2026年11月の暦は、宿泊需要を考えるうえで少し特殊な形をしている。祝日は文化の日(11月3日)と勤労感謝の日(11月23日)の2日あるが、土日とつながって3連休になるのは11月21日(土)〜23日(月)の1回だけである。11月3日は火曜のため、前日の11月2日(月)に休みを取れば10月31日(土)から11月3日(火)までの4連休になる「ブリッジ型」だ。この暦の形が、主要観光地の価格と在庫にどう表れているのか。7エリアの日別データで確かめた。
本記事における指標の定義
- 掲載価格:各施設が主要予約サイト上で公開している販売価格の全プラン平均(素泊まり〜食事付きを含む)。2名1室利用時の1室あたり料金(税込)です。日別の比較は、各施設の当日平均価格をエリア内で中央値化した値を用いています。
- 掲載価格インデックス:各エリアの2026年11月の火・水・木曜(祝日である11月3日を除く11日間)の掲載価格中央値を100として指数化した値。エリア間で価格水準が大きく異なるため、同一エリア内の日別の高低を比較する目的で用います。
- ADR(平均客室単価):各施設が主要予約サイト上で公開する最安プラン水準(2名1室利用時・1室あたり料金・税込)に業態別の補正係数を適用して算出した推定成約単価(税抜相当)。上場ホテルREITが開示する物件別実績との照合(91施設・直近3ヶ月間)で誤差中央値は約7%。推定値であり、各施設の実際の成約価格・会計数値とは異なります。エリア単位のADRは対象施設の中央値(エリアの標準的な施設の水準)。
- 在庫消化率(稼働率・推定):エリア内の総客室数に対する販売済み客室数の割合(主要予約サイトの販売在庫に基づく推定値)。総客室の30%以上を予約サイトに掲載する施設で構成した固定コホートを対象とします。予約サイト上で販売される在庫の消化状況に基づく推定値であり、施設全体の実稼働率とは異なります。
- LT(リードタイム):宿泊日までの日数。LT45=宿泊日の45日前。予約進捗を表す観測は宿泊日の45日以内に限られるため、本記事では45日以内の断面のみを用いています。
- データ出典:メトロエンジンリサーチ
- — 11月21日(土)が京都府・東京都・神奈川県・大阪府の4エリアで月内最高の掲載価格。栃木県・長野県・北海道も僅差の2位で、3連休初日の山は7エリアに共通する。
- — 連休最終日の11月23日は11月21日比で大阪府−82.7pt、東京都−59.3ptと平日並み以下に下がる一方、京都府は−18.8ptにとどまり、目的地型ほど最終日も需要を保つ。
- — 直近の10月10日〜12日の3連休では、宿泊日45日前の時点で京都府・神奈川県とも初日の在庫消化率が通常土曜を18.0pt上回った。11月21日〜23日の同じ断面は10月7日〜9日に訪れる。
2026年11月の暦 — 3連休は1回、祝日1つは「ブリッジ型」
まず暦を確定させておく。2026年11月1日は日曜日であり、11月は日曜始まりの30日間である。祝日は文化の日(11月3日)と勤労感謝の日(11月23日)の2日。曜日を当てはめると、11月3日は火曜、11月23日は月曜となる。
したがって土日と接続して3連休を形成するのは11月21日(土)・22日(日)・23日(月・祝)の1回のみだ。一方の文化の日は火曜に単独で立つため、そのままでは飛び石になる。ただし前日の11月2日(月)に有給を1日充てれば、10月31日(土)から11月3日(火)までの4連休となる。休暇取得を前提にした「ブリッジ型」の需要が生まれる形である。
| 日付 | 曜日 | 区分 | 需要の位置づけ |
|---|---|---|---|
| 11/1〜11/3 | 日・月・火 | 文化の日(11/3) | 11/2に休暇を取れば4連休。ブリッジ型 |
| 11/7〜11/8 | 土・日 | 通常週末 | 月内で最も早い「祝日に挟まれない週末」 |
| 11/14〜11/15 | 土・日 | 通常週末 | 紅葉シーズンの立ち上がり |
| 11/21〜11/23 | 土・日・月 | 勤労感謝の日(11/23) | 月内唯一の3連休 |
| 11/28〜11/29 | 土・日 | 通常週末 | 西日本の紅葉ピーク直後にあたる週末 |
出典:国立天文台「令和8年(2026)暦要項」、内閣府「国民の祝日について」よりホテルバンク編集部作成
