トップ > インバウンド > 訪日タイ人の冬の受け皿は北海道・山梨・岐阜 — 12月が年間最多62.6万人泊、5道県のADRと稼働率

訪日タイ人の冬の受け皿は北海道・山梨・岐阜 — 12月が年間最多62.6万人泊、5道県のADRと稼働率

投稿日 : 2026.11.08

北海道

山梨県

岐阜県

長野県

宮城県

タイ

インバウンド

訪日タイ人の冬の受け皿は北海道・山梨・岐阜 — 12月が年間最多62.6万人泊、5道県のADRと稼働率

日本政府観光局(JNTO)の推計によると、2025年の訪日タイ人は123万3,103人(前年比+7.3%)で、12月は17万4,009人と単月の過去最高を記録した。観光庁「宿泊旅行統計調査」の2025年確定値を国籍別に見ると、タイの延べ宿泊者数も12月が62万5,950人泊と年間で最も多い月になっている。本稿では、タイ市場の月別の山を確認したうえで、タイの宿泊が多い県と、外国人宿泊に占めるタイの比率が全国平均を上回る県を統計から抽出し、冬(12月・1月)の推定成約ADRと客室稼働率を並べて、冬の受け皿となる県を読み解く。

本記事のデータについて
• ADR(平均客室単価)=各施設がOTA上で公開する最安プラン水準(2名1室利用時・1室あたり料金・税込)に業態別の補正係数を適用して算出した推定成約単価(税抜相当)。上場ホテルREITが開示する物件別実績との照合(91施設・直近3ヶ月間)で誤差中央値は約7%。推定値であり、各施設の実際の成約価格・会計数値とは異なります。
• エリア(都道府県・市区町村)単位のADRは、対象施設の推定成約単価の中央値(エリアの標準的な施設の水準)です。
• 掲載価格に言及する箇所は、2名1室利用時の1室あたり料金(税込)です。
• OCC(稼働率)=エリア内の総客室数に対する販売済み客室数の割合(OTA販売在庫に基づく推定値)。
• 出典:メトロエンジンリサーチ(国内約168,000施設のOTA公開価格を継続追跡、うち稼働確認済み約27,000施設)

※本稿の客室稼働率は観光庁「宿泊旅行統計調査」の公表値(全施設タイプ計)である。国籍別の延べ宿泊者数は同調査の参考第1表(2025年以前は従業者数10人以上の施設、2026年1月は客室数20室以上の施設)を用いており、全施設ベースの外国人延べ宿泊者数とは一致しない。

Key Takeaways
  • — 12月が年間最多:2025年のタイの延べ宿泊者数は12月が62万5,950人泊(年間の15.3%)で、最少の8月の約6倍。訪日者数も2025年12月の17万4,009人が単月の過去最高。
  • — 比率では山梨県8.19%:外国人延べ宿泊者数に占めるタイの比率は全国平均2.66%に対し、山梨県8.19%、長野県5.81%、岐阜県5.73%(2025年確定値)。
  • — 冬に集中するのは北海道・岐阜県・宮城県:2025年のタイ宿泊のうち1月・12月の比率は北海道31.0%、岐阜県31.1%、宮城県30.5%で、全国の24.2%を上回る。
  • — 推定成約ADRは5道県とも上昇:2025年12月の前年同月比は山梨県+32.7%、長野県+23.8%、北海道+19.5%。2026年1月も5道県すべてで前年を上回った。
  • — 2026年は5月以降に前年割れが目立つ:1〜9月累計は83万5,400人(前年同期比+2.4%)。ビザ免除の延長(2027年6月まで)と冬ダイヤの増便が12月の山を左右する。

タイ市場の月別推移 — 4月と12月に2つの山

まずは訪日者数の季節性から確認したい。JNTOの国籍・月別データでタイを2019年・2024年・2025年・2026年で重ねると、山は二つある。一つはタイの旧正月にあたるソンクラーンを含む3〜4月で、2025年4月は15万8,470人、2026年4月は16万4,841人だった。もう一つが10月から立ち上がり12月に頂点を迎える冬の山で、2025年12月の17万4,009人は2019年12月(16万4,936人)を上回り、タイ市場の単月として過去最高となった。

