観光庁「宿泊旅行統計調査」は、全国の宿泊施設の延べ宿泊者数や客室稼働率を毎月公表する、統計法に基づく一般統計調査である。日本の宿泊需要を語るときに最初に参照される公的統計だが、同じ月の数字が公表のたびに書き換わることは、実務の現場では意外に知られていない。2025年の年間値は、2026年2月27日公表の速報値では延べ宿泊者数6億5,348万人泊・前年比-0.8%だったが、2026年7月6日公表の確定値では6億6,111万人泊・前年比+0.3%となった。「前年割れ」が「増加」へ、符号ごと入れ替わっている。
本稿では、この統計がどう設計され、どの段階の数字がいつ出て、改定でどれだけ動くのかを、観光庁が公表した報道発表資料の実値から直接検証する。第1次速報と第2次速報の対応する13ヶ月分、第2次速報と確定値の7ヶ月分、そして47都道府県の年間値をすべて突き合わせ、改定幅の水準を数字で示す。あわせて、公的統計と自館・自社で持つ販売データをどう役割分担させるかを整理する。
結論:宿泊旅行統計調査とは
| 何の統計か | 全国の宿泊施設(ホテル・旅館・簡易宿所・会社/団体の宿泊所)の延べ宿泊者数・実宿泊者数・客室稼働率・国籍別の外国人延べ宿泊者数などを把握する、統計法に基づく一般統計調査(政府統計コード00601020) |
|---|---|
| 実施主体 | 観光庁 |
| 公表頻度 | 毎月1回。前月分の第1次速報と前々月分の第2次速報を同じ日に公表(2025年10月〜2026年9月の12回中10回が月の最終営業日)。年間値は翌年2月末に速報値、翌年夏に確定値 |
| 最新の公表 | 2026年8月分・第1次速報(2026年9月30日公表):延べ宿泊者数6,268万人泊、客室稼働率64.4% ※2026年10月28日に観光庁サイトで確認。以降の公表は観光庁ページで確認のこと |
| どこで見るか | 観光庁「宿泊旅行統計調査」ページ(報道発表資料PDF・集計結果Excel・推移表)/e-Stat「宿泊旅行統計調査」 |
公表日の実測は公表スケジュール早見表、資料の探し方と主要表は調査結果の見方へ。2025年の年間結果の中身は観光庁 宿泊旅行統計2025まとめで整理している。
本記事における指標の定義
- 客室稼働率(観光庁):利用客室数を総客室数で除して算出したもの。総客室数は客室数に各月の日数を乗じて算出(観光庁「用語の解説」による)。
- 定員稼働率(観光庁):延べ宿泊者数を総収容人数で除して算出したもの。総収容人数は収容人数に各月の日数を乗じて算出(同上)。
- OCC(稼働率):本記事で「当社推定」と明記した稼働率は、エリア内の総客室数に対する販売済み客室数の割合(OTA販売在庫に基づく推定値)。OTA上で販売される在庫の消化状況に基づく推定値であり、施設全体の実稼働率とは異なります。
- 改定幅:同一月・同一指標について、後の公表段階の値から前の公表段階の値を引いた差。延べ宿泊者数は変化率(%)、稼働率はポイント(pt)で表記。
- データ出典:観光庁「宿泊旅行統計調査」(報道発表資料・集計結果・推移表)/メトロエンジンリサーチ
- — 2025年の年間延べ宿泊者数は、速報値の6億5,348万人泊・前年比-0.8%から確定値の6億6,111万人泊・同+0.3%へ改定され、前年比の符号ごと入れ替わった。
- — 第1次速報→第2次速報の改定率は、延べ宿泊者数が絶対値の中央値1.89%・最大-3.44%(2025年9月分)。13ヶ月中9ヶ月が下方改定で、第1次速報は高めに出やすい。
- — 同じ改定を客室稼働率で見ると絶対値の中央値0.4pt・最大1.0ptにとどまる。分子と分母が同時に増える比率指標のため、速報段階でも水準が動きにくい。
- — 第2次速報→確定値は方向が一方向で、照合した7ヶ月すべてが延べ宿泊者数は上方・客室稼働率は下方。遅れて回答する施設が小規模・低稼働寄りであることを示唆する。
- — 都道府県別の年間値の改定率は+6.25%(茨城)〜-2.39%(京都)と散らばる。速報値の県別・月次の数パーセント規模の変化は、改定幅と同じオーダーの議論になる。
宿泊旅行統計調査とは — 統計法に基づく一般統計調査
宿泊旅行統計調査は、観光庁が実施する統計法に基づく一般統計調査である。目的は「わが国の宿泊旅行の実態を全国規模で把握すること」と定められている。調査対象の名簿は、統計法第27条に規定する事業所母集団データベース(総務省)を基に、観光庁が補正を加えたうえで作成される。対象となるのは旅館業法に基づく営業許可を得ているホテル・旅館・簡易宿所・会社/団体の宿泊所などである。
ここで最初に押さえておきたいのが、2026年(令和8年)1月調査から調査設計そのものが変わった点である。従来は「従業者数」で層化して抽出していたが、現在は「客室数」で層化する方式に切り替わった。統計精度の向上を図るための見直しで、観光庁は報道発表資料に、対前年同月比・対前年同月差にはこの見直しの影響が含まれている可能性がある旨の注記を継続して掲載している。この層化基準の変更が集計値にどう効くかは、観光庁の宿泊統計の層化基準変更(従業者数→客室数)をデータで読み解くで個別に検証している。
