がOTA上で公開する最安プラン水準(2名1室利用時・1室あたり料金・税込)に業態別の補正係数を適用して算出した推定成約単価(税抜相当)。上場ホテルREITが開示する物件別実績との照合(91施設・直近3ヶ月間)で誤差中央値は約7%。推定値であり、各施設の実際の成約価格・会計数値とは異なります。
• エリア(都道府県・市区町村)単位のADRは、対象施設の推定成約単価の中央値(エリアの標準的な施設の水準)です。
• 掲載価格に言及する箇所は、2名1室利用時の1室あたり料金(税込)です。
• OCC(稼働率)=エリア内の総客室数に対する販売済み客室数の割合(OTA販売在庫に基づく推定値)。
• 出典:メトロエンジンリサーチ(国内約168,000施設のOTA公開価格を継続追跡、うち稼働確認済み約27,000施設)
本稿の読み方:「前回実績」は2026年大会(京都2月15日・大阪2月22日・東京3月1日)の前後の観測値、「今回の日程・定員」は各大会公式サイトの2026年10月時点の掲載内容である。2027年の該当日は執筆時点で宿泊日の45日より先にあたるため、本稿は今回分の在庫状況には触れず、前回の価格反応と今回の日程・定員から需要の山の位置を読む構成とした。日別の掲載価格は、各大会のスタート・フィニッシュ地点を中心とした圏内の施設について、各施設の全プラン平均(2名1室利用・1室あたり・税込)を求め、その施設中央値を日ごとに並べたものである。
Key Takeaways
  • — 2027年は京都2月21日・大阪2月28日・東京3月7日と3週連続の日曜開催で、3大会とも前夜が祝日と重ならない。
  • — 前回2026年の前夜は掲載価格で平安神宮圏+28%・都庁圏+14%・大阪城圏+59%(大阪は3連休初日と重複)。東京は当日夜(都庁圏+27%)の持ち上がりが前夜より大きい。
  • — 定員9万人を前泊需要に換算すると1.7万〜2.4万室(仮定の幅)。スタート・フィニッシュ周辺の稼働中客室の4〜7割に相当し、需要は都心全体に広がる。

3大会の日程と定員 — 2027年は3週連続の日曜、祝日と重ならない

まずは今回の日程を確認しておきたい。京都マラソン2027は2027年2月21日(日)、たけびしスタジアム京都(西京極総合運動公園)をスタートして平安神宮前にフィニッシュする。定員はマラソン16,000人(主催者推薦を含む)、ペア駅伝250組500人で、前回大会と同じ規模である。大阪マラソン2027は2月28日(日)に大阪府庁前をスタートし大阪城公園内にフィニッシュする。募集要項の定員は全体で34,000人、内訳はマラソン31,970人と720〈なにわ〉マラソン2,030人で、こちらも前回と同じ水準だった。東京マラソン2027は3月7日(日)、東京都庁を出発して東京駅前・行幸通りで終わる。定員は40,000名とされ、前回の39,000名(マラソン38,500名・10.7km 500名)から1,000名の増員になる。

曜日配置を前回と比べると、違いは大阪にある。2026年は大阪マラソンの前夜2月21日(土)が天皇誕生日(2月23日・月)の3連休初日と重なっていたのに対し、2027年の2月23日は火曜日で、大阪の大会週末(2月27〜28日)は祝日と離れる。京都は2027年も前回と同じく祝日と隣接しないが、大会翌日の2月22日(月)を休めば23日(火・祝)まで続くため、当日夜から翌夜にかけて滞在を延ばす余地が生まれる。東京は2026年・2027年ともに祝日との重なりがない。つまり2027年は、3大会とも「マラソン需要そのもの」が前夜の山をつくる年になる。