2025年通年は123万3,103人で、2019年の131万8,977人にはまだ届いていない。ただし月別に見ると、1〜3月・5月・12月の5か月は2019年の同月を上回っており、回復の度合いは月によって大きく異なる。夏場(6〜9月)は2019年を下回る月が続いた一方、冬と春の山は2019年水準を超えつつある、と読める。山の時期は市場ごとに異なり、テトの2月に山を持つベトナム市場についてはベトナム訪日2025年の分析も参考になる。

出典:日本政府観光局(JNTO)「訪日外客数」よりホテルバンク編集部作成

※2026年8月・9月は推計値。1〜7月は暫定値。

2026年に入ると、1月は11万5,100人(前年同月比+18.9%)、3月は16万861人(+8.5%)、4月は16万4,841人(+4.0%)と春の山まで前年を上回った。その後は5月(−8.6%)、6月(−7.8%)と前年を下回り、7月(+10.9%)にいったん持ち直したものの、8月(−9.3%)、9月(4万4,800人・−12.6%)は再び前年割れとなった。1〜9月の累計は83万5,400人(前年同期比+2.4%)である。年後半の弱含みを踏まえると、冬の山をどれだけ取り込めるかが、2026年通年の着地を左右するといえる。

宿泊で見ると12月が年間最多 — 夏の約6倍

訪日者数の山は、宿泊統計にもそのまま表れている。観光庁の2025年確定値(参考第1表)でタイの延べ宿泊者数を月別に並べると、12月の62万5,950人泊が年間410万3,540人泊の15.3%を占め、4月(54万5,730人泊)を上回って最も多い。最少の8月は10万4,730人泊で、12月はその約6倍にあたる。

外国人宿泊全体に占めるタイの比率で見ても、冬の厚みは明らかである。2025年年間のタイの比率は2.66%だったのに対し、12月単月では4.61%まで上がっている。年末の時期に外国人客の構成が変わる宿泊施設にとって、タイは12月に存在感が最も大きくなる市場の一つと考えられる。

出典:観光庁「宿泊旅行統計調査」(2025年確定値・参考第1表、従業者数10人以上の施設)よりホテルバンク編集部作成

タイ人の宿泊が多い県、比率が高い県

それでは、タイの宿泊はどの県に向かっているのか。2025年年間の延べ宿泊者数を都道府県別に並べると、東京都(128万3,510人泊)、大阪府(63万6,200人泊)、北海道(51万8,830人泊)の上位3都道府県で全体の59.4%を占め、上位10都道府県で85.9%に達する。量の面では大都市と北海道に集中しているといってよい。他の国籍も含めた県別の受け皿は、国籍別宿泊の県別受け皿マップ2026で整理している。

タイの延べ宿泊者数の上位都道府県と外国人宿泊に占めるタイの比率(2025年確定値)
順位都道府県タイの延べ宿泊者数外国人延べ宿泊者数に占めるタイの比率全国平均比
1東京都1,283,510人泊2.51%0.94倍
2大阪府636,200人泊2.74%1.03倍
3北海道518,830人泊4.63%1.74倍
4千葉県213,090人泊4.91%1.85倍
5福岡県195,190人泊2.49%0.94倍
6京都府178,820人泊1.15%0.43倍
7愛知県163,060人泊3.60%1.35倍
8山梨県138,180人泊8.19%3.08倍
9長野県106,920人泊5.81%2.18倍
10岐阜県91,170人泊5.73%2.15倍
全国4,103,540人泊2.66%1.00倍

出典:観光庁「宿泊旅行統計調査」(2025年確定値・参考第1表、従業者数10人以上の施設)よりホテルバンク編集部作成

一方で、外国人宿泊に占めるタイの比率を見ると、別の顔ぶれが浮かぶ。全国平均の2.66%に対し、山梨県は8.19%と約3.1倍で、タイの延べ宿泊者数が1万人泊以上の都道府県の中で最も高い。長野県(5.81%)、岐阜県(5.73%)も全国平均の2倍を超え、群馬県・福島県・栃木県といった北関東・南東北の県も5〜6%台に並ぶ。北海道は量で3位に入るうえ比率も4.63%と高く、量と比率の両面でタイ市場への依存度が高い地域である。

出典:観光庁「宿泊旅行統計調査」(2025年確定値・参考第1表、従業者数10人以上の施設)よりホテルバンク編集部作成

※タイの延べ宿泊者数が1万人泊以上の都道府県のうち、比率の高い上位12都道府県。

大都市以外でタイの比率が高い県が多いことは、タイ市場が地方送客に寄与していることを示している。全国平均を上回る都道府県は21にのぼり、その大半は首都圏の外側に位置する。ただし比率が高くても量が小さい県では、個々の施設に届く需要は限られる点には留意したい。

