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コミケ109は12/29〜31の3日間 — 夏の江東区は土曜94.4%・日曜82.1%、年末平日に乗る宿泊需要の読み方

投稿日 : 2026.11.01

東京都

季節・イベント

コミケ109は12/29〜31の3日間 — 夏の江東区は土曜94.4%・日曜82.1%、年末平日に乗る宿泊需要の読み方

コミックマーケット準備会が公式サイトで告知する「コミックマーケット109(C109)」は、2026年12月29日(火)から31日(木)までの3日間、東京ビッグサイトで開かれる。3日間開催は2018年12月のC95以来8年ぶりで、年末の平日に大型イベントが3日分乗るという、会場周辺の宿泊施設にとっては珍しい暦になる。本稿では、直近の夏開催(C108、8月15日・16日)で江東区の客室がどのように埋まったかをメトロエンジンリサーチのブッキングカーブで振り返り、会場3km圏・5km圏の客室ストックと江東区の推定成約ADRを重ね、12月28日〜31日泊の販売設計で宿がどこに上積み余地を持てるかを整理する。

本記事のデータについて
• ADR(平均客室単価)=各施設がOTA上で公開する最安プラン水準(2名1室利用時・1室あたり料金・税込)に業態別の補正係数を適用して算出した推定成約単価(税抜相当)。上場ホテルREITが開示する物件別実績との照合(91施設・直近3ヶ月間)で誤差中央値は約7%。推定値であり、各施設の実際の成約価格・会計数値とは異なります。
• エリア(都道府県・市区町村)単位のADRは、対象施設の推定成約単価の中央値(エリアの標準的な施設の水準)です。
• 掲載価格に言及する箇所は、2名1室利用時の1室あたり料金(税込)です。
• OCC(稼働率)=エリア内の総客室数に対する販売済み客室数の割合(OTA販売在庫に基づく推定値)。
• 出典:メトロエンジンリサーチ(国内約168,000施設のOTA公開価格を継続追跡、うち稼働確認済み約27,000施設)
ブッキングカーブの読み方
• ブッキングカーブ=チェックイン日に向けたOTA残室数の推移。LT(リードタイム)=チェックインまでの日数で、本稿はLT45からLT1までの観測のみを使い、LT0と45日超の観測は用いない。
• 稼働率(OTA掲載在庫ベース・推定)=エリア内の総客室数に対する販売済み客室数の割合(OTA販売在庫に基づく推定値)。OTA上で販売される在庫の消化状況に基づく推定値であり、施設全体の実稼働率とは異なる。各数値には「対象N施設/客室M室(主要予約サイト掲載ベース)」を併記する。
• メトロエンジンリサーチは国内約168,000施設を追跡し、うちOTA上で稼働が確認できる約27,000施設・約126万室を分析対象としている。
Key Takeaways
  • — 12月29日(火)〜31日(木)の3日間開催は2018年12月のC95以来8年ぶり。前夜の12月28日(月)泊から最大4泊が年末の平日に連続する。
  • — 夏C108の1日目土曜泊は前日94.4%と通常土曜(94.9%)並み。差は到達水準ではなく45日前の進度(81.4%、前週土曜より+11.9pt)に出た(江東区・対象26施設/6,645室、2026年8月)。
  • — 前夜金曜泊は前日92.8%で前週金曜を+6.0pt上回った一方、最終日の日曜泊は82.1%にとどまり、通常日曜(85.6%)にも届かなかった。
  • — 会場3km圏の受け皿は稼働中16軒/6,449室(201室以上の大型が掲載客室の約91%)、5km圏は135軒/25,861室。江東区の2025年12月の推定成約ADRは¥14,994(前年同月比+9.3%)。
  • — 上積み余地の試算は中位で約606室泊・約909万円。泊数の伸ばし方が効くため、LT45が到来する11月13日〜16日までに前夜泊・3連泊と12月31日泊の配分を決めておきたい。

