トップ > レベニューマネジメント > 京都の勤労感謝3連休、初日11/21は30日前でビジネス98.3%・完売施設率75.1% — 前週11/14と中日・最終日から逆算する販売カレンダー

京都の勤労感謝3連休、初日11/21は30日前でビジネス98.3%・完売施設率75.1% — 前週11/14と中日・最終日から逆算する販売カレンダー

投稿日 : 2026.10.24

京都府

レベニューマネジメント

季節・イベント

京都の勤労感謝3連休、初日11/21は30日前でビジネス98.3%・完売施設率75.1% — 前週11/14と中日・最終日から逆算する販売カレンダー

勤労感謝の日(11月23日・月)を含む11月21日(土)からの3連休は、京都の宿泊市場にとって紅葉シーズンの中核に当たる。本稿で2026年10月22日時点のブッキングカーブを確認すると、連休初日11/21(土)の京都府ビジネスホテルは宿泊日の31日前(10/21観測)で推定OCC(OTA掲載在庫ベース)98.3%・完売施設率75.1%に達し、シティホテル97.0%、旅館96.6%と三業態とも残り枠が薄い。一方で同じ連休でも中日11/22(日)はビジネス93.8%、最終日11/23(月)は81.7%と段差があり、前週の通常土曜11/14は24日前で93.0%と、連休初日より5.3pt低い位置にいる。本稿では初日・中日・最終日・前週土曜の4日を同じ物差しで並べ、10月のスポーツの日3連休(10/10〜12)が最後の30日でどう埋まったかを参照しながら、11/14の残り枠をT-30/T-14でどう売り、連休初日をいつクローズするかを逆算カレンダーの形で整理する。

対象: 京都府のビジネスホテル N=197〜198施設(19,276〜19,340室)・シティホテル N=37施設(5,084室)・旅館 N=128〜132施設(2,283〜2,360室)。本記事の価格指標は推定成約ADR(OTA等の販売データから推定される成約価格水準・税抜相当)、稼働率はOTA掲載在庫ベースの推定値。いずれも定義は記事末尾。データ時点: 2026年10月22日。

本記事のデータについて
• ADR(平均客室単価)=各施設がOTA上で公開する最安プラン水準(2名1室利用時・1室あたり料金・税込)に業態別の補正係数を適用して算出した推定成約単価(税抜相当)。上場ホテルREITが開示する物件別実績との照合(91施設・直近3ヶ月間)で誤差中央値は約7%。推定値であり、各施設の実際の成約価格・会計数値とは異なります。
• エリア(都道府県・市区町村)単位のADRは、対象施設の推定成約単価の中央値(エリアの標準的な施設の水準)です。
• 掲載価格に言及する箇所は、2名1室利用時の1室あたり料金(税込)です。
• OCC(稼働率)=エリア内の総客室数に対する販売済み客室数の割合(OTA販売在庫に基づく推定値)。
• 出典:メトロエンジンリサーチ(国内約168,000施設のOTA公開価格を継続追跡、うち稼働確認済み約27,000施設)
Key Takeaways
  • — 98.3%・完売施設率75.1%:連休初日11/21の京都府ビジネスホテル(N=197施設)は31日前(2026年10月21日観測)で残り枠329室。シティ97.0%・旅館96.6%と三業態とも上限圏にある。
  • — 初日と最終日で16.6ptの段差:同じ連休でも中日11/22は93.8%、最終日11/23は81.7%(ビジネス)。最終日の残り枠3,532室は初日の10倍超。
  • — 中日・最終日は直前で積む:10月のスポーツの日3連休では、30日前→1日前でビジネスの中日+11.5pt・最終日+11.9pt、旅館は+26.1pt・+28.9ptを積んで着地した。
  • — 前週土曜11/14は先行:24日前でビジネス93.0%・旅館89.7%と、10月の通常土曜10/17の同時期より2.8pt・15.1pt高い。
  • — 最終日の着地レンジ91.5〜99.2%:10月4日の残り枠消化率を当てはめると、11/23(ビジネス)の1日前着地は型により約8pt開く。シティは87.2〜98.0%と開きが最も大きい。

