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Bリーグオールスター2027×共通テストの名古屋1/15〜17 — IGアリーナ2km圏18軒2,825室、1月は単価の谷

投稿日 : 2026.10.27

愛知県

季節・イベント

Bリーグオールスター2027×共通テストの名古屋1/15〜17 — IGアリーナ2km圏18軒2,825室、1月は単価の谷

2027年1月15日(金)から17日(日)の3日間、名古屋市北区のIGアリーナで「りそなグループ B.LEAGUE ALL-STAR GAME WEEKEND 2027 IN AICHI-NAGOYA」が開かれる。その中日の1月16日(土)・17日(日)は、大学入試センターが定めた令和9年度大学入学共通テストの本試験日と完全に重なる。バスケットボールのオールスターと受験生の前泊という、客層も予約行動もまったく違う2つの需要が、1月中旬という名古屋のホテル単価が1年で最も沈む時期に同じ週末へ流れ込むことになる。本稿では、IGアリーナ周辺の客室ストックの実測、前回の共通テスト(2026年1月17日・18日)の前夜と1日目にあたる16日・17日の価格の動き、名駅と栄の確定ADRの季節性を手がかりに、名古屋のホテル運営者がこの3日間に向けてどこまで値付けと販売条件を組み替えられるかを読み解く。

本記事のデータについて
• ADR(平均客室単価)=各施設がOTA上で公開する最安プラン水準(2名1室利用時・1室あたり料金・税込)に業態別の補正係数を適用して算出した推定成約単価(税抜相当)。上場ホテルREITが開示する物件別実績との照合(91施設・直近3ヶ月間)で誤差中央値は約7%。推定値であり、各施設の実際の成約価格・会計数値とは異なります。
• エリア(都道府県・市区町村)単位のADRは、対象施設の推定成約単価の中央値(エリアの標準的な施設の水準)です。
• 掲載価格に言及する箇所は、2名1室利用時の1室あたり料金(税込)です。
• OCC(稼働率)=エリア内の総客室数に対する販売済み客室数の割合(OTA販売在庫に基づく推定値)。
• 出典:メトロエンジンリサーチ(国内約168,000施設のOTA公開価格を継続追跡、うち稼働確認済み約27,000施設)

リードタイムに関する注記:本稿執筆時点(2026年10月20日)から2027年1月15日までは約87日あり、当社がブッキングカーブと推定OCCの利用を推奨するリードタイム45日以内を超えている。そのため2027年1月の予約進捗・推定OCCは本稿では扱わない。また、当社の残室観測は2026年3月10日に開始しており、前回の共通テスト(2026年1月17日・18日)の週末のブッキングカーブは存在しない。前年同週末については掲載価格の日別推移を、カーブの形状については2026年秋の土曜日を参照として用いる。推定OCC・カーブを示す箇所には「対象N施設/客室M(主要予約サイト掲載ベース)」を併記する。

Key Takeaways
  • — 1月15〜17日が重なる:IGアリーナのBリーグオールスター3日間と大学入学共通テスト本試験(16・17日)が同じ週末に入り、15日夜・16日夜は観戦客と受験生が同じ市内の客室を取り合う。
  • — 2km圏は稼働18軒・2,825室(2026年10月21日時点)。1km圏は1軒100室にとどまり、観戦需要は名城線沿いの栄・丸の内と名駅へ寄る。
  • — 1月は年間の谷:2026年1月の推定成約ADRは中村区¥9,747(N=72施設)・中区¥9,137(N=89施設)で、アジア大会の2026年9月の5〜6割の水準。
  • — 前回の共通テスト週末は価格が動かなかった:1日目の2026年1月17日(土)の愛知県ビジネスホテル掲載価格は¥21,800で、前後3土曜の平均比-1.1%。
  • — 12月1日前後のLT45が分岐点:通常土曜(2026年10月17日)のLT45時点の推定OCCは中区83.0%・中村区73.6%。これを上回ればフロア引き上げと金土2泊条件を前倒しする。