3大会の日程・定員と曜日配置(前回2026年・今回2027年)
大会前回(2026年)今回(2027年)定員(今回)スタート → フィニッシュ曜日配置の変化
京都マラソン2月15日(日)・前夜2月14日(土)2月21日(日)・前夜2月20日(土)マラソン16,000人+ペア駅伝250組(前回と同じ)西京極総合運動公園 → 平安神宮前翌々日の2月23日(火)が祝日。当日夜〜翌夜の延泊余地
大阪マラソン2月22日(日)・前夜2月21日(土)=3連休初日2月28日(日)・前夜2月27日(土)34,000人(マラソン31,970人+なにわ2,030人、前回と同じ)大阪府庁前 → 大阪城公園内3連休との重なりが解消。前夜は大会単独の需要で立つ
東京マラソン3月1日(日)・前夜2月28日(土)3月7日(日)・前夜3月6日(土)40,000名(前回39,000名から増員)東京都庁 → 東京駅前・行幸通り祝日との重なりなし(前回と同じ)

出典:京都マラソン2027 大会実施要項、大阪マラソン2027 募集要項、東京マラソン2027 大会要項(いずれも2026年10月27日確認)よりホテルバンク編集部作成

前回(2026年)の前夜と当日夜 — 掲載価格の反応で見る需要の山

需要の山がどこに立ったかは、日別の掲載価格が最も素直に映す。下のチャートは、各大会のスタート・フィニッシュ地点を中心とした圏内(東京は都庁から半径1km、大阪は大阪城公園・府庁から半径2km、京都は平安神宮から半径2km)について、2026年1月31日から3月14日までの掲載価格の施設中央値を、各エリアの2月の全日中央値を100とする指数で並べたものである。対象施設は東京都庁圏で各日18〜26施設、大阪城圏で69〜84施設、平安神宮圏で95〜119施設だった。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

京都の前夜2月14日(土)は平安神宮圏の中央値が¥36,000で、前後の通常の土曜(1月31日¥28,100、2月7日¥28,100、2月28日¥25,400)に対して+28%の水準だった。当日夜の2月15日(日)も¥23,800と、2月の他の日曜(¥19,900〜¥20,000)を+19%上回っており、走り終えたランナーがその夜も京都に残る動きが価格に表れている。一方で、大会のない2月21日(土)は3連休初日として¥41,300まで上がっており、京都では祝日配置の効果がマラソン前夜を上回っていたことも分かる。

大阪の前夜2月21日(土)は大阪城圏の中央値が¥28,700に達し、通常の土曜(¥17,400〜¥18,400)に対して+59%と、3エリアの中で最も大きな持ち上がりだった。ただし、この日は3連休初日でもある。同じ土曜に大会のなかった京都が+47%、東京都庁圏が+12%だったことを踏まえると、大阪の+59%は3連休とマラソンが重なった結果と読むのが妥当だろう。当日夜の2月22日(日)も¥19,100と通常の日曜(¥12,700〜¥13,800)を+43%上回ったが、これも連休中日の効果を含む。2027年の大阪は祝日と離れるため、前夜の山の高さは大会単独の集客力で決まる。前回の+59%をそのまま前提にせず、京都の+28%を一つの目安として置いておくのが現実的といえる。

東京は前夜2月28日(土)の都庁圏中央値が¥50,600で、通常の土曜(1月31日¥42,900、2月7日¥42,500、2月14日¥47,200、3月7日¥45,500)の中央値¥44,200に対して+14%だった。フィニッシュ側の東京駅圏は¥57,000で、3連休初日の2月21日(¥67,600)や翌週3月7日(¥63,000)を下回っており、東京駅周辺では前夜の反応が価格には現れにくい。もともとの土曜水準が高く、ビジネス需要の薄い土曜に大会需要が「埋める」形で入るためと考えられる。当日夜3月1日(日)は都庁圏が¥35,800と2月の日曜(¥26,500〜¥29,000)を+27%上回り、東京駅圏も¥51,500と2月前半の日曜を上回った。東京は前夜より当日夜のほうが相対的な持ち上がりが大きい点が、京都・大阪との違いである。