連休初日11/21 — 31日前で三業態とも96%超、完売施設率はビジネス75.1%

まずは4つの宿泊日を45日前と直近観測の2点で押さえる。連休初日11/21(土)の京都府ビジネスホテル(N=197施設/19,276室)は、45日前の推定OCC 93.2%から31日前の98.3%まで(2026年10月21日観測)5.1pt積み上がり、OTA等で掲載在庫が確認できない施設の割合(完売施設率)は61.2%から75.1%へ上がった。掲載ベースの残り枠は全体で329室にとどまる。シティホテル(N=37施設/5,084室)は95.0%から97.0%へ、旅館(N=128施設/2,283室)は92.3%から96.6%へ動き、旅館の完売施設率は74.2%とビジネスとほぼ同じ水準にいる。推定OCCと完売施設率が同じ宿泊日で別の姿を見せる理由は、推定OCCと完売率は何が違うのかで東京都の3業態を例に整理している。

これを前週の通常土曜11/14と同じリードタイム(31日前)で比べると、差がはっきりする。11/14はビジネス89.6%・シティ90.9%・旅館86.6%で、11/21との差はビジネス+8.7pt、シティ+6.1pt、旅館+10.0ptである。旅館の差が最も大きいのは、連休初日に泊まって中日に紅葉を回る旅程の需要が、連泊を前提に早く入っているためと読める。直近観測(11/14は24日前)では11/14がビジネス93.0%・シティ92.6%・旅館89.7%まで来ており、連休初日の45日前の水準に近づきつつある。10月9日断面で京都の旅館の残室率を長野など4県と並べた紅葉3連休11/21〜23の予約進捗、京都の旅館は残室18%・長野32%と合わせて読むと、この2週間の進み方を追える。

表1 4つの宿泊日の推定OCC・完売施設率・残り枠(京都府・45日前と直近観測)
宿泊日業態N(施設/室)45日前直近(LT)上積み完売施設率(直近)残り枠(室)
11/14(土)前週ビジネス197/19,27682.7%93.0%(24日前)+10.3pt37.1%1,355
シティ37/5,08486.5%92.6%(24日前)+6.1pt32.4%375
旅館132/2,36083.2%89.7%(24日前)+6.5pt50.8%243
11/21(土)連休初日ビジネス197/19,27693.2%98.3%(31日前)+5.1pt75.1%329
シティ37/5,08495.0%97.0%(31日前)+2.0pt59.5%151
旅館128/2,28392.3%96.6%(31日前)+4.3pt74.2%77
11/22(日)中日ビジネス198/19,34088.3%93.8%(32日前)+5.5pt42.4%1,205
シティ37/5,08492.7%95.3%(32日前)+2.6pt35.1%241
旅館129/2,31788.0%92.1%(32日前)+4.1pt62.0%182
11/23(月・祝)最終日ビジネス198/19,34076.9%81.7%(33日前)+4.8pt11.6%3,532
シティ37/5,08482.2%82.3%(33日前)+0.1pt2.7%898
旅館130/2,31872.3%75.6%(33日前)+3.3pt30.8%565

推定OCC(OTA掲載在庫ベース)・完売施設率=OTA等で掲載在庫が確認できない施設の割合(推定)・残り枠=掲載ベースの残室合計。直近は2026年10月21日観測。出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

中日11/22と最終日11/23 — 連休の中で16pt以上の段差が残る

次に、連休の3日間を初日から順に見ると、残り方は一様ではない。ビジネスホテルは初日98.3%に対し中日11/22が93.8%、最終日11/23が81.7%で、初日と最終日の差は16.6ptに及ぶ。掲載ベースの残り枠で見れば、初日329室に対し中日1,205室、最終日3,532室と、最終日には初日の10倍超の枠が残っている。シティホテルも初日97.0%・中日95.3%・最終日82.3%で、最終日は45日前(82.2%)からほぼ動いていない。旅館は初日96.6%・中日92.1%・最終日75.6%と、最終日の残り枠が565室と相対的に大きい。

ただし、最終日の低さは連休構造そのものが生む形であって、需要が弱いことを意味しない。参照として10月のスポーツの日3連休(10/10土・10/11日・10/12月)の確定カーブを見ると、ビジネスホテルは初日10/10が30日前94.5%から直前(1日前)99.7%で着地した一方、中日10/11は30日前84.2%から95.7%へ11.5pt、最終日10/12は30日前76.8%から88.7%へ11.9pt積み上がっている。つまり中日・最終日は30日前時点の段差が大きいほど、最後の30日で積む幅も大きかった。旅館は同じ3日で30日前81.8%→99.1%、71.8%→97.9%、60.4%→89.3%と、最後の30日で17〜29ptを積んでおり、直前需要の比重がホテルより明確に高い。