C109の日程と「3日間化」の意味 — 火・水・木、年末の平日に乗る

まず日程を確認しておく。コミックマーケット準備会の公式サイトは、C109を「2026年12月29日〜31日の3日間開催」と告知している。曜日に落とすと12月29日が火曜、30日が水曜、31日が木曜で、官公庁の御用納め(12月28日・月曜)の翌日から大晦日までを連続して使う形になる。KAI-YOU(2026年3月24日)は、3日間開催は2018年12月のC95以来8年ぶりで、2日間を超える開催としては東京五輪準備で会場が制限された2019年冬のC97(4日間)以来と整理している。同記事によれば、背景にはサークル申込の増加と、東京ビッグサイトの大規模改修でホールが減っていることがあり、会場は「改修工事中の東456ホールを除く東京ビッグサイト全館」とされ、3日間開催は今回限りの措置と位置づけられている。

直近の夏開催C108の規模感も押さえておきたい。準備会のC108アフターレポートは、開催日を2026年8月15日(土)〜16日(日)、会場を東京ビッグサイト(東4〜6ホールを除く)とし、来場者数を15日13万人・16日13万人と公表している。2日間で延べ26万人という水準は、報道でも同じ数字が伝えられている。ここで宿泊需要の観点から重要なのは、来場者数そのものよりも「日数が2日から3日に増える」ことで、前夜泊を含めた泊数の組み合わせが変わる点にある。夏の2日間開催では前夜(金曜)・1日目(土曜)の2泊が中心だったが、冬の3日間開催では12月28日(月)の前夜泊から12月30日(水)まで最大3泊が連続し、さらに最終日の12月31日(木)泊が年越しの宿泊需要と重なる。

夏C108の江東区ブッキングカーブ — 土曜は通常土曜並み、差は前夜と45日前の進度に出た

それでは、夏のC108で会場所在地の江東区はどのように埋まったのか。メトロエンジンリサーチの江東区・全業態のブッキングカーブを、開催2日間と前夜、そして比較対象として前後の週の金・土・日に重ねて見る。1日目の8月15日(土)泊は対象26施設/6,645室(主要予約サイト掲載ベース)で、45日前の推定OCCは81.4%、30日前86.6%、14日前89.0%、7日前90.0%と進み、前日には94.4%に達した。前夜の8月14日(金)泊は同じ26施設/6,645室で79.6%から92.8%へ、2日目の8月16日(日)泊は対象27施設/7,557室で69.9%から82.1%へと積み上がった。

出典:メトロエンジン株式会社、ホテルバンク編集部作成(江東区・全業態、対象26〜27施設/6,645〜7,557室、主要予約サイト掲載ベース、LT45→LT1)

比較対象と並べると、読みが一段はっきりする。開催1日目の土曜(8月15日)の前日水準94.4%は、翌週の通常土曜8月22日の94.9%とほぼ同じで、前週土曜8月8日の92.7%とも大きな差はない。つまり土曜泊の「最終的な水準」は通常の土曜並みであり、イベントの効果は到達点ではなく進度に現れている。45日前の時点を見ると、8月15日は81.4%で8月8日の69.5%より11.9pt高く、同じ時点の8月22日(81.2%)とは同水準だった。一方で前夜の金曜は差が出ている。8月14日(金)泊の前日92.8%は、前週金曜8月7日の86.8%を6.0pt上回り、45日前時点でも79.6%対66.6%と13.0pt先行していた。ただし、翌週金曜8月21日も79.3%から91.4%と高めに推移しているため、金曜の厚みをすべてイベント由来と断定することはできない。8月14日〜16日はお盆期間とも重なり、帰省・レジャー需要と切り分けられない点も付記しておく。

表1 夏C108前後の江東区ブッキングカーブ(推定OCC、LT45→LT1、2026年8月の各泊)
宿泊日対象(主要予約サイト掲載ベース)LT45LT30LT14LT7LT145日間の積み上げ
8月14日(金・前夜)26施設/6,645室79.6%83.0%87.6%88.6%92.8%+13.2pt
8月15日(土・1日目)26施設/6,645室81.4%86.6%89.0%90.0%94.4%+13.0pt
8月16日(日・2日目)27施設/7,557室69.9%72.7%75.6%76.9%82.1%+12.2pt
比較対象(イベント非開催の週)
8月7日(金)27施設/7,557室66.6%72.2%76.8%80.9%86.8%+20.2pt
8月8日(土)27施設/7,557室69.5%76.0%81.0%85.4%92.7%+23.2pt
8月9日(日)27施設/7,557室70.3%76.7%81.8%84.6%92.5%+22.2pt
8月21日(金)27施設/7,557室79.3%81.6%84.5%84.7%91.4%+12.1pt
8月22日(土)27施設/7,557室81.2%83.6%86.0%87.0%94.9%+13.7pt
8月23日(日)27施設/7,557室74.8%74.9%76.0%78.1%85.6%+10.8pt