| 期間 | 層化基準 | 全数調査(悉皆)の範囲 | 標本調査の範囲 |
|---|---|---|---|
| 〜2010年第1四半期 | 従業者数 | 従業者数10人以上(事業所・企業データベース基準) | —(9人以下は対象外) |
| 2010年第2四半期〜2025年12月 | 従業者数 | 従業者数10人以上:悉皆調査 | 5〜9人:1/3を無作為抽出 0〜4人:1/9を無作為抽出 |
| 2026年1月〜(現行) | 客室数 | 客室数20室以上:悉皆調査 | 客室数1〜19室:標本調査 (都道府県ごとに抽出率を設定) |
調査票も客室規模で3様式に分かれており、第1号様式が客室数1〜19室、第2号様式が20〜199室、第3号様式が200室以上に対応する。回答方法は自計申告で、観光庁から請負業者を経由し、郵送またはオンラインで各施設に届く。報告期限は翌月中旬までである。
この設計変更が実務上意味するのは、20室以上の施設はすべて調査対象になっているということだ。以前は同じ20室規模でも従業者数が少なければ抽出対象から外れることがあったが、現行方式では客室規模で機械的に決まる。小規模施設(1〜19室)は引き続き標本調査で、都道府県ごとに抽出率が設定される。
宿泊施設タイプの5区分
集計は施設タイプ別に行われる。旅館は和式の構造・設備を主とする施設、ホテルは洋式で、さらにリゾートホテル(行楽地・保養地に立地し主に観光客を対象)、ビジネスホテル(主に出張ビジネスマンを対象)、シティホテル(都市部立地でリゾート・ビジネス以外)に3分類される。簡易宿所は宿泊場所を多数の人で共用する構造の施設(ベッドハウス、山小屋、カプセルホテルなど)、会社・団体の宿泊所は所属員など特定の人を宿泊させる施設(保養所、ユースホステルなど)を指す。自館がどの区分で集計されているかは、比較の前提として確認しておく価値がある。
第1次速報→第2次速報→確定値 — 3段階の公表サイクル
同じ月の数字は、最低3回公表される。第1次速報、第2次速報、そして年単位でまとめられる確定値である。それぞれの公表タイミングと、その時点で集計に使われている調査票の量は以下のとおりである。
| 段階 | 公表時期 | 集計の基礎 | 直近13ヶ月の有効回収率 |
|---|---|---|---|
| 第1次速報 | 対象月の翌月末 (=約2ヶ月後) | 対象月の翌月中旬までに回収された有効な調査票 | 平均34.9%(24.2〜40.0%) |
| 第2次速報 | 対象月の翌々月末 (=約3ヶ月後) | 翌々月中旬までに追加回収された調査票を反映 | 平均47.3%(44.6〜50.1%) |
| 年間値(速報値) | 翌年2月末 (2025年分は2026年2月27日) | 各月の第2次速報を年で積み上げ | — |
| 年間値(確定値) | 翌年夏 (2025年分は2026年7月6日) | 速報値公表後に回収した調査票情報を反映して再集計 | — |
改定が起きる仕組みはシンプルで、調査票が後から返ってくるからである。第1次速報の時点では回答が3分の1程度しか集まっていない。第2次速報でおよそ半分まで積み上がり、確定値ではさらに遅れて届いた分が反映される。回収率が低い月ほど推計に頼る割合が大きく、改定余地も大きくなる。
下図は直近13ヶ月の有効回収率の推移である。第1次速報時点の回収率は2026年4月分の24.2%を底に24〜40%の幅で振れており、第2次速報時点は44.6〜50.1%とやや安定している。ただし第2次速報の回収率は2025年6月分の50.1%から2026年6月分の44.6%へと緩やかに低下しており、この水準の変化自体が改定幅を読むうえでの前提になる。
改定幅の実測 — 延べ宿泊者数は中央値1.9%、稼働率は0.4pt
ここからが本稿の中心である。第1次速報と第2次速報の両方が公表されている13ヶ月(2025年6月分〜2026年6月分)について、同一月・同一指標を突き合わせた。
結論から書くと、延べ宿泊者数と客室稼働率では改定の振れ方がまったく違う。延べ宿泊者数の改定率は絶対値の中央値が1.89%、最大が2025年9月分の-3.44%(5,499万人泊→5,310万人泊、-189万人泊)に達する。一方の客室稼働率は絶対値の中央値が0.4pt、最大でも2026年6月分の+1.0pt(56.2%→57.2%)にとどまる。
方向にも偏りがある。13ヶ月のうち延べ宿泊者数が下方改定されたのは9ヶ月で、上方改定は4ヶ月にとどまる。第1次速報はやや高めに出やすい傾向が読み取れる。稼働率の改定方向は上方6ヶ月・下方6ヶ月・変化なし1ヶ月と完全に拮抗しており、系統的な偏りは見られない。
| 対象月 | 延べ 第1次 (万人泊) | 延べ 第2次 (万人泊) | 改定率 | 稼働率 第1次 | 稼働率 第2次 | 改定幅 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 25年6月 | 4,921 | 4,945 | +0.49% | 58.7 | 59.0 | +0.3pt |