需要の重なり — オールスター3日間と共通テスト2日間が同じ週末に落ちる

まず、何がいつ重なるのかを一次情報で確認したい。B.LEAGUE公式の大会概要によると、「りそなグループ B.LEAGUE ALL-STAR GAME WEEKEND 2027 IN AICHI – NAGOYA」はDAY1が2027年1月15日(金)、DAY2が1月16日(土)、DAY3が1月17日(日)で、会場はIGアリーナ(愛知県名古屋市)、主催は公益財団法人日本バスケットボール協会と公益社団法人ジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグである。2026年10月6日の概要発表では、1月15日にアジアクロストーナメント、16日にオールスターコンテストとU18オールスターゲーム、17日に本戦のオールスターゲームという構成が示され、チケット販売は2026年12月上旬が予定されている。開催地がIGアリーナに決まったのは2025年6月19日の発表で、同リリースは2025年1月の船橋開催が「2日間で19,054人」を集めたと記している。会場のIGアリーナは愛知県の案内で最大収容17,000人(立見含む)、所在地は名古屋市北区名城一丁目2番22号、2025年7月13日の大相撲名古屋場所でグランドオープンした施設だ。

一方で大学入試センターは、令和9年度大学入学共通テストの本試験を「令和9年1月16日(土)、17日(日)」、追・再試験を「1月23日(土)、24日(日)」と定めている。つまり16日・17日は、オールスターのDAY2・DAY3と本試験の1日目・2日目がそのまま重なる。受験生の宿泊は試験前夜の15日(金)と16日(土)に集中するため、15日夜はオールスターのDAY1来場者と受験生の前泊が、16日夜はDAY2の来場者と2日目を控えた受験生が、同じ市内の客室を取り合う構図になる。当社が2026年10月に共通テストの宿泊需要を主要8都市で集計した際、名古屋は20試験場・志願者19,429人で、宿泊者比率3%の仮定なら1夜あたり545室という規模だった。受験生の需要は規模としては大きくないが、価格より確実性を優先し、試験場に近い静かな部屋を早めに押さえる客層である点が、オールスター来場者とは決定的に違う。

表1 2027年1月15〜17日の日程と宿泊需要の重なり
日付オールスター(B.LEAGUE公式)共通テスト(大学入試センター)宿泊需要の読み
1月15日(金)DAY1 アジアクロストーナメント—(翌日が本試験1日目)観戦客の初日泊+受験生の前泊が重なる夜
1月16日(土)DAY2 オールスターコンテスト・U18本試験1日目観戦客の土曜泊+2日目を控えた受験生の連泊
1月17日(日)DAY3 オールスターゲーム(本戦)本試験2日目遠方の観戦客の日曜泊。受験生は帰路へ
1月23日(土)・24日(日)—追・再試験規模は小さいが名古屋会場での前泊が再び発生

出典:B.LEAGUE「大会概要」(2026年)、大学入試センター「令和9年度試験」、ホテルバンク編集部作成

IGアリーナ圏の客室 — 1km圏は稼働1軒100室、2km圏は18軒2,825室

本記事の客室ストックは、IGアリーナから半径2,000m圏内にある客室数10室以上の宿泊施設(レジャーホテルを除く)を対象とし、「稼働中」は直近3か月(2026年8月〜2026年10月)に主要予約サイトで販売価格が確認できた施設を指す(2026年10月21日時点、メトロエンジンリサーチ集計)。

IGアリーナは名城公園の北園に建つ施設で、徒歩圏に宿泊施設はほとんどない。半径1km圏で稼働中の施設は1軒・100室にとどまり、同じ圏内に掲載が残る195室の施設は直近3か月に販売価格が確認できなかった。半径2km圏に広げると稼働中は18軒・2,825室となるが、その多くは丸の内・久屋大通・錦の北端に立つビジネスホテルで、アリーナからの距離は1.5〜2.0kmに集まる。地下鉄名城線で名城公園駅から栄駅までは3駅であり、観戦客の宿泊は実質的に栄・丸の内エリアの客室で受けることになる。半径5km圏まで広げると稼働中189軒・31,163室に跳ね、名駅・伏見・栄・金山の主要ホテル街がほぼすべて入る。17,000人規模の来場者に対して、2km圏の客室はその17%弱、5km圏なら1.8倍という規模感である。

表2 IGアリーナ半径2km・5km圏の稼働客室(区分別・2026年10月21日時点)
区分(稼働中のみ)半径2km圏半径5km圏
ビジネスホテル13軒 / 2,508室147軒 / 25,155室
シティホテル1軒 / 72室16軒 / 2,986室
デラックスホテル1軒 / 100室4軒 / 1,889室
カプセルホテル0軒 / 0室3軒 / 576室
その他(会社・団体の宿泊所、ホステル、民宿等)3軒 / 145室19軒 / 557室
合計(稼働中)18軒 / 2,825室189軒 / 31,163室
参考:掲載ストック(稼働確認の有無を問わない)23軒 / 3,386室274軒 / 39,980室