京都府ビジネスホテル N=195〜198施設。推定OCC(OTA掲載在庫ベース)。X軸は宿泊日までの残り日数(45→1)。10/10は確定カーブ、11月の4日は2026年10月21日観測までの進捗。出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

この10月の型を11月の3日間に当てはめると、中日11/22(ビジネス93.8%・32日前)は10/10初日の30日前(94.5%)とほぼ同じ位置にあり、連休初日に準じたペースで最後の30日を走る可能性が高い。一方、最終日11/23(81.7%・33日前)は10/11中日の30日前(84.2%)より2.5pt低く、10/12最終日の30日前(76.8%)より4.9pt高い。中日と最終日の間に位置する最終日というのが現在地であり、ここは「売り切る日」ではなく「直前で積み上げる日」として設計するのが素直だろう。

京都府旅館 N=122〜132施設。推定OCC(OTA掲載在庫ベース)。X軸は宿泊日までの残り日数(45→1)。10/10・10/12は確定カーブ、11月の4日は2026年10月21日観測までの進捗。出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

表2 参照: 10月3連休・通常土曜の確定カーブ(京都府・30日前〜1日前)
参照: 10月3連休・通常土曜(確定)業態30日前14日前7日前1日前30日→1日の上積み完売施設率(1日前)
10/10(土)初日ビジネス94.5%97.9%98.7%99.7%+5.2pt89.7%
10/11(日)中日ビジネス84.2%89.3%90.8%95.7%+11.5pt48.7%
10/12(月・祝)最終日ビジネス76.8%81.9%83.9%88.7%+11.9pt24.1%
10/17(土)通常土曜ビジネス87.9%93.4%93.5%96.9%+9.0pt49.5%
10/10(土)初日シティ93.4%96.8%97.7%99.2%+5.8pt75.7%
10/11(日)中日シティ87.5%91.3%92.7%95.8%+8.3pt40.5%
10/12(月・祝)最終日シティ81.9%83.3%82.2%86.8%+4.9pt10.8%
10/10(土)初日旅館81.8%88.5%90.8%99.1%+17.3pt94.3%
10/11(日)中日旅館71.8%78.4%82.2%97.9%+26.1pt86.2%
10/12(月・祝)最終日旅館60.4%66.1%70.1%89.3%+28.9pt65.6%

京都府 ビジネス N=195〜196施設・シティ N=37施設・旅館 N=122〜126施設。推定OCC(OTA掲載在庫ベース)・確定カーブ。出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

前週土曜11/14 — 10月の通常土曜より先行、残り枠はT-30の壁を越えた後に薄くなる

一方で、前週の通常土曜11/14は「3連休に挟まれた普通の週末」ではない。直近24日前の推定OCCはビジネス93.0%・シティ92.6%・旅館89.7%で、10月の通常土曜10/17の24日前(ビジネス90.2%・シティ93.2%・旅館74.6%)と比べると、ビジネスで2.8pt、旅館で15.1pt先行している。シティだけは10/17とほぼ同じ位置にいるが、45日前からの上積みはビジネス+10.3pt・シティ+6.1pt・旅館+6.5ptと、連休初日11/21の同期間(+5.1pt・+2.0pt・+4.3pt)より大きい。初日は既に上限に近く伸びしろが小さいのに対し、11/14はまだ積む余地を持ちながら速く埋まっている段階といえる。京都の秋の通常土曜が45日前から直前までに二桁ptを積む型は、京都の秋の土曜は45日前で決まらないでも確認している。

残り枠の規模感で言えば、11/14のビジネスホテルは掲載ベースで1,355室、シティ375室、旅館243室が残っている。10/17が24日前90.2%から1日前96.9%まで6.7pt積んだ型を参照すると、11/14も同じ幅を積めば99%台に届く計算になる。ただし45日前からの既往ペースが速いぶん、最後の2週間で残る枠は10月より少なくなると見ておくべきで、T-14(10/31)前後で市場全体の完売施設率が11/21の31日前水準(75.1%)に接近してくれば、残り枠の売り方は「埋める」から「選ぶ」に切り替わる局面になる。