価格が示す需要の山 — 11/21が7エリア中4エリアで月内最高
暦の形は分かった。では市場は11月のどの日を山と見ているのか。主要7エリア(京都府・東京都・神奈川県・栃木県・長野県・大阪府・北海道)について、2026年11月の各日の掲載価格を施設ごとに集計し、エリア内中央値を取った。各エリアの平日(火・水・木、祝日である11月3日を除く11日間)の中央値を100とした指数で示す。
出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(対象施設数は日別で京都府703〜771施設、東京都847〜888施設、神奈川県428〜474施設、栃木県316〜360施設)
最も分かりやすいのは11月21日(土)である。京都府・東京都・神奈川県・大阪府の4エリアで、11月21日が月内で最も高い掲載価格を付けている。残る3エリアでも僅差の2位で、栃木県は11月7日の135.8に対し11月21日が135.1、北海道は11月14日の126.1に対し11月21日が126.0と、ほぼ横並びだった。3連休の初日という暦の条件が、紅葉の進行度が異なる7エリアすべてで共通して価格に表れている。
水準で見ると差は大きい。神奈川県の11月21日は指数167.1(中央値約¥42,500)で、平日水準の1.67倍にあたる。大阪府は178.3(約¥27,600)、東京都は142.6(約¥37,800)。一方、京都府は126.8(約¥57,200)と倍率としては控えめだが、これは京都の11月が平日から高い水準にあるためで、絶対額では7エリアで最も高い。
| エリア | 平日基準額 | 11/2(月) | 11/3(火祝) | 11/7(土) | 11/14(土) | 11/21(土) | 11/22(日) | 11/23(月祝) | 11/28(土) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 京都府 | ¥45,100 | 92.5 | 86.5 | 108.2 | 116.0 | 126.8 | 121.5 | 108.0 | 123.1 |
| 東京都 | ¥26,500 | 86.8 | 83.3 | 135.2 | 135.3 | 142.6 | 125.6 | 83.3 | 130.2 |
| 神奈川県 | ¥25,400 | 114.5 | 100.7 | 142.5 | 143.7 | 167.1 | 159.6 | 104.7 | 148.4 |
| 栃木県 | ¥23,600 | 110.5 | 106.1 | 135.8 | 124.0 | 135.1 | 132.3 | 108.6 | 118.7 |
| 長野県 | ¥25,700 | 110.0 | 102.3 | 118.3 | 115.6 | 116.4 | 116.0 | 103.5 | 112.3 |
| 大阪府 | ¥15,500 | 103.0 | 94.7 | 164.3 | 171.1 | 178.3 | 147.0 | 95.6 | 153.1 |
| 北海道 | ¥19,800 | 111.8 | 101.6 | 121.1 | 126.1 | 126.0 | 118.0 | 98.2 | 118.9 |
出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(数値は平日中央値=100とした掲載価格インデックス。太字は各エリアの月内最高日)
3連休の3日目は「帰る日」 — 11/23と11/21の落差はエリアで大きく違う
3連休を1つの塊として扱わないほうがよい、という点がデータから明確に読み取れる。11月21日(土)と11月23日(月・祝)を比べると、指数の差はエリアによって大きく開く。
出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(対象施設数は日別で各エリア316〜888施設)
差が最も大きいのは大阪府で、11月21日の178.3に対し11月23日は95.6。実に82.7ポイントの開きがあり、連休最終日は月内の平日水準を下回る。東京都も142.6に対し83.3で、59.3ポイント差。11月23日の東京は月内でも下から3番目の水準である。都市部では、3連休の最終日は翌日から勤務が始まる「帰る日」として扱われており、宿泊需要としては平日に近い。