| 25年7月 | 5,640 | 5,575 | -1.15% | 61.1 | 61.4 | +0.3pt |
| 25年8月 | 6,682 | 6,598 | -1.26% | 65.9 | 65.9 | 0.0pt |
| 25年9月 | 5,499 | 5,310 | -3.44% | 63.6 | 63.2 | -0.4pt |
| 25年10月 | 6,025 | 5,861 | -2.72% | 67.4 | 67.1 | -0.3pt |
| 25年11月 | 5,772 | 5,599 | -3.00% | 65.9 | 65.7 | -0.2pt |
| 25年12月 | 5,342 | 5,359 | +0.32% | 59.1 | 59.7 | +0.6pt |
| 26年1月 | 4,628 | 4,546 | -1.77% | 53.1 | 52.7 | -0.4pt |
| 26年2月 | 4,625 | 4,765 | +3.03% | 59.0 | 59.6 | +0.6pt |
| 26年3月 | 5,546 | 5,441 | -1.89% | 60.3 | 59.4 | -0.9pt |
| 26年4月 | 5,063 | 4,911 | -3.00% | 59.7 | 59.1 | -0.6pt |
| 26年5月 | 5,339 | 5,429 | +1.69% | 60.6 | 61.0 | +0.4pt |
| 26年6月 | 4,678 | 4,582 | -2.05% | 56.2 | 57.2 | +1.0pt |
この差はどこから来るのか。延べ宿泊者数は「人泊」という総量であり、後から回答が届いた施設の宿泊者数がそのまま加算されるため、母集団推計の変動がストレートに効く。対して客室稼働率は利用客室数を総客室数で割った比率であり、分子と分母が同時に増える。遅れて回答してきた施設の稼働率が全体平均から大きく外れていない限り、比率としての水準はあまり動かない。
実務上の含意:第1次速報の段階で「延べ宿泊者数が前年比-2%だった」といった数パーセント規模の変化を根拠に判断するのは、改定幅と同じオーダーの議論になる。同じ第1次速報でも、客室稼働率のポイント差は改定後もおおむね維持される。速報段階で確度の高い議論をするなら、まず稼働率で見るのが合理的である。
第2次速報→確定値は一方向 — 7ヶ月すべて上方改定
第2次速報から確定値への改定は、第1次→第2次とは性格が異なる。2025年6月分〜12月分の7ヶ月について、第2次速報値と2025年年間値(確定値)の月別数値を照合すると、延べ宿泊者数は7ヶ月すべてが上方改定されていた。改定率の中央値は+1.87%、最大は2025年12月分の+2.61%である。
そして客室稼働率は、同じ7ヶ月すべてが下方改定されている。-0.2pt〜-0.5ptと幅は小さいが、方向は完全に一致する。延べ宿泊者数が増えるのに稼働率が下がるという、一見矛盾する動きが同時に起きている。
これは、遅れて回答が届く施設の性格を示していると読める。第2次速報の締切に間に合わなかった施設は相対的に規模が小さく、稼働の水準も全体平均より低い傾向にある。その分の宿泊者数が加算されるので総量は増えるが、稼働率の分母(総客室数×日数)も同時に増え、しかも分子の伸びがそれに追いつかないため、比率としては下がる。
年間値では前年比の符号が反転した
この積み上がりが年間値でどう効いたかが、2025年分でくっきり表れている。観光庁が2026年7月6日に公表した「2025年・年間値(確定値)」は、2026年2月27日公表の速報値からの変更点を明示している。
| 2025年 年間値 | 速報値 (2026年2月27日公表) | 確定値 (2026年7月6日公表) | 改定 |
|---|---|---|---|
| 延べ宿泊者数(全体) | 65,348万人泊 | 66,111万人泊 | +763万人泊(+1.17%) |
| うち前年比 | -0.8% | +0.3% | 符号が反転 |
| 日本人延べ宿泊者数 | 47,561万人泊 | 48,118万人泊 | +557万人泊(+1.17%) |
| 外国人延べ宿泊者数 | 17,787万人泊 | 17,992万人泊 | +205万人泊(+1.15%) |
| うち前年比 | +8.2% | +9.4% | +1.2pt |
| 客室稼働率(全体) | 61.8% | 61.6% | -0.2pt |
延べ宿泊者数の前年比が-0.8%から+0.3%へ変わった。2026年前半に速報値をもとに「2025年の国内延べ宿泊者数は前年割れ」と整理していた場合、確定値ベースでは結論が入れ替わる。改定幅そのものは+1.17%と大きくないが、前年比がゼロ近傍にあったため、符号が入れ替わった。ゼロ近傍の前年比を速報値で断定するときは、この可能性を織り込んでおきたい。なお、この確定値で稼働率が61.8%から61.6%へ下方修正された内訳を業態別に分解した結果は、観光庁2025年確定値61.6%で扱っている。