前回大会の前夜・当日夜の掲載価格(スタート・フィニッシュ周辺の施設中央値)
エリア(中心・半径)前夜(土)通常の土曜(中央値)前夜の差当日夜(日)通常の日曜(2月)当日夜の差
京都・平安神宮 2km(N=95〜119)2/14 ¥36,034¥28,056+28%2/15 ¥23,790¥19,900〜¥20,000+19%
大阪・大阪城公園 2km(N=69〜84)2/21 ¥28,719(3連休初日)¥18,052+59%2/22 ¥19,120(連休中日)¥12,700〜¥13,800+43%
東京・都庁 1km(N=18〜26)2/28 ¥50,561¥44,181+14%3/1 ¥35,810¥26,500〜¥29,000+27%
東京・東京駅 1km(N=23〜29)2/28 ¥57,016¥55,829+2%3/1 ¥51,466¥37,500〜¥45,500+13〜37%

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(掲載価格は各施設の全プラン平均・2名1室・税込の施設中央値。「通常の土曜」は1月31日〜3月7日の土曜から大会前夜と3連休初日を除いた中央値)

月次で見ると稼働率の谷は1月、単価の谷は2月 — 観光庁統計と区別ADR

では、3大会が置かれている1〜3月という時期は、月次で見るとどういう位置にあるのか。観光庁「宿泊旅行統計調査」の客室稼働率(第2次速報値)を2026年1〜3月で並べると、東京都は1月70.7%、2月76.8%、3月73.6%、大阪府は62.8%、70.1%、70.5%、京都府は53.3%、59.1%、64.4%だった。3都府県とも谷は1月で、2月は東京が年間でも高い水準に戻り、京都は3月に向けて段階的に上がる。大阪は2月・3月が前年同月比でそれぞれ−6.3pt、−7.5ptと、前年同月を下回った。

出典:観光庁「宿泊旅行統計調査」(2026年1月分・2月分・3月分 第2次速報値)よりホテルバンク編集部作成

単価側を区別の推定成約ADR(本記事のADR、各月の施設中央値)で見ると、谷の位置は稼働率と少しずれる。大阪市中央区は2026年1月¥11,300、2月¥10,300、3月¥11,400と2月が谷で、前年同月比では2月が−12.1%だった。北区も¥10,400、¥10,100、¥10,800と同じ形になる。京都市下京区は¥11,400、¥10,900、¥18,900で、2月が谷になったあと3月に一気に跳ねる。中京区は¥12,500、¥12,600、¥21,000で、2月と1月がほぼ同水準、3月が跳ねる構造である。東京は新宿区が¥15,500、¥15,300、¥17,200、千代田区が¥15,000、¥15,000、¥17,900で、1月と2月が並び3月に上がる。要するに、大阪と京都では2月がADRの谷にあたり、その谷の中にマラソン前夜の1日だけ山が立つ。前夜の持ち上がりが月次ADRの中で目立ちやすいのはこのためである。

区別の推定成約ADR(2025年・2026年の1〜3月、各月の施設中央値)
区(N=対象施設数)2025年1月2025年2月2025年3月2026年1月2026年2月2026年3月2月の前年同月比
東京都 新宿区(N=94〜104)¥12,546¥14,496¥16,112¥15,536¥15,345¥17,212+5.9%
東京都 千代田区(N=80〜82)¥13,750¥15,143¥17,204¥14,966¥15,002¥17,862−0.9%
大阪市 中央区(N=191〜194)¥11,073¥11,685¥12,192¥11,250¥10,268¥11,394−12.1%
大阪市 北区(N=72〜75)¥9,480¥10,163¥11,377¥10,350¥10,070¥10,812−0.9%
京都市 中京区(N=103〜111)¥13,054¥12,362¥19,330¥12,451¥12,576¥20,998+1.7%
京都市 下京区(N=159〜167)¥11,089¥10,593¥16,884¥11,407¥10,932¥18,852+3.2%
京都市 左京区(N=13〜15)¥11,914¥10,881¥14,764¥11,830¥10,602¥16,164−2.6%