対照的なのが京都府で、11月21日126.8に対し11月23日は108.0と、落差は18.8ポイントにとどまる。栃木県(135.1→108.6、26.5ポイント差)、長野県(116.4→103.5、12.9ポイント差)も比較的なだらかだ。目的地としての滞在価値が高いエリアほど、連休最終日も宿泊需要を保つという傾向が見える。逆に言えば、都市部の宿にとって11月23日は1泊目・2泊目とは別の設計が必要な日である。
同じ構図は前半のブリッジ型連休にも表れる。11月2日(月)の指数は神奈川県114.5、北海道111.8、栃木県110.5、長野県110.0と、レジャー目的地では平日を1割以上上回る。一方で東京都は86.8、京都府は92.5と、むしろ平日を下回った。そして祝日当日である11月3日(火)はさらに低く、東京都83.3、京都府86.5で月内最低水準にある。祝日そのものより、その前夜のほうが高い。休暇を取って前日から出かける層が宿泊するのは11月1日・2日であり、11月3日は日帰りか帰宅の日になるためだ。
紅葉の山と暦の山はずれる — 日光は3週間前、京都は翌週
11月の需要を語るうえで暦と並ぶもう一つの軸が紅葉である。ここで注意したいのは、2026年の見頃予想が3連休と必ずしも重なっていないことだ。
ウェザーニューズが2026年9月3日に発表した紅葉見頃予想(第1回)によれば、全国的に平均気温が高い傾向が続くため、見頃は広い範囲で平年より遅いかやや遅い見込みとされている。主要スポットの予想日は、栃木県のいろは坂が10月31日頃、東京都の高尾山が11月22日頃、京都府の嵐山が11月24日頃である。
| スポット | 所在 | 2026年見頃予想 | 11/21〜23の3連休との関係 |
|---|---|---|---|
| 大雪山旭岳 | 北海道 | 9月14日頃 | 連休より約2ヶ月前 |
| 上高地 | 長野県 | 10月21日頃 | 連休より約1ヶ月前 |
| いろは坂 | 栃木県(日光) | 10月31日頃 | 連休より約3週間前 |
| 高尾山 | 東京都 | 11月22日頃 | 連休のちょうど中日に一致 |
| 香嵐渓 | 愛知県 | 11月22日頃 | 連休のちょうど中日に一致 |
| 嵐山 | 京都府 | 11月24日頃 | 連休終了の翌日 |
出典:ウェザーニューズ「2026年紅葉見頃予想(第1回)」(2026年9月3日発表)よりホテルバンク編集部作成
つまり、暦の山と紅葉の山が正面から重なるのは関東平野部のスポットに限られる。日光のいろは坂は3連休のおよそ3週間前、嵐山は3連休が終わった翌日が見頃予想日だ。この「ずれ」は、実際の価格にもはっきり残っている(主要スポットの例年の見頃と宿の相場は2026年の紅葉はいつ見頃?全国的に平年並みか遅めでまとめている)。
京都府を見ると、11月28日(土)の指数は123.1で月内2位につけており、11月14日(土)の116.0や11月7日(土)の108.2を上回る。さらに注目すべきは平日で、11月24日(火)109.3、11月25日(水)107.6、11月26日(木)109.3と、月内の平日としては最高水準にある。前半の平日が86〜95で推移していたのとは対照的だ。京都の11月後半は、暦上の連休が終わったあとに紅葉需要が平日まで押し上げる構造になっている。
栃木県はこれと逆の形を示す。11月7日(土)が135.8で月内最高となり、11月28日(土)は118.7まで下がる。後半の平日は11月25日(水)94.0、11月24日(火)96.1と月内最低水準だ。いろは坂の見頃予想が10月31日頃であることを踏まえれば、日光エリアの紅葉需要は11月上旬で山を越え、後半は3連休が単発のピークとして残る形になる。
なお気象庁の生物季節観測では、京都における秋の現象(紅葉・落葉)は年々遅くなる傾向が報告されており(京都地方気象台「京都における開花・満開、紅葉など(生物季節現象)の変化」)、近年の見頃後ろ倒しは単年の気象条件だけでなく長期的な変化としても観測されている。11月下旬から12月上旬にかけての需要を、従来の「シーズン終わり」として扱わない前提が要る。
在庫はいつ動くか — 直近の3連休(10/10〜12)の実測から読む
