群馬県のシティホテルで、2026年7月の推定成約ADR(確定値)は¥8,350(N=13施設)となり、前年同月の確定値¥10,535(N=11施設)から20.7%低下しました。6月の前年比−9.0%から下げ幅が広がり、8月の確定値も¥10,262(N=13施設)で前年比−10.9%と、夏の繁忙月でマイナスが続いています。一方、同じ県のビジネスホテルは7月が¥6,464(N=100施設)で前年比+2.0%、8月は¥7,081(N=101施設)で+5.2%と底堅く推移しました。7月のシティホテルとビジネスホテルの価格差は、前年の約¥4,200から約¥1,900へ縮まっています。
母集団の入れ替わりを除くため、2025年7月と2026年7月の両方に確定値がある同じシティホテル11施設だけで比べると、中央値は¥10,535から¥8,117へ23.0%下がりました。1万円台前半(¥10,000〜14,999)で売れていた4施設は今年この帯に1施設も残らず、うち3施設が¥8,000〜9,999帯に移っています。本稿ではこの「高単価帯が薄くなった月」をデータで分解し、群馬のシティホテルを運営するレベニューマネージャーが守るべきものを、館内単価・滞在日数・セグメント構成の3点に整理します。
対象: 群馬県シティホテル N=13施設(2026年7月・推定成約ADR)、同ビジネスホテル N=100施設(同)。本記事の価格指標は推定成約ADR(OTA等の販売データから推定される成約価格水準・税抜相当)、稼働率はOTA掲載在庫ベースの推定値。いずれも定義は記事末尾。データ時点: 2026年9月26日。
- — 前年比−20.7%:群馬県シティホテルの2026年7月の推定成約ADR(確定値)は¥8,350(N=13施設)。前年¥10,535から下がり、8月も−10.9%でした。
- — 同一11施設でも中央値−23.0%:¥10,000〜14,999帯は4施設→0施設。母集団の入れ替わりでは説明できない下落です。
- — 47都道府県で5番目の下げ幅:シティホテルの全国平均は−9.7%(N=1,117施設)。ビジネスホテルとの前年比の開き22.7ptは岡山県に次ぐ2番目の大きさです。
- — ビジネスホテルは+2.0%(¥6,464・N=100施設)。7月のシティとの価格差は¥4,198→¥1,886(1.66倍→1.29倍)に縮まりました。
- — 稼働だけでは戻せない:2026年7月の単価のまま前年並みの客室売上に戻すには、稼働率89.2%(2026年7月水準の試算)が必要です。土曜平均の85.4%も上回ります。
シティホテルの推定成約ADR:春までは横ばい、5月以降の繁忙月で前年を下回る
最初に、群馬県シティホテルの推定成約ADRを月別に年ごとに重ねて見ます。前年比は、どちらの年も確定値(過去月)である月どうしに限って計算しています。
2026年の1〜4月は¥8,063〜¥8,795の範囲に収まり、前年比は−4.1%〜+0.9%とほぼ横ばいでした。変化が出たのは5月以降です。5月は¥8,907で前年比−14.2%、6月は¥8,612で−9.0%、7月は¥8,350で−20.7%、8月は¥10,262で−10.9%となりました。前年の2025年は5月(¥10,382)、7月(¥10,535)、8月(¥11,519)と、夏にかけて季節の山が立っていました。2026年はこの山が低く、7月は2年前の2024年7月(¥9,833・N=11施設)も下回っています。つまり年間を通して一律に下がったのではなく、本来いちばん高く売れるはずの月ほど前年との差が大きいという形です。
出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成
9月以降はまだ確定していない月で、現時点の販売状況に基づく推定値(N=13施設)は9月¥10,716、10月¥10,504、11月¥11,907、12月¥10,403です。販売が進むにつれて変わる可能性がある数値で、前年の確定値とそのまま比べるのは月末の確定を待ってからにします。チャートでは点線で分けて示しました。
ビジネスホテルは全月で前年を上回り、シティとの価格差が縮まった
同じ期間のビジネスホテルは、2026年1〜8月のすべての月で前年の確定値を上回りました。前年比は+1.1%(4月)〜+10.3%(2月)で、7月も+2.0%です。シティホテルが前年を大きく下回った5〜8月にもプラスを保っています。表に両カテゴリの確定値を並べます。