冬(12月・1月)に厚みが増す県

ここからは、量と比率の両面で上位にある北海道・山梨県・岐阜県・長野県の4道県に、12月にタイの比率が8.29%まで上がった宮城県を加えた5道県について、冬の動きを見ていく。12月のタイ延べ宿泊者数は5道県とも前年を上回り、全国の+16.7%に対して北海道は+25.5%、長野県は+28.1%と全国を上回る伸びだった。

冬の受け皿5道県:タイの延べ宿泊者数(12月・1月)と年間に占める1月・12月の比率
都道府県2024年12月2025年12月前年同月比2025年1月2026年1月
(第2次速報)
前年同月比年間に占める12月・1月の比率(2025年)
北海道73,53092,300+25.5%68,62073,500+7.1%31.0%
山梨県18,63021,280+14.2%13,53014,310+5.8%25.2%
岐阜県14,78016,290+10.2%12,03010,060−16.4%31.1%
長野県10,98014,060+28.1%7,6907,560−1.7%20.3%
宮城県3,2408,410+159.6%1,9507,700+294.9%30.5%
全国536,460625,950+16.7%365,070384,200+5.2%24.2%

単位:人泊。2024年12月・2025年は確定値(従業者数10人以上の施設)、2026年1月は第2次速報値(国籍別集計の対象が客室数20室以上の施設に変わったため、1月の前年同月比は集計対象の違いを含む参考値)。12月・1月の比率=2025年1月と2025年12月の合計÷2025年年間。

出典:観光庁「宿泊旅行統計調査」参考第1表(2024年・2025年確定値は従業者数10人以上の施設、2026年1月第2次速報値は客室数20室以上の施設)よりホテルバンク編集部作成

年間のタイ宿泊のうち12月と1月に集中する比率は、全国の24.2%に対して北海道が31.0%、岐阜県が31.1%、宮城県が30.5%と高い。これらの道県では、タイ需要の約3割が冬の2か月に集まっていることになる。一方で山梨県(25.2%)は全国並み、長野県(20.3%)はむしろ低く、4月にタイ比率が8.90%まで上がるなど、春の山との組み合わせで通年の需要を受けている構図が読み取れる。

宮城県の伸びは突出しているが、2024年12月の3,240人泊という小さな基数からの増加である点を差し引いて読む必要がある。時期としては、2025年12月1日にタイ・エアアジアXが仙台〜バンコク(ドンムアン)線を週4便で新規就航しており、東北とタイを結ぶ直行便の開設と重なっている。ただし同線は2026年4月で運航を終え、2026年秋の再開は見送られているため、この冬は同じ直行便の後押しを前提にできない。2026年1月の数値は第2次速報値で、確定値で改定される可能性がある。また同月分から国籍別の集計対象が客室数20室以上の施設に変わっているため、1月の前年同月比は幅をもって読みたい。

冬の受け皿5道県の推定成約ADRと客室稼働率

タイ需要が厚くなる冬に、受け皿となる県の単価と稼働はどう動いたのか。推定成約ADRを確定月どうしで比べると、2025年12月は5道県すべてで前年同月を上回った。山梨県は¥10,300から¥13,700へ+32.7%、長野県は¥11,400から¥14,100へ+23.8%、北海道は¥7,900から¥9,400へ+19.5%と、いずれも2桁の上昇となっている。2026年1月も北海道(+26.5%)、宮城県(+31.8%)をはじめ5道県とも前年を上回った。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

一方、観光庁の客室稼働率は、12月が北海道59.5%(前年58.7%)、長野県33.3%(同34.0%)、山梨県37.7%(同38.0%)とほぼ横ばいで推移した。単価が上がりながら稼働率を維持できたことは、冬のこれらの県で需要が単価の上昇を受け止めたことを示している。岐阜県は12月の稼働率が50.0%(前年46.0%)と4.0pt上がり、単価と稼働の両方を伸ばした。宮城県も12月57.4%(同51.5%)、1月52.2%(同47.4%)と稼働率が上がっている。一方、1月は北海道が62.1%→57.9%、岐阜県が50.5%→44.2%と前年を下回っており、冬の2か月でも動きは一様ではない。

