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春節2027は2月6日・4市場の連休が2/6〜9に集中 — 2月に伸びる県とスキー地のADR受け皿

投稿日 : 2026.10.22

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春節2027は2月6日・4市場の連休が2/6〜9に集中 — 2月に伸びる県とスキー地のADR受け皿

2027年の春節(旧正月)は2月6日(土)である。中国・台湾・香港・韓国の4市場の連休が2月6日から9日までの4日間に重なり、スキー最盛期の北海道・長野ではインバウンドのピークと国内需要のピークが同じ週に来る。春節が1月末だった2025年と2月中旬だった2026年を観光庁「宿泊旅行統計調査」の都道府県別データで並べると、「2月に外国人延べ宿泊者数が伸びた県」の顔ぶれは祝日の位置と市場構成の変化で大きく入れ替わっていた。本稿では3年分の連休カレンダーを一次情報で確認したうえで、県別の2月統計の動き、2026年上半期の市場構成、そして6都道府県の2027年2月の推定成約ADRと掲載施設数から、運営者とDMOが「どの週にどの市場を取るか」を設計するための材料を整理する。

本記事における指標の定義

  • ADR(平均客室単価):各施設がOTA上で公開する最安プラン水準(2名1室利用時・1室あたり料金・税込)に業態別の補正係数を適用して算出した推定成約単価(税抜相当)。上場ホテルREITが開示する物件別実績との照合(91施設・直近3ヶ月間)で誤差中央値は約7%。推定値であり、各施設の実際の成約価格・会計数値とは異なります。エリア単位のADRは対象施設の中央値(エリアの標準的な施設の水準)。2027年1〜3月など未来月の値は調査時点(2026年10月中旬)の掲載水準に基づく推定で、今後変動します。
  • 掲載価格(全プラン平均・税込):OTA等に公開されている全プランの販売価格を施設ごとに日次平均し、そのエリア中央値を月平均したもの。2名1室利用時の1室あたり料金(税込)。ADRとは水準が異なります。
  • OCC(稼働率):エリア内の総客室数に対する販売済み客室数の割合(OTA販売在庫に基づく推定値)。本稿の稼働率は観光庁「宿泊旅行統計調査」の客室稼働率(公式統計)のみを用いています。
  • 外国人延べ宿泊者数:観光庁「宿泊旅行統計調査」の都道府県別・月別の値(人泊)。2026年1月分から調査の抽出設計が従業者数基準から客室数基準に変更されているため、2025年→2026年の前年同月比はその影響を含みます。国籍別の県別内訳は、2025年分が従業者数10人以上の施設、2026年分が客室数20室以上の施設の集計で、母集団が異なります。
  • データ出典:メトロエンジンリサーチ(価格・施設数)、観光庁「宿泊旅行統計調査」、日本政府観光局(JNTO)「訪日外客数」
Key Takeaways
  • — 2月6〜9日:2027年は中国・台湾・香港・韓国の4市場の連休がこの4日間に重なる(台湾は2月4〜10日の7連休、中国は除夕2月5日起点で連休の通知は未公表)。
  • — +1.8%:春節が2月に入った2026年2月も、全国の外国人延べ宿泊者数は前年同月比+1.8%にとどまった。中国−39.4%を台湾+39.4%・韓国+24.6%・香港+9.7%がほぼ相殺した。
  • — 10道府県:2月の前年同月比が2025年のプラスから2026年にマイナスへ転じた道府県(北海道・愛知・静岡など)。2025年2月に中国比率が高かった県とおおむね重なる。
  • — ¥15,300・1月比1.18倍:北海道の2027年2月の推定成約ADR(2026年10月中旬時点の掲載ベース)。3月比は1.30倍で、長野は¥14,300と前後の月と同水準にとどまる。
  • — 週単位の設計:台湾の7連休・韓国の4連休・香港の4日間を別々の需要として扱い、中国の通知が出る11月以降に2月10〜13日の在庫配分を見直す。