| 宿泊月 | シティ 2025年 | シティ 2026年 | 前年比 | ビジネス 2025年 | ビジネス 2026年 | 前年比 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1月 | ¥8,409(N=11) | ¥8,063(N=12) | −4.1% | ¥6,096(N=96) | ¥6,512(N=103) | +6.8% |
| 2月 | ¥8,642(N=11) | ¥8,683(N=12) | +0.5% | ¥5,907(N=96) | ¥6,518(N=103) | +10.3% |
| 3月 | ¥8,787(N=11) | ¥8,672(N=12) | −1.3% | ¥6,171(N=98) | ¥6,520(N=104) | +5.7% |
| 4月 | ¥8,716(N=11) | ¥8,795(N=12) | +0.9% | ¥6,322(N=98) | ¥6,393(N=103) | +1.1% |
| 5月 | ¥10,382(N=11) | ¥8,907(N=12) | −14.2% | ¥6,388(N=98) | ¥6,719(N=103) | +5.2% |
| 6月 | ¥9,468(N=11) | ¥8,612(N=13) | −9.0% | ¥6,052(N=98) | ¥6,227(N=103) | +2.9% |
| 7月 | ¥10,535(N=11) | ¥8,350(N=13) | −20.7% | ¥6,337(N=98) | ¥6,464(N=100) | +2.0% |
| 8月 | ¥11,519(N=11) | ¥10,262(N=13) | −10.9% | ¥6,732(N=96) | ¥7,081(N=101) | +5.2% |
出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成
出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成
2つのカテゴリの価格差を7月で見ると、2025年はシティ¥10,535に対してビジネス¥6,337で、差は¥4,198(シティはビジネスの約1.66倍)でした。2026年はシティ¥8,350、ビジネス¥6,464で差は¥1,886、倍率は約1.29倍です。宿泊客から見たシティホテルとビジネスホテルの価格の違いが、1年で半分以下になりました。夏にシティホテルに泊まる理由を価格の差で説明できていた部分が小さくなった、ということでもあります。
全国と近隣県で見ると:群馬の下げ幅は47都道府県で5番目
7月のシティホテルの値下がりが群馬だけの動きなのかを確かめるため、同じ定義の推定成約ADR(確定値)を47都道府県で並べました。2026年7月にシティホテルの推定成約ADRが前年を下回ったのは47都道府県のうち34で、施設数で加重した全国平均は¥13,907から¥12,559へ9.7%の低下です。夏のシティホテルの単価が弱かったのは全国的な傾向と言えます。そのなかで群馬の−20.7%は、山口県(−27.6%)、大阪府(−25.1%)、岡山県(−23.3%)、奈良県(−21.4%)に次ぐ5番目の下げ幅で、全国平均の2倍を超えています。京都府も7月は−16.8%でした(京都の推定成約ADR、確定6〜8月は前年比二桁減)。
| 都道府県 | シティ 2025年7月 | シティ 2026年7月 | シティ 前年比 | ビジネス 前年比 |
|---|---|---|---|---|
| 群馬県 | ¥10,535(N=11) | ¥8,350(N=13) | −20.7% | +2.0% |
| 埼玉県 | ¥10,229(N=13) | ¥8,356(N=12) | −18.3% | −3.9% |
| 栃木県 | ¥7,688(N=14) | ¥6,786(N=15) | −11.7% | +1.5% |
| 茨城県 | ¥9,160(N=18) | ¥8,586(N=17) | −6.3% | −0.1% |
| 新潟県 | ¥8,444(N=18) | ¥7,993(N=18) | −5.3% | −1.1% |
| 長野県 | ¥10,794(N=16) | ¥10,564(N=16) | −2.1% | +5.6% |
| 全国(47都道府県・施設数加重) | ¥13,907(N=1,096) | ¥12,559(N=1,117) | −9.7% | −3.7% |
出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成
