
「湯快リゾート」で検索すると、昔の宿名が出てこない。宿がなくなったのかと不安になる人が多いが、答えは「なくなっていない」。湯快リゾートは2024年4月1日に大江戸温泉物語ホテルズ&リゾーツと経営統合し、同年11月1日から全施設が「大江戸温泉物語グループ」のブランドに名前を揃えた。宿そのものは同じ場所で営業を続けている。粟津温泉の「湯快リゾート あわづグランドホテル」は「大江戸温泉物語 あわづグランドホテル」に、山中温泉の「山中グランドホテル」は「大江戸温泉物語Premium 山中グランドホテル」に、それぞれ看板を変えて予約を受けている。
この記事では、統合の経緯と4つのブランドの違い、旧湯快の代表的な宿の新旧名称、そして2026年10月時点で実際に払う1泊2名の掲載価格を、宿泊者の目線でまとめる。
- — 湯快リゾートはなくなっていない。2024年4月1日に大江戸温泉物語と経営統合し、同年11月1日から全施設が「大江戸温泉物語グループ」のブランド名で営業を続けている。
- — ブランドは4つ。基幹の大江戸温泉物語、上位シリーズのPremium、オールインクルーシブのTAOYA、愛犬と泊まれるわんわんリゾートに振り分けられた。
- — 宿固有の名前は多くが残る。「あわづグランドホテル」「よしのや依緑園」など固有部分で検索すると現在のページにたどり着きやすい。ホテル千畳はTAOYA白浜千畳になった。
- — 平日なら2名で2万円台前半。あわづグランドホテルの月〜木泊は平均23,226円(1室2名・税込の掲載価格、2026年10月7日取得、N=69日)で、1人あたり1万円強。
- — 金・土泊は平均で約5,000〜10,500円高い。曜日をずらすことと、公式サイトの会員プランと予約サイトのプランを見比べることが、支払額を抑える現実的な手段になる。
湯快リゾートは「大江戸温泉物語」に名前を変えた — 統合の経緯
湯快リゾートは2003年創業、京都市に本社を置き、石川・和歌山・岐阜など西日本の温泉地で「1泊2食バイキング付きの手頃な温泉宿」を広げてきた。一方の大江戸温泉物語は東日本を中心に同じカジュアル温泉宿を展開していた。両社は2024年4月1日に経営統合し、2024年9月2日に「11月1日から全66施設(宿64・温浴施設2)を大江戸温泉物語グループのブランドに統一する」と発表した(施設数は発表時の公表値)。名前を大江戸温泉物語側に揃えた理由は、記者発表会で「大江戸温泉物語の方が認知度が高く、新ブランドをつくるよりコストと時間を抑えられる」と説明されている。
その後、2025年9月には両社の運営会社がGENSEN HOLDINGSに一本化され、ブランドだけでなく会社としても一つになった。2025年度の実績として、同グループは「新規開業5施設・リブランド10施設、全71施設を運営」と公表しており、統合後も宿は減らず増えている。つまり「湯快リゾートがなくなった」のではなく、「湯快リゾート」という看板が「大江戸温泉物語」に置き換わり、宿は継続・拡大しているというのが正確な見立てだ。この統合を投資・運営側から評価した分析はこちらの記事にあるが、本記事は泊まる人のための整理に絞る。
4つのブランド(シリーズ)の違い
統合後の宿は、次の4つのいずれかの名前になっている。旧湯快の宿も、旧大江戸の宿も、同じ基準で振り分けられた。
| ブランド | 位置づけ(公表資料ベース) | 旧湯快の宿の例 |
|---|---|---|
| 大江戸温泉物語 | グループの基幹ブランド。1泊2食バイキング付きの「手軽に行ける温泉宿」。かつての湯快リゾートの標準タイプに最も近い | あわづグランドホテル(粟津)、山代彩朝楽、山中彩朝楽 |
| 大江戸温泉物語Premium | 2023年に始まった上位シリーズ。食事内容と館内設備を一段上げた温泉宿。旧湯快の宿の一部は改装を経てここに入った | 山中グランドホテル、加賀まるや(旧NEW MARUYAホテル)、下呂本館(旧下呂彩朝楽本館)、よしのや依緑園 |
| TAOYA | 2019年から展開する温泉リゾートホテル。夕食時のアルコールやラウンジのドリンクまで料金に含むオールインクルーシブが特徴 | TAOYA白浜千畳(旧ホテル千畳) |
| 大江戸温泉物語わんわんリゾート | 愛犬と一緒に泊まれる温泉宿。旧「湯快わんわんリゾート」がそのまま名前を変えて継続 | わんわんリゾート粟津 |