都道府県別の改定率は+6.3%〜-2.4%に散らばる
全国計の+1.17%は、47都道府県の改定が均等に効いた結果ではない。同じ2025年年間値について、速報値と確定値の都道府県別延べ宿泊者数を全件照合すると、改定率は茨城県の+6.25%から京都府の-2.39%まで、8.6ptの幅で分散していた。
47都道府県のうち上方改定が36県、下方改定が11県、改定率の中央値は+0.68%、絶対値の中央値は1.23%である。上方改定の上位には茨城(+6.25%)、福岡(+5.41%)、沖縄(+4.87%)、富山(+4.80%)が並び、下方改定側では京都(-2.39%)、埼玉(-2.07%)、神奈川(-1.53%)が目立つ。
| 都道府県 | 速報値(人泊) | 確定値(人泊) | 改定率 | 前年比 速報→確定 |
|---|---|---|---|---|
| 茨城県 | 6,841,440 | 7,269,120 | +6.25% | -5.9% → -0.0% |
| 福岡県 | 24,175,890 | 25,483,210 | +5.41% | +0.9% → +6.4% |
| 沖縄県 | 32,288,990 | 33,862,060 | +4.87% | +3.2% → +8.3% |
| 北海道 | 45,434,840 | 46,503,620 | +2.35% | +1.8% → +4.2% |
| 大阪府 | 57,600,530 | 58,772,820 | +2.04% | +0.3% → +2.3% |
| 東京都 | 106,687,770 | 107,900,610 | +1.14% | -3.3% → -2.2% |
| 神奈川県 | 27,212,050 | 26,794,990 | -1.53% | +4.3% → +2.7% |
| 京都府 | 33,968,650 | 33,157,290 | -2.39% | -0.7% → -3.1% |
ここでも前年比の意味が動いている。福岡県は速報値では前年比+0.9%とほぼ横ばいだったが、確定値では+6.4%へ。茨城県は-5.9%から-0.0%へ。京都府は逆に-0.7%から-3.1%へ振れた。県単位の需要トレンドを速報値で語ると、確定値が出た段階で結論が変わりうる規模である。都道府県別の議論をするときは、確定値が出るまでは「暫定」と明示しておくのが安全だろう。
なお観光庁は、外国人延べ宿泊者数について都道府県ごとに標準誤差率を注記している。2026年6月分(第2次速報)では栃木県、群馬県、千葉県、富山県、福岡県、宮崎県の6県で標準誤差率が20%を超えており、留意が必要である旨が明記されている。標本調査に基づく推計値である以上、県別・月次の外国人宿泊者数はとくに慎重に扱いたい。
主要指標の定義 — 客室稼働率と定員稼働率は別物
観光庁「用語の解説」に基づく主要指標の定義を整理する。とくに客室稼働率と定員稼働率は水準が大きく異なるため、どちらを引用しているかは常に確認したい。
| 指標 | 定義 | 2026年6月 (第2次速報・全国) |
|---|---|---|
| 延べ宿泊者数 | 各月における宿泊者(寝具を使用して施設を利用する者。子供・乳幼児を含む)の延べ人数 | 4,582万人泊 |
| 実宿泊者数 | 各月における宿泊手続をした人数。子供・乳幼児も1人として数える | 3,186万人 |
| 外国人延べ宿泊者数 | 各月における外国人(日本国内に住所を有しない者)の宿泊者の延べ人数 | 1,222万人泊 (延べ全体の26.7%) |
| 客室稼働率 | 利用客室数 ÷ 総客室数(総客室数=客室数×各月の日数) | 57.2% |
| 定員稼働率 | 延べ宿泊者数 ÷ 総収容人数(総収容人数=収容人数×各月の日数) | 35.4% |
| 宿泊目的割合 | 「観光・レクリエーション」と「出張・業務」の2区分の割合 | — |
2026年6月の全国値で見ると、客室稼働率57.2%に対して定員稼働率は35.4%と、21.8ptの開きがある。1室を2名定員で設計していても1名で使われれば定員稼働率は半分になるため、この2つは同じ「稼働率」という語を使いながら別の現象を測っている。海外メディアが日本の稼働率を低く紹介する場合、定員稼働率を引いていることがある。両指標の計算式と全国平均の水準、損益分岐点としての読み方は、客室稼働率とは?計算式と全国平均56.2%で整理している。
三大都市圏と地方部の区分
観光庁は外国人延べ宿泊者数の地方分散を論じる際に、三大都市圏と地方部という区分を使う。三大都市圏は埼玉・千葉・東京・神奈川・愛知・京都・大阪・兵庫の8都府県、地方部はそれ以外の39道県である。2026年6月(第2次速報)の外国人延べ宿泊者数は、三大都市圏が前年同月比-16.8%、地方部が-7.4%だった。「地方部」に京都・兵庫が含まれない点は、地方誘客の議論をするときに誤読されやすい。
公的統計は「面」、自館データは「点」— 水準差はどこから生まれるか