もう一つの特徴は、ビジネスホテルとの開きです。群馬ではシティが−20.7%、ビジネスが+2.0%で、前年比の差は22.7ptありました。これは岡山県(23.0pt)に次いで47都道府県で2番目に大きい値です。全国ではビジネスホテルも−3.7%と下がっていたなかで、群馬のビジネスホテルは前年を上回りました。シティが10%以上下がりビジネスが上がった県は、群馬・栃木・宮城・長崎・大分・鳥取の6県です。群馬では県内の宿泊需要が全体として落ちたというより、シティホテルの価格帯だけが下がった月だった、と読めます。近隣県では埼玉県(−18.3%)が群馬に近い下げ幅で、長野県(−2.1%)と新潟県(−5.3%)は小幅な低下にとどまりました。
母集団の変化を除いても下落は残る:1万円台前半の帯が空いた
シティホテルの集計対象は2025年7月のN=11施設から、2026年7月にはN=13施設へ増えました。新しく加わった施設の価格帯によっては、中央値が構成の変化だけで動くことがあります。そこで、2025年7月と2026年7月の両方に確定値がある同じ11施設だけを取り出して比べました。
| 推定成約ADRの価格帯 | 2025年7月(施設数) | 2026年7月(施設数) | 2025年8月(施設数) | 2026年8月(施設数) |
|---|---|---|---|---|
| ¥8,000未満 | 4 | 4 | 2 | 2 |
| ¥8,000〜9,999 | 1 | 5 | 3 | 4 |
| ¥10,000〜14,999 | 4 | 0 | 3 | 3 |
| ¥15,000以上 | 2 | 2 | 3 | 2 |
| 中央値 | ¥10,535 | ¥8,117 | ¥11,519 | ¥9,898 |
出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成
同じ11施設で見ても、7月の中央値は¥10,535から¥8,117へ23.0%下がりました。施設ごとの前年比の中央値は−11.4%で、11施設のうち7施設が前年を下回っています。一方、2026年7月から集計に加わった2施設はどちらも¥10,000台で、全体の中央値を押し下げる方向には働いていません。今回の下落は構成の変化によるものではなく、もともと集計に入っていた施設の価格水準が下がったものと読めます。
変化がはっきり出たのは価格帯の分布です。2025年7月に¥10,000〜14,999で売れていた4施設が、2026年7月にはこの帯に1施設も残らず、¥8,000〜9,999帯が1施設から5施設に増えました。¥15,000以上の2施設と¥8,000未満の4施設は、施設数としては変わっていません。ただし施設単位で見ると、1万円台前半だった4施設のうち3施設が¥8,000〜9,999帯に下がり、残る1施設は¥15,000以上に上がりました。¥15,000以上だった2施設のうち1施設は¥8,000未満まで下げており、帯ごとの施設数が変わらない層でも中身は入れ替わっています。8月には¥10,000以上が6施設から5施設への減少にとどまり、中央値の前年比も同じ11施設で−14.1%と、7月より下げ幅が小さくなりました。
稼働の側:7月のピーク日は直前まで積み上がり、前日に97.9%へ
価格の山が低くなった7月に、稼働の側はどう動いたのでしょうか。推定OCC(OTA掲載在庫ベース)の2026年7月の月平均は、シティホテルが70.7%(N=10施設・客室964室)、ビジネスホテルが82.3%(N=44〜49施設・客室4,179〜4,618室)でした。シティホテルで最も高かったのは3連休初日の7月18日(土)で97.9%、次いで7月11日(土)が90.9%です。なお、推定OCCについては同じデータ源での前年比較は行っていません。
7月18日(土)のブッキングカーブを見ると、シティホテルは45日前54.4%、30日前64.1%、前日97.9%で、30日前から直前にかけて33.8ptが積み上がりました。ビジネスホテル(N=47施設・客室4,590室)は45日前59.8%、30日前66.5%、前日95.4%で、30日前以降の上積みは28.9ptです。シティホテルのほうが立ち上がりは遅く、予約が直前に集まるカーブでした。
出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成
| 2026年7月 推定OCC | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | 月平均 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| シティ(N=10施設・964室) | 64.0% | 72.4% | 68.6% | 72.9% | 71.7% | 85.4% | 63.6% | 70.7% |