春節2027は2月6日 — 4市場の連休が2月6〜9日に重なる

まずは前提となる日付を揃えたい。春節(農暦正月初一)は2025年が1月29日(水)、2026年が2月17日(火)、2027年が2月6日(土)で、3年のあいだに1月末から2月中旬、そして2月上旬へと動く。各市場の連休は政府の公表に基づくと次の表のとおりである。中国の2027年分は国務院弁公庁の通知が例年11月上旬に出るため本稿執筆時点では未公表だが、2025年施行の改正「全国年節及紀念日放假弁法」で春節は除夕(大晦日)から法定4日とされており、2027年は除夕が2月5日(金)にあたる。台湾は人事行政総処の2027年行事暦で2月4日(木)から10日(水)までの7日間、香港は2026年5月15日付の官報告示で2月6日(土)・8日(月)・9日(火)、韓国は宇宙航空庁の2027年月暦要項に基づき2月6日(土)から9日(火)までの4日間(設連休と振替休日)と確定している。韓国の설날(旧正月)が2月7日(日)と中国より1日遅いのは、新月の時刻が時差により日付をまたぐためで、連休の重なり方には影響しない。

春節(正月初一)と中国・台湾・香港・韓国の連休(2025〜2027年)
年春節(正月初一)中国(国務院弁公庁)台湾(人事行政総処)香港(官報告示)韓国(月暦要項・公休日規定)
2025年1月29日(水)1月28日(火)〜2月4日(火)の8日間1月25日(土)〜2月2日(日)の9日間1月29日(水)〜31日(金)1月28日(火)〜30日(木)に臨時公休日1月27日(月)を加え、1月25日(土)から6連休
2026年2月17日(火)2月15日(日)〜2月23日(月)の9日間2月14日(土)〜2月22日(日)の9日間2月17日(火)〜19日(木)2月16日(月)〜18日(水)の3日間(直前の週末を含め5連休)
2027年2月6日(土)未公表(除夕2月5日(金)起算、例年11月上旬に通知)2月4日(木)〜2月10日(水)の7日間2月6日(土)・8日(月)・9日(火)2月6日(土)〜9日(火)の4日間(설날は2月7日(日)、振替休日を含む)

出典:中国国務院弁公庁通知、台湾行政院人事行政総処、香港特別行政区政府官報、韓国宇宙航空庁「2027年度月暦要項」ほか(参考資料参照)よりホテルバンク編集部作成

2027年の重なり方は過去2年と質が違う。2025年は韓国の連休が1月25〜30日、中国が1月28日〜2月4日、台湾が1月25日〜2月2日と、ピークが1月の最終週に集まり2月初めに尾を引いた。2026年は中国・台湾が2月14〜15日から23日前後までの9連休で、韓国の3連休(2月16〜18日)はその中に収まった。これに対し2027年は、中国の通知がまだ出ていないとはいえ、4市場すべてが2月6日(土)から9日(火)を連休に含む。言い換えると、2027年2月の第2週は「中華圏と韓国が同時に動く4日間」であり、その直前の2月4〜5日に台湾(および中国の除夕前後)が先行して入ってくる構図になる。日本側のカレンダーを重ねると、2月11日(木)の建国記念の日が週の後半にあり、スキー場やスノーリゾートでは国内客の週末需要が2月6〜7日と13〜14日に立つ。海外の連休と日本の連休が1日ずつずれて重なる週に稼働がどう立つかは、双十節2026は10/9〜11、日本の三連休と重なる4日間で台湾比率の高い5道県を例に検証している。

祝日の位置で2月の統計が動く — 2025年と2026年で「伸びた県」が入れ替わった

観光庁「宿泊旅行統計調査」の都道府県別・外国人延べ宿泊者数で、2月の前年同月比を2025年と2026年で比べる。全国の2月は2025年が1,378万8,140人泊(前年同月比+16.8%)、2026年が1,403万7,770人泊(同+1.8%)だった。1月は逆に、2025年の1,523万5,390人泊から2026年は1,283万3,880人泊へ−15.8%と大きく動いている。春節が1月末から2月中旬へ移ったことで、本来なら2026年の2月は1月から需要が移ってくる追い風を受けるはずだが、全国計では+1.8%にとどまった。背景にあるのは中国市場の縮小で、2月の中国人延べ宿泊者数は284万人泊から172万人泊へ−39.4%となり、台湾(+39.4%)・韓国(+24.6%)・香港(+9.7%)の伸びをほぼ相殺した。