宿泊旅行統計調査は母集団を推計した「面」の統計である。一方、自館のPMSやOTA販売データは「点」の実測値だ。この2つを同じ土俵で比べようとすると、必ず水準が合わない。どこで差が出るのかを、当社が集計する推定稼働率と観光庁の客室稼働率を同一県・同一月で並べて確認する。
下表は、2026年6月について、メトロエンジンリサーチが集計する稼働率(OTA掲載在庫ベース・推定)と、観光庁の客室稼働率・定員稼働率(いずれも第2次速報)を主要8都道府県で並べたものである。
| 都道府県 | 当社推定 稼働率(%) | 観光庁 客室稼働率(%) | 観光庁 定員稼働率(%) | 当社−客室 稼働率(pt) | 当社 集計施設数 |
|---|---|---|---|---|---|
| 東京都 | 92.8 | 75.4 | 58.6 | +17.4 | 1,336 |
| 福岡県 | 90.5 | 70.3 | 51.6 | +20.2 | 614 |
| 北海道 | 89.3 | 63.4 | 40.3 | +25.9 | 1,316 |
| 沖縄県 | 87.3 | 55.1 | 36.9 | +32.2 | 1,136 |
| 京都府 | 85.8 | 61.7 | 43.5 | +24.1 | 967 |
| 愛知県 | 84.4 | 61.7 | 39.7 | +22.7 | 523 |
| 神奈川県 | 84.2 | 64.4 | 36.8 | +19.8 | 645 |
| 大阪府 | 83.9 | 65.3 | 50.8 | +18.6 | 695 |
当社推定は8都道府県すべてで観光庁の客室稼働率を上回り、差は中央値で21.5pt、最小が東京都の+17.4pt、最大が沖縄県の+32.2ptだった。順位の一致度も高くない(順位相関係数0.33)。東京・福岡が上位に来る点は共通するが、沖縄は当社推定で4位、観光庁の客室稼働率では8位と入れ替わる。
水準差が生まれる3つの理由
1. 母集団が違う。観光庁は旅館業法の営業許可を得た全施設を推計対象とし、客室数1〜19室の小規模施設も標本を通じて母集団に組み込んでいる。当社が追跡するのはOTA上で稼働が確認できる施設であり、OTAに掲載されていない旅館・民宿・簡易宿所は含まれない。稼働の低い小規模施設が観光庁側には多く含まれるため、平均水準は下がる方向に働く。
2. 分子が「OTAに出ている在庫の消化」である。当社推定は、OTA上で販売される在庫の残り具合から算出している。多くの施設は全客室をOTAに出しておらず、直販・法人契約・旅行会社枠に配分した残りを掲載する。掲載枠が売れれば推定稼働率は高く出るが、施設全体としてはまだ空室がある、という状況が普通に起きる。逆に、掲載枠を絞っている施設ほど推定値は高く出やすい。
3. 集計の重み付けが違う。観光庁の客室稼働率は利用客室数と総客室数を積み上げた比率で、大規模施設の重みが大きい。沖縄・北海道でとくに差が開くのは、リゾート地に季節性の強い小規模施設が多く、その分が観光庁側の分母に効いているためと考えられる。
使い分けの整理:宿泊旅行統計調査は、県・月単位の需要水準を業界共通の物差しで測るのに向く。半面、公表まで約2ヶ月かかり、市区町村より細かい単位や日別の動きは追えない。当社推定のようなOTA在庫ベースの指標は、絶対水準を公的統計と比べる用途には向かないが、同一系列内での前年同期比・日別の予約進捗・エリア間の相対比較には使える。水準を語るときは公的統計、動きを追うときは日次データ、という役割分担が現実的である。
公表スケジュール早見表 — 直近12回の報道発表日から実測
「いつ出るのか」を推測ではなく実績で確かめるため、観光庁が2025年10月〜2026年9月に公表した宿泊旅行統計調査の報道発表12回(N=12)について、各報道発表ページの公表日と対象月を照合した。毎回、前月分の第1次速報と前々月分の第2次速報がセットで公表されている。
| 公表日 | 第1次速報の対象月 | 第2次速報の対象月 | 同時公表の年間値 |
|---|---|---|---|
| 2025年10月31日(金) | 2025年9月 | 2025年8月 | — |
| 2025年11月28日(金) | 2025年10月 | 2025年9月 | — |
| 2025年12月25日(木) | 2025年11月 | 2025年10月 | — |
| 2026年1月30日(金) | 2025年12月 | 2025年11月 | — |
| 2026年2月27日(金) | 2026年1月 | 2025年12月 | 2025年 年間値(速報値) |
| 2026年3月31日(火) | 2026年2月 | 2026年1月 | — |
| 2026年4月30日(木) | 2026年3月 | 2026年2月 | — |
| 2026年5月29日(金) | 2026年4月 | 2026年3月 | — |
| 2026年7月6日(月) | 2026年5月 | 2026年4月 | 2025年 年間値(確定値) |
| 2026年7月31日(金) | 2026年6月 | 2026年5月 | — |
| 2026年8月31日(月) | 2026年7月 | 2026年6月 | — |
