眠っていたデータから新たな付加価値を
長崎県
投資・開発
長崎県の宿泊単価は、市町を並べただけで3.2倍の開きがある。直近12ヶ月の確定月ベースで、雲仙市の推定成約ADRは¥18,200、大村市は¥5,700。同じ県内、直線距離で50kmも離れていない範囲での差である。この差がどこから来ていて、投資家から見てどこに手を入れる余地があるのか — 本稿はそれを立地タイプ別に定量化する。 長崎県については、当メディアで既に2本の記事を出している。1本目は202...
指定なし
ホテルを買うという意思決定は、通常「どの物件を、いくらで」という話から始まる。しかし実務でその手前に必ず置かれる論点がもう一つある。何を売買の対象にするか——不動産そのものを買うのか、その不動産を信託した受益権を買うのか、それとも不動産を保有している会社の持分ごと買うのか。この「取引の器(ビークル)」の選択は、税額の話に見えて、実際には誰がその物件を買えるかという買い手ユニバースの広さを決めている...
ホテル経営の売上は、突き詰めれば「客室数 × 稼働率 × ADR(平均客室単価)× 365日」という一本の掛け算で決まる。そして費用の主役は、人件費・水光熱費・賃料または減価償却の3つである。この掛け算のどこを取りに行くかが業態の選択であり、費用の誰が負うかが運営形態の選択だ。本稿では、メトロエンジンリサーチの推定成約ADRと観光庁「宿泊旅行統計調査」2025年年間値(確定値)を突き合わせ、業態別...
神奈川県
愛知県
兵庫県
宮城県
福岡県
用地スクリーニングで最初に見るのは用途地域と容積率だろう。だが「容積率は余っているのに客室数が伸びない」土地がある。原因が風致地区であることは少なくない。風致地区は都市計画法第8条に基づく地域地区のひとつで、用途地域に重ねてかかる第2のレイヤーである。しかも縛る変数が違う。容積率でも絶対高さでもなく、建蔽率・緑地率・壁面後退・樹木伐採と造成の許可制で「敷地の使い方」そのものを規制する。国土交通省の...
沖縄県
東京都
千葉県
大阪府
ホテル開発の高さ規制といえば、まず思い浮かぶのは自治体が景観のために定める高度地区だろう。しかし空港の周辺には、都市計画とはまったく別の法源で、別の役所が、別の目的で引いた「天井」が存在する。航空法第49条・第56条の制限表面である。国土交通省航空局が航空機の安全のために定めるこの面は、空港の標点から半径4,000mの範囲を標点上方45mで一律に抑え、そこから外側へ50分の1の勾配でしか上がらない...
ホテル用地の取得判断で、これまで本媒体が扱ってきたのは「その土地に何を建てられるか」だった。用途地域と容積率が上限を決め(商圏別の開発余地はホテルはどこに建てられるか — 用途地域・容積率・地価で読む主要5商圏の開発余地2026で整理した)、盛土規制法が斜面の造成コストを決め、文化財保護法93条の届出が着工前の日程を決める。いずれも土地の上か、土地の表層の話である。本稿が扱うのは、その一段下——買...
北海道
既存のホテルを国際ブランドへ転換する(コンバージョンする)投資と、更地から国際ブランドのホテルを新築する投資は、同じ「外資ブランドの客室」を生むように見えて、必要な資本の桁が違う。札幌市中央区の実測データで両者を並べると、1室あたりの投下原価は新築が約4,270万円に対し、自社保有ストックの改装転換は350万〜800万円。到達する客室単価の差は月次平均で8,700円にとどまる。本稿はこの非対称を、...
ホテル1室にいくらの値段が付いているのか。この問いには、実はまったく性格の異なる二つの答えがある。ひとつは J-REIT が実物不動産として実際に支払った1室あたりの取得価格であり、もうひとつは株式市場が上場ホテル事業会社(オペレーター)に付けている企業価値を、その会社が運営する客室数で割った金額である。前者は「土地と建物の値段」、後者は「事業の値段」であり、両者は同じ「1室」という単位を使いなが...
温泉宿を評価するとき、建物と客室数と立地までは誰でも見る。しかしその宿が湯を「どこから」「どういう権利で」引いているかまで確認している例は多くない。ところが温泉は、建物と違って新しく作れないことがある資産である。環境省「温泉利用状況」の最新公表(令和6年度・令和7年3月末現在)によれば、全国の源泉総数は27,899本、宿泊施設のある温泉地は2,839か所。数だけ見れば潤沢だが、その内訳を開くと様相...
ホテルの供給を語るとき、参照されるのはほぼ例外なく「新築」である。開業予定リスト、供給圧ランキング、1室あたり建築費 — いずれも新しく建つ棟を数えている。だが建築着工統計は、工事の種類を新築・増築・改築の3つに分けて集計している。既存の宿が客室棟を建て増す「増築」は、統計上は確かに供給として計上されているにもかかわらず、業界の供給議論からはほぼ抜け落ちている。 本稿では国土交通省「建築着工統計調...