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(推定成約ADR・各月の施設中央値、Nは月により変動)

定員を前泊需要の室数に換算する — 3大会合計で1.7万〜2.4万室

前夜の需要の大きさを室数で見積もるため、定員を遠方からのランナー比率、前泊率、1室あたり人数で割り戻す。遠方比率の根拠として使えるのは京都マラソン2026のランナーアンケート(N=1,973)で、居住地は京都市内23.5%、京都市以外の京都府内6.4%、大阪府13.5%、兵庫県6.7%、滋賀県3.3%、奈良県1.9%、和歌山県0.5%、東京都8.4%、愛知県5.5%、神奈川県4.7%などの構成だった。京都府外は69.6%にのぼるが、近畿の他府県(25.9%)は日帰りで参加できる距離にある。近畿圏外に限ると43.7%で、これを「前泊が現実的な層」の比率として置く。大阪と東京は同種の公表値が確認できなかったため、京都の構造を参考に35〜50%の幅で仮定した。前泊率は遠方層の80%、1室あたり人数は同伴者を含めて1.5人を共通の仮定とする。

定員から換算した前泊需要の室数(2027年大会)
大会定員遠方比率(仮定)前泊率1室あたり前泊需要の室数(換算)
京都マラソン202716,000人43.7%(近畿圏外・アンケート実測)/35〜50%80%1.5人約3,700室(幅3,000〜4,300室)
大阪マラソン202734,000人35〜50%(仮定)80%1.5人6,300〜9,100室
東京マラソン202740,000名35〜50%(仮定)80%1.5人7,500〜10,700室
3大会合計90,000人———16,800〜24,100室

出典:各大会公式サイトの定員、京都マラソン2026 ランナーアンケート結果(京都マラソン実行委員会、N=1,973)よりホテルバンク編集部作成。遠方比率・前泊率・1室あたり人数は本稿の仮定

換算値はあくまで仮定の積み上げであり、同伴者や応援の家族、海外ランナーの連泊分は含めていない。京都は海外ランナー枠3,000人(2027年、8月末時点のエントリー2,031人)、大阪は国外チャリティ枠200人のほか一般枠にも国外参加があり、東京は海外からの参加増を参加料改定の理由に挙げている。海外参加者は前夜1泊では終わらず複数泊になるため、実際の需要は上の表より厚い側に振れると考えるのが自然だろう。

この換算で結果を大きく動かすのは、遠方比率と1室あたり人数の2つである。前泊率を80%に固定し、2つの仮定を同時に動かした場合の3大会合計を下の表に示す。遠方比率35〜50%、1室あたり1.3〜1.8人の範囲では前泊需要は1.4万〜2.8万室の幅をとり、京都のアンケート実測(近畿圏外43.7%)を3大会すべてに当てはめ1室1.5人とした中央のケースで約2.1万室となる。同伴者が多く1室あたり人数が増えるほど室数は小さく、ランナー単独の遠征が多いほど大きく振れる。

前泊需要の感度表 — 遠方比率 × 1室あたり人数(3大会合計・前泊率80%固定)
1室あたり人数 \ 遠方比率35%43.7%(京都実測)50%
1.3人1.9万室2.4万室2.8万室
1.5人1.7万室2.1万室2.4万室
1.8人1.4万室1.7万室2.0万室

出典:各大会公式サイトの定員(3大会合計90,000人)、京都マラソン2026 ランナーアンケート結果(京都マラソン実行委員会、N=1,973)よりホテルバンク編集部作成。遠方比率・前泊率・1室あたり人数は本稿の仮定で、各セルは合計定員から直接計算し0.1万室単位に丸めた値