| 2026年9月30日(水) | 2026年8月 | 2026年7月 | — |
この12回を段階ごとにまとめると、公表タイミングは次のようになる。経過日数は対象月の末日から公表日までの日数である。
| 段階 | 実測した公表タイミング | 対象月末からの経過日数 |
|---|---|---|
| 第1次速報 | 対象月の翌月末。12回中10回が月の最終営業日 | 中央値30日(25〜36日) |
| 第2次速報 | 対象月の翌々月末。翌月分の第1次速報と同日 | 中央値61日(55〜67日) |
| 年間値(速報値) | 翌年2月末。2024年分は2025年2月28日、2025年分は2026年2月27日 | 58〜59日(年末起点) |
| 年間値(確定値) | 翌年6月末〜7月上旬。2024年分は2025年6月27日、2025年分は2026年7月6日 | 178〜187日(年末起点) |
例外は2回あった。2025年12月の公表は月末ではなく12月25日(木)だった。また2026年6月中には公表がなく、2026年5月分の第1次速報と4月分の第2次速報は、2025年の年間値(確定値)と同じ2026年7月6日(月)にまとめて公表された。月末を前提に予定を組む場合でも、次回の公表日は観光庁の宿泊旅行統計調査ページと報道発表で確認するのが確実である。
第1次速報が出るまでの約1か月、第2次速報までの約2か月という時間差は、前述の有効回収率(第1次速報時点で平均34.9%、第2次速報時点で平均47.3%)と表裏の関係にある。早く出る数字ほど回収が少なく、改定余地が大きい。2025年の年間値(確定値)の内容そのものは、観光庁 宿泊旅行統計2025まとめで詳しく扱っている。
調査結果の見方 — 観光庁ページ・e-Statでの探し方と主要表
観光庁ページでの探し方
- 観光庁サイトの「観光統計・白書」から「宿泊旅行統計調査」を開く(直接リンク)。
- 「最新の調査結果」欄に、最新公表月の要約(延べ宿泊者数・うち日本人/外国人・客室稼働率)と、報道発表資料(PDF)、第1次速報・第2次速報の集計結果(Excel)、推移表(Excel)が並ぶ。
- 過去の月次は「これまでの調査結果」の「第2次速報」欄(当年分)と「過去の第2次速報」ページ、年単位の数字は「確定値」欄の集計結果・報道発表資料と「報告書」欄にある。
- 各回の要約文と公表日は、観光庁「報道発表」の個別ページで確認できる。
e-Statでの探し方
政府統計の総合窓口(e-Stat)では、政府統計コード00601020または調査名で検索すると「宿泊旅行統計調査」の調査説明ページ(e-Stat「宿泊旅行統計調査」)に着く。統計の種類は「一般統計」、担当機関は「観光庁」と表示され、そこから統計表の一覧へ進める。e-Stat自身も、調査概要・公表予定・利用上の注意は担当機関のホームページを参照するよう案内している。最新月をいち早く確認するなら観光庁ページ、過去の統計表を他の政府統計と横断して探すならe-Stat、という使い分けが実務的である。
主要表の読み方
第1次速報と第2次速報では、Excelに収録される表の範囲が大きく違う。2026年8月分(第1次速報値)と7月分(第2次速報値)の集計結果で、シート構成を確認した。
| 公表資料 | 収録範囲 | まず見る表 | 読むときの注意 |
|---|---|---|---|
| 第1次速報 集計結果(Excel・5表) | 全国値のみ(都道府県別は無し) | 第1表 延べ宿泊者数・うち外国人/第5表 宿泊施設タイプ(6区分)別客室稼働率 | 延べ宿泊者数は第2次速報で中央値1.89%・最大3.44%改定(本稿の13ヶ月実測) |
| 第2次速報 集計結果(Excel・35シート) | 都道府県・運輸局等、施設タイプ、客室規模、主な市区町村 | 第2表 都道府県別延べ宿泊者数/第8表 都道府県別客室稼働率/第6表 定員稼働率/参考第1表 都道府県×国籍別外国人延べ宿泊者数/参考第12表 主な市区町村別客室稼働率 | 「参考1 調査票の回収状況」と「参考2 主要項目別標準誤差率」を併せて確認 |
| 年の確定値 集計結果・報道発表資料・報告書 | 年間値と月別値 | 報道発表資料の年間値サマリー | 年次比較や公式資料への引用はこの段階の数字が適する |
| 推移表(Excel) | 月次の時系列 | 都道府県別の延べ宿泊者数・施設タイプ別客室稼働率 | 2026年1月の層化基準変更をまたぐ比較に留意 |
読む順番としては、①報道発表資料PDFで全国の延べ宿泊者数と客室稼働率をつかみ、②都道府県や施設タイプの比較が必要なら第2次速報のExcelを開き、③数字を引用する前に、その値が第1次速報・第2次速報・確定値のどの段階かを確認する、の3段階が扱いやすい。特に、都道府県別の数字は第1次速報には載らないため、県単位の分析は約2か月後の第2次速報が起点になる。客室稼働率と定員稼働率の違いは前述の「主要指標の定義」で整理したとおりで、2026年1月調査からの層化基準の変更により、前年同月比には見直しの影響が含まれうる点も併せて押さえておきたい。
よくある質問(FAQ)