出典:メトロエンジン株式会社、ホテルバンク編集部作成(江東区・全業態、主要予約サイト掲載ベース、推定OCC=稼働率(OTA掲載在庫ベース・推定))

注目したいのは、むしろ最終日である2日目・8月16日(日)泊の動きだろう。前日時点で82.1%にとどまり、8月9日(日)の92.5%はもちろん、翌週の通常日曜8月23日の85.6%にも届かなかった。45日前時点では69.9%と8月9日(70.3%)と同水準で始まっていたので、直前45日間の積み上げ幅が12.2ptと、8月15日の13.0ptや8月9日の22.2ptより小さかったことになる。来場者は最終日の閉会後に帰路につくため、最終日の夜は「イベント後」の需要に切り替わる。夏の実績から読み取れるのは、日曜泊に厚みが出たというより、最終日の夜こそ別の需要を乗せる余地が残っていたという構図である。この点が、年末のC109では最終日12月31日(木)泊の年越し需要にそのままつながる。

会場3km圏・5km圏の客室ストック — 3km圏は16軒6,449室が稼働、201室以上の大型が9割

次に、受け皿となる客室ストックを確認する。本記事の客室ストックは、東京ビッグサイトから半径3,000m圏内にある客室数10室以上の宿泊施設(レジャーホテルを除く)を対象とし、「稼働中」は直近3か月(2026年8月〜2026年10月)に主要予約サイトで販売価格が確認できた施設を指す(2026年10月25日時点、メトロエンジンリサーチ集計)。

この条件で東京ビッグサイトから半径3km圏を見ると、掲載ストックは19軒/7,201室、そのうち稼働中は16軒/6,449室である。業態別には、シティホテルが8軒3,757室と最も厚く、ビジネスホテル6軒2,114室が続く。規模階級では201室以上が13軒6,555室と掲載客室の約91%を占め、有明・台場・豊洲の大型ホテルで構成される市場だと読める。半径を5kmに広げると掲載171軒/30,552室、稼働中135軒/25,861室となり、ビジネスホテルが101軒18,192室と主役に入れ替わる。会場から離れるほど単価帯の選択肢が広がる構造であり、3日間開催で泊数が増える参加者にとっては、5km圏(臨海副都心〜門前仲町・月島・新木場方面)の宿も現実的な受け皿になる。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(半径3km圏の宿泊施設19軒、円の大きさ=客室数)

半径3km圏の業態別ストック

表2 東京ビッグサイト半径3km圏の業態別ストック(2026年10月25日時点)
業態掲載 軒数掲載 客室数稼働中 軒数稼働中 客室数
シティホテル83,75773,465
ビジネスホテル62,11451,746
リゾートホテル15821582
デラックスホテル14531453
温浴施設2149157
カプセルホテル11461146
合計197,201166,449

半径5km圏の業態別ストック

表3 東京ビッグサイト半径5km圏の業態別ストック(2026年10月25日時点)
業態掲載 軒数掲載 客室数稼働中 軒数稼働中 客室数
ビジネスホテル10118,1928715,637
シティホテル267,695216,689
デラックスホテル61,72661,726
カプセルホテル91,2274601
リゾートホテル26522652
ホステル143688203
会社・団体の宿泊所22261139
温浴施設2149157
キャンプ場111700
その他21032103
旅館349124
ゲストハウス230230
ドミトリー11800
合計17130,55213525,861

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(2026年10月25日時点、客室数10室以上・レジャーホテル除く、「稼働中」=直近3か月に主要予約サイトで販売価格が確認できた施設)