| ビジネス(N=44〜49施設) | 77.1% | 85.2% | 85.2% | 86.3% | 79.3% | 88.0% | 74.2% | 82.3% |
出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成
曜日で見ると、シティホテルは土曜の平均85.4%が突出し、日曜は63.6%、月曜は64.0%でした。ビジネスホテルは火〜木曜が85〜86%台で安定しています。シティホテルの7月は、週末とピーク日は直前まで積み上がって高い稼働に達しましたが、成約価格の水準は前年を大きく下回りました。稼働を取れた日があっても単価の山を作れなかった、というのが7月の姿です。日曜の低い稼働を連泊で埋める考え方は、香川のビジネスホテルの曜日別分析でも整理しています。
足元の10月についても、現時点の進み具合を確認しておきます。スポーツの日(10月12日・月)を含む3連休の初日、10月10日(土)はシティホテルの推定OCCが15日前の時点で96.6%に達しています。平日の10月14日(水)は46.1%、10月21日(水)は57.7%で、週末と平日の差が大きい状態です。同じ10月の3連休を隣県の旅館・ビジネスホテルで見た動きは、栃木の10月三連休のブッキングカーブでも取り上げています。
| 宿泊日 | カテゴリ(施設数) | 45日前 | 30日前 | 最新観測 |
|---|---|---|---|---|
| 10月10日(土)・3連休初日 | シティ(N=10) | 87.8% | 96.4% | 96.6%(15日前) |
| ビジネス(N=51) | 72.7% | 75.3% | 87.3%(15日前) | |
| 10月14日(水) | シティ(N=10) | 42.6% | 47.0% | 46.1%(19日前) |
| ビジネス(N=51) | 50.0% | 55.3% | 62.7%(19日前) | |
| 10月17日(土) | シティ(N=10) | 63.9% | 79.6% | 83.8%(22日前) |
| ビジネス(N=50) | 67.5% | 73.8% | 78.0%(22日前) | |
| 10月21日(水) | シティ(N=10) | 55.6% | 56.2% | 57.7%(26日前) |
| ビジネス(N=50) | 53.3% | 61.0% | 63.7%(26日前) |
出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成
シティホテルの客室964室は、ビジネスホテルの約4,600〜4,700室と比べて母数が小さいため、ピーク日はすぐに埋まります。7月は、そのピーク日に単価を引き上げきれないまま月を終えました。10月10日のように早い段階で埋まっている日は、直前の上積みを待つ日ではなく、残りの客室の条件を見直すかどうかを判断する日と位置づけたいところです。群馬県内の旅館・リゾートの直前の積み上がりは、群馬の旅館・リゾートの9月前半のブッキングカーブで確認できます。
群馬のシティホテルを運営するレベニューマネージャーへ — 高単価帯が薄くなった月に何を守るか
運営目線のインサイト
① 下落は「1万円台前半」の帯で起きた。同じ11施設の7月は¥10,000〜14,999帯が4施設から0施設になり、うち3施設が¥8,000〜9,999帯に移りました。自館の7月の確定単価がどの帯にあったかを確認すると、市場全体の下げに合わせて動いた価格なのか、自館の判断で決めた価格なのかを切り分けられます。
② ビジネスホテルとの価格差が縮まった。7月の差は¥4,198から¥1,886になりました。客室単価だけで「シティホテルに泊まる理由」を示すのは難しくなっています。料飲・駐車・アーリーチェックインなど、客室以外で得られる付加価値で差をつける余地があります。
③ ピーク日は埋まっても、単価の山は作れなかった。7月18日は前日に97.9%まで達しましたが、月全体の単価は前年を20.7%下回りました。埋まる日に単価と条件を引き上げられたかを振り返る価値があります。
④ 平日と日曜の稼働が低い。7月の日曜63.6%・月曜64.0%に対して土曜は85.4%でした。稼働の低い曜日の空室を連泊客や別の客層で埋められれば、単価を下げずに売上を補う余地があります。
高単価帯が薄くなった月に守りたいのは、客室単価の数字そのものよりも、1予約あたりの売上の中身です。本稿では次の3点に整理します。館内単価は、客室単価が下がった分を料飲や付帯サービスで補えているか。滞在日数は、ピーク日の土曜を1泊で埋めきらず、稼働の低い日曜と組み合わせられているか。セグメント構成は、ビジネスホテルと価格で競う個人客への依存を強めず、法人・団体・宴会付き宿泊など価格差だけでは流れにくい客層の比率を保てているか、です。