5道県の推定成約ADR(12月・1月、前年同月比)と客室稼働率(観光庁)
都道府県推定成約ADR
2024年12月→2025年12月
前年同月比推定成約ADR
2025年1月→2026年1月
前年同月比客室稼働率
12月(2024→2025)
客室稼働率
1月(2025→2026)
北海道
N=875/885施設
¥7,881→¥9,421+19.5%¥8,174→¥10,339+26.5%58.7%→59.5%62.1%→57.9%
山梨県
N=280/284施設
¥10,307→¥13,680+32.7%¥10,674→¥12,281+15.1%38.0%→37.7%33.0%→32.0%
岐阜県
N=352/361施設
¥10,539→¥12,081+14.6%¥10,372→¥12,021+15.9%46.0%→50.0%50.5%→44.2%
長野県
N=810/810施設
¥11,398→¥14,112+23.8%¥11,561→¥13,787+19.3%34.0%→33.3%38.3%→38.6%
宮城県
N=281/285施設
¥8,030→¥8,602+7.1%¥7,923→¥10,444+31.8%51.5%→57.4%47.4%→52.2%
全国————58.7%→59.5%54.6%→52.7%

推定成約ADRのNは2025年12月/2026年1月の対象施設数(ビジネス・シティ・リゾート・旅館・カプセルの検証済み業態)。客室稼働率は観光庁「宿泊旅行統計調査」の全施設タイプ計(2024年12月・2025年は確定値、2026年1月は第2次速報値)。2026年1月分から調査の区分が従業者数基準から客室数基準に変わっており、1月の前年比較は参考値である。

出典:推定成約ADR=メトロエンジンリサーチ、客室稼働率=観光庁「宿泊旅行統計調査」よりホテルバンク編集部作成

ただし、推定成約ADRと客室稼働率は国内客を含む宿泊需要全体の結果であり、タイ需要の寄与だけを切り出したものではない。タイの延べ宿泊者数は12月の北海道で外国人宿泊の5.93%、山梨県で13.67%、岐阜県で13.24%を占める。外国人宿泊に占めるタイの比率が1割を超える山梨県・岐阜県では、タイが冬の外国人需要を支える主要市場の一つになっていると考えられる。

2026年12月に向けた材料 — 航空便とビザ

2026年の冬に向けて、公表情報で確認できた材料を整理した。航空便では、成田・中部・福岡・新千歳とバンコクを結ぶ路線で増便や運航再開が相次いでいる。特に中部空港発着の増便は、タイの比率が高い岐阜県・長野県方面への玄関口の一つで動きがある点で注目される。

2026年冬に向けた材料:ビザと航空便(公表情報)
区分内容典拠
ビザタイ国民の短期滞在ビザ免除(15日以内)を2026年7月1日〜2027年6月30日まで1年延長タイ外務省領事局(2026年7月8日確認)
中部〜バンコクタイ・エアアジアXが2026年10月2日から週4便で運航再開2026年冬ダイヤ新規就航・増便一覧
中部〜バンコクタイ国際航空が2027年1月18日から週7往復→週12往復に増便(深夜便を週5往復で再開、当局認可が前提)タイ国際航空発表(2026年9月14日)
成田〜バンコクタイ・ベトジェットエアが2026年11月6日から毎日運航→週11便に増便2026年9月1日報道
福岡〜バンコクタイ・エアアジアが2026年9月22日から毎日運航、タイ・ベトジェットエアが10月25日から週4往復で運航再開2026年秋の報道
新千歳〜バンコクタイ・エアアジアXが2026年10月1日に週4便で運航再開、12月1日から毎日運航に増便する計画AirAsia発表(2026年9月22日)
仙台〜バンコク2025年12月1日に週4便で新規就航し、2026年4月まで運航。2026年秋の運航再開は見送られ、仙台市は2027年春のチャーター便誘致と2027年冬の定期便再開を働きかけている2025年9月・2026年10月報道

出典:各社発表・報道(末尾の参考資料・出典一覧を参照)よりホテルバンク編集部作成

ビザ免除の延長により、タイからの15日以内の短期滞在は2027年6月まで従来どおりの条件で続く。航空便は会社ごとに計画が変わることがある。北海道(新千歳)発着のバンコク線では、タイ・エアアジアXが2026年10月1日に週4往復で運航を再開し、12月1日から毎日運航に増やす計画を公表している。供給席数の動きは、受け皿となる県の冬の需要を左右する要素として引き続き確認したい。地方空港の国際線と周辺の客室の関係については、冬ダイヤと地方空港20港の分析が詳しい。