出典:観光庁「宿泊旅行統計調査」(都道府県別・外国人延べ宿泊者数、2025年は確定値、2026年は第2次速報値)よりホテルバンク編集部作成

県別に見ると、2月に前年同月を上回った県の数は2025年が47都道府県中38、2026年が37と総数はほぼ同じだが、中身は入れ替わっている。2025年に2月がプラスで2026年に2月がマイナスに転じたのは北海道・秋田・石川・山梨・岐阜・静岡・愛知・京都・奈良・岡山の10道府県で、北海道は+43.2%から−7.3%へ、愛知は+43.8%から−14.6%へ、静岡は+26.3%から−20.3%へと振れ幅が大きい。これらは2025年2月の国籍構成で中国の比率が高かった県(静岡43.3%、大阪33.8%、山梨31.8%、愛知31.3%、岐阜31.3%)とおおむね重なり、春節が2月に入ったにもかかわらず中国の減少が勝った形である。一方で2025年にマイナスだった2月が2026年にプラスへ転じたのは茨城・群馬・神奈川・滋賀・広島・高知・佐賀・大分・宮崎の9県で、九州(佐賀・大分・宮崎)と中国・四国(広島・高知)、北関東(茨城・群馬)の県が目立つ。

都道府県別 外国人延べ宿泊者数の前年同月比(2025年2月・2026年1〜2月)
都道府県2026年2月(人泊)2025年2月 前年比2026年2月 前年比2026年1月 前年比2026年1〜2月計 前年比2月の符号転換
北海道1,685,150+43.2%-7.3%-18.4%-13.1%2025年+→2026年−
東京都4,273,080+9.4%+0.4%-12.5%-6.4%
大阪府1,896,300+11.7%+1.0%-23.5%-12.1%
京都府930,100+14.7%-8.9%-23.6%-16.6%2025年+→2026年−
沖縄県627,050+30.5%+1.3%-13.0%-5.9%
長野県427,270+9.1%+12.5%-14.9%-2.3%
福岡県701,030+17.2%+11.7%-11.2%-0.2%
千葉県313,570+22.3%+0.1%-13.4%-7.3%
愛知県321,590+43.8%-14.6%-31.8%-23.8%2025年+→2026年−
静岡県126,610+26.3%-20.3%-27.6%-23.7%2025年+→2026年−
岐阜県177,970+45.5%-3.7%-29.9%-17.5%2025年+→2026年−
山梨県188,630+40.4%-11.7%-32.5%-22.3%2025年+→2026年−
石川県125,020+43.1%-6.3%-33.5%-20.9%2025年+→2026年−
新潟県207,740+39.0%+30.7%-9.4%+8.6%
兵庫県151,000+18.3%+27.6%+7.6%+17.0%
宮城県119,840+30.6%+23.2%+13.4%+18.3%
熊本県130,250+23.3%+1.4%-5.5%-1.9%
大分県163,180-12.4%+22.2%+4.5%+13.2%2025年−→2026年+
鹿児島県92,700+21.3%+68.5%-4.7%+27.6%
神奈川県317,230-29.8%+9.2%-18.1%-5.3%2025年−→2026年+

出典:観光庁「宿泊旅行統計調査」(2024・2025年は確定値、2026年は第2次速報値。2026年1月分から抽出設計が客室数基準に変更)よりホテルバンク編集部作成

ここで重要なのは、1月と2月を分けて見るか合算して見るかで評価が変わる点である。北海道の2月単月は−7.3%だが、1〜2月計では−13.1%とさらに弱く、春節の移動が2月を支えていたことがわかる。長野は2月単月+12.5%、1〜2月計−2.3%で、1月に失った分を2月で取り返した。福岡は2月+11.7%・1〜2月計−0.2%で横ばい、鹿児島は2月+68.5%・1〜2月計+27.6%、大分は2月+22.2%・1〜2月計+13.2%と、韓国客が多い九州では1月の落ち込みを2月が大きく上回った。春節の位置で単月の前年同月比が±20ポイント動くことを踏まえると、月次統計で市場の強さを読むときは、連休が同じ月に入る年同士を比べるか、1〜2月を合算して評価するのが実務的といえる。

出典:観光庁「宿泊旅行統計調査」(国籍別外国人延べ宿泊者数、2025年2月は従業者数10人以上施設・2026年2月は客室数20室以上施設の集計)よりホテルバンク編集部作成