出典:大江戸温泉物語・湯快リゾートのブランド統合発表(2024年9月・10月)、GENSEN HOLDINGS公表資料。ブランドの説明は公表資料に書かれている範囲で記載した。
旧湯快リゾートの宿はいま何という名前か — 新旧名称対応表
「昔泊まったあの宿をもう一度」と思ったときに困るのが名前の変化だ。統合発表や公式リリースで新旧の対応が確認できる宿と、ホテルバンク編集部が集計するOTA掲載名で現在の名称を確認した宿を、温泉地ごとにまとめた。
| 温泉地 | 旧名称(湯快リゾート時代) | 現在の名称 | 確認元 |
|---|---|---|---|
| 粟津温泉(石川) | 湯快リゾート あわづグランドホテル | 大江戸温泉物語 あわづグランドホテル | OTA掲載名(2026年10月7日時点) |
| 粟津温泉(石川) | 湯快わんわんリゾート粟津 | 大江戸温泉物語わんわんリゾート粟津 | OTA掲載名(2026年10月7日時点) |
| 山中温泉(石川) | 湯快リゾート 山中グランドホテル | 大江戸温泉物語Premium 山中グランドホテル | OTA掲載名(2026年10月7日時点) |
| 山中温泉(石川) | 湯快リゾートプレミアム よしのや依緑園 | 大江戸温泉物語Premium よしのや依緑園 | OTA掲載名(2026年10月7日時点) |
| 片山津温泉(石川) | 湯快リゾート NEW MARUYAホテル | 大江戸温泉物語Premium 加賀まるや | 統合発表(2024年9月) |
| 下呂温泉(岐阜) | 湯快リゾート 下呂彩朝楽 本館 | 大江戸温泉物語Premium 下呂本館 | 統合発表(2024年9月) |
| 南紀白浜温泉(和歌山) | 湯快リゾートプレミアム ホテル千畳 | TAOYA白浜千畳 | 公式リリース(2024年11月) |
注:旧名称の「湯快リゾートプレミアム」は統合前の上位シリーズ名。「彩朝楽」「グランドホテル」など宿固有の名前は多くがそのまま残っているので、昔の宿名の固有部分で検索すると現在のページにたどり着きやすい。
片山津温泉の「加賀まるや」のように、統合と同時に改装してPremiumへ格上げされた宿もある。片山津の湖畔宿を客室露天の切り口で比べた記事(加賀片山津、柴山潟の水面に湯を張り出す客室露天五軒)では、加賀まるやが老舗旅館と並んで取り上げられている。加賀温泉郷を含む石川県内の宿泊価格帯は、石川県ホテル投資マップ2026が市町単位で整理している。
いま泊まるといくらか — 旧湯快4軒の1泊2名・税込の実勢価格
「名前が変わって高くなったのでは」という不安に、数字で答える。旧湯快の4軒(ブランド別に1軒ずつ)について、OTA公開データから1室2名利用・税込の掲載価格を日付ごとに拾い、各日の最安プランの価格を集計した(取得日:2026年10月7日、対象宿泊日:2026年10月7日〜12月31日)。
| 宿(ブランド) | 期間中の最安 | 最安プランの日平均 | 月〜木泊の平均 | 金・土泊の平均 | 集計日数 |
|---|---|---|---|---|---|
| 大江戸温泉物語 あわづグランドホテル(大江戸温泉物語) | 18,000円 | 25,747円 | 23,226円 | 30,887円 | N=69日 |
| 大江戸温泉物語わんわんリゾート粟津(わんわんリゾート) | 17,910円 | 32,010円 | 27,968円 | 38,478円 | N=83日 |
| 大江戸温泉物語Premium 山中グランドホテル(Premium) | 22,050円 | 30,198円 | 28,637円 | 33,618円 | N=86日 |
| TAOYA白浜千畳(TAOYA) | 28,080円 | 37,050円 | 33,743円 | 41,899円 | N=86日 |
出典:ホテルバンク編集部調べ(OTA公開データ・2026年10月7日取得)。1室2名利用・税込の掲載価格。各宿泊日について販売中プランの最安値を取り、その最小値を「最安」、全日の平均を「日平均」とした。あわづグランドホテルは10月24日〜12月31日の69日分、他3軒は10月7日〜12月31日分。宿泊日・プラン・客室タイプで価格は変わるため、予約時の表示額を優先してほしい。