試算:単価の下げを稼働と館内単価でどこまで取り戻せるか
2026年7月の水準で試算します。稼働率が今年7月の月平均70.7%で同じだったと仮定すると、販売可能1室あたりの客室売上は、前年の単価¥10,535なら¥7,448、今年の¥8,350なら¥5,903で、差は20.7%です。単価¥8,350のままこの差を稼働だけで埋めるには稼働率89.2%(2026年7月水準の試算)が必要で、7月の土曜平均85.4%も上回ります。稼働で取り戻せる幅には限りがあるため、稼働が同じなら1室あたり¥2,185(¥10,535−¥8,350)を館内単価で上乗せするか、単価を¥9,500まで戻して稼働率78.4%(同じく2026年7月水準の試算)を取るといった組み合わせが現実的な目標になります。
| 推定成約ADR \ 稼働率 | 65% | 70.7% | 75% | 80% | 85% | 前年並み(¥7,448)に必要な稼働率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| ¥8,350(2026年7月の実績) | ¥5,428 | ¥5,903 | ¥6,262 | ¥6,680 | ¥7,098 | 89.2% |
| ¥9,000 | ¥5,850 | ¥6,363 | ¥6,750 | ¥7,200 | ¥7,650 | 82.8% |
| ¥9,500 | ¥6,175 | ¥6,716 | ¥7,125 | ¥7,600 | ¥8,075 | 78.4% |
| ¥10,535(2025年7月の実績) | ¥6,848 | ¥7,448 | ¥7,901 | ¥8,428 | ¥8,955 | 70.7% |
太字は前年並み(¥10,535×70.7%=¥7,448)以上のセル。市場平均の単価(推定成約ADR・N=13施設)と稼働(推定OCC・N=10施設)を組み合わせた目安で、個別施設の実績ではありません。
| 時期 | 打ち手 | 判断のきっかけ | 狙い |
|---|---|---|---|
| 今週 | 自館の7月・8月の確定単価を、市場の価格帯(¥8,000〜9,999/¥10,000〜14,999)の分布に当てはめる | 自館の7月単価が市場の推定成約ADR ¥8,350付近の帯にあったなら | 市場に合わせた値下げか、自館の判断かを切り分ける |
| 今週 | 10月10日(土)の残り客室について、最低泊数・朝食付きへの限定・キャンセル規定を見直す | 市場の推定OCCが15日前で96.6%と、ほぼ埋まった状態が続くなら | ピーク日に単価と1予約あたりの売上を確保する |
| 2週間以内 | 土曜と日曜を組み合わせた連泊プラン、日曜泊を特典付きにする連泊条件を検討する | 7月の曜日別推定OCCで日曜63.6%・月曜64.0%に対し土曜85.4%という差が自館でも同じなら | 単価を下げずに、稼働の低い曜日を埋める |
| 2週間以内 | 料飲・駐車・レイトチェックアウトなど付帯サービスを組み込んだプランの価格を見直す | ビジネスホテルとの差が7月の¥1,886程度まで縮まった状態で、客室のみのプランが売上の中心なら | 客室単価以外で差を示し、館内単価を積み上げる |
| 来月に向けて | 11〜12月の法人・団体・宴会付き宿泊の引き合いを確認し、個人客向けの枠との配分を決める | 11月の現時点推定¥11,907(N=13施設)に対して自館の個人客向けの予約ペースが遅れているなら | 価格競争になりやすい個人客への依存を下げる |
| 来月に向けて | 来年5〜8月の繁忙月について、季節の山をどう作るか(イベント日・連休の価格表)を早めに設計する | 2026年の5〜8月が前年比−9.0%〜−20.7%だった月であれば | 高単価帯を守る日程を事前に決めておく |
いずれも、効果は施設の立地や客室構成、客層によって変わります。市場の数値は自館の数値を照らし合わせる基準として使い、自館の予約データと突き合わせてから判断することをおすすめします。
まとめ:高単価帯が薄い月を読むための3つの物差し
2026年7月の群馬県シティホテルは、推定成約ADRの確定値が¥8,350(N=13施設)で前年同月比−20.7%でした。同じ11施設に絞っても中央値は−23.0%で、下落は母集団の入れ替わりでは説明できません。ビジネスホテルは同じ月に+2.0%と前年を上回り、2つのカテゴリの価格差は縮まりました。今回のデータから、次の3つを定期的に確認する物差しとして提案します。
| 物差し | 見るもの | 2026年7月の値 |