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(2026年10月時点)

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(稼働中施設の実座標。点の大きさ=客室数、青=2km圏、灰=5km圏の300室以上)

2km圏で稼働中の18軒を客室数順に並べると、300室超は1軒、200室台が7軒で、その大半が2000年以降の開業である。アリーナに最も近い稼働施設は名城公園の南に立つ100室のデラックスホテルで、次いで1.0kmの葵ホテル(19室)、1.2kmのKKRホテル名古屋(106室)となる。残る15軒は丸の内・久屋大通・錦の北側に並び、いずれも名城線または桜通線の駅から徒歩圏にある。

表3 IGアリーナ2km圏で稼働中の宿泊施設(N=18施設・客室数順)
施設名(2km圏・稼働中)客室数区分アリーナからの距離開業年
アパホテル〈名古屋栄北〉350室ビジネスホテル1,741m2018
名鉄イン名古屋錦280室ビジネスホテル1,960m2007
ホテル京阪名古屋259室ビジネスホテル1,928m2020
アパホテル〈名古屋丸の内駅前〉254室ビジネスホテル1,919m2005
西鉄ホテル クルーム名古屋242室ビジネスホテル1,915m2019
東横INN名古屋丸の内236室ビジネスホテル1,676m1998
くれたけイン名古屋久屋大通217室ビジネスホテル1,639m2018
ワシントンR&Bホテル名古屋錦204室ビジネスホテル1,948m2000
天然温泉ホテルリブマックスPREMIUM名古屋丸の内156室ビジネスホテル1,752m2021
ホテルビスタ名古屋 錦143室ビジネスホテル1,966m2017
ホテル・アンドルームス名古屋栄108室ビジネスホテル1,559m2018
KKRホテル名古屋106室会社・団体の宿泊所1,196m1962
エスパシオ ナゴヤキャッスル100室デラックスホテル830m2025
アイリス愛知72室シティホテル1,520m1994
BRILLIANCE HOTEL40室ビジネスホテル1,758m2021
マンガアートホテル名古屋丸の内25室ホステル1,851m2026
葵ホテル19室ビジネスホテル1,029m1990
民宿 なごのや14室民宿1,865m2015

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(2026年10月時点)(N=18施設)

名駅・栄の確定ADR — 1月は年間の谷、2026年9月の半分強

次に、この週末が落ちる「1月中旬」という時期の単価水準を確定月のデータで押さえる。中村区(名駅)の推定成約ADRは2026年1月が¥9,700(N=72施設)で、前年同月の¥8,700から+11.4%と伸びてはいるものの、直前の2025年12月¥10,700、11月¥12,000からは明確に沈んでいる。中区(栄・伏見)も同じ形で、2026年1月は¥9,100(N=89施設、前年同月比+15.5%)、2025年12月の¥9,600、11月の¥11,000を下回る。2025年も1月は中村区¥8,700・中区¥7,900と12か月のうち最低水準であり、1月が谷であることは2年連続で確認できる。

対照的なのが第20回アジア競技大会が開かれた2026年9月で、中村区¥17,400、中区¥16,900と、2026年1月の1.79倍・1.85倍まで持ち上がった。大規模イベントが名古屋の単価を動かす力はこの9月で実証されているが、オールスターは3日間の単発であり、1月の底値の上に乗る需要としてどこまで単価に転嫁できるかが論点になる。なお、2027年1月についても調査時点の掲載水準から推定した値は得られるが、現時点の掲載に基づくスナップショットであって確定月とは性質が異なるため、本稿では比較に用いない。IGアリーナが所在する北区は推定成約ADRの算出に必要な施設数に届かない月が多く、区単位の系列は示せない。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(推定成約ADR・確定月のみ。中村区N=71〜73施設、中区N=87〜92施設)

表4 中村区・中区・愛知県の推定成約ADR(確定月・税抜相当)
確定月中村区 ADR前年同月比中区 ADR前年同月比愛知県 ADR
2025-11¥11,994+11.0%¥11,016+17.9%¥9,764
2025-12¥10,748+8.7%¥9,629+7.9%¥9,056
2026-01¥9,747+11.4%¥9,137+15.5%¥8,571
2026-02¥10,348+12.1%¥8,915+3.6%¥8,340
2026-09¥17,440+83.4%¥16,927+79.0%¥12,372

