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雪見露天風呂の宿ランキング2026|12道県の口コミ上位3軒と冬1〜2月の宿泊単価

投稿日 : 2026.11.07

北海道

青森県

岩手県

秋田県

山形県

福島県

新潟県

富山県

石川県

長野県

岐阜県

群馬県

調査

雪見露天風呂の宿ランキング2026|12道県の口コミ上位3軒と冬1〜2月の宿泊単価

雪見の露天風呂は、冬の宿泊商品のなかでも口コミに残りやすい体験である。ホテルバンク編集部は、メトロエンジンリサーチが集計する宿泊者口コミのうち、雪国12道県(北海道・青森・岩手・秋田・山形・福島・新潟・富山・石川・長野・岐阜・群馬)の施設について、露天風呂を肯定的に取り上げた口コミの比率(言及率)を2024年11月〜2026年10月の24か月分で算出した。対象は口コミ100件以上の施設で、道県ごとに言及件数の多い上位100軒(上位軒数が100に届かない道県は全数)を比べると、福島は100軒中68軒、長野は65軒、北海道は61軒が「10件に1件以上の口コミで露天風呂を褒めている」水準にあり、首位施設の言及率は青森の黄金崎不老ふ死温泉45.9%、北海道のおぼこ荘45.3%、長野の菱野温泉 常盤館45.0%と、口コミのほぼ半数が露天風呂に触れている。本稿では、この口コミ指標を道県別・施設別に整理したうえで、上位施設が立地する温泉地の2026年1〜2月の推定成約ADRと旅館の客室稼働率を重ね、雪見の露天を冬の商品に育てる運営上の論点まで読み解く。

本記事のデータについて
• ADR(平均客室単価)=各施設がOTA上で公開する最安プラン水準(2名1室利用時・1室あたり料金・税込)に業態別の補正係数を適用して算出した推定成約単価(税抜相当)。上場ホテルREITが開示する物件別実績との照合(91施設・直近3ヶ月間)で誤差中央値は約7%。推定値であり、各施設の実際の成約価格・会計数値とは異なります。
• エリア(都道府県・市区町村)単位のADRは、対象施設の推定成約単価の中央値(エリアの標準的な施設の水準)です。
• 掲載価格に言及する箇所は、2名1室利用時の1室あたり料金(税込)です。
• OCC(稼働率)=エリア内の総客室数に対する販売済み客室数の割合(OTA販売在庫に基づく推定値)。
• 出典:メトロエンジンリサーチ(国内約168,000施設のOTA公開価格を継続追跡、うち稼働確認済み約27,000施設)
口コミ指標の定義
• 言及率=露天風呂を肯定的に取り上げた口コミ件数 ÷ その施設の口コミ総数(2024年11月〜2026年10月の24か月、15言語)。評価点ではなく「どれだけ多くの宿泊者が露天風呂を書き残したか」を示す。
• 集計対象=口コミ100件以上かつ露天風呂への肯定的言及が10件以上の施設。道県ごとに言及件数の多い順に最大100軒を抽出し、そのうち言及率10%以上の施設数を「10%以上の軒数」とした。
• 「雪見」は口コミ解析のタグではない。本文で雪に触れた引用は、原文で雪への言及が確認できた口コミの部分引用のみを使った。
• 出典:ホテルバンク編集部調べ(12道県・957施設・593,596件の宿泊者口コミ)。
Key Takeaways
  • — 福島68軒・長野65軒・北海道61軒:言及件数の多い上位100軒のうち、口コミの10%以上が露天風呂を肯定的に取り上げた宿の数(2024年11月〜2026年10月の24か月)。
  • — ニセコ町4.2万円:2026年1月の温泉地の推定成約ADR(市町村中央値)の最高値。八幡平市+38.5%など8市町村が前年同月比2割以上伸びた。
  • — 7軒中6軒:雪に触れた口コミが確認できた宿のうち、2026年1月の単価を確認できた7軒中6軒が所在市町村の中央値を上回った。