|---|---|---|
| ① 帯の厚み | 同じ施設どうしで¥10,000〜14,999帯に残っている施設数 | 4施設 → 0施設(N=11) |
| ② カテゴリ間の差 | シティとビジネスの推定成約ADRの差と倍率 | ¥1,886・約1.29倍(前年は¥4,198・約1.66倍) |
| ③ ピーク日の積み上がり | 30日前から直前までの推定OCCの上積み幅 | 7月18日(土)シティ +33.8pt |
出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成
客室単価の山が低い月ほど、館内単価・滞在日数・セグメント構成という「1予約の中身」を守れているかが売上の差になります。9月以降の確定値が出そろったところで、この3つの物差しをもう一度確認するとよいでしょう。
データについて
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 推定OCC | OTA掲載在庫ベース稼働率 = 100 − 100 × OTA掲載残室数 ÷ 総客室数。対象は総客室の30%以上をOTAに掲載する施設で構成した固定コホート(各宿泊日で同じ施設集合)。OTA上で販売される在庫の消化状況に基づく推定値であり、実客室稼働率とは定義が異なる(掲載外の客室を消化済み側に数えるため高めに出る)。 |
| ブッキングカーブ | 宿泊日の45日前から直近までの観測に基づく。 |
| 推定成約ADR | OTA等の販売データ(最安プラン水準×業態別係数・複数チャネルのアンサンブル)から推定した成約価格水準(税抜相当)。過去月は確定値、現在・未来月は現時点の販売状況に基づく推定値。公表運営実績との照合で誤差中央値6.6%。 |
| 対象 N | 推定成約ADR:群馬県シティホテル N=11(2024年1月〜2025年9月)、N=12(2025年10月〜2026年5月)、N=13(2026年6月〜12月)。群馬県ビジネスホテル N=96〜104(2025年1月〜2026年8月、月別に表中へ記載)。同一施設比較:2025年・2026年の7月(8月)の双方に確定値があるシティホテル11施設。推定OCC:シティホテル N=10施設・客室964室、ビジネスホテル N=44〜51施設・客室4,179〜4,707室(宿泊日により変動、主要予約サイト掲載ベース)。 |
| データ時点 | 2026年9月26日。販売状況・在庫は日々変動するため、本記事の数値は取得時点のスナップショットである。 |
参考資料・出典一覧
■ データソース
メトロエンジンリサーチの集計データ(ホテルバンク編集部集計・2026年9月26日時点)。推定成約ADR:群馬県シティホテル N=11〜13施設、群馬県ビジネスホテル N=96〜104施設(2025年1月〜2026年8月の確定値、9〜12月は推定値)。全国比較は47都道府県のシティホテル(2026年7月 N=1,117施設)とビジネスホテル(同 N=7,398施設)。推定OCC・ブッキングカーブ:群馬県シティホテル N=10施設・客室964室、ビジネスホテル N=44〜51施設。
■ 試算前提
客室売上の試算は「推定成約ADR × 稼働率」(販売可能1室あたり・税抜相当)。前年並みの基準は2025年7月の推定成約ADR ¥10,535 × 2026年7月の推定OCC月平均70.7%=¥7,448。全国平均は47都道府県の推定成約ADRを各都道府県の対象施設数で加重平均した値。価格帯の分布と施設別の前年比は、2025年・2026年の7月(8月)の双方に確定値がある同じ11施設で算出。
■ 限界・留意点
推定成約ADRと推定OCCは対象施設が異なる(N=13とN=10)ため、試算表は市場の目安であり個別施設の収益を示すものではありません。推定OCCはOTA掲載在庫ベースで、実際の客室稼働率より高めに出ます。推定OCCの前年同月比較は同じデータ源では行っていません。シティホテルは施設数が11〜13と少なく、1施設の価格変更が中央値を大きく動かすことがあります。9月以降の値は販売途中の推定値で、確定時に変わる可能性があります。
■ 市場データ
- メトロエンジンリサーチ(推定成約ADR・推定OCC・ブッキングカーブ、ホテルバンク編集部集計、2026年9月26日時点)
- 内閣府「国民の祝日について」(海の日 2026年7月20日・スポーツの日 2026年10月12日)https://www8.cao.go.jp/chosei/shukujitsu/gaiyou.html
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