11月の推定成約ADR — 2025年11月はビジネス¥21,600・シティ¥32,000・旅館¥33,700で年のピーク圏

価格面では、月次の推定成約ADR(税抜相当)を確定月同士で見る。2025年11月の京都府はビジネスホテル¥21,600(N=314施設)、シティホテル¥32,000(N=58施設)、旅館¥33,700(N=191施設)で、ビジネスと旅館は2025年の12か月で最も高い月だった。シティは4月(¥32,600・N=57)に次ぐ水準である。ビジネスの2025年は1月¥10,100・2月¥9,900を底に、4月¥20,000と11月¥21,600の二山を持つ形で、11月は1〜2月の2倍超の単価が成立していた。直近の確定月である2026年9月はビジネス¥11,700(N=327)・シティ¥20,200(N=61)・旅館¥19,700(N=197)で、前年同月(ビジネス¥12,000・シティ¥23,600・旅館¥18,600)に対しビジネス−2.4%・シティ−14.6%・旅館+6.1%と業態で方向が割れている。

京都府 ビジネスホテル(N=312〜329施設)・シティホテル(N=55〜64施設)。推定成約ADR(税抜相当)。実線=確定値、点線=現時点の販売状況に基づく推定(変動し得る)。出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

2026年11月の現時点推定はビジネス¥24,600(N=321)・シティ¥34,800(N=64)・旅館¥30,000(N=197)で、いずれも現時点の販売状況に基づく推定値であり、前年確定値との単純比較は月末の確定を待つ必要がある。ここで読み取るべきは水準の上下ではなく、11月が京都の年間価格カレンダーで最上段に位置する月であるという事実と、その中で連休初日の掲載在庫が31日前に既に薄くなっているという組み合わせである。月次ADRは日次の価格を示さないため、連休各日の価格差は本稿では扱わない。

残り30日の着地レンジ — 10月4日の残り枠消化率を11月に当てはめる

ここまでの比較を販売計画に落とすため、10月の参照日が同じリードタイムから1日前までに残り枠の何%を消化したか(残り枠消化率)を、11月の4日の直近観測(2026年10月21日)に当てはめて1日前時点の着地を試算した。初日・中日・最終日・通常土曜のどの型で走るかをシナリオとして並べたもので、積み上げ幅をptで足す方法と違って100%を超えない。ビジネスの最終日11/23(33日前81.7%)は、最終日型(10/12・消化率53.7%)なら91.5%、中日型(10/11・74.6%)なら95.3%、初日型(10/10・95.4%)なら99.2%に着地する計算で、同じ日でも想定する型によって約8ptの開きがある。前週土曜11/14(24日前93.0%)は通常土曜型(10/17・消化率68.4%)で97.8%となり、前節の「同じ幅を積めば99%台」より低い。残り枠が少ないぶん、同じ消化率でも積める幅が小さくなるためである。

シティの最終日は型による開きが最も大きく、最終日型(10/12・消化率27.5%)では87.2%、初日型では98.0%と10.8ptの差がある。10/12のシティは30日前81.9%から1日前86.8%と最後の30日で5pt足らずしか積まなかった日で、シティの最終日は「直前で埋まる」前提を置きにくい。反対に旅館は最終日型でも93.5%に届き、4つの型で最も低い通常土曜型でも93.1%と、型による開きは5.8pt(93.1〜98.9%)にとどまる。最終日の価格を初日と切り離す判断は、旅館では直前需要を待つ方向に、シティでは早めに条件を緩める方向に働くと読める。

表3 1日前時点の着地試算 — 10月参照日の残り枠消化率を11月の4日に当てはめた場合(京都府・推定OCC)
宿泊日業態直近(LT)初日型(10/10)中日型(10/11)最終日型(10/12)通常土曜型(10/17)
11/14(土)前週ビジネス93.0%(24日前)99.4%97.8%96.3%97.8%
シティ92.6%(24日前)98.9%97.1%94.1%96.5%
旅館89.7%(24日前)99.4%99.2%97.0%96.6%
11/21(土)連休初日ビジネス98.3%(31日前)99.9%99.5%99.2%99.6%
シティ97.0%(31日前)99.6%98.9%97.8%98.8%
旅館96.6%(31日前)99.8%99.7%99.1%99.0%
11/22(日)中日ビジネス93.8%(32日前)99.7%98.4%97.0%98.5%
シティ95.3%(32日前)99.4%98.3%96.6%98.1%
旅館92.1%(32日前)99.6%99.4%97.9%97.7%
11/23(月・祝)最終日ビジネス81.7%(33日前)99.2%95.3%91.5%95.7%
シティ82.3%(33日前)98.0%93.6%87.2%93.1%
旅館75.6%(33日前)98.9%98.3%93.5%93.1%

