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コートヤード・バイ・マリオット京都駅 11月16日開業 — 駅1km圏1.7万室に270室、価格帯の空白と11月ピーク

投稿日 : 2026.10.08

京都府

新規開業・供給

コートヤード・バイ・マリオット京都駅 11月16日開業 — 駅1km圏1.7万室に270室、価格帯の空白と11月ピーク

ジェイアール東海不動産が「ホテルセントノーム京都」跡地で進めてきた再開発が、2026年11月16日(月)に「コートヤード・バイ・マリオット京都駅」として開業する。JR京都駅八条東口から徒歩3分、スイートを含む全270室という規模は、メトロエンジンリサーチが把握する京都駅半径1km圏の既存客室1万7,400室(10室以上・2026年に販売が確認できる151施設)に対して1.5%にあたる。本稿では、この新規供給を「11月が年間ピークになる駅圏の単価の季節性」「半径1km・2kmの客室ストック」「推定成約ADRの価格帯分布」のなかに位置づけ、過去の新規開業後に単価がどう立ち上がったかを重ねることで、既存施設にとっての含意を読み解く。

本記事における指標の定義

  • ADR(平均客室単価):各施設がOTA等で公開する最安プラン水準(2名1室利用時・1室あたり料金・税込)に業態別の補正係数を適用して算出した推定成約単価(税抜相当)。上場ホテルREITが開示する物件別実績との照合(91施設・直近3ヶ月間)で誤差中央値は約7%。推定値であり、各施設の実際の成約価格・会計数値とは異なります。エリア単位のADRは対象施設の中央値(エリアの標準的な施設の水準)。
  • 掲載価格:OTA等に公開されている全プラン(素泊まり〜食事付き)の平均で、2名1室利用時の1室あたり料金(税込)。売れ残った高価格帯プランが残り続けるため、ADR(推定成約)より高い水準になる。本文でADRと区別して「掲載価格」と表記する。
  • 駅圏ストック:JR京都駅(北緯34.985度・東経135.758度)を中心とする半径1km・2kmに所在し、客室数10室以上で、2026年4月以降に主要予約サイトで販売が確認できる施設。閉館済み・開業前の施設と重複登録は除外した。10室未満の町家・簡易宿所は含まない。
  • データ出典:メトロエンジンリサーチ(OTA上で稼働が確認できる国内約27,000施設・約126万室を分析対象)
Key Takeaways
  • — 270室・2026年11月16日開業:コートヤード・バイ・マリオット京都駅は、京都駅半径1km圏の既存151施設・1万7,435室に対して1.5%、2km圏2万9,296室に対して0.9%の供給追加。
  • — 開業月は年間ピーク:下京区の推定成約ADRは2025年11月が2万3,900円(N=157施設)で年間月平均の1.54倍、2026年11月は2万5,100円(推定、前年同月比+5.0%)。
  • — 5万円以上は4施設・841室:1km圏98施設の2025年11月の推定成約ADRは2〜3万円帯に客室の43%が集中し、5万円以上は客室の5.5%にとどまる。
  • — 新規開業の単価は1年強かけて立ち上がる:2km圏で2022〜2025年に開業した11施設は、開業後7か月目まで相対水準が94〜106で横ばい、12〜14か月目に105〜117へ切り上がった。
  • — 供給追加と11月単価:2km圏に年1,000室前後が加わった2023〜2025年も、下京区の11月ADRは1万8,400円→2万3,900円と上昇しており、単価を押し下げた形跡は見られない。

事実整理 — 八条東口徒歩3分・270室・11月16日開業

まずは公表値を整理しておきたい。トラベルWatch(2026年8月7日付)および2023年12月7日のマリオット・インターナショナルとJR東海グループの共同発表によると、コートヤード・バイ・マリオット京都駅は京都市南区東九条東山王町19番1、地上9階・地下1階建てで、スイートを含む全270室を備える。客室はラージャーゲストルーム ツイン(約28㎡)79室、ゲストルーム キング(約22㎡)48室、スイートルーム ツイン(約66㎡)7室などで構成され、館内にはオールデイダイニング「The 8th Gate」(150席、6時30分〜23時)のほかカフェ&バー、フィットネスを併設する。事業主体はジェイアール東海不動産、運営はジェイアール東海ホテルズで、国内9軒目のコートヤードとなる。予約受付は2026年8月6日に始まっている。