道県別の「上位100軒のうち言及率10%以上」 — 福島68軒・長野65軒・北海道61軒

まずは道県ごとの厚みを見る。言及件数の多い上位100軒のうち、10%以上の宿泊者が露天風呂を肯定的に書いている施設は、福島で68軒、長野で65軒、北海道で61軒、群馬と岐阜で各57軒、新潟で56軒と、6道県が過半を占めた。上位の母集団が100軒に届かない道県では、山形が88軒中44軒、岩手が60軒中39軒、秋田が58軒中37軒と、比率でみれば岩手(65%)と秋田(64%)が長野・北海道と同じ水準にある。青森は38軒中21軒、富山は39軒中21軒で、母集団は小さいが半数超が10%以上だった。

石川は74軒中19軒と、他の11道県より比率が低い。これは露天風呂が評価されていないという意味ではなく、加賀温泉郷や金沢の施設では口コミの話題が料理・接客・街歩きに分散し、露天風呂単独の言及が相対的に薄まっていると読める。言及率は「宿泊者が何を書き残すか」の構成比であり、評価点とは別の指標である点を踏まえて読みたい。同じ口コミ言及率の手法で掛け流しの湯を数えた源泉掛け流し温泉ランキング 都道府県別2026では、露天風呂と一緒に語られる旅館の単価水準が高いことも示されている。

出典:ホテルバンク編集部調べ(宿泊者口コミのNLP解析)

道県別の上位3軒 — 言及率45%前後の宿が青森・北海道・長野に並ぶ

次に施設単位で見る。各道県で言及率の高い3軒を並べると、首位は青森の黄金崎不老ふ死温泉(深浦町・70室)が45.9%、北海道のおぼこ荘(八雲町・19室)が45.3%、長野の菱野温泉 常盤館(小諸市・35室)が45.0%で、いずれも口コミの半数近くが露天風呂に触れている。海に迫る露天、山中の一軒宿、ケーブルカーで上がる展望露天と立地も規模も異なるが、「露天風呂そのものが宿泊の目的になっている」点が共通する。新潟の清津館(十日町市・12室)43.1%、岐阜の穂高荘 山のホテル(高山市・86室)42.1%、福島の会津中ノ沢温泉 露天風呂の宿 花見屋(猪苗代町・40室)41.2%もこれに続く。

一方で、山の湯には冬季休業の施設が含まれる。秋田首位のふけの湯(鹿角市・26室、38.9%)は例年11月中旬〜4月下旬が休業、岩手3位の須川高原温泉(一関市・36室、24.9%)は例年11月上旬から春(4月下旬〜5月上旬頃)まで休業で、山形2位の桝形屋(米沢市・姥湯温泉、35.0%)も積雪期は閉鎖される秘湯である。秋田4位の栗駒山荘(東成瀬村、32.2%)も4月下旬〜11月初旬の営業と案内されている。岩手首位の彩雲荘(八幡平市・藤七温泉、36.3%)も例年10月下旬〜4月下旬は休業と案内されている。これらは春〜秋の露天で高い言及率を得ている宿であり、本稿の「冬の商品」の文脈からは外して読む必要がある。表では冬季休業の施設にその旨を付記した。