運営者への示唆 — 12月の山を単価と構成で取り込む

統計から見えるのは、タイ市場の冬の需要が12月に最も厚く、その受け皿が大都市だけでなく北海道・山梨県・岐阜県・長野県といった地方にも広がっているという構図である。2025年のタイの宿泊は北海道・岐阜県で12月が年間最多、山梨県・長野県では4月が最多で12月もそれに近い水準にある。これらの県の運営者には、早い段階から外国人向けの販売枠や価格を準備しておく余地がある。

具体的には、第一に12月の外国人比率が上がる時期に合わせて、多言語表記の案内や決済手段を整えておくことが有効といえる。第二に、北海道・岐阜県・宮城県のようにタイ宿泊の約3割が12月・1月に集中する地域では、年末年始の国内需要と重なる期間の価格設計を、外国人の予約が入りやすい時期と分けて考えたい。第三に、山梨県・長野県のように4月にもタイ比率が高い県では、冬と春の2つの山を通年の販売計画に組み込むことで、閑散期とされる時期の需要を下支えする機会が生まれる。

また、中部・成田・福岡・新千歳の増便は2026年秋から2027年1月にかけて段階的に始まる。玄関口となる空港からのアクセスを踏まえ、各施設がどの路線の利用者を受けやすいかを整理しておくことも、冬の取り込みに役立つだろう。

まとめ

訪日タイ人は4月と12月に二つの山を持ち、宿泊統計では12月が年間最多の月である。2025年12月の訪日者数は単月の過去最高を記録し、延べ宿泊者数も前年同月比+16.7%と伸びた。量では東京都・大阪府・北海道が上位を占める一方、外国人宿泊に占めるタイの比率では山梨県(8.19%)、長野県(5.81%)、岐阜県(5.73%)が全国平均の2倍を超える。冬の受け皿となる5道県では、推定成約ADRが12月・1月とも前年を上回り、客室稼働率は12月におおむね前年並み以上を保った一方、1月は北海道・岐阜県で前年を下回った。2026年は5月以降に前年割れの月が多いが、ビザ免除の延長と冬ダイヤの増便を背景に、12月の山をどこまで取り込めるかが次の焦点になる。

よくある質問

Q. 訪日タイ人が最も多い月はいつですか?
A. JNTOの推計では2025年12月の17万4,009人が単月の過去最高です。宿泊でも観光庁統計で12月が年間最多(62万5,950人泊)で、4月のソンクラーン前後がもう一つの山になります。

Q. タイ人の宿泊が多い都道府県はどこですか?
A. 2025年の延べ宿泊者数では東京都・大阪府・北海道が上位3都道府県です。外国人宿泊に占めるタイの比率では山梨県(8.19%)が最も高く、長野県・岐阜県も全国平均(2.66%)の2倍を超えています。

Q. 冬のタイ需要が集中する県はどこですか?
A. 年間のタイ宿泊のうち12月・1月に集まる比率は、北海道(31.0%)、岐阜県(31.1%)、宮城県(30.5%)が全国(24.2%)を上回っています。

関連記事

参考資料・出典一覧

■ データソース

訪日者数は日本政府観光局(JNTO)「訪日外客統計」の国籍・月別推計値(2019年、2024年〜2026年9月。2026年1〜7月は暫定値、8月・9月は推計値)。国籍別・都道府県別の延べ宿泊者数と客室稼働率は観光庁「宿泊旅行統計調査」(2024年12月・2025年は確定値、2026年1月は第2次速報値)。推定成約ADRはメトロエンジンリサーチの都道府県別集計(2024年12月〜2026年1月の確定月)。

■ 試算前提

タイの比率=タイの延べ宿泊者数÷外国人延べ宿泊者数(いずれも国籍別集計の対象施設ベース)。年間に占める1月・12月の比率=2025年1月と2025年12月の合計÷2025年年間。推定成約ADRは都道府県内の対象施設の推定成約単価の中央値で、前年比較は確定月どうしで行った。客室稼働率は観光庁公表値(全施設タイプ計)をそのまま用いた。

■ 限界・留意点

国籍別集計の対象は2025年以前が従業者数10人以上、2026年1月が客室数20室以上の施設で、1月の前年比較は集計対象の違いを含む参考値である。推定成約ADRと客室稼働率は国内客を含む宿泊需要全体の結果で、タイ需要の寄与だけを切り出したものではない。航空便の計画は本稿調査時点の公表情報に基づき、変更されることがある。

関連記事