コートヤード・バイ・マリオット京都駅の公表概要
項目公表内容
開業日2026年11月16日(月)
所在地京都府京都市南区東九条東山王町19番1(JR京都駅八条東口から徒歩3分)
規模地上9階・地下1階建、全270室(スイート7室を含む)
主な客室ラージャーゲストルーム ツイン 約28㎡・79室/ゲストルーム キング 約22㎡・48室/スイートルーム ツイン 約66㎡・7室
付帯施設オールデイダイニング「The 8th Gate」150席、カフェ&バー、フィットネス
事業主体・運営ジェイアール東海不動産(開発)/ジェイアール東海ホテルズ(運営)、ブランドはマリオット・インターナショナル
敷地の経緯「ホテルセントノーム京都」跡地(ジェイアール東海不動産が2022年7月に取得)の再開発
予約受付2026年8月6日開始

出典:トラベルWatch(2026年8月7日)、マリオット・インターナショナル/JR東海グループ発表(2023年12月7日)よりホテルバンク編集部作成

同じ11月には、左京区岡崎の「ホテル平安の森京都」が11月1日(日)に「京都マリオットホテル」としてリブランドオープンする(HMIホテルグループ公式サイト、客室215室)。こちらは2024年4月に発表されたマリオットとHMIホテルグループの提携(国内7ホテル・約2,200室のリブランド)の一環で、新築の供給ではない。したがって京都市内で11月に加わる「純増の客室」としては、コートヤード・バイ・マリオット京都駅の270室が中心になる。なお京都市内ではすでに2025年8月にコートヤード・バイ・マリオット京都四条烏丸(125室)が開業しており、同ブランドの市内2軒目となる。

単価の季節性 — 下京区の推定成約ADRは11月が年間ピーク

開業月の11月は、京都駅圏の単価が1年でもっとも高くなる月である。メトロエンジンリサーチの区別データで下京区(京都駅北側・烏丸口一帯)を見ると、2025年11月の推定成約ADRは2万3,900円(N=157施設)で、2025年の月平均1万5,600円に対して1.54倍だった。2026年11月は調査時点の掲載水準から2万5,100円(N=164施設)と推定され、前年同月比+5.0%となる。一方で同じ月の掲載価格(全プラン平均・税込)は5万1,100円と推定成約の2倍の水準にあり、売れ残った上位プランが掲載に残る構造を示している。本稿で「ADR」と呼ぶのは後者ではなく前者の推定成約水準である。

年次の重ね描きにすると、紅葉期の11月と桜期の4月に二つの山があり、1〜2月と6〜9月が谷になる形が3年連続で再現されている。2026年は4月が2万2,300円(前年同月比+1.4%)、10月が2万2,200円(同+10.4%)、11月が2万5,100円(同+5.0%)で、ピーク月の高さが年々切り上がる一方、6〜9月の谷は1万1,100〜1万2,100円と前年同月を6〜12%下回った。11月開業の施設は、この山の頂点で売り出しを始めることになる。なお、夏場の前年割れを京都府全体の業態別に分解した結果は、京都の推定成約ADR、確定6〜8月は前年比二桁減で詳しく分析している。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(下京区・全カテゴリ、N=157〜168施設/月。2026年9月以降は調査時点の掲載水準に基づく推定)