道県別の上位3軒 — 露天風呂の肯定的言及率(2024年11月〜2026年10月・口コミ100件以上の施設)
道県
10%以上/上位軒数
順位施設名所在市町村客室数口コミ件数露天風呂を肯定的に言及言及率
福島
68軒/100軒
1会津中ノ沢温泉 露天風呂の宿 花見屋猪苗代町401486141.2%
2伊勢屋旅館福島市301805932.8%
3旅館 玉子湯福島市5264421032.6%
長野
65軒/100軒
1菱野温泉 常盤館小諸市3538217245.0%
2Solana軽井沢別邸御代田町41013332.7%
3ホテル木曽温泉黄金の湯グランピングONTAKE木曽町291655332.1%
北海道
61軒/100軒
1おぼこ荘八雲町191617345.3%
2ニセコアンヌプリ温泉 湯心亭ニセコ町172449237.7%
3湯の浜ホテル函館市1191,36442931.5%
群馬
57軒/100軒
1和心の宿オーモリ渋川市371,12842237.4%
2万座高原ホテル嬬恋村1451,22545236.9%
3星ヶ岡山荘中之条町101655533.3%
岐阜
57軒/100軒
1穂高荘 山のホテル高山市8677632742.1%
2ひらゆの森高山市3764224438.0%
3槍見の湯 槍見舘高山市152207433.6%
新潟
56軒/100軒
1清津館十日町市121024443.1%
2湯元 龍泉村上市51044442.3%
3風雅の宿 長生館阿賀野市2737211530.9%
山形
44軒/88軒
1湯の瀬旅館鶴岡市251134237.2%
2桝形屋
冬季休業(積雪期は閉鎖)
米沢市132037135.0%
3クアハウス碁点村山市311244133.1%
岩手
39軒/60軒
1彩雲荘
冬季休業(例年10月下旬〜4月下旬)
八幡平市262679736.3%
2松川荘八幡平市501183328.0%
3須川高原温泉
冬季休業(例年11月上旬〜春)
一関市361934824.9%
秋田
37軒/58軒
1ふけの湯
冬季休業(例年11月中旬〜4月下旬)
鹿角市261315138.9%
2露天風呂 水沢温泉仙北市141695633.1%
3駒ヶ岳温泉仙北市92508132.4%
青森
21軒/38軒
1黄金崎不老ふ死温泉深浦町7086139545.9%
2星と森のロマントピア 星の宿白鳥座弘前市171744525.9%
3不二やホテル大鰐町373567621.4%
富山
21軒/39軒
1庄川温泉 風流味道座敷 ゆめつづり砺波市302165123.6%
2ホテルおがわ朝日町513538122.9%
3うみあかり氷見市4672015922.1%
石川
19軒/74軒
1山中温泉 ときわ館加賀市81124641.1%
2彩華の宿 多々見加賀市391834323.5%
3たがわ 龍泉閣能美市621964623.5%

※客室数はメトロエンジンリサーチの施設マスターによる。冬季休業の記載は各宿の案内・観光情報サイトの掲載に基づく例年の目安で、年により変わるため最新の営業期間は各宿の公式情報で確認されたい。星と森のロマントピア 星の宿白鳥座は2026年2月以降のOTA公開価格が確認できておらず、営業状況は公式情報で確認されたい。

出典:ホテルバンク編集部調べ(宿泊者口コミのNLP解析)

首位施設の言及率を12道県で並べると、青森・北海道・長野・新潟・岐阜・福島・石川の7道県で40%を超える。石川首位の山中温泉 ときわ館(加賀市・8室)が41.1%と、道県全体では比率が低かった石川でも、露天を核にした小規模宿は高い言及率を得ている。富山首位の庄川温泉 風流味道座敷 ゆめつづり(砺波市・30室)は23.6%で、12道県の首位としては最も低いが、2026年1月の推定成約ADRは2.9万円と本稿で取り上げる雪見の宿のなかで最も高く、露天風呂を料理や客室と組み合わせた総合評価型の宿といえる。

出典:ホテルバンク編集部調べ(宿泊者口コミのNLP解析)

温泉地の1〜2月の推定成約ADR — ニセコ町4.2万円、登別市2.3万円、湯沢町2.3万円

では、これらの宿が立地する温泉地の冬の単価はどの水準か。上位施設の所在市町村と、理解を助けるために加えた主要温泉地(野沢温泉村・山ノ内町・草津町・嬬恋村・登別市・洞爺湖町・仙北市・下呂市・高山市・湯沢町など)について、前年の確定月である2026年1月と2月の推定成約ADR(市町村内の対象施設の中央値)を、2025年同月と並べた。対象施設数が5未満の市町村(深浦町・御代田町・能美市・朝日町・村山市)は集計対象外とした。