2026年上半期の市場構成 — 全体−2.0%の内側で韓国・台湾は6カ月連続プラス

日本政府観光局(JNTO)が2026年7月15日に公表した推計値によると、2026年1〜6月の訪日外客数は2,108万4,800人で前年同期比−2.0%だった。市場別では韓国が567万5,100人(+18.6%)、台湾が397万2,200人(+20.9%)、香港が129万8,500人(+2.2%)、中国が205万8,200人(−56.4%)である。中国の減少分を韓国・台湾の増加で埋めきれず全体はわずかに前年を割ったが、月別に見ると韓国と台湾は1月から6月まで6カ月すべてで前年同月を上回っている。香港は2月に+19.6%、6月に+28.5%と伸びた一方で、1月が−17.9%、4月が−14.3%と前年を割る月があり、春節とイースターの期ずれにもっとも敏感な市場といえる。中国は1月−60.7%、6月−57.3%など、2月(−45.2%)を除く5カ月で前年の半分以下にとどまった。

出典:日本政府観光局(JNTO)「訪日外客数」各月推計値(2026年2月〜7月公表)よりホテルバンク編集部作成

この市場構成を県別の春節依存度に重ねると、2027年2月に「どの市場が来るか」の読み筋が県ごとに違ってくる。表に掲げた18都道府県のうち、2025年2月の国籍別内訳(従業者数10人以上の施設)で中華圏(中国・台湾・香港)の比率が50%を超えるのは宮城(77.3%)、新潟(65.8%)、兵庫(64.9%)、静岡(61.2%)、岐阜(57.6%)、山梨(56.6%)、愛知(56.4%)、石川(54.8%)、熊本(53.8%)で、このうち宮城・新潟は台湾、静岡・愛知・兵庫は中国が主力である。同じく表中で韓国の比率が30%を超えるのは大分(54.0%)、鹿児島(51.5%)、福岡(44.8%)、熊本(34.2%)の九州4県で、表外でも宮崎・長崎・佐賀・愛媛・山口・徳島が30%を超えるなど、韓国客は九州と中国・四国に厚い。北海道(中華圏49.7%・韓国15.5%)、大阪(47.6%・17.7%)、沖縄(45.6%・26.0%)は両方を取り込む分散型で、東京(35.7%・10.0%)、京都(40.9%・7.3%)、長野(43.7%・1.5%)は欧米豪の比率が高く、春節の影響は相対的に小さい。

県別の国籍構成(2025年2月)と2026年2月の国籍別前年同月比
都道府県中華圏比率(2025年2月)うち中国韓国比率(2025年2月)タイプ中国 2026年2月 前年比台湾 同韓国 同
北海道49.7%26.3%15.5%分散型-22.1%+18.2%+11.5%
東京都35.7%23.0%10.0%分散型-35.6%+35.5%+21.2%
大阪府47.6%33.8%17.7%分散型-58.3%+63.5%+36.5%
京都府40.9%26.8%7.3%分散型-53.9%+36.3%+0.2%
沖縄県45.6%10.6%26.0%分散型-30.6%+79.0%+15.1%
長野県43.7%12.8%1.5%分散型+6.5%+29.2%+6.6%
福岡県38.0%12.0%44.8%韓国型-11.9%+49.6%+6.9%
愛知県56.4%31.3%12.4%中華圏型-70.8%+48.8%+29.7%
静岡県61.2%43.3%8.6%中華圏型-61.6%+47.5%+28.1%
岐阜県57.6%31.3%5.5%中華圏型-58.2%+45.1%+98.2%
山梨県56.6%31.8%2.5%中華圏型-44.9%+49.7%+103.2%
石川県54.8%20.4%2.2%中華圏型-39.8%-8.8%+27.3%
新潟県65.8%14.9%4.0%中華圏型+30.3%+49.2%+104.5%
宮城県77.3%14.0%3.1%中華圏型-0.8%+22.7%-13.9%
兵庫県64.9%40.5%8.0%中華圏型-41.0%+91.9%+71.4%
熊本県53.8%12.7%34.2%中華圏型-60.3%-13.5%+4.5%
大分県33.8%8.4%54.0%韓国型-30.6%+51.7%+11.6%
鹿児島県33.7%15.5%51.5%韓国型-6.1%+151.2%+120.0%

出典:観光庁「宿泊旅行統計調査」参考第1表(2025年2月は従業者数10人以上施設、2026年2月は客室数20室以上施設。母集団が異なるため前年比は参考値)よりホテルバンク編集部作成。タイプは中華圏比率50%以上を「中華圏型」、韓国比率30%以上を「韓国型」、それ以外を「分散型」と区分