京都駅をはさむ4区で11月を比べると、水準差はあるものの季節性の形はほぼ同じである。東山区は2025年11月に3万1,500円(N=43施設)と4区で最も高く、2026年11月は3万7,200円(N=49施設)と前年同月比+18.0%が見込まれる。コートヤードが立地する南区は2025年11月が2万1,900円(N=55施設)、2026年11月は2万4,700円(N=53施設、同+12.7%)で、下京区との差は前年の2,000円から400円へ縮まる推定になっている。八条口側に2019年以降大型のビジネスホテルが相次いで開業し、客室の質が入れ替わってきたことが背景にあるだろう。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(2026年11月は調査時点の掲載水準に基づく推定)

京都駅をはさむ4区の11月の推定成約ADRと掲載価格(2025年・2026年)
区2025年11月 ADR2026年11月 ADR(推定)前年同月比11月÷2025年月平均2026年11月 掲載価格
下京区¥23,885¥25,080+5.0%1.54倍¥51,108
南区¥21,903¥24,674+12.7%1.53倍¥43,382
中京区¥25,768¥26,714+3.7%1.50倍¥48,916
東山区¥31,496¥37,155+18.0%1.30倍¥63,565

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(ADRは区内の対象施設中央値。N=下京区157/164、南区55/53、中京区103/109、東山区43/49施設)

駅圏ストック — 半径1kmに151施設・1万7,400室、270室はその1.5%

次に、新規供給を受け止める側の客室ストックを数える。京都駅を中心とする半径1kmには、10室以上で2026年に販売が確認できる施設が151軒・1万7,435室あり、半径2kmに広げると335軒・2万9,296室になる(メトロエンジンリサーチ集計、閉館済みの「ホテルセントノーム京都」と開業前の施設、重複登録を除く)。コートヤードの270室は1km圏の1.5%、2km圏の0.9%に相当し、開業後の1km圏は152軒・1万7,705室となる。業態別には1km圏の客室の66%にあたる1万1,476室(81軒)がビジネスホテルで、シティホテルが12軒・3,796室、デラックスホテルが2軒・636室と続く。ホステル・アパートメント型・町家などは軒数こそ43軒と多いが客室は1,071室にとどまる。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

規模で見ると1km圏には300室以上の施設が14軒あり、その合計6,678室だけで1km圏の38%を占める。都ホテル 京都八条(988室)、ホテルエルシエント京都八条口(562室)、ホテルグランヴィア京都(537室)、アパホテル〈京都駅堀川通〉(516室)、リーガロイヤルホテル京都(489室)が上位5軒で、2019年以降に開業したVIA INN Prime 京都駅八条口(468室)、ホテルヴィスキオ京都 by GRANVIA(423室)、アパホテル〈京都駅東〉(400室)、ALA HOTEL KYOTO(387室)も並ぶ。270室という規模は1km圏で15番目にあたり、「シティホテル」区分としては都ホテル 京都八条、グランヴィア京都、都シティ 近鉄京都駅、京都新阪急ホテル、ホテル京阪 京都グランデに次ぐ。

京都駅半径1km圏の300室以上の施設(客室数順)
施設名(1km圏・300室以上)客室数業態開業年駅からの距離
都ホテル 京都八条988シティホテル1975約230m
ホテルエルシエント京都八条口562ビジネスホテル1997約340m
ホテルグランヴィア京都537シティホテル1997約200m
アパホテル〈京都駅堀川通〉516ビジネスホテル2005約440m
リーガロイヤルホテル京都489デラックスホテル1969約520m
天然温泉 蓮花の湯 御宿 野乃京都七条471ビジネスホテル2021約630m
VIA INN Prime 京都駅八条口468ビジネスホテル2019約190m
京都ユニバーサルホテル烏丸424ビジネスホテル2016約1,000m
ホテルヴィスキオ京都 by GRANVIA423ビジネスホテル2019約210m
アパホテル〈京都駅東〉400ビジネスホテル2019約430m
ALA HOTEL KYOTO387ビジネスホテル2022約500m
都シティ 近鉄京都駅368シティホテル2011約80m
京都新阪急ホテル325シティホテル1981約280m
ホテル京阪 京都グランデ320シティホテル1984約310m
コートヤード・バイ・マリオット京都駅(開業予定)270シティホテル2026約410m