読み方は3つ。第一に、平日(月〜木)に泊まれば、基幹ブランドの宿は2名で2万円台前半、1人あたり1万円強が目安になる。湯快リゾート時代に親しんだ「1人1万円前後で2食バイキング付き」という感覚は、平日ならいまも概ね成り立つ。第二に、金・土泊は同じ宿でも平均で5,000〜10,500円ほど上がる(山中グランドホテルで約5,000円、わんわんリゾート粟津で約10,500円)。日程を1日ずらせる人は、曜日を動かすだけで差が出る。第三に、Premium と TAOYA は料金が上がるぶん食事とラウンジの内容が変わる。特にTAOYAは夕食時のアルコールやラウンジのドリンクが料金に含まれるので、現地で追加の支払いが出にくく、「表示額=ほぼ総額」と考えてよい。白浜を含む和歌山県内の宿泊料金の動きは和歌山の宿泊料金2026秋、熊野側が白浜を上回るが、オールインクルーシブ化が宿の単価をどう変えるかは鳥羽の72室、オールインクルーシブ化で8月推定成約4.7万円が、それぞれ詳しく分析している。
バイキング・直行バス・会員制度 — 湯快らしさはどこに残ったか
湯快リゾートの魅力だった要素が、統合後どうなったかを公表資料の範囲で確かめる。
- バイキング:統合の記者発表会で、グループは「温泉」「バイキング」「おもてなし」の3つにこだわり続けると明言した。基幹ブランドとPremiumの夕食・朝食はバイキング形式が基本で、2025年末にPremiumへ改装した宿では「夕朝食をPremiumシリーズにアップグレード」と案内されており、食事の軸はバイキングのまま内容を上げる方向にある。
- 都市部からの直行バス:湯快リゾートが京都・新大阪などから温泉地へ走らせていた直行バスは、統合後もTAOYA白浜千畳で「京都駅・新大阪駅・天王寺駅からの往復直行バス」として案内されている。運行の有無・料金は宿ごとに違うので、予約前に各宿のページで確認したい。
- 会員制度:大江戸温泉物語の公式会員「いいふろ会員」が全宿に導入された。会員数は約200万人(2025年度・グループ公表)。公式サイト経由の会員限定プランや、平日限定の会員価格が宿ごとに出ているので、公式サイトと予約サイトの両方を見比べると取りこぼしが少ない。
- 湯めぐり:統合発表の資料には系列間の湯めぐりに関する記載がなく、宿ごとの案内に委ねられている。隣接する宿が多い加賀温泉郷(山代・山中・片山津・粟津)では、同じグループの宿が複数あるので、泊まる宿のページで最新の案内を確認するのが確実だ。
どのブランドを選ぶか — 用途別の目安
4ブランドは「どれが上か」ではなく、旅の目的で選ぶものだ。
- 昔の湯快リゾートの感覚で、気軽に2食付き温泉を楽しみたい:基幹の「大江戸温泉物語」。平日2名で2万円台前半が目安。家族連れや3世代旅行にも向く。
- 食事と部屋を一段上げて、記念日や夫婦旅に:「大江戸温泉物語Premium」。旧湯快の宿の一部も改装を経てここに入っており、ラウンジや露天付き客室を加えた宿が増えている。
- 財布を気にせず飲んでくつろぎたい大人の旅:「TAOYA」。オールインクルーシブで、表示額がほぼ総額になる。
- 愛犬と一緒に温泉へ:「わんわんリゾート」。食事も風呂も犬と一緒に過ごせる設計で、旧湯快わんわんリゾートの粟津・片山津がそのまま続いている。
いずれも、曜日を動かすことと、公式サイトの会員プランと予約サイトの早期予約プランを見比べることが、支払額を抑える現実的な手段になる。
詳しく探すなら
具体的な宿の比較は、こちらの記事が詳しい。
【一軒の宿】2026年7月1日開業 TAOYA阿蘇 — 阿蘇外輪山と夜の星空に泊まる、開業1ヶ月で行く大人ふたりのオールインクルーシブ1泊2日(HotelPicks)
グループの大人向けブランド「TAOYA」の九州1号店・TAOYA阿蘇(全59室)を1軒だけ深掘り。阿蘇五岳を望むインフィニティ露天風呂と全面ガラス張りのラウンジ、夕食時のアルコールや夜食まで含むオールインクルーシブの中身、2名1室の目安価格(通常期58,000〜78,000円)と阿蘇くまもと空港から車で約30分のアクセスまで、夫婦ふたりの1泊2日として組み立てている。
加賀片山津、柴山潟の水面に湯を張り出す客室露天五軒 — 白山を映す潟の朝湯と昼夜で色を変える湖(yadolist)
旧湯快の宿がある片山津温泉で、客室露天を持つ湖畔宿5軒を比較。明治25年創業の湖畔の宿 森本、季がさね、かのや光楽苑、ホテル翠湖と並んで、旧NEW MARUYAホテルの大江戸温泉物語Premium 加賀まるや(62室・Premium露天付き客室・バイキング形式)が、浮御堂を望む立地と1泊2名の目安価格とともに紹介されている。