開業年代別に見ると、市場の新しさがわかる。3km圏では2020年代開業が6軒2,282室で最多となり、1990年代開業の2,165室(3軒)が続く。5km圏でも2020年代が50軒8,017室、2010年代が48軒7,331室と、2010年以降の開業が掲載客室の半数を超える。2019年のC97が4日間開催だった当時と比べ、会場周辺の受け皿は厚くなっており、3日間化による泊数の増加を吸収する余地は供給側にも生まれている。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(開業年代別の掲載客室数。5km圏の開業年不明7軒393室は不算入)

半径3km圏の宿泊施設一覧(会場からの距離順)

表4 半径3km圏の宿泊施設一覧(会場からの距離順、2026年10月25日時点)
施設名業態客室数開業年会場からの距離直近3か月の販売観測
東京ベイ有明ワシントンホテルシティホテル8301999約0.3km○
相鉄グランドフレッサ 東京ベイ有明シティホテル9122009約0.5km○
ダイワロイネットホテル東京有明ビジネスホテル3682018約0.5km—
ダブルツリーbyヒルトン東京有明ビジネスホテル3632024約0.6km○
東京ベイコート倶楽部 ホテル&スパリゾートシティホテル2922008約0.6km—
ホテルトラスティ東京ベイサイドシティホテル2002008約0.6km○
ヴィラフォンテーヌグランド東京有明ビジネスホテル7492020約0.9km○
ファーイーストビレッジホテル東京有明ビジネスホテル3062020約1.2km○
東京有明BAY HOTELカプセルホテル1462015約1.4km○
東京豊洲 万葉倶楽部温浴施設572024約2.0km○
ホテルJALシティ東京 豊洲シティホテル3302019約2.0km○
グランドニッコー東京 台場シティホテル8821998約2.0km○
Hotel MONday豊洲ビジネスホテル2632018約2.1km○
ラビスタ東京ベイリゾートホテル5822022約2.2km○
東京お台場 大江戸温泉物語温浴施設922003約2.2km—
ヒルトン東京お台場デラックスホテル4531996約2.2km○
ホテルリブマックス豊洲駅前ビジネスホテル652017約2.6km○
三井ガーデンホテル豊洲プレミアシティホテル2252020約2.8km○
ホテルマリナーズコート東京シティホテル861989約2.9km○

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(2026年10月25日時点。「○」=直近3か月に主要予約サイトで販売価格を観測)。ヒルトン系2施設の客室数はヒルトン「会社概要」(2026年8月25日更新)の記載(ヒルトン東京お台場453室・ダブルツリーbyヒルトン東京有明363室)と一致する。開業年はメトロエンジンリサーチの施設データの表記で、ヒルトン東京お台場は同「会社概要」の沿革では2015年の開業(リブランド)と記載されている

江東区の推定成約ADR — 12月は前年同月比+9.3%、年末週は秋ピークと1月の谷の間に位置する

価格面はどうか。メトロエンジンリサーチの推定成約ADR(江東区・全業態)を月次で追うと、2025年12月は¥15,000(N=41施設)で、2024年12月の¥13,700(N=40施設)から前年同月比+9.3%となった。夏のC108を含む2026年8月は¥12,700(N=39施設)で、2025年8月の¥12,900(N=42施設)に対し-0.9%とほぼ横ばいである。江東区の年間パターンは、2025年11月の¥16,500と2026年4月の¥18,100を二つの山とし、1月の¥12,100(2026年1月)を冬の谷とする形で、12月は秋の山から1月の谷へ下りていく途中に位置する。言い換えれば、年末週に大型イベントが3日分乗ることは、単価が季節的に緩みはじめる月に需要の底を支える材料が加わることを意味する。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(江東区・全業態・推定成約ADR、N=38〜42施設。2026年10〜12月は調査時点の掲載水準に基づく推定)

表5 江東区の推定成約ADR(8月・11月・12月・1月、2024〜2026年)
月2024年2025年2026年前年同月比(2026/2025)
8月¥12,213(N=40)¥12,863(N=42)¥12,743(N=39)-0.9%
11月¥13,810(N=40)¥16,519(N=41)¥19,310(N=39)
調査時点の掲載水準に基づく推定
+16.9%※
12月¥13,712(N=40)¥14,994(N=41)¥18,208(N=38)
調査時点の掲載水準に基づく推定
+21.4%※
1月—¥10,602(N=42)¥12,065(N=41)+13.8%