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(業態区分は主要予約サイト上の登録区分。開業年は登録年)

開業年別に積み上げると、2km圏では2018年に2,160室、2019年に4,229室、2020年に2,416室、2021年に2,610室と、コロナ前後の4年間で1万1,400室が加わった。その後は2022年1,757室、2023年1,273室、2024年935室、2025年1,012室と年1,000室前後に落ち着いており、1km圏に限れば2024年は428室、2025年は321室にとどまる。2026年はこれまでに観測できた新規が53室(2km圏)で、ここに270室が乗る。1km圏で270室規模の施設が新たに開業するのは、2024年3月のダブルツリーbyヒルトン京都駅(266室、リブランド開業)以来となる。

出典:メトロエンジンリサーチ&コンサルティング(OTA掲載確認ベース、2km圏・10室以上、N=303施設(開業年の登録があるもの))※掲載は開業の数ヶ月前から出るため、2026年は今後の掲載で増加する可能性あり

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(円:2km圏の100室以上の既存施設105軒、円の大きさ=客室数。濃色の円=コートヤード・バイ・マリオット京都駅の予定地)

価格帯の空白 — 5万円以上は1km圏で4施設・841室、客室の5.5%

ストックを価格帯に分解すると、新規供給がどこに入るかが見えてくる。1km圏のホテル・旅館98施設(推定成約ADRを算出できる業態、1万5,300室)について2025年11月の推定成約ADRを並べると、中央値は2万3,700円、客室数で重み付けした中央値は2万4,400円で、2〜3万円帯に39施設・6,630室(客室の43%)が集中する。3〜5万円帯は22施設・3,627室(24%)、5万円以上は4施設・841室(5.5%)しかなく、8万円以上の施設は11月でも存在しない。2km圏に広げても5万円以上は7施設・1,201室(5.1%)で、構図は変わらない。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(1km圏、2025年11月の推定成約ADR、N=98施設・15,300室)

推定成約ADR帯別の施設数・客室数(京都駅1km圏・2km圏、2025年11月)
推定成約ADR帯(2025年11月)1km圏 施設数1km圏 客室数客室シェア2km圏 施設数2km圏 客室数客室シェア
1万円未満1180.1%1180.1%
1〜1.5万円111,3088.5%171,8067.6%
1.5〜2万円212,87618.8%384,71119.9%
2〜3万円396,63043.3%699,77541.4%
3〜5万円223,62723.7%446,11425.9%
5〜8万円48415.5%71,2015.1%
8万円以上000.0%000.0%

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(1km圏 N=98施設、2km圏 N=176施設。推定成約ADRを算出できるビジネス・シティ・デラックス・旅館・カプセルの各業態)

1km圏で5万円以上の帯を構成するのは、ザ・サウザンド京都(222室・7万6,700円)、ホテルカンラ京都(68室・6万900円)、Nazuna 京都西本願寺(14室・5万9,900円)、ホテルグランヴィア京都(537室・5万1,900円)の4施設である。いずれも需要に支えられて高い水準を保つ施設だが、合計で841室という厚みは、京都市内主要ホテルの2025年11月の稼働率86.9%(京都市観光協会、110施設)という需要の強さに対して薄い。この上位帯の薄さは、既存施設から見れば「価格の天井がまだ低い」ことを意味し、新規参入者から見れば成長余地になる。

コートヤード・バイ・マリオット京都駅自身の水準はどこに置かれているのか。予約受付開始後の調査時点の掲載から推定すると、開業月の2026年11月は掲載価格(全プラン平均)が9万3,100円、最安プラン水準が5万9,700円、推定成約ADRが5万700円となり、12月は推定成約で3万200円、2027年1月は3万7,000円に下がる。開業月は販売プランが限られる時期の掲載であり、実際の成約水準とは乖離しうる点に注意が必要だが、少なくとも売り出しの立ち位置は、1km圏で4施設しかない5万円以上の帯に置かれていることになる。前稿「京都駅半径1km圏ホテル競合マップ」で指摘したミドルアッパー帯の空白と整合的である。