2026年1月で最も高いのはニセコ町の4.2万円(前年同月比+16.4%、N=10)で、登別市2.3万円(+17.1%)、湯沢町2.3万円(+11.6%)、軽井沢町2.3万円(+7.3%)、加賀市2.2万円が続く。表の市町村のうち1月に前年同月比で2割以上伸びたのは八幡平市(+38.5%)、大鰐町(+33.3%)、下呂市(+29.0%)、嬬恋村(+25.6%)、鹿角市(+23.9%)、砺波市(+23.6%)、仙北市(+20.5%)、阿賀野市(+20.3%)の8市町村で、乳頭温泉郷を抱える仙北市や八幡平温泉郷の八幡平市など、雪見の露天で知られる東北の温泉地が目立つ。逆に加賀市は−11.3%と二桁の減少で、猪苗代町(−2.3%)、洞爺湖町(−1.8%)、米沢市(−0.4%)も微減となり、冬の単価の伸びは温泉地ごとに差がついた。ホテルを含む雪国5道県98市町村の2027年1月の単価階層は、雪国ホテルの冬単価2027年1月で客室ストックとあわせて整理している。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

2月は多くの市町村で1月より水準が下がる。草津町は1月1.9万円から2月1.8万円、下呂市は2.0万円から1.7万円、渋川市(伊香保)は1.9万円から1.5万円へと、正月需要の抜けた2月の調整幅が温泉地によって異なる。一方、山ノ内町(1.5万円→1.4万円)、野沢温泉村(1.7万円→1.6万円)、湯沢町(2.3万円→2.2万円)といったスキー場併設の温泉地は2月の落ち込みが小さく、スノーリゾート需要が単価を支えている構図が読める。

温泉地の推定成約ADR(市町村中央値・2025年1月/2026年1月/2026年2月)
道県市町村2025年1月2026年1月前年同月比2026年2月N(施設)
北海道ニセコ町¥36,348¥42,306+16.4%¥39,36910
北海道登別市¥19,848¥23,242+17.1%¥20,01215
新潟県湯沢町¥20,760¥23,164+11.6%¥21,70047
長野県軽井沢町¥21,410¥22,968+7.3%¥20,19052
石川県加賀市¥24,831¥22,025-11.3%¥20,06044
群馬県中之条町¥17,596¥20,171+14.6%¥16,25736
岐阜県下呂市¥15,570¥20,087+29.0%¥16,70545
群馬県渋川市¥18,460¥19,240+4.2%¥15,42346
新潟県阿賀野市¥15,916¥19,149+20.3%¥19,0649
群馬県草津町¥16,416¥18,696+13.9%¥17,58679
新潟県十日町市¥16,706¥18,250+9.2%¥15,70418
岐阜県高山市¥15,643¥17,360+11.0%¥15,911129
群馬県嬬恋村¥13,384¥16,810+25.6%¥15,64222
長野県野沢温泉村¥16,047¥16,582+3.3%¥16,01315
岩手県八幡平市¥11,938¥16,529+38.5%¥14,46612
長野県山ノ内町¥13,382¥15,048+12.4%¥14,363113
富山県砺波市¥11,765¥14,544+23.6%¥10,33510
北海道洞爺湖町¥14,360¥14,100-1.8%¥13,75513
秋田県仙北市¥11,426¥13,770+20.5%¥11,98520
長野県木曽町¥10,679¥12,779+19.7%¥13,45213
秋田県鹿角市¥10,216¥12,656+23.9%¥10,09212
青森県大鰐町¥8,920¥11,887+33.3%¥9,3048
福島県猪苗代町¥11,527¥11,261-2.3%¥9,68220
山形県鶴岡市¥9,949¥10,719+7.7%¥9,29343
長野県小諸市¥8,508¥9,462+11.2%¥9,07312
福島県福島市¥8,048¥8,674+7.8%¥7,37168
山形県米沢市¥8,564¥8,531-0.4%¥9,17528
北海道函館市¥7,106¥7,416+4.4%¥6,61282
青森県弘前市¥5,663¥6,550+15.7%¥6,58925

※推定成約ADRは市町村内の対象施設の中央値(税抜相当)。Nは2026年1月の対象施設数。対象施設数5未満の市町村は掲載していない。対象施設数が5以上でも、八雲町・村上市・氷見市・一関市などは表に含めていない。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