2026年2月の国籍別の動きを県別に見ると、中国が−50%前後となった愛知(−70.8%)、静岡(−61.6%)、熊本(−60.3%)、大阪(−58.3%)、岐阜(−58.2%)、京都(−53.9%)でも、台湾は大阪+63.5%、兵庫+91.9%、沖縄+79.0%、鹿児島+151.2%と大きく伸び、韓国も山梨(+103.2%)、新潟(+104.5%)、岐阜(+98.2%)、鹿児島(+120.0%)で倍増した。母集団が異なる参考値ではあるが、春節の連休を使って日本に来る層の中心が中国から台湾・韓国・香港へ移っており、2027年2月の受け皿を考えるうえでは「春節=中国」の前提をいったん外し、台湾の7連休と韓国の4連休、香港の4日間を別々の需要として設計する方が実態に近い。その台湾客の宿泊が県別にどこへ厚く分布しているかは、台湾の訪日客はどこに泊まる?地方が54.6%で整理している。

2027年2月の受け皿 — 6都道府県の推定成約ADRと掲載施設数

それでは、2027年2月の価格はどこまで織り込まれているか。メトロエンジンリサーチのデータで北海道・長野・東京・大阪・京都・沖縄の2027年2月の掲載価格(全プラン平均・税込)と推定成約ADR、掲載施設数を取り、前後の1月・3月と比べた。調査時点(2026年10月中旬)で2027年2月にOTA等に価格を掲載している施設数は北海道1,504施設、長野1,240施設、東京1,910施設、大阪1,002施設、京都1,793施設、沖縄1,669施設で、推定成約ADRの算出対象(ビジネス・シティ・リゾート・旅館・カプセルの検証済みカテゴリ)はそれぞれ711・579・977・572・526・441施設である。4カ月先の月であるため、ADR算出対象は実績月(2026年2月)に比べ約1〜3割少なく(北海道・長野は2〜3割)、以下の数値はいずれも今後の掲載追加と価格調整で動く。

6都道府県の2027年2月 掲載価格・推定成約ADR・掲載施設数(2026年10月中旬時点)
都道府県2027年2月 掲載価格(全プラン平均・税込)2027年2月 推定成約ADR掲載施設数ADR算出対象2027年1月 ADR2027年3月 ADR2月÷1月2月÷3月
北海道¥36,770¥15,2661,504711¥12,891¥11,7281.181.30
長野県¥31,382¥14,2721,240579¥14,553¥13,9850.981.02
東京都¥28,756¥15,3681,910977¥13,653¥18,6161.130.83
大阪府¥18,195¥10,3641,002572¥10,060¥11,6621.030.89
京都府¥35,057¥13,5741,793526¥13,586¥22,8251.000.59
沖縄県¥30,147¥13,2151,669441¥11,188¥12,4141.181.06

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(2026年10月中旬時点の掲載水準に基づく推定。推定成約ADRは税抜相当・エリア中央値)

北海道の2027年2月の推定成約ADRは¥15,300で、1月の¥12,900に対し1.18倍、3月の¥11,700に対し1.30倍と、6都道府県で唯一2月が前後の月を大きく上回る。過去の実績でも北海道は2月が1月を上回る季節性を持つが、その比率は2025年実績で1.16倍、2026年実績で1.03倍だった。2027年の掲載段階で1.18倍まで乗っているということは、スキー最盛期と4市場の連休が重なる2月の単価が、少なくとも2025年並みの水準ですでに織り込まれていると読める。カテゴリ別では北海道のリゾートホテルが2月¥21,700(対象120施設)で1月の¥19,900、3月の¥16,500を上回り、旅館も¥13,800(同185施設)と2月が最高である。ビジネスホテルも2月¥13,900(同336施設)で1月比1.20倍となっており、札幌など都市部の宿泊特化型にも2月の需要期待が乗っている。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(2026年10月以降は調査時点の掲載水準に基づく推定。全カテゴリ・推定成約ADR・エリア中央値、対象施設数は月により672〜960)