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(推定成約ADR・税抜相当・確定月同士の比較)

前回の共通テスト週末(前夜1月16日・1日目17日)— 掲載価格は隣の土曜と同じ水準だった

前年同週末の予約消化カーブは観測開始前で描けないため、ここでは2026年1月の金曜・土曜について、最終観測時点の掲載価格(全プラン平均・2名1室・税込)を日別に並べる。愛知県のビジネスホテル(N=310施設)では、共通テスト1日目の1月17日(土)が¥21,800で、前後の土曜である1月10日¥22,100、1月24日¥21,900、1月31日¥22,200とほぼ横並び、3土曜の平均に対して-1.1%にとどまった。試験前夜の16日(金)も¥16,100で、他の金曜(¥15,500・¥16,400・¥16,300)と差はない。IGアリーナ5km圏の施設(N=142施設)でも17日(土)は¥31,600で、1月10日¥31,200と1月24日¥32,300の間に収まる。2025年の試験週末(前夜1月17日・1日目18日)も同じで、愛知県ビジネスホテルの18日(土)は¥21,000と翌週25日(土)の¥21,900を下回っていた。

この結果は、名古屋では共通テスト単独では土曜の価格を押し上げるだけの需要にならないことを示す。受験生の前泊は確実に存在するが、1夜数百室の規模が2万室超の供給に吸収され、価格シグナルとしては表れない。2027年は、この「動かなかった土曜」の上にオールスターの観戦需要が3日間乗る。参照点として重要なのは、前年同週末の土曜が隣接土曜と同額だったという事実そのものであり、2027年1月16日(土)の掲載価格が隣接土曜に対してどれだけ乖離するかが、オールスターの純増分を測る最も素直な指標になる。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(掲載価格・全プラン平均・2名1室・税込、最終観測時点。愛知県ビジネスホテルN=309〜317施設、IGアリーナ5km圏N=141〜145施設)

名駅と栄の消化カーブ — 2026年秋の土曜を参照にLT45→1の形を読む

1月の実カーブが無い以上、形状の参照には直近の確定した土曜を使うしかない。2026年10月17日(土・通常の土曜)の推定OCC(OTA掲載在庫ベース)は、中区が対象59施設/客室10,844(主要予約サイト掲載ベース)でLT45の83.0%からLT14で91.0%、LT1で94.6%へ、中村区は対象46施設/客室7,286でLT45の73.6%からLT14で92.8%、LT1で94.1%へと進んだ。名駅側はLT30からLT14の間に一気に埋まり、栄側はLT14以降もなだらかに積み上がる。3連休初日の10月10日(土)はどちらも出だしが低く(中区71.6%・中村区69.6%)、LT1で中区98.1%・中村区95.7%とレジャー寄りの週末ほど直前に伸びる。アジア競技大会の会期中だった9月26日(土)はLT45時点で中区94.9%・中村区97.6%とすでに上限近くにあり、大型イベントの週末は45日前の段階で勝負がついていたことが分かる。愛知県内でシティホテルとビジネスホテルのカーブの形がどう違うかは、愛知のシティ・ビジネスホテル、10月のブッキングカーブ比較で詳しく分析している。

オールスターの1月16日(土)がこの3つの形のどれに近づくかは、12月上旬のチケット発売を境に決まるだろう。観戦目的の宿泊は、チケットが確定してから手配される分がLT30〜LT40に集中しやすく、通常の土曜カーブより早い立ち上がりが期待できる。受験生の前泊はそれより早く、12月中には固まっている可能性が高い。したがって運営側が見るべきは、LT45(12月1日前後)時点のOCCが通常土曜の参照値である中区83%・中村区74%をどれだけ上回っているかであり、ここで差が出ていれば、1月の底値を前提にした価格設定を引き上げる余地がある。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(推定OCC=OTA掲載在庫ベース、LT45〜LT1。中区:対象59施設/客室10,844、中村区:対象46施設/客室7,286、いずれも主要予約サイト掲載ベース)。OTA上で販売される在庫の消化状況に基づく推定値であり、施設全体の実稼働率とは異なります