雪見の露天を冬の商品にする宿の価格帯と、旅館の冬の稼働率

口コミの原文で「雪」に触れていることが確認できた宿は8軒あった。松川荘(八幡平市・50室)には「雪見露天が最高でした」、清津館(十日町市・12室)には「雪の中の露天風呂は最高でした」、おぼこ荘(八雲町・19室)には「雪景色の露天風呂は趣深かった」といった声が残り、駒ヶ岳温泉(仙北市・9室)、風雅の宿 長生館(阿賀野市・27室)、庄川温泉 風流味道座敷 ゆめつづり(砺波市・30室)、会津中ノ沢温泉 露天風呂の宿 花見屋(猪苗代町・40室)、湯元 龍泉(村上市・5室)でも雪景色と露天を結びつけた口コミが確認できた。

8軒の2026年1月の推定成約ADRは、松川荘の1.1万円から ゆめつづりの2.9万円まで幅がある。中心となるのは1.5万〜2.3万円のレンジで、おぼこ荘1.6万円、花見屋1.7万円、湯元 龍泉1.5万円、清津館2.0万円、長生館2.3万円がここに入る。掲載価格(全プラン平均・税込)で見ると、2食付きの会席プランを含むため2.7万〜6.8万円と推定成約ADRの2倍前後になり、雪見の宿の販売価格帯が「2名1室3万〜7万円」の食事込み商品として組まれていることがわかる。所在市町村の中央値と比べると、清津館・長生館・ゆめつづり・おぼこ荘・花見屋・湯元 龍泉は地元相場を上回る単価を1月に実現している。ただし8軒のなかで言及率と単価は比例しておらず(言及率が最も低いゆめつづりの単価が最も高い)、言及率だけで冬の単価水準を説明できるわけではない。掲載価格と推定成約ADRの開きが雪国の宿で広く見られる構造については、雪国の冬ホテル単価、推定成約は掲載の約4〜5割が5道県の確定値で検証している。

雪に触れた口コミが確認できた8軒の単価(2026年1〜2月の確定月、2027年1月は調査時点の推定)
施設雪に触れた口コミ(部分引用)推定成約ADR
2026年1月
推定成約ADR
2026年2月
掲載価格
2026年1月
全プラン平均・税込
所在市町村の
推定成約ADR
2026年1月
2027年1月
調査時点の掲載に基づく推定
松川荘
岩手県八幡平市・50室
「雪見露天が最高でした」¥10,812¥9,096¥35,198¥16,529
N=12
¥22,566
清津館
新潟県十日町市・12室
「雪の中の露天風呂は最高でした」¥19,966¥19,744¥36,740¥18,250
N=18
¥19,779
おぼこ荘
北海道八雲町・19室
「雪景色の露天風呂は趣深かった」¥16,181¥12,911¥30,045¥9,397
N=7
¥18,528
駒ヶ岳温泉
秋田県仙北市・9室
「雪見風呂を満喫」—¥12,379—¥13,770
N=20
¥17,217
風雅の宿 長生館
新潟県阿賀野市・27室
「雪景色の露天風呂に惹かれ」¥23,033¥19,650¥51,987¥19,149
N=9
¥25,780
庄川温泉 風流味道座敷 ゆめつづり
富山県砺波市・30室
「目の前に広がる雪景色で入る露天風呂」¥28,929¥26,784¥67,783¥14,544
N=10
¥21,666
会津中ノ沢温泉 露天風呂の宿 花見屋
福島県猪苗代町・40室
「露天風呂の雪見風呂でとてもよかった」¥17,052¥10,501¥26,597¥11,261
N=20
¥11,039
湯元 龍泉
新潟県村上市・5室
「雪舞う中で入る…露天風呂が最高」¥15,207¥11,228¥28,960¥12,137
N=13
—

※口コミの引用は2024年11月〜2026年10月に投稿された宿泊者口コミの部分引用(ホテルバンク編集部調べ)。駒ヶ岳温泉の2026年1月は対象期間の観測日数が推定の基準に満たないため掲載していない。2027年1月の列は調査時点(2026年11月1日)の掲載に基づく推定で、今後変動する。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