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(※2026年10月以降は調査時点の掲載水準に基づく推定で、今後変動する)

なお2026年12月の値は¥18,200(N=38施設)と出ているが、これは調査時点でOTAに掲載されている販売価格から推定した途中経過であり、チェックイン日が近づくにつれて新規プランの追加や価格調整で動く。前年同月比で見れば+21.4%相当の水準から出発していることになるが、確定値として扱うべきではない。年末のADRを論じる際には、2025年12月の実績¥15,000を基準に、11月中旬以降の掲載水準がどこに収れんするかを追う姿勢が妥当だろう。都内全体の年末年始の日別単価は年末年始2026-27の5都市比較で、夏の東京のシティ・ビジネス別ADRは東京のシティホテル8月ADR分析で整理している。

12月28日〜31日泊の観測ポイント — LT45は11月13日〜16日に到来する

ここまでを整理すると、本稿が現時点で示せるのは「夏の実績」と「ストック」と「価格の季節性」であり、冬の予約進度そのものではない。本稿の集計はLT45以内の観測のみを使うため、12月28日(月)泊の45日前は11月13日(金)、29日(火)泊は11月14日(土)、30日(水)泊は11月15日(日)、31日(木)泊は11月16日(月)に到来する。調査時点(2026年10月下旬)ではいずれも観測前であり、現時点のデータから「予約が入っている」「入っていない」のどちらも述べることはできない。この点は明確にしておきたい。

その上で、11月中旬以降に見るべき定点を夏の実績から置いておく。第一にLT45時点の水準である。夏は1日目土曜が81.4%、前夜金曜が79.6%で始まり、通常週の金曜(8月7日66.6%)より前夜が先行していた。冬の前夜12月28日(月)泊が、通常の月曜の水準をどの程度上回って出発するかが最初の確認点になる。第二にLT14からLT7の進度である。夏の土曜は14日前89.0%→7日前90.0%と、この1週間の伸びは1.0ptにとどまり、直前7日間で4.4pt積み上がった。年末は帰省・旅行の予約が重なるため、同じ形になるとは限らないが、LT14で8割台後半に乗っているかどうかが残室を絞る判断材料になる。第三に最終日の翌夜、すなわち12月31日(木)泊である。夏の最終日夜(8月16日)は前日82.1%で止まったが、12月31日は年越しの需要が別に存在する。年末年始2026-27の予約進度は11月11日からで述べたとおり、都市型の年末年始は直前45日が本番であり、C109の3日間はちょうどその窓の中に収まる。

比較の視点として、地方のアリーナ公演でも需要が公演日の前後日に染み出しにくいことを広島10月17日公演のブッキングカーブで確認している。夏の江東区でも最終日夜が伸びなかった構図は同じ方向を指しており、イベントの日数が増えても「最終日の夜」は自動的には埋まらないと考えておくのが安全である。

3日間化の上積み余地の試算 — 稼働の上積み×泊数で見る

夏の実績を年末に当てはめると、上積みの大きさはどの程度になるか。ここでは会場3km圏の稼働中6,449室(2026年10月25日時点)を母数に、上積み室泊数=客室数×上積み稼働(pt)×泊数として試算する。上積み稼働の目安は夏C108の前日水準の差で、前夜8月14日(金)泊は前週金曜8月7日を6.0pt、1日目8月15日(土)泊は前週土曜8月8日を1.7pt上回った(いずれも江東区・全業態、対象26〜27施設/6,645〜7,557室、主要予約サイト掲載ベース、2026年8月の各泊)。客室売上への換算には2025年12月の江東区推定成約ADR ¥14,994(N=41施設)を当てた。

表6 3日間化の上積み余地 — 3シナリオ(半径3km圏・稼働中6,449室、試算)
シナリオ前提上積み稼働×泊数上積み室泊数客室売上換算
悲観前夜12月28日(月)泊だけが上積み+6.0pt×1泊約387室泊約580万円
中位前夜に加え、開催1〜2日目(12月29日・30日)泊が夏の1日目土曜並み(+1.7pt)の上積み+6.0pt×1泊+1.7pt×2泊約606室泊約909万円
楽観前夜から最終日12月31日(木)泊まで4泊とも前夜並みの上積み+6.0pt×4泊約1,548室泊約2,321万円