長野は様相が異なる。2027年2月の推定成約ADRは¥14,300で、1月の¥14,600をわずかに下回り、3月の¥14,000とほぼ同水準である。長野は年末年始を含む1月が年間のピークに近く、2月が1月を下回る季節性は2025年実績(0.96倍)、2026年実績(0.89倍)にも表れている。2027年の0.98倍は過去2年より2月の相対水準が高く、リゾートホテルは2月¥20,200(対象107施設)で1月の¥21,900には届かないが3月の¥19,000は上回る。旅館は¥16,000(同320施設)で2月が1〜3月の中で最も高い。長野の2月の外国人延べ宿泊者数は2026年に+12.5%と伸び、国籍別では台湾+29.2%、中国+6.5%と中華圏が揃って増えた数少ない県であり、春節の4市場集中が長野の2月を押し上げる余地は価格にまだ十分には乗っていないとみることもできる。

スキーリゾート市町村の2027年1〜3月 推定成約ADR(2026年10月中旬時点)
スキーリゾート市町村2027年1月 推定成約ADR2027年2月 推定成約ADR2027年3月 推定成約ADR2月÷3月ADR算出対象(2月)掲載施設数(2月)
倶知安町(北海道)¥49,393¥46,420¥22,6162.051738
ニセコ町(北海道)¥36,998¥34,418¥17,8381.93830
白馬村(長野)¥28,688¥28,234¥27,5411.0326156
野沢温泉村(長野)¥18,693¥16,884¥18,1740.93934
山ノ内町(長野・志賀高原ほか)¥17,046¥16,853¥14,7301.1488111

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(2026年10月中旬時点の掲載水準に基づく推定。ニセコ町・野沢温泉村は算出対象が10施設未満で参考値)

スキーリゾートの市町村単位では、倶知安町の2027年2月の推定成約ADRが¥46,400(対象17施設)、ニセコ町が¥34,400(同8施設)で、いずれも3月の約2倍である。ニセコエリアでは1〜2月のハイシーズン価格と3月の春スキー価格の段差がすでに明確に掲載されており、春節の連休週だけを特別に上乗せする余地というより、ハイシーズン全体として高値が織り込まれた状態といえる。白馬村は2月¥28,200(同26施設)で1月・3月との差が小さく、山ノ内町は2月¥16,900(同88施設)で3月比1.14倍と、長野側はニセコほど月の段差をつけていない。野沢温泉村は対象9施設と少なく参考値にとどまるが、2月が1月・3月を下回る掲載になっている。これらスキーエリアの宿泊単価をリフト券と合算した「滑走1日あたりの総コスト」については、リフト券2026-27とスキー宿1泊を合算も参考になる。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(2026年10月中旬時点の掲載水準に基づく推定。推定成約ADR・エリア中央値・税抜相当)

都市部では東京の2027年2月が¥15,400で1月比1.13倍、3月の¥18,600には届かない。京都は2月¥13,600で1月とほぼ同じ、3月は¥22,800と桜前の需要で段差がつく。大阪は2月¥10,400で1月比1.03倍、沖縄は2月¥13,200で1月比1.18倍である。東京・大阪・京都は3月以降の春需要が本番で、2月は年間の谷にあたる。春節の4市場集中は、こうした都市部の2月の谷を埋める需要として位置づけるのが自然で、北海道のように2月そのものがピークになる構造とは分けて考えたい。

参考として、観光庁統計の客室稼働率で2025年2月と2026年2月を比べると、北海道の全施設計は68.0%から65.0%、大阪は76.2%から70.1%、沖縄は62.1%から59.7%と低下し、長野は41.8%から44.1%、東京は75.4%から76.8%、京都は56.1%から59.1%へ上昇した。北海道のリゾートホテルは67.9%から67.5%とほぼ横ばいで、2月に春節が入っても稼働の上積みは限定的だった。2026年分は抽出設計の変更を含むため厳密な比較ではないが、中国の減少を台湾・韓国で補う構図は稼働率にも表れている。

観光庁 客室稼働率の比較(2025年2月・2026年2月、全施設・リゾートホテル・旅館)
都道府県全施設 2025年2月全施設 2026年2月リゾートホテル 2025年2月リゾートホテル 2026年2月旅館 2025年2月旅館 2026年2月
北海道68.0%65.0%67.9%67.5%47.4%54.0%
長野県41.8%44.1%49.3%48.9%30.7%35.3%
東京都75.4%76.8%49.0%47.3%36.2%43.8%
大阪府76.2%70.1%69.2%72.7%51.1%28.6%
京都府56.1%59.1%45.9%44.3%28.8%37.2%
沖縄県62.1%59.7%67.6%68.7%49.3%43.7%
全国60.4%59.6%58.5%58.4%36.6%40.1%