価格は「市場がどの日を山と見ているか」を示すが、実際にどれだけ売れているかは別の指標で見る必要がある。予約の進捗を表す観測は宿泊日の45日以内に限られるため、11月21日〜23日の在庫消化が確認できるようになるのは2026年10月7日以降である。そこで本記事では、同じ条件の直近事例として2026年10月10日(土)〜12日(月・祝)の3連休を用いる。この連休は既に宿泊日の45日以内の断面が揃っており、11月の3連休に向けた準備の目安になる。
出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(対象は総客室の30%以上を予約サイトに掲載する施設で構成した固定コホート。京都府786施設33,383室、東京都866施設105,867室、神奈川県483施設32,601室、栃木県411施設14,910室、長野県715施設22,102室、大阪府444施設60,994室、北海道798施設54,886室)
宿泊日の45日前という同一断面で比べると、連休初日である10月10日(土)の在庫消化率は京都府86.7%、神奈川県84.6%、長野県80.3%に達していた。同じ月の通常土曜(10月3日)はそれぞれ68.7%、66.6%、71.6%であり、京都府と神奈川県では連休初日が通常土曜を18.0ポイント上回っていた。3連休の初日は、宿泊日の1ヶ月半前の時点ですでに大きく先行して売れている。
一方、連休最終日の10月12日(月・祝)は同じ断面で京都府69.9%、神奈川県60.4%、栃木県46.4%と、初日から16.8〜28.1ポイント低い。掲載価格で見えた「3日目は帰る日」という構図が、在庫の動きでも裏づけられる形だ。
出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(京都府・786施設33,383室、総客室の30%以上を予約サイトに掲載する固定コホート)
京都府の在庫消化の推移を見ると、連休初日(10月10日)はLT45の86.7%からLT29の92.7%まで、16日間で6.0ポイント進んだ。通常土曜(10月3日)は68.7%から75.5%へ6.8ポイント。連休最終日(10月12日)は69.9%からLT35時点で74.0%である。曲線の傾き自体は大きく変わらず、差はほぼLT45の時点ですでについている。宿泊日の45日前より前の段階で価格と在庫の配分をどう決めるかが、連休の結果を左右することになる。連休と平日で業態ごとの埋まり方が入れ替わる構図については、秋の予約リードタイム逆転|連休はリゾート先行・平日は都市型が先に埋まるで詳しく分析している。
業態別に見ると、同じエリアでも進み方は異なる。10月10日のLT45時点で、京都府はビジネスホテル89.4%(198施設20,011室)、シティホテル90.4%(36施設5,050室)に対し、旅館は75.1%(115施設2,102室)だった。長野県も旅館83.9%(293施設6,809室)に対しシティホテル89.3%(15施設1,446室)で、宿泊主体型のほうが早く動いている。旅館・リゾートはLT29までの伸びが大きく、京都府の旅館は84.3%、長野県の旅館は90.5%まで進んだ。京都府の旅館(+9.2pt)のように、LT45時点で出遅れた業態ほど残り1ヶ月の伸びしろが大きいケースがあると読める。
| エリア | 業態 | 施設数 | 客室数 | LT45 | LT29 | 伸び |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 京都府 | ビジネス | 198 | 20,011 | 89.4% | 95.2% | +5.8pt |
| シティ | 36 | 5,050 | 90.4% | 93.2% | +2.8pt | |
| 旅館 | 115 | 2,102 | 75.1% | 84.3% | +9.2pt | |
| 神奈川県 | ビジネス | 120 | 16,077 | 86.0% | 93.0% | +7.0pt |
| シティ | 29 | 6,071 | 86.8% | 95.4% | +8.6pt | |
| リゾート | 38 | 4,630 | 81.0% | 88.1% | +7.1pt | |
| 旅館 | 175 | 4,401 | 82.4% | 87.5% | +5.1pt | |