1月の谷で取りうる値付け — 最低販売価格と最低泊数の運用

以上を踏まえ、名古屋のレベニューマネージャーが2027年1月15日〜17日に向けて検討できる打ち手を整理する。第一に、最低販売価格(フロア)の置き直しである。1月の確定ADRは中村区¥9,700・中区¥9,100が直近の実績で、通常の1月であれば各施設のフロアもこの水準に合わせて下がっている。オールスター週末はここに観戦需要が乗るため、15日・16日の2夜については、11月〜12月の確定水準(中村区¥12,000〜¥10,700、中区¥11,000〜¥9,600)をフロアの参照点に置き直すことが、1月の底値のまま売り切ってしまうことを避ける最初の一手になる。チケット発売前の12月上旬にフロアを上げ、LT45時点のOCCが参照値を上回っていれば段階的に引き上げる、という順序が無理がない。

第二に、最低泊数(ミニマムステイ)の設計である。オールスターは金・土・日の3日間構成で、遠方からの観戦客は金土または土日の2泊が自然な形になる。15日(金)・16日(土)の2泊を基本単位としたプランを早めに出すことで、単泊の低単価需要で先に埋まることを避けつつ、受験生の金土2泊(前夜泊+1日目夜)とも整合する。ただし17日(日)泊は本戦後の帰路需要に限られるため、日曜まで含めた3泊条件は在庫を残すリスクがある。金土2泊を軸に、日曜は単泊で柔軟に受ける組み合わせが現実的だろう。受験生側の前泊需要が主要キャンパス周辺の客室ストックとどう向き合っているかは、大学受験の前泊ホテル、京大2km圏2,203室・阪大豊中0室が1月の価格と併せて整理している。

第三に、需要がどこへ寄るかの読みである。IGアリーナの徒歩圏にはほぼ客室が無く、名城線で3駅の栄・久屋大通と、丸の内・錦北側の2km圏18軒がまず受け皿になる。名駅(中村区)は新幹線での来場者と、名古屋駅から試験場へ向かう受験生の双方を取り込むため、金曜夜の立ち上がりが栄より早いと見込まれる。参照カーブで名駅側がLT30〜LT14に一気に埋まる性質を考えると、中村区の施設はLT30前に2泊条件とフロアの引き上げを済ませ、中区の施設はLT14以降の直前需要を取り込む価格の階段を残す、という使い分けが成り立つ。北区・東区の少数の施設は、アリーナ最至近という立地そのものが差別化になるため、観戦客向けの販売条件を早期に明示する価値が高い。

表5 2027年1月15〜17日に向けた打ち手と判断のタイミング
打ち手対象日参照する実績値判断のタイミング
最低販売価格の置き直し1/15(金)・1/16(土)中村区 11〜12月確定ADR ¥11,994〜¥10,748、中区 ¥11,016〜¥9,629チケット発売前(12月上旬)に設定、LT45で見直し
最低泊数(金土2泊)1/15〜1/16通常土曜のLT45 OCC 中区83.0%・中村区73.6%を上回るかLT45〜LT30
直前需要の価格階段1/16(土)・1/17(日)通常土曜はLT14→LT1で中区+3.6pt・中村区+1.3ptLT14以降
観戦客向け販売条件の明示3日間2km圏 稼働18軒2,825室の希少性11月中

出典:メトロエンジン株式会社、ホテルバンク編集部作成

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まとめ

2027年1月15日〜17日の名古屋は、IGアリーナのオールスター3日間と共通テストの本試験2日間が同じ週末に重なる。会場徒歩圏の客室は稼働1軒100室、2km圏でも18軒2,825室にとどまり、観戦需要は名城線沿いの栄・丸の内と名駅へ寄る。1月は名駅・栄ともに年間で最も単価が沈む月で、2026年1月の確定ADRは中村区¥9,700・中区¥9,100だった。前回の共通テスト週末は掲載価格が隣接土曜と同額で、受験需要だけでは価格が動かなかったことも確認できた。だからこそ2027年は、12月上旬のチケット発売を起点に、11〜12月の確定水準を参照したフロアの置き直しと金土2泊の販売条件をLT45までに整え、LT45時点のOCCが通常土曜の参照値を上回っているかで価格の階段を決める、という手順が有効といえる。2027年1月の確定データが出た段階で、オールスター週末の土曜が隣接土曜からどれだけ乖離したかを本稿の数字と突き合わせたい。

⚠ 将来日程に関する注意:本記事が扱う2027年1月15日〜17日は調査時点(2026年10月20日)から約87日先であり、推奨リードタイム45日を超えるため、当該日程の予約進捗・推定OCC・調査時点の掲載水準からの推定単価は本記事では用いていない。参照として示した2026年秋の消化カーブは形状の比較のためのものであり、2027年1月の予約進捗を示すものではない。オールスターの日程・会場・チケット販売時期は主催者の発表に基づくもので、今後変更される可能性がある。