需要側の指標として、観光庁「宿泊旅行統計調査」(第2次速報)の旅館の客室稼働率を12道県で並べた。2026年1月の旅館稼働率は全国33.7%に対し、北海道42.4%、群馬42.3%、岐阜37.5%が上位で、2月は全国40.1%に対し北海道54.0%、岐阜49.7%、群馬49.0%、山形40.9%が全国を上回った。1月から2月への伸びは岐阜(+12.2pt)、北海道(+11.6pt)、新潟(+8.6pt)、青森(+7.6pt)、山形(+7.1pt)、群馬(+6.7pt)が全国(+6.4pt)を上回り、雪まつり・スノーリゾート・雪見の温泉といった2月の冬商品が旅館の稼働を押し上げている構図と読める。東北の青森(1月25.4%→2月33.0%)、秋田(28.2%→33.0%)、岩手(29.6%→30.3%)は全国平均を下回る水準にとどまるものの、1〜2月の旅館推定成約ADRは青森+40.6%、秋田+15.2%、岩手+12.1%(いずれも1月・前年同月比)と単価面の伸びが大きく、稼働に上積みの余地を残しながら単価を先行して上げている局面と読める。

出典:観光庁「宿泊旅行統計調査」(2026年1月・2月 第2次速報)、推定成約ADRはメトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

12道県の旅館 客室稼働率と推定成約ADR(2026年1〜2月)
道県旅館 客室稼働率
2026年1月
旅館 客室稼働率
2026年2月
旅館 推定成約ADR
2026年1月
同 前年同月比旅館 推定成約ADR
2026年2月
N(施設)
北海道42.4%54.0%¥10,760+28.4%¥10,023248
岐阜37.5%49.7%¥17,034+21.9%¥14,326216
群馬42.3%49.0%¥17,327+14.1%¥15,528278
山形33.8%40.9%¥16,674+25.8%¥15,140172
石川34.1%37.3%¥20,512+2.4%¥19,738112
新潟28.5%37.1%¥15,960+13.1%¥13,307231
長野29.5%35.3%¥15,361+21.9%¥13,290493
福島32.6%34.6%¥13,233+31.4%¥10,448227
青森25.4%33.0%¥10,973+40.6%¥9,41969
秋田28.2%33.0%¥9,692+15.2%¥8,97482
岩手29.6%30.3%¥10,080+12.1%¥8,556137
富山23.4%26.0%¥14,944+3.8%¥13,67271

※客室稼働率は観光庁「宿泊旅行統計調査」の旅館(施設タイプ別)第2次速報値。観光庁は2026年1月分調査から層化基準を従業者数から客室数へ変更しており、前年同月差には見直しの影響が含まれる可能性があると注記している。推定成約ADRは道県内の旅館(対象施設の中央値)。

運営への示唆 — 露天の冬季営業時間・凍結対策・写真の季節差し替え

ここまでの数字を運営者の視点で整理すると、露天風呂の言及率が高い宿は「宿泊者が自発的に書き残す体験」をすでに持っている。この資産を冬の単価と稼働に結びつける機会は、大きく三つある。

第一に、露天風呂の冬季営業時間である。雪見の露天は夜間と早朝に価値が集中する一方、積雪期は清掃・除雪・湯温管理の負荷が増えるため、営業時間の組み方が論点になる。口コミで雪見に触れた8軒の声をみると、「雪舞う中で入る」「降る雪を眺めながら温まる」といった、降雪の最中に入浴した体験が評価の核になっている。夜間帯の営業を1〜2時間延ばす、あるいは早朝の時間を明示してプラン説明に書くだけでも、雪見を目的に予約する宿泊者にとっての安心材料になり、露天の言及率をさらに引き上げる余地がある。

第二に、凍結対策と動線の整備である。露天までの通路・脱衣所・洗い場の凍結は、宿泊者の体験を左右する。融雪マットや屋根付きの渡り廊下、脱衣所の暖房強化、滑り止めの敷設といった投資は、言及率が高い宿ほど口コミを通じて回収されやすい。雪見の露天を「冬限定の目玉」として打ち出す場合、安全面の整備を先に済ませておくことが商品化の前提になる。