| 栃木県 | ビジネス | 62 | 5,281 | 71.5% | 77.3% | +5.8pt |
| リゾート | 27 | 1,779 | 76.4% | 82.6% | +6.2pt | |
| 旅館 | 147 | 5,687 | 78.4% | 84.0% | +5.6pt | |
| 長野県 | ビジネス | 81 | 7,280 | 81.9% | 91.1% | +9.2pt |
| シティ | 15 | 1,446 | 89.3% | 95.6% | +6.3pt | |
| リゾート | 62 | 4,172 | 76.9% | 83.0% | +6.1pt | |
| 旅館 | 293 | 6,809 | 83.9% | 90.5% | +6.6pt |
出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(2026年10月10日チェックインの在庫消化率。総客室の30%以上を予約サイトに掲載する施設のみを集計。東京都・大阪府・北海道は本文参照)
京都の11月は2026年で最も高い月 — 月次ADRから見る位置づけ
日別の凹凸を離れ、月単位でも11月の位置づけを確認しておく。推定成約ADRの月次推移を見ると、京都府の2026年11月は¥25,800(562施設)で、4月の¥21,700、10月の¥21,100を上回り、2026年で最も高い月になる見込みだ。前年同月(2025年11月・¥24,800)との比較では+4.0%である。
出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(京都府・対象施設数は月別で532〜607施設)
他エリアの11月も前年同月を上回る見込みが多い。北海道は¥9,100から¥11,200へ+23.3%、長野県は¥12,400から¥13,800へ+11.0%、東京都は¥17,100から¥18,700へ+9.5%、栃木県は¥12,400から¥13,400へ+8.1%。神奈川県は¥15,600から¥15,600で+0.5%とほぼ横ばい、大阪府は¥12,000から¥11,500で−4.2%だった。なお2026年11月の数値は調査時点で公開されている販売価格に基づく推定であり、宿泊日に近づくにつれて変動する。東京・大阪の月別の価格差は5月のホテルは高い?東京の掲載価格は11月が最高・6月が最安で1.33倍差も参考になる。
| エリア | 2025年11月 | 2026年11月(推定) | 前年同月比 | 対象施設数 |
|---|---|---|---|---|
| 京都府 | ¥24,800 | ¥25,800 | +4.0% | 562 |
| 東京都 | ¥17,100 | ¥18,700 | +9.5% | 1,070 |
| 神奈川県 | ¥15,600 | ¥15,600 | +0.5% | 537 |
| 栃木県 | ¥12,400 | ¥13,400 | +8.1% | 366 |
| 長野県 | ¥12,400 | ¥13,800 | +11.0% | 732 |
| 大阪府 | ¥12,000 | ¥11,500 | −4.2% | 627 |
| 北海道 | ¥9,100 | ¥11,200 | +23.3% | 832 |
出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(推定成約ADR。2026年11月は調査時点の掲載水準に基づく推定値。金額は百円単位に丸め、前年同月比は丸め前の値で算出)
運営者向けの示唆 — 3連休が1回の月をどう設計するか
ここまでのデータから、11月の在庫配分について4つの方向性が見えてくる。
1. 3連休は3日を別々に設計する。 11月21日(土)・22日(日)・23日(月・祝)は、需要の性格がそれぞれ異なる。掲載価格の指数で見れば、都市部では3日目が平日に近い水準まで落ちる。ここに2泊3日の連泊プランや、最終日のレイトチェックアウトを組み合わせる余地がある。特に東京都・大阪府では、11月23日を単独の1泊として売るより、11月21日・22日からの延泊を促す設計のほうが、3日間の総売上を伸ばしやすい。