試算値=直近の推定OCC+(100−直近の推定OCC)×参照日の残り枠消化率。残り枠消化率=参照日が同じリードタイムから1日前までに減らした掲載残室の割合。太字は宿泊日の位置に対応する型。掲載在庫の追加・引き揚げや価格改定は考慮しない試算値で、予測値ではない。推定OCC(OTA掲載在庫ベース)・直近は2026年10月21日観測。出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

京都のビジネス・シティホテル・旅館を運営するレベニューマネージャーへ — 示唆とアクションプラン

市場カーブと自館ペースの照合の見方。連休初日11/21は市場の31日前時点でビジネス98.3%・完売施設率75.1%、シティ97.0%、旅館96.6%にある。自館の11/21が同じ31日前時点でこの水準を下回っているなら、市場より遅いのではなく市場の4分の3が既に掲載を閉じた中で残っているという位置づけになる。残っている枠は希少性が高い局面に入っており、直前需要を取り込む価格と条件の設計を検討したい。

連休3日間を別々の商品として扱う。市場では初日・中日・最終日に98.3%・93.8%・81.7%の段差がある一方、10月3連休の確定カーブでは中日・最終日が最後の30日で11pt超を積んで着地した。最終日11/23を初日と同じ価格・同じ最低泊数で縛ると、市場が直前に積む需要を取り逃がす余地がある。初日はクローズ寄り、最終日はオープン寄りという日別の設計が示唆される。

前週土曜11/14は「紅葉の通常土曜」として独立に追う。24日前でビジネス93.0%・旅館89.7%と、10月の通常土曜10/17の同時期より先行している。連休の陰で後回しにすると、T-14を迎える頃には市場側の枠が薄くなっており、自館だけが残る形になりかねない。11/14の残り枠は連休初日と同じ速度感で手当てする価値がある。

旅館は直前の積み幅が大きい。10月3連休で旅館は30日前から1日前までに17〜29ptを積んでおり、ホテルより直前需要の比重が高い。11/23最終日の75.6%は現時点では低く見えるが、10/12最終日が60.4%から89.3%へ着地した型を踏まえると、早い段階で安売りに転じる必要は薄いと読める。

表4 逆算カレンダー — 時期別の打ち手と判断トリガー
時期(逆算カレンダー)打ち手判断トリガー(記事中の数値)狙い
今日〜今週(11/21のT-30、11/14のT-23)11/21の残り枠を棚卸しし、連泊条件(11/21-22・11/21-23)を優先表示に切り替える自館の11/21が市場の31日前(ビジネス98.3%・シティ97.0%・旅館96.6%)を下回っているなら初日の希少な枠を中日の需要と束ねて売る
今日〜今週11/14の設定を連休初日と同じ優先度で見直す市場の11/14が24日前でビジネス93.0%・旅館89.7%にある一方、自館が10月の通常土曜並みのペースなら紅葉期の通常土曜を取りこぼさない
2週間以内(11/14のT-14=10/31前後)11/14の残り枠を「埋める」から「選ぶ」へ切り替え、最低泊数や条件を段階的に絞る市場の11/14の完売施設率が11/21の31日前水準(ビジネス75.1%)に近づいたら直前需要に単価で応える
2週間以内(11/21のT-14=11/7前後)連休初日の早期クローズ判断。残り枠が一桁台なら中日・最終日との連泊限定に移行10/10初日は14日前97.9%・1日前99.7%で着地しており、同じ型なら14日前で上限圏に入る初日を単泊で安く出し切らない
来月に向けて(11/22・11/23のT-14〜直前)中日・最終日は直前需要の受け皿として単泊枠を残し、最終日の価格は初日と切り離す10月3連休の中日・最終日は30日前から1日前で11pt超(旅館は26〜29pt)積んだ連休後半の直前需要を取り込む
来月に向けて(11月確定後)11月の確定ADRが出た時点で、2025年11月(ビジネス¥21,610・シティ¥31,958・旅館¥33,659)との確定同士の比較で自館の価格帯を再点検する現時点推定(ビジネス¥24,595等)は変動し得るため、確定値での照合を待つ12月・年末年始の価格カレンダーに反映