スタート・フィニッシュ周辺の客室ストック — 前泊需要は圏内の4〜7割に相当

換算した前泊需要を受け止める側の客室がどれだけあるかを、スタート・フィニッシュ地点を中心とした圏内で数えた。客室ストックは客室数10室以上の宿泊施設(レジャーホテルを除く)を対象とし、「稼働中」は直近3か月(2026年8月〜10月)に主要予約サイトで販売価格が確認できた施設を指す(2026年10月28日時点、メトロエンジンリサーチ集計)。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

スタート・フィニッシュ周辺の客室ストック(2026年10月28日時点)
中心(半径)掲載稼働中主な構成(稼働中)参考:半径5km圏(稼働中)
東京都庁・スタート(1km)32軒/9,600室28軒/9,059室ビジネス14軒4,572室、デラックス4軒3,180室、シティ4軒1,076室。201室以上の大型が13軒7,933室東京駅中心 795軒/103,128室
東京駅・行幸通り・フィニッシュ(1km)49軒/8,025室38軒/6,538室ビジネス22軒4,231室、デラックス10軒1,634室、シティ4軒619室
大阪城公園・大阪府庁・スタート/フィニッシュ(2km)142軒/18,809室89軒/14,996室ビジネス63軒11,163室、シティ10軒1,984室、デラックス4軒1,365室。201室以上が31軒8,903室573軒/84,934室
西京極総合運動公園・スタート(2km)9軒/287室3軒/46室ビジネス1軒16室、ホステル2軒30室平安神宮中心 645軒/50,796室
平安神宮・フィニッシュ(2km)213軒/10,604室154軒/8,442室ビジネス45軒3,300室、シティ8軒1,478室、デラックス11軒1,156室、ホステル36軒832室、旅館23軒653室。50室以下が114軒2,570室

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(2026年10月28日時点の客室ストック。掲載は主要予約サイトに掲載のある施設、稼働中は直近3か月に販売価格が確認できた施設)

前泊需要の換算値を圏内の稼働中客室と比べると、東京は7,500〜10,700室に対して都庁圏と東京駅圏の合計が15,600室で、需要は圏内ストックの48〜69%に相当する。大阪は6,300〜9,100室に対して大阪城2km圏が15,000室で42〜61%、京都は3,000〜4,300室に対して平安神宮2km圏が8,400室で36〜51%にあたる。いずれも「スタート・フィニッシュ周辺だけで受け止められる規模ではないが、都心全体(半径5km圏で東京10.3万室、大阪8.5万室、京都5.1万室)に広げれば十分に吸収できる」という位置づけになる。前夜の山が特定の圏内に集中するのではなく、都心全体に薄く広がる理由はここにある。秋から冬にかけての12大会についてスタート5km圏の客室を同じ考え方で実測した結果は、10月〜2月のマラソン12大会、スタート5km圏の客室を実測にまとめている。

京都だけは構造が異なる。スタートの西京極総合運動公園2km圏は稼働中3軒46室と事実上の空白で、ランナーは市内中心部から地下鉄・阪急や大会のシャトルで会場へ向かう。前泊の受け皿は下京区・中京区(京都駅・四条周辺)と、フィニッシュに近い左京区・東山区に分かれる。前夜の価格反応が平安神宮圏で+28%と明瞭に出た一方、前夜の需要そのものは市内全体に分散している、と理解しておきたい。

運営者への示唆 — 曜日配置を軸にした価格と在庫の持ち方

3大会を横並びにして見えてくるのは、前夜の山の高さが「大会の規模」より「曜日配置」に強く左右されるという点である。前回最も高かった大阪は3連休初日との重なりが効いており、2027年はその追い風がない。逆に京都は祝日と隣接しない前回でも+28%が立っており、2027年は翌々日が祝日になるため当日夜から翌夜への延泊が加わる。東京は前夜の持ち上がりが都庁圏で+14%、東京駅圏でほぼ横ばいと穏やかだが、当日夜が2月の日曜を+27%上回るという独自の形を持つ。