Q. 第2次速報はいつ公表されますか?
A. 対象月の翌々月末です。たとえば2026年6月分の第2次速報は2026年8月31日に公表されました。同じ日に2026年7月分の第1次速報も同時公表されており、観光庁は毎月末に「前々月の第2次速報+前月の第1次速報」をセットで出す運用をしています。年間値は翌年2月末に速報値、翌年夏に確定値が公表されます(2025年分は2026年2月27日に速報値、2026年7月6日に確定値)。
Q. 速報値と確定値では、どのくらい数字が変わりますか?
A. 直近13ヶ月(2025年6月分〜2026年6月分)の実測では、第1次速報から第2次速報への改定率は延べ宿泊者数で絶対値の中央値1.89%・最大3.44%、客室稼働率で絶対値の中央値0.4pt・最大1.0ptでした。第2次速報から確定値へは、2025年6〜12月の7ヶ月すべてで延べ宿泊者数が上方改定(中央値+1.87%)、客室稼働率が下方改定(-0.2〜-0.5pt)されています。2025年の年間値では延べ宿泊者数の前年比が速報値の-0.8%から確定値の+0.3%へ符号ごと変わりました。
Q. なぜ改定が起きるのですか?
A. 調査票が後から回収されるためです。第1次速報は対象月の翌月中旬までに回収された調査票をもとに推計しており、直近13ヶ月の有効回収率は平均34.9%(最低24.2%)でした。第2次速報では平均47.3%まで積み上がり、確定値ではさらに遅れて届いた分が反映されます。回収率が低い月ほど推計に頼る割合が大きく、改定余地も大きくなります。
Q. 客室稼働率が体感より低く感じるのはなぜですか?
A. 3つの理由が考えられます。第1に、母集団に客室数1〜19室の小規模施設が標本を通じて含まれており、稼働の低い施設が平均を押し下げます。第2に、月間平均値なので、週末や連休が満室でも平日を含めた平均になります。第3に、引用されている数字が定員稼働率である可能性があります。2026年6月の全国値は客室稼働率57.2%に対して定員稼働率35.4%と、21.8ptの開きがあります。なお都道府県別・施設タイプ別に見れば水準は大きく変わり、同月の東京都は客室稼働率75.4%、ビジネスホテル全国平均は71.5%です。
Q. e-Statから取得できますか?
A. e-Statにも系列は掲載されていますが、最新の月次データを確実に取るなら観光庁の報道発表ページから直接Excelファイルをダウンロードするのがおすすめです。観光庁サイトでは、第1次速報・第2次速報の各月集計結果、年の確定値集計結果、および2007年からの推移表が公開されています。推移表には都道府県別の延べ宿泊者数・日本人/外国人内訳・施設タイプ別客室稼働率が月別で収録されており、時系列分析にはこれが最も扱いやすい形式です。
Q. 市区町村別のデータはありますか?
A. あります。月次の集計結果Excelに含まれる「参考第12表」で、主な市区町村(2026年6月分では175市区町村)の客室稼働率が、「参考第10表」で定員稼働率が公表されています。ただし2点の制約があります。第1に、この参考表は実際に回収された調査票の実数を集計したもので、未回収分を母集団に推定した数値ではありません。第2に、客室数1〜9室・10〜19室の区分はほとんどの市区町村で秘匿されており(175市区町村中、1〜9室の数値が出ているのは16市区町村のみ)、実質的に「20室以上」の稼働率として読むことになります。
Q. 2026年から調査方法が変わったと聞きましたが、過去との比較はできますか?
A. 2026年1月調査から、層化基準が「従業者数」から「客室数」へ変更されました。現行は客室数20室以上が悉皆調査、1〜19室が標本調査(都道府県ごとに抽出率を設定)です。観光庁は、対前年同月比・対前年同月差にこの見直しの影響が含まれている可能性がある旨を報道発表資料に継続して注記しています。2026年以降と2025年以前を接続して長期トレンドを論じる場合は、この断層に触れておくのが適切です。観光庁の推移表も、2026年1月以降分と2025年12月以前分でシートが分けられています。
Q. 外国人延べ宿泊者数を県単位で使いたいのですが、注意点はありますか?
A. 標本調査に基づく推計値であるため、標本が薄い県では誤差が大きくなります。観光庁は都道府県別の標準誤差率を注記しており、2026年6月分(第2次速報)では栃木県、群馬県、千葉県、富山県、福岡県、宮崎県の6県で標準誤差率が20%を超え、留意が必要である旨が明記されています。単月・県単位の前年同月比を大きく取り上げる前に、この注記を確認することをおすすめします。
Q. 宿泊旅行統計調査の結果はどこで見られますか?
A. 観光庁の「宿泊旅行統計調査」ページ(https://www.mlit.go.jp/kankocho/tokei_hakusyo/shukuhakutokei.html)が一次の掲載先です。「最新の調査結果」欄に最新公表月の要約と報道発表資料(PDF)・集計結果(Excel)・推移表があり、過去分は「これまでの調査結果」に第2次速報・年の確定値・報告書がまとまっています。政府統計の総合窓口e-Statでも、政府統計コード00601020で調査の説明ページと統計表を探せます。2026年10月28日時点の最新公表は、2026年9月30日公表の2026年8月分・第1次速報(延べ宿泊者数6,268万人泊、客室稼働率64.4%)です。