判断トリガーの数値は本文で提示した市場値。出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

まとめ — 連休を「3つの日」に分けて読む物差し

ここまでを整理すると、京都の勤労感謝3連休は次の3点で読むことができる。第一に、初日11/21は31日前で三業態とも96%超・完売施設率はビジネス75.1%・旅館74.2%に達し、市場の残り枠は既に希少である。第二に、中日93.8%・最終日81.7%(ビジネス)という段差は需要の弱さではなく連休構造の形であり、10月3連休の確定カーブでは中日・最終日が最後の30日で11pt超を積んで着地した。第三に、前週の通常土曜11/14は24日前で93.0%と10月の通常土曜より先行しており、連休の影に隠して後回しにする日ではない。初日はクローズ寄り、最終日はオープン寄り、前週土曜は連休初日と同じ速度で手当てする、という三つの型を物差しにすれば、残る4週間の販売カレンダーは組み立てやすくなるだろう。

データについて

表5 データの定義と注記
項目定義・注記
推定OCC(OTA掲載在庫ベース)OTA掲載在庫ベース稼働率 = 100 − 100 × OTA掲載残室数 ÷ 総客室数。対象は総客室の30%以上をOTAに掲載する施設で構成した固定コホート(各宿泊日で同じ施設集合。N= がその施設数)。OTA上で販売される在庫の消化状況に基づく推定値であり、実客室稼働率とは定義が異なる(掲載外の客室を消化済み側に数えるため高めに出る)。
ブッキングカーブ宿泊日の45日前から直近までの観測に基づく。11月の4日(11/14・11/21・11/22・11/23)は2026年10月21日観測までの進捗、10月の4日(10/10・10/11・10/12・10/17)は宿泊日1日前までの確定カーブ。
完売施設率・残り枠完売施設率はOTA等で掲載在庫が確認できない施設の割合(推定)。残り枠は対象コホートの掲載ベース残室合計。
推定成約ADROTA等の販売データ(最安プラン水準×業態別係数・複数チャネルのアンサンブル)から推定した成約価格水準(税抜相当)。過去月は確定値、現在・未来月は現時点の販売状況に基づく推定値。公表運営実績との照合で誤差中央値6.6%。月次指標であり日次・曜日別の価格は示さない。
対象 N京都府。ブッキングカーブ: ビジネスホテル N=195〜198施設(19,249〜19,340室)、シティホテル N=37施設(5,084室)、旅館 N=122〜132施設(2,174〜2,360室)。宿泊日ごとにコホート施設数が僅かに異なる。推定成約ADR: ビジネス N=312〜329施設、シティ N=55〜64施設、旅館 N=182〜207施設(月により異なる)。
データ時点データ時点: 2026年10月22日。販売状況・在庫は日々変動するため、本記事の数値は取得時点のスナップショットである。

参考資料・出典一覧

■ データソース

京都府のビジネスホテル・シティホテル・旅館について、OTA掲載在庫の日次観測から作成したブッキングカーブ(宿泊日の45日前〜直近、11月の4日は2026年10月21日観測まで、10月の4日は1日前までの確定値)と、月次の推定成約ADR(2025年1月〜2026年12月。2026年10月以降は現時点の販売状況に基づく推定)。出典はメトロエンジンリサーチ。

■ 試算前提

表3の着地試算は、10月の参照日(10/10・10/11・10/12・10/17)が11月各日の直近観測と同じリードタイム(24・31・32・33日前)から1日前までに消化した掲載残室の割合を、11月各日の残り枠にそのまま当てはめたもの。対象施設は宿泊日ごとの固定コホートで、業態ごとに同じ業態の参照日を用いる。

■ 限界・留意点

推定OCCはOTA掲載在庫ベースのため実客室稼働率より高めに出る。掲載在庫の追加・引き揚げ、価格改定、紅葉の色づき時期の前後は試算に反映していない。参照日は2026年10月の1回の連休と1回の通常土曜の観測であり、着地レンジは予測ではなく自館ペースを照合するための物差しとして用いる。

表6 参考資料・出典一覧
資料用途
内閣府「国民の祝日について」勤労感謝の日(11月23日)の確認
京都市観光協会「京都 紅葉の名所・色づき状況」11月下旬が紅葉シーズンに当たることの確認

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

あわせて読みたい

関連記事