出典:観光庁「宿泊旅行統計調査」客室稼働率(2025年は確定値、2026年は第2次速報値)よりホテルバンク編集部作成

どの週にどの市場を取るか — 2027年2月の設計

ここまでを整理すると、2027年2月は「4市場が2月6〜9日に集中する」「中国の通知は未公表だが除夕2月5日から前後に広がる」「春節需要の中心は台湾・韓国・香港に移っている」「北海道は2月の単価がすでに高く織り込まれ、長野と都市部には余地がある」という4点に要約できる。これを週単位に落とすと、運営者とDMOの設計は次のようになる。

2027年2月の週別に見た入ってくる市場と設計の方向性
週入ってくる市場設計の方向性
1月30日(土)〜2月3日(水)国内スキー客、欧米豪の長期滞在、台湾の早出組春節前の平日は国内・欧米豪向けの連泊で土台をつくる。台湾の7連休は2月4日(木)開始のため、2月3日チェックインの前泊需要が見込める。
2月4日(木)〜2月5日(金)台湾(連休初日)、中国(除夕前後)、香港・韓国の前泊4市場の到着が重なる立ち上がり。空港アクセスの良い都市部と北海道・沖縄の玄関口で、到着日の2〜3泊を優先的に確保したい。
2月6日(土)〜2月9日(火)中国・台湾・香港・韓国の4市場すべて+国内週末客年間で最も需要が重なる4日間。北海道は単価が織り込み済みのため稼働と連泊条件の設計を、長野・都市部は2月の谷を埋める需要としてレートの段階設定を検討する余地がある。
2月10日(水)〜2月14日(日)台湾(10日まで)、中国(通知次第で13日前後まで)、国内(11日の建国記念の日、13〜14日の週末)連休後半は中国の日程次第で厚みが変わる。11月の国務院弁公庁の通知が出た時点で、2月10〜13日の在庫配分を見直す。
2月15日(月)〜2月28日(日)国内スキー客、欧米豪、東南アジア(学校休暇)春節後の2週間は中華圏・韓国の需要が落ち着く。北海道・長野のスキー後半と都市部の3月前倒し需要を、連泊・早期予約で平準化する。

出典:各国政府の連休公表、観光庁「宿泊旅行統計調査」、メトロエンジンリサーチよりホテルバンク編集部作成

市場別の優先順位は、県の春節依存度のタイプで変えたい。韓国型の九州各県は、2027年の設連休が4日間と2026年の3日間より長く、かつ土曜開始で前泊が立ちやすい。2026年2月に韓国客が倍増した山梨・新潟・岐阜のような県は、設連休の日程が中華圏と完全に重なるため、台湾・香港の予約と韓国の予約が同じ日程を取り合う可能性があり、早期の販売配分が成否を分ける。中華圏型の宮城・新潟・兵庫・静岡は台湾の7連休(2月4〜10日)を軸に組み立て、中国の通知が出た段階で後半の在庫を調整すればよい。分散型の北海道・大阪・沖縄は、4市場の重なりで2月6〜9日の需要が最も厚くなる県であり、同時に国内の週末需要も重なるため、国内客向けの早期販売を1月中に終えておくことが連休週の単価を守る前提になる。

DMOの立場では、2026年2月の統計が「春節が2月に入ったのに前年並み」に見えること自体が、市場構成の変化を示すシグナルである。中国を前提にした2月のプロモーション枠を、台湾・韓国・香港の連休日程に合わせて組み替え、2027年は2月4〜9日の6日間に集中投下するのが素直な設計だろう。その際、月次統計で成果を測るなら、2027年2月は春節を含む月として2026年2月と比較でき、1月は春節を含まない月同士(2026年1月と2027年1月)で比較できる珍しい年になる。祝日の位置が揃う年に基準値をつくっておけば、2028年(春節1月26日)に再び1月へ戻るときの評価も容易になる。