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(試算。上積み稼働は2026年8月の江東区ブッキングカーブの前日水準の差、客室売上換算は2025年12月の江東区推定成約ADR ¥14,994〈税抜相当〉を乗じたもの)

表7 上積み稼働(pt)×上積み泊数の2軸感応度(半径3km圏・稼働中6,449室、上積み室泊数、試算)
上積み稼働 \ 泊数1泊2泊3泊4泊
+1pt64129193258
+3pt193387580774
+6pt3877741,1611,548
+10pt6451,2901,9352,580

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(試算。1pt×1泊=約64室泊。客室売上は1室泊あたり¥14,994で換算でき、例えば1,000室泊で約1,500万円)

中位シナリオの約606室泊は、客室売上に換算すると約909万円にあたる。上積みが前夜だけにとどまる悲観シナリオでも約387室泊・約580万円で、前夜泊の設計だけで中位の6割強を押さえられる計算になる。一方、4泊とも前夜並みの上積みが乗る楽観シナリオは約1,548室泊・約2,321万円と、中位の2.6倍まで広がる。上積みは稼働の上積み幅と泊数の掛け算で決まり、2軸表で見ると+3ptで4泊(774室泊)は+6ptで2泊(774室泊)と同じ大きさになる。夏の1日目土曜のように到達水準が通常週と大差ない日でも、泊数を伸ばせれば上積みは積み上がる。

この試算にはいくつかの幅がある。第一に、上積み稼働の目安は江東区の対象26〜27施設の推定値で、3km圏の16軒とは対象が一致しない。第二に、夏の差にはお盆期間の需要も含まれ、前夜金曜の+6.0ptをすべてイベント由来とは言えない。第三に、年末は帰省・旅行の需要が別に乗るため、通常の月〜木曜を基準とした上積みは夏より小さく出る可能性がある。第四に、イベント期間の実際の販売単価は¥14,994と異なり、単価を引き上げれば同じ室泊数でも売上換算は大きくなる。数字は規模感の目安として読み、11月中旬以降の観測で上積み稼働の実測値に置き換えていくのが妥当である。

運営者への示唆 — 前夜泊・3連泊の販売単位と、12月31日泊の年越し需要との重なり

夏の実績とストックを踏まえると、会場周辺の宿が年末のC109で取りにいける余地は三つに整理できる。第一は前夜泊である。夏は前夜金曜が通常金曜より45日前から先行していた。冬の前夜12月28日(月)は官公庁の御用納めの日で、通常であればビジネス需要が引けていく月曜にあたる。ここに前夜泊を乗せられれば、年末の平日に新しい需要層を迎える機会になる。第二は連泊の販売単位である。2日間開催では前夜+1日目の2泊が中心だったが、3日間開催では12月28日〜30日の3泊、あるいは12月29日〜31日の3泊という単位が成立する。江東区は1月に単価の谷を迎えるため、3泊を一つの販売単位として早期に押さえる設計は、12月下旬の単価維持と1月初旬への橋渡しの両面で意味を持つ。第三は最終日12月31日(木)泊である。夏の最終日夜は前日82.1%で止まったが、12月31日は年越しの宿泊需要が重なる日であり、イベント参加者向けの連泊と年越し向けのプランが同じ在庫を取り合う。どちらの需要をどの価格で先に受けるかを、LT45が到来する11月中旬までに決めておくことが、3日間化の上積みを単価に変える前提になる。

供給側の環境も追い風といえる。3km圏は稼働中16軒/6,449室のうち201室以上の大型が中心で、5km圏ではビジネスホテル18,192室が厚い。参加者の単価帯に応じて3km圏と5km圏で受け皿が分かれる構造は、各宿が自らの価格帯のなかで前夜泊・連泊を設計できることを意味する。江東区の立地特性(地価・浸水想定区域と客室分布)は江東5区のホテル立地評価で、12月前半の金曜単価は忘年会シーズンの日別単価で扱っており、年末の販売設計を組む際の参照先になる。