ここから運営上の論点を整理すると、まず大阪の前夜(2027年2月27日・土)は、前回の価格水準をそのまま期待するより、京都と同程度の+20〜30%を基準線に置き、予約の積み上がりを見ながら上げ幅を決めていくほうが収益機会を取りこぼしにくい。次に京都の当日夜(2月21日・日)と翌夜(22日・月)は、祝日前の平日という稀な組み合わせになるため、連泊条件のプランや翌日の遅いチェックアウトを組み合わせる余地が大きい。東京については、前夜よりも当日夜(3月7日・日)に相対的な上振れが出る傾向を踏まえ、日曜夜を「週明けのビジネス需要の前倒し」と切り分けて価格を持つことが機会になる。前夜に集中した需要を当日夜や前々夜へどう広げるかという論点は、下関海響マラソンのブッキングカーブ分析でも扱っている。

いずれの都市でも、2027年の該当日は執筆時点で宿泊日の45日より先にあたる。現時点の在庫から完売や逼迫を断じるには早く、本稿もその判断は行っていない。予約の進捗を確認するのは、各大会の45日前(京都は1月上旬、大阪は1月中旬、東京は1月下旬)からで十分であり、それまでは前回の価格反応と今回の曜日配置から「山の位置」だけを押さえておけばよい。45日前という同一リードタイムで複数都市の前泊需要を比べた例としては、金沢・横浜・神戸マラソン2026の前泊分析が参考になる。

まとめ

2027年冬の3大都市マラソンは、京都2月21日、大阪2月28日、東京3月7日と3週連続の日曜に並び、定員は合計9万人、前泊需要は仮定の幅で1万6,800〜2万4,100室に換算できる。前回2026年の前夜は、平安神宮圏で+28%、都庁圏で+14%、大阪城圏で+59%(3連休初日と重複)の掲載価格の持ち上がりが観測され、当日夜も京都+19%、東京都庁圏+27%と山が残った。月次では稼働率の谷が1月、ADRの谷が大阪・京都で2月にあり、マラソン前夜はその谷の中に立つ1日の山である。スタート・フィニッシュ周辺の稼働中客室は東京1km圏で1.6万室、大阪2km圏で1.5万室、京都・平安神宮2km圏で8,400室で、前泊需要はその4〜7割に相当する規模にのぼるため、需要は都心全体に広がる。2027年は3大会とも祝日と重ならず、前夜の高さは大会単独の集客力で決まる年になる。

よくある質問

Q. 2027年の3大会の開催日と定員は?
A. 京都マラソン2027は2027年2月21日(日)で定員はマラソン16,000人、大阪マラソン2027は2月28日(日)で全体34,000人(マラソン31,970人)、東京マラソン2027は3月7日(日)で定員40,000名です(各大会公式サイト、2026年10月27日確認)。

Q. 前回大会の前夜、ホテルの価格はどれくらい上がりましたか?
A. 2026年大会の前夜について、スタート・フィニッシュ周辺の掲載価格の施設中央値で見ると、京都・平安神宮2km圏は通常の土曜より+28%、東京・都庁1km圏は+14%、大阪・大阪城公園2km圏は+59%でした。ただし大阪の前夜は天皇誕生日の3連休初日と重なっており、その効果を含んでいます。

Q. 前泊需要の室数換算はどのように計算していますか?
A. 定員×遠方比率×前泊率80%÷1室あたり1.5人で求めています。遠方比率は京都マラソン2026のランナーアンケート(N=1,973)で近畿圏外が43.7%だったことを根拠に、大阪・東京は35〜50%の幅で仮定しました。同伴者や海外ランナーの連泊分は含めていません。

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参考資料・出典一覧

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