よくある質問
Q. 湯快リゾートはなくなったのですか?
A. なくなっていません。湯快リゾートは2024年4月1日に大江戸温泉物語ホテルズ&リゾーツと経営統合し、同年11月1日から全施設が「大江戸温泉物語グループ」のブランド名に変わりました。宿は同じ場所で営業を続けており、2025年9月には運営会社もGENSEN HOLDINGSに一本化されています。
Q. 昔泊まった湯快リゾートの宿は、いまどう探せばよいですか?
A. 「彩朝楽」「グランドホテル」「依緑園」など宿固有の名前は多くがそのまま残っているので、固有部分で検索するのが近道です。たとえば「湯快リゾート あわづグランドホテル」は「大江戸温泉物語 あわづグランドホテル」、「湯快リゾートプレミアム ホテル千畳」は「TAOYA白浜千畳」になっています。
Q. 名前が変わって、宿泊料金はいくらくらいですか?
A. 旧湯快の4軒について1室2名利用・税込の掲載価格を集計したところ(2026年10月7日取得、宿泊日は2026年10月7日〜12月31日)、基幹ブランドのあわづグランドホテルは月〜木泊の平均が23,226円、金・土泊の平均が30,887円でした。平日なら1人あたり1万円強が目安です。統合前の価格との比較は本記事では行っていません。
Q. 大江戸温泉物語・Premium・TAOYA・わんわんリゾートはどう違いますか?
A. 大江戸温泉物語は1泊2食バイキング付きの基幹ブランド、Premiumは食事内容と館内設備を一段上げた上位シリーズ、TAOYAは夕食時のアルコールやラウンジのドリンクまで料金に含むオールインクルーシブの温泉リゾートホテル、わんわんリゾートは愛犬と一緒に泊まれる温泉宿です。
Q. バイキングや直行バスは統合後も続いていますか?
A. 統合の記者発表会でグループは「温泉」「バイキング」「おもてなし」にこだわり続けると説明しており、基幹ブランドとPremiumの食事はバイキング形式が基本です。直行バスはTAOYA白浜千畳で京都駅・新大阪駅・天王寺駅発着の往復便が案内されていますが、運行の有無と料金は宿ごとに違うため、予約前に各宿のページで確認してください。
集計方法と出典
■ データソース
宿泊価格は、OTA公開データをホテルバンク編集部が集計したもの。取得日は2026年10月7日、対象宿泊日は2026年10月7日〜12月31日で、旧湯快リゾートの4軒について「1室2名利用・税込の掲載価格」を宿泊日ごとに拾った。集計日数はあわづグランドホテルN=69日、わんわんリゾート粟津N=83日、山中グランドホテルN=86日、TAOYA白浜千畳N=86日。統合の経緯・ブランドの位置づけ・施設数は下記の公表資料と報道、新旧名称は統合発表・公式リリースとOTA掲載名(2026年10月7日時点)で確認した。
■ 試算前提
各宿泊日について販売中プランの最安値を取り、その最小値を「期間中の最安」、全日の単純平均を「最安プランの日平均」とした。「月〜木泊の平均」「金・土泊の平均」は宿泊日の曜日で分けた同じ値の平均。「1人あたり」の目安は2名料金を2で割った値である。
■ 限界・留意点
掲載価格は実際の成約価格ではなく、最安プランの食事条件や客室タイプは宿泊日によって異なる場合がある。4軒は各ブランドから1軒ずつ選んだ例で、ブランド全体の平均ではない。あわづグランドホテルは10月24日以降の宿泊日のみを集計している。統合前の価格との比較は行っていない。施設数は各発表時点の公表値で、直行バスや会員プランの内容は宿・時期によって変わるため、予約時の表示と各宿の案内を優先してほしい。
■ 出典
- 大江戸温泉物語ホテルズ&リゾーツ プレスリリース「2社が展開する全66施設が【大江戸温泉物語グループ】に!」(2024年9月2日)
- 湯快リゾート プレスリリース(大江戸温泉物語Premium 加賀まるや・下呂本館の2館同時オープン、2024年9月2日)
- トラベルボイス「大江戸温泉物語と湯快リゾート、「大江戸温泉物語」ブランド統一へ、全国66施設で日本最大級のカジュアル温泉宿が誕生」(2024年10月28日)
- トラベルボイス「大江戸温泉物語グループ、2030年に100施設・売上高1200億円へ、温泉旅館の再生事業を拡大」(2026年6月11日)
- TRAICY「「TAOYA白浜千畳」、11月1日リブランドオープン 旧湯快リゾートプレミアム ホテル千畳」(2024年11月7日)
- トラベル Watch「大江戸温泉物語 恵那峡が「Premium」にリニューアル開業。展望風呂や露天風呂付き客室を新設」
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