まとめ

C109は2026年12月29日〜31日の3日間、東京ビッグサイトで開催され、3日間開催は8年ぶりとなる。夏のC108では、江東区の1日目土曜泊が対象26施設/6,645室で前日94.4%と通常土曜並みに着地し、差は45日前の進度と前夜金曜の厚みに現れた一方、最終日夜の8月16日は82.1%にとどまった。会場3km圏には稼働中16軒/6,449室、5km圏には135軒/25,861室の受け皿があり、江東区の推定成約ADRは2025年12月に¥15,000(前年同月比+9.3%)だった。12月28日〜31日泊のLT45は11月13日〜16日に到来するため、冬の予約進度は観測前である。前夜泊・3連泊の販売単位と12月31日泊の年越し需要との重なりを、11月中旬までにどう設計するかが、3日間化の上積み余地を単価に変える分岐点になる。

よくある質問

Q. コミックマーケット109の開催日はいつか

コミックマーケット準備会の公式サイトによると、2026年12月29日(火)から31日(木)までの3日間、東京ビッグサイトで開催される。3日間開催は2018年12月のC95以来8年ぶりと報じられている。

Q. 夏のC108で江東区のホテルはどの程度埋まったか

メトロエンジンリサーチのブッキングカーブでは、1日目の2026年8月15日(土)泊は対象26施設/6,645室(主要予約サイト掲載ベース)で、45日前の推定OCC 81.4%から前日に94.4%へ達した。2日目の8月16日(日)泊は対象27施設/7,557室で69.9%から82.1%だった。

Q. 12月29日〜31日泊の予約状況は今わかるか

本稿の集計はリードタイム45日以内の観測のみを用いる。12月28日〜31日泊の45日前は11月13日〜16日に到来するため、調査時点(2026年10月下旬)では観測前であり、現時点で予約の入り方を評価することはできない。11月中旬以降の観測が出発点になる。

⚠ 将来日程のADRに関する注意:本記事の2026年10月以降のADRは調査時点でOTAに公開されている販売価格に基づく推定であり、チェックイン日に近づくにつれて変動します。現時点で高く設定されている価格が直前値下げで下落する可能性がある点にご留意ください。また、12月28日〜31日泊のブッキングカーブは調査時点でリードタイム45日以内の観測が始まっておらず、本記事は冬の予約進度を評価していません。

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参考資料・出典一覧

■ データソース

ブッキングカーブはメトロエンジンリサーチの江東区・全業態の集計(2026年8月7日〜23日の各泊、LT45→LT1、対象26〜27施設/6,645〜7,557室、主要予約サイト掲載ベース)。推定成約ADRは同じく江東区・全業態の月次推定(2024年7月〜2027年1月、N=36〜42施設)。客室ストックは東京ビッグサイトを中心とする半径3km/5km圏の客室数10室以上の施設(レジャーホテルを除く、2026年10月25日時点)。開催日程・来場者数はコミックマーケット準備会の公表資料と報道、ヒルトン系2施設の客室数はヒルトン「会社概要」による。

■ 試算前提

表6・表7の上積み室泊数は、会場3km圏の稼働中6,449室×上積み稼働(pt)×泊数で算出した。上積み稼働の目安は夏C108の前日水準の差(前夜金曜+6.0pt、1日目土曜+1.7pt)で、客室売上換算には2025年12月の江東区推定成約ADR ¥14,994(税抜相当)を当てた。2026年10月以降の推定成約ADRは調査時点の掲載水準に基づく途中経過として扱う。

■ 限界・留意点

推定OCCはOTAの販売在庫に基づく推定値で、施設全体の実稼働率とは異なる。夏の比較はお盆期間と重なり、イベント由来の需要を切り分けられない。12月28日〜31日泊はLT45以内の観測が始まっておらず、本稿は冬の予約進度を評価していない。試算の上積み稼働は江東区の対象施設の値で、3km圏の施設とは対象が一致しないため、規模感の目安として扱う。

出典: ヒルトン「会社概要」(2026年8月25日更新)

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