2. 11月2日(月)のブリッジ需要は目的地型で取りにいく。 神奈川県114.5、北海道111.8、栃木県110.5、長野県110.0という数字は、レジャー目的地では有給を挟んだ4連休が実際に需要になっていることを示す。休暇取得を前提にした「1日休んで4連休」という訴求は、11月上旬の平日を埋める有効な打ち手になる。逆に11月3日(火)当日は前夜より水準が低いため、日帰り客向けのデイユースやレストラン単独利用など、宿泊以外の収益源を組み合わせる方向が考えられる。
3. 平日の谷はエリアごとに位置が違う。 月の前半・後半という一般論ではなく、実データで確認したい。東京都の谷は11月8日〜9日(86.7・87.0)と11月29日〜30日(82.7・81.3)、京都府は11月3日〜5日(86.5〜87.9)、栃木県は11月24日〜25日(96.1・94.0)、長野県は11月24日〜26日(95.9〜96.5)にある。京都府では11月後半の平日がむしろ107〜109と月内上位にあり、後半に谷はない。自エリアの谷がどこかを先に特定してから、連泊割・早期予約特典・平日限定の体験付きプランを充てるほうが、施策の効率は上がる。
4. 動くのは宿泊日の45日前より前。 10月の3連休の実測では、連休初日と通常土曜の差はLT45の時点ですでに18ポイント付いており、その後LT29までの曲線の傾きは両者でほぼ変わらなかった。11月21日〜23日についてLT45にあたるのは10月7日〜9日である。価格の階段設計と在庫の出し方をこの時点までに固めておくことが、成果に直結する。あわせて、京都府の旅館(LT45→LT29で+9.2pt)のように、LT45時点で出遅れていても直前1ヶ月にまだ動く余地がある業態もある点は押さえておきたい。
⚠ 将来日程のデータに関する注意:本記事の2026年11月の掲載価格および推定成約ADRは、調査時点(2026年9月12日)で主要予約サイトに公開されている販売価格に基づく推定であり、宿泊日に近づくにつれて変動します。現時点で高く設定されている価格が直前の調整で下がる可能性、および新規プランの追加により水準が変わる可能性にご留意ください。また、予約の進捗を表す在庫の観測は宿泊日の45日以内に限られるため、2026年11月21日〜23日の在庫消化は本記事の時点では観測されていません。本記事で用いた在庫データは、すでに宿泊日の45日以内に入った2026年10月の3連休の実測値です。
まとめ
2026年11月の3連休は11月21日〜23日の1回のみで、文化の日(11月3日・火)は前日に休暇を取ることで4連休になるブリッジ型である。主要7エリアの日別掲載価格を集計すると、11月21日(土)が京都府・東京都・神奈川県・大阪府の4エリアで月内最高となり、残る3エリアでも僅差の2位だった。
一方で連休最終日である11月23日は、大阪府で11月21日比−82.7ポイント、東京都で−59.3ポイントと大きく落ちる。3日間を一体として扱わず、日ごとに設計を分けることが有効だ。紅葉の見頃予想は、いろは坂10月31日頃・高尾山11月22日頃・嵐山11月24日頃と、暦の山と一致するエリアとそうでないエリアに分かれる。京都では連休終了後の平日および11月28日(土)が月内でも高い水準にあり、暦より気象が需要の形を決めている。
在庫の動きは宿泊日の45日前の時点で大勢が決まっている。11月21日〜23日についてその断面が訪れるのは10月7日〜9日であり、それまでに価格と在庫の配分を固めておくことが、月内唯一の3連休を活かす前提になる。
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参考資料・出典一覧
■ 暦・祝日
■ 紅葉・生物季節観測
- 「紅葉の見頃予想2026、全国的に平年より遅め、京都・嵐山は11月24日頃」ウェザーニューズ社発表(2026年9月3日)
- ウェザーニュース「紅葉情報 2026」
- 気象庁「生物季節観測の情報(かえでの紅葉)」
- 京都地方気象台「京都における開花・満開、紅葉など(生物季節現象)の変化」
- 日本気象協会 tenki.jp「紅葉見頃予想」
■ 市場データ
- メトロエンジンリサーチ — 日別掲載価格(2026年11月1日〜30日、7都道府県、2名1室・1室あたり税込)、推定成約ADR月次(2024年1月〜2026年12月)、在庫消化率(2026年10月チェックイン分、宿泊日45日前〜29日前)