よくある質問

Q. 2027年のBリーグオールスターと共通テストはいつ重なりますか。

オールスターは2027年1月15日(金)〜17日(日)の3日間、名古屋市北区のIGアリーナで開かれ、大学入学共通テストの本試験は1月16日(土)・17日(日)です。宿泊需要としては、観戦客の初日泊と受験生の前泊が重なる15日夜、観戦客の土曜泊と2日目を控えた受験生が重なる16日夜が中心になります。

Q. IGアリーナの近くにホテルはどれくらいありますか。

客室数10室以上(レジャーホテルを除く)で直近3か月に販売価格が確認できた施設は、半径1km圏で1軒・100室、2km圏で18軒・2,825室、5km圏で189軒・31,163室です(2026年10月21日時点)。徒歩圏は少なく、名城線で3駅の栄・久屋大通、丸の内・錦北側、名駅が実質的な受け皿になります。

Q. 1月の名古屋のホテル単価はどの水準ですか。

2026年1月の推定成約ADRは中村区(名駅)¥9,747(N=72施設)、中区(栄・伏見)¥9,137(N=89施設)で、2025年も1月が12か月で最も低い水準でした。アジア競技大会が開かれた2026年9月(中村区¥17,440・中区¥16,927)と比べると、5〜6割の水準にとどまります。

Q. 共通テストだけで名古屋のホテル価格は上がりますか。

前回は上がっていません。共通テスト1日目の2026年1月17日(土)の愛知県ビジネスホテルの掲載価格は¥21,800(N=310施設)で、前後の土曜(¥22,100・¥21,900・¥22,200)とほぼ同じでした。名古屋の受験生の宿泊は宿泊者比率3%の仮定で1夜あたり約545室で、2万室超の供給に吸収されます。

Q. ホテルはいつ、何を判断すればよいですか。

チケット発売前の12月上旬に、15日・16日のフロアを11〜12月の確定水準(中村区¥10,748〜¥11,994、中区¥9,629〜¥11,016)を参照して置き直し、金土2泊を基本とする販売条件を出します。そのうえでLT45(12月1日前後)時点の推定OCCが通常土曜の参照値(中区83.0%・中村区73.6%)を上回っているかで、段階的な引き上げを判断します。

あわせて読みたい

参考資料・出典一覧

■ データソース

メトロエンジンリサーチが追跡する名古屋市・愛知県の宿泊施設の推定成約ADR(中村区・中区・愛知県、2025年1月〜2026年9月の確定月)、掲載価格の日別推移(2025年1月・2026年1月の金曜・土曜、全プラン平均・2名1室・税込、最終観測時点)、主要予約サイト掲載在庫から推定したブッキングカーブ(中区・中村区、2026年9月26日・10月10日・10月17日チェックインのLT45〜LT1)、IGアリーナ半径1km・2km・5km圏の施設マスタ(2026年10月21日時点)。大会日程・会場・試験日程は下記の主催者・公的機関の公表資料のみを用いた。

■ 試算前提

推定成約ADRは最安プラン水準(2名1室・1室あたり・税込)に業態別の補正係数を掛けた税抜相当値の施設中央値で、検証済みの確定月のみを扱い、2027年1月の掲載ベースの推定値は比較に用いない。推定OCCはOTA掲載在庫の消化から推定した値で、宿泊日の45日前〜前日(LT45〜LT1)の観測だけを使う。半径圏の客室は客室数10室以上(レジャーホテルを除く)、「稼働中」は2026年8〜10月に販売価格が確認できた施設とした。受験生の宿泊室数(名古屋1夜545室)は宿泊者比率3%の仮定に基づく当社試算。

■ 限界・留意点

当社の残室観測は2026年3月10日開始のため、前回の共通テスト週末(2026年1月)のブッキングカーブは存在せず、2026年秋の土曜のカーブは形状の参照にとどまる。推定OCCは掲載在庫ベースで施設全体の実稼働率とは異なり、推定成約ADRも実際の成約価格・会計数値とは異なる。北区は推定成約ADRの算出に必要な施設数に届かない月が多く、区単位の系列は示していない。オールスターの日程・チケット販売時期は主催者の発表に基づき、今後変更される可能性がある。

■ 出典

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