第三に、写真の季節差し替えである。予約サイトや公式サイトの露天風呂の写真が通年で新緑や紅葉のままでは、冬の価値が伝わりにくい。12月〜2月の販売期間だけでも雪見の写真を先頭に置き、プラン名に「雪見」「冬の露天」を含めることで、検索から予約までの導線で冬の価値が伝わる。本稿で取り上げた雪国12道県の旅館では、2026年1月の推定成約ADRが前年同月比で福島+31.4%、長野+21.9%、北海道+28.4%、岐阜+21.9%と二桁の伸びを示した(いずれも旅館・道県中央値)。冬の単価が上がる局面では、露天という既存資産の見せ方を季節に合わせて更新することが、追加投資をほとんど伴わない収益機会になる。

宿向け:このテーマに効くプラン名のヒント

旅館の冬・雪見をうたう公開プラン名(N=413)に多い訴求要素 ——

会席コース 35%カニ 34%2食付 16%海鮮 16%温泉露天 13%和牛・ブランド牛 6%

実際の名前の例(匿名化):

  • 【秋冬SALE】2食付★北海道彩り会席&しゃぶしゃぶ、お子様歓迎特典付き
  • 【秋冬SALE】2食付★和牛すき焼きと湯めぐり三昧!○○温泉ファミリープラン
  • 【クリスマス期間限定】美味少量会席×ワンドリンク特典付きで過ごす大人の冬温泉旅<2食付き>

※公開プラン名の集計にもとづく傾向で、命名が販売を生む因果を示すものではありません。

まとめ

雪国12道県の宿泊者口コミ593,596件から露天風呂の言及率を集計すると、福島・長野・北海道では上位100軒のうち6割以上が「10件に1件以上の口コミで露天を褒めている」宿であり、首位施設では言及率が45%前後に達していた。上位施設が立地する温泉地の2026年1月の推定成約ADRはニセコ町4.2万円、登別市2.3万円、湯沢町2.3万円が上位で、八幡平市・下呂市・嬬恋村など雪見の露天で知られる温泉地は前年同月比で2割以上伸びた。雪に触れた口コミが確認できた8軒の推定成約ADRは1.1万〜2.9万円、2食付きを含む掲載価格は2.7万〜6.8万円のレンジにあり、1月の単価を確認できた7軒のうち6軒は所在市町村の中央値を上回った。観光庁統計でも2月の旅館稼働率は北海道54.0%、岐阜49.7%、群馬49.0%と全国40.1%を上回り、冬の露天は稼働と単価の両面で成長余地のある商品である。露天の冬季営業時間、凍結対策、写真の季節差し替えという三つの打ち手は、いずれも露天風呂という既存資産を冬の商品に結びつける打ち手である。

⚠ 将来日程のADRに関する注意:本記事の2027年1月の推定成約ADRは、調査時点(2026年11月1日)でOTAに公開されている販売価格に基づく推定であり、チェックイン日に近づくにつれて変動します。現時点で高く設定されている価格が直前の調整で下落する可能性、新規プランの追加で水準が変わる可能性がある点にご留意ください。2026年1〜2月の数値は確定月の集計です。

よくある質問

Q. 言及率が高い宿は、露天風呂の評価点も高いのか。
言及率は「露天風呂を肯定的に書いた口コミの比率」であり、評価点そのものではない。本稿の集計は肯定的な言及のみを数えているため、言及率が高い宿は露天が満足の中心にある宿といえるが、評価点の高低とは別に読む必要がある。

Q. 冬季休業の宿が上位に入っているのはなぜか。
口コミは24か月分を通年で集計しているため、春〜秋だけ営業する山の湯も対象に含まれる。ふけの湯・彩雲荘・須川高原温泉・桝形屋・栗駒山荘は例年積雪期に休業しており、冬の商品を検討する文脈では対象から外して読むのが適切である。

Q. 温泉地のADRが前年より大きく伸びているのはなぜか。
2026年1月は雪国12道県の旅館で推定成約ADRが前年同月比で二桁伸びた道県が多い。インバウンドのスノーリゾート需要、燃料・人件費の価格転嫁、そして正月の曜日配列が重なった結果と考えられ、市町村単位では対象施設数(N)が小さいところほど振れ幅が大きい点に留意したい。

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参考資料・出典一覧

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