既存施設への含意 — 新規開業の単価は1年強かけて立ち上がる

11月の需要ピークに供給が加わるとき、既存施設が気にするのは「初月から単価競争が起きるか」である。そこで、京都駅2km圏で2022〜2025年に開業した100室以上の施設のうち、開業初期3か月の実績がそろう11施設について、各月の推定成約ADRを下京区の同月中央値で割った相対水準を求め、開業0〜2か月目の平均を100とする指数にした。区の中央値で割ることで季節性は打ち消され、新規施設が「エリアに対してどの位置から始まり、どう動いたか」だけが残る。

結果は明快で、開業から7か月目までの中央値は94〜106と横ばいに近く、8か月目以降に100を超え、12〜14か月目には105〜117へ切り上がる。平均値でも12か月目に110、13〜14か月目に113に達した。つまり新規施設は開業初期の相対水準を1年ほど維持したうえで、認知と評価の蓄積とともに2年目にかけて相対的な価格を引き上げている。開業直後に周辺を巻き込んだ値引き競争が起きる型ではなく、新規側が時間をかけて自らの水準を上げる型である。たとえばダイワロイネットホテル京都駅前 PREMIER(205室、2023年4月開業)は、下京区中央値に対する比率が開業初期の1.27倍から12〜14か月目には1.81倍へ上昇した。全国の2025年開業・100室以上の137施設を12か月追った実測は、新規開業ホテルの単価、初月から市場の1.16倍にまとめている。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(京都駅2km圏で2022〜2025年開業の100室以上・11施設。各月の推定成約ADR÷下京区同月中央値を、開業0〜2か月目平均=100で指数化。月次N=7〜11施設)

供給追加と区の単価の関係も、実データで確かめておきたい。2km圏に2023年は1,273室、2024年は935室、2025年は1,012室が加わったが、下京区の11月の推定成約ADRは2023年1万8,400円→2024年2万1,900円(+19.1%)→2025年2万3,900円(+9.3%)→2026年2万5,100円(推定、+5.0%)と上昇が続き、南区も1万7,300円→1万9,700円(+13.7%)→2万1,900円(+11.1%)→2万4,700円(推定、+12.7%)と伸びている。伸び率が鈍化した2025〜2026年の下京区については、供給の影響というより、京都市観光協会が報告する日本人宿泊の減少(2025年11月は前年同月比−15.3%)と中国からの渡航自粛の影響を含めて読むべきだろう。少なくとも年1,000室前後の供給追加が11月ピークの単価を押し下げた形跡は、この期間のデータには見られない。

京都駅2km圏の新規客室数と下京区・南区の11月ADR(2023〜2026年)
年2km圏 新規客室(開業年ベース)下京区 11月ADR前年同月比南区 11月ADR前年同月比
2023年1,273室¥18,351—¥17,344—
2024年935室¥21,860+19.1%¥19,715+13.7%
2025年1,012室¥23,885+9.3%¥21,903+11.1%
2026年53室+コートヤード270室(予定)¥25,080(推定)+5.0%¥24,674(推定)+12.7%

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(新規客室はOTA掲載確認ベース・10室以上。ADRは区内対象施設の中央値、N=下京区157〜164施設、南区48〜55施設。2026年11月は調査時点の掲載水準に基づく推定。2026年の新規客室は今後の掲載で増加する可能性あり)

既存施設にとっての機会は三つある。第一に、11月の2〜3万円帯(1km圏の客室の43%)にいる施設は、上位帯に新しい参照点ができることで、紅葉期の上限価格を試す余地が広がる。第二に、南区・八条口側の施設にとっては、国際ブランドのシティホテルが隣接することで、海外の個人旅行者にとっての「八条口に泊まる」選択肢が太くなり、エリアとしての認知が進む。第三に、新規施設が開業初期の相対水準を1年ほど保つという過去のパターンに照らせば、2026年11月〜2027年春の既存施設の価格設計は、供給追加への防衛ではなく、需要の山をどう取り切るかに軸足を置いてよい。供給が需要を上回るかどうかは、2027年以降の月次データで引き続き検証したい。