Q. 速報値と確定値はどちらを使えばよいですか?
A. 目的で使い分けます。足元の動きを早く知りたいなら第1次速報(対象月末から中央値30日で公表・全国値のみ)、都道府県別や施設タイプ別を比べるなら第2次速報(同61日)、年次比較や公式資料への引用には年の確定値(直近2年は2025年6月27日・2026年7月6日に公表)が適しています。本稿の実測では、第1次速報から第2次速報へ延べ宿泊者数が絶対値の中央値1.89%・最大3.44%改定され、第2次速報から確定値へは7ヶ月すべてで上方改定(中央値+1.87%)でした。どの段階の数字でも、出典に段階を併記するのが安全です。
まとめ
宿泊旅行統計調査は、日本の宿泊需要を県単位・施設タイプ単位で共通の物差しで測れる、代替のない統計である。同時に、3段階の公表サイクルを持ち、後から回収された調査票を反映して数字が更新されていく統計でもある。
直近13ヶ月の実測では、第1次速報から第2次速報への改定は延べ宿泊者数で絶対値の中央値1.89%・最大3.44%、客室稼働率で中央値0.4pt・最大1.0ptだった。第2次速報から確定値へは、7ヶ月すべてで延べ宿泊者数が上方(中央値+1.87%)、客室稼働率が下方(-0.2〜-0.5pt)へ動いた。都道府県別に見れば年間値の改定率は+6.25%〜-2.39%の幅で散らばり、前年比の符号が入れ替わる県も複数ある。
この改定は統計の設計上、当然に起きるものである。だからこそ、どの段階の数字を使っているかを明示し、速報段階では数パーセント規模の変化に結論を預けない、という運用が有効に働く。延べ宿泊者数より客室稼働率のほうが速報段階でも安定している、という本稿の実測結果は、そのまま速報の読み方の指針になる。
そして、公的統計が測っているのは「面」である。自館の予約進捗や競合の販売状況といった「点」の動きは、日次で取れるデータで追うほうが速い。両者は競合するものではなく、水準は公的統計で確認し、動きは日次データで追う、という組み合わせで初めて意思決定に使える解像度になる。
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データについて — 参考資料・出典一覧
■ 観光庁 宿泊旅行統計調査(一次資料)
- 観光庁「宿泊旅行統計調査」(調査の概要・集計結果・推移表)
- 観光庁「宿泊旅行統計調査の概要」(PDF)
- 観光庁「宿泊旅行統計調査 用語の解説」(PDF)
- 観光庁 報道発表「宿泊旅行統計調査(2026年7月・第1次速報、2026年6月・第2次速報)」(2026年8月31日)
- 観光庁 報道発表「宿泊旅行統計調査(2026年5月・第2次速報、2026年6月・第1次速報)」(2026年7月31日)
- 観光庁 報道発表「宿泊旅行統計調査(2026年4月・第2次速報、2026年5月・第1次速報及び2025年年間値(確定値))」(2026年7月6日)
- 観光庁 報道発表「宿泊旅行統計調査(2025年12月・第2次速報、2026年1月・第1次速報)及び(2025年・年間値(速報値))」(2026年2月27日)
- 観光庁 報道発表「宿泊旅行統計調査(2026年8月・第1次速報、2026年7月・第2次速報)」(2026年9月30日)
- 観光庁 報道発表「宿泊旅行統計調査」2025年10月31日〜2026年9月30日公表分(計12回)— 公表スケジュール早見表の公表日・対象月を照合
- 観光庁「宿泊旅行統計調査」集計結果 2026年8月分(第1次速報値)・7月分(第2次速報値)(Excel)— 主要表のシート構成を確認(2026年10月28日)
- 政府統計の総合窓口(e-Stat)「宿泊旅行統計調査」(政府統計コード00601020)
- 観光庁 報道発表資料(2025年6月分〜2026年7月分 各月公表分・計14本)— 第1次速報/第2次速報の延べ宿泊者数・客室稼働率・有効回収率の実値を照合
■ データソース
改定幅の実測値は、観光庁が2025年7月〜2026年8月に公表した宿泊旅行統計調査の報道発表資料 計14本から、同一月・同一指標の第1次速報値・第2次速報値・確定値を手作業で突き合わせて算出した。対象は第1次→第2次が2025年6月分〜2026年6月分の13ヶ月、第2次→確定値が2025年6月分〜12月分の7ヶ月、都道府県別が2025年年間値の47都道府県。当社推定稼働率はメトロエンジンリサーチ集計(2026年6月・主要8都道府県 計7,232施設)。
■ 試算前提
延べ宿泊者数の改定は変化率(%)、客室稼働率の改定はポイント(pt)で表記し、「中央値」はいずれも改定幅の絶対値の中央値を指す。月次の延べ宿泊者数は報道発表資料の万人泊表記をそのまま用い、四捨五入の丸め差は補正していない。第2