まとめ

2027年の春節は2月6日(土)で、台湾は2月4〜10日の7連休、香港は2月6・8・9日、韓国は2月6〜9日の4連休が確定し、中国も除夕2月5日を起点に連休が入る。観光庁統計では、春節が1月末だった2025年と2月中旬だった2026年で2月の外国人延べ宿泊者数の前年同月比が県ごとに±20ポイント以上動き、北海道・愛知・静岡など中国比率の高い県がマイナスへ、九州・東北など韓国・台湾比率の高い県がプラスへ入れ替わった。2026年上半期は訪日外客数2,108万人(−2.0%)の内側で韓国・台湾が6カ月連続プラスであり、春節需要の主役は中国から台湾・韓国・香港へ移っている。2027年2月の推定成約ADRは北海道が¥15,300と1月比1.18倍、3月比1.30倍まで織り込まれる一方、長野は¥14,300で前後の月と同水準、都市部は3月以降の春需要が本番で2月は谷にあたる。運営者とDMOにとって2027年2月は、2月6〜9日の4日間に4市場と国内週末客が重なる年であり、県の依存タイプ別に市場の優先順位を決め、中国の通知が出る11月以降に後半の在庫配分を見直す設計が有効といえる。

よくある質問

Q. 2027年の春節はいつですか。中国の連休は決まっていますか。
A. 2027年の春節(農暦正月初一)は2月6日(土)です。中国の連休は国務院弁公庁が例年11月上旬に翌年分を通知するため、本稿執筆時点(2026年10月)では未公表です。2025年施行の改正規定で春節は除夕から法定4日とされており、2027年の除夕は2月5日(金)にあたります。台湾は2月4〜10日の7日間、香港は2月6・8・9日、韓国は2月6〜9日の4日間が公表済みです。

Q. 2026年2月は春節が入ったのに外国人宿泊が伸びなかったのはなぜですか。
A. 観光庁統計で2026年2月の外国人延べ宿泊者数は全国で前年同月比+1.8%でした。春節が1月末から2月中旬へ移った追い風はあったものの、中国人の延べ宿泊者数が−39.4%と大きく減り、台湾(+39.4%)・韓国(+24.6%)・香港(+9.7%)の増加をほぼ相殺したためです。中国比率の高い県ほど2月がマイナスに転じています。

Q. 2027年2月の北海道の価格はもう上がっていますか。
A. 2026年10月中旬時点の掲載水準に基づく推定成約ADRでは、北海道の2027年2月は¥15,300で1月比1.18倍、3月比1.30倍です。2025年実績の2月÷1月(1.16倍)と同程度の季節差がすでに掲載段階で織り込まれています。未来月の掲載価格は今後の販売状況で変動するため、現時点の目安としてご覧ください。

⚠ 将来日程のADRに関する注意:本記事の2026年10月以降および2027年1〜3月のADR・掲載価格・掲載施設数は、調査時点(2026年10月中旬)でOTA等に公開されている販売価格に基づく推定であり、チェックイン日に近づくにつれて新規プランの追加や価格調整で変動します。実績月に比べADR算出対象の施設数が少ない段階の値であることにもご留意ください。また、中国の2027年春節連休は国務院弁公庁の通知が未公表であり、確定後に需要の分布が変わる可能性があります。

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参考資料・出典一覧

■ データソース

観光庁「宿泊旅行統計調査」(推移表、2025年年間確定値、2026年1月分・2月分第2次速報値)、日本政府観光局(JNTO)「訪日外客数」推計値(2026年2〜7月公表)、中国・台湾・香港・韓国の各政府による連休公表、メトロエンジンリサーチ(OTA等に公開された価格・掲載施設数、2026年10月中旬時点)。

■ 試算前提

推定成約ADRは各施設の最安プラン水準(2名1室・1室あたり・税込)に業態別の補正係数を適用した税抜相当の推定値で、都道府県・市町村ごとの中央値。対象はビジネス・シティ・リゾート・旅館・カプセルの検証済みカテゴリ。2027年1〜3月は調査時点の掲載水準に基づく。県のタイプは2025年2月の国籍別内訳で中華圏比率50%以上を「中華圏型」、韓国比率30%以上を「韓国型」、それ以外を「分散型」とした。

■ 限界・留意点

未来月の価格・掲載施設数は今後の新規プラン追加や価格調整で変動する。2026年1月分から宿泊旅行統計調査の抽出設計が客室数基準に変わったため、2025年→2026年の前年同月比はその影響を含む参考値。中国の2027年春節連休は未公表。ニセコ町・野沢温泉村はADR算出対象が10施設未満で参考値。推定成約ADRは各施設の実際の成約価格・会計数値とは異なる。

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