まとめ

コートヤード・バイ・マリオット京都駅(270室、2026年11月16日開業)は、京都駅半径1km圏の既存1万7,435室に対して1.5%、2km圏2万9,296室に対して0.9%の供給追加である。開業月の11月は下京区の推定成約ADRが2万5,100円(前年同月比+5.0%)、南区が2万4,700円(同+12.7%)と年間ピークにあたり、調査時点の掲載から推定した同ホテルの売り出し水準は、1km圏で4施設・841室しかない5万円以上の帯に置かれている。過去の新規開業11施設の推移では、開業後1年は相対水準が横ばいで、12〜14か月目に105〜117へ切り上がるパターンが確認でき、年1,000室前後の供給追加が11月の単価を押し下げた形跡はない。上位価格帯の薄さは既存施設にとっても価格の天井を引き上げる機会であり、供給と単価の関係は今後の月次データで検証を続ける。

⚠ 将来日程のADRに関する注意:本記事の2026年9月以降のADR・掲載価格は調査時点(2026年10月上旬)でOTA等に公開されている販売価格に基づく推定であり、チェックイン日に近づくにつれて変動します。開業前施設の掲載は販売プランが限られる時期の水準であり、実際の成約水準とは乖離しうる点にご留意ください。

よくある質問

Q. コートヤード・バイ・マリオット京都駅の開業日と客室数は?

A. 2026年11月16日(月)開業、スイート7室を含む全270室です。JR京都駅八条東口から徒歩3分、地上9階・地下1階建てで、オールデイダイニング「The 8th Gate」、カフェ&バー、フィットネスを備えます。

Q. 京都駅周辺のホテル客室数はどのくらいありますか?

A. メトロエンジンリサーチの集計では、京都駅から半径1kmに10室以上の施設が151軒・1万7,435室、半径2kmに335軒・2万9,296室あります(2026年に販売が確認できる施設)。新ホテルの270室は1km圏の1.5%にあたります。

Q. 京都駅周辺のホテル単価が最も高い月はいつですか?

A. 紅葉期の11月です。下京区の推定成約ADRは2025年11月が2万3,900円で年間月平均の1.54倍、2026年11月は2万5,100円(前年同月比+5.0%)と推定されます。桜期の4月が二番目の山になります。

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参考資料・出典一覧

■ データソース

メトロエンジンリサーチが収集するOTA公開価格・販売状況の集計データ(区別・施設別の月次推定成約ADRと掲載価格、2023年1月〜2027年1月)と、京都駅を中心とする半径1km・2kmの施設・客室ストック(10室以上、2026年10月上旬時点)。開業概要は事業者発表と報道、需要指標は京都市観光協会の公表値による。

■ 試算前提

ADRは2名1室利用時の最安プラン水準に業態別の補正係数を適用した推定成約単価(税抜相当)で、エリア値は対象施設の中央値。2026年9月以降は調査時点の掲載水準に基づく推定。価格帯分布は推定成約ADRを算出できる業態の1km圏98施設・2km圏176施設が対象。開業後の推移は2km圏で2022〜2025年に開業した100室以上の11施設について、下京区の同月中央値に対する比率を開業0〜2か月目=100で指数化した。

■ 限界・留意点

推定値であり、各施設の実際の成約価格・会計数値とは異なる。将来月の水準はチェックイン日に近づくにつれて変動し、開業前施設の掲載は販売プランが限られる時期の水準である。開業年別の新規客室数は掲載確認ベースで、リブランドによる開業を含む場合がある。開業後推移の対象は11施設(月次N=7〜11)と少なく、個別施設の影響を受けやすい。10室未満の町家・簡易宿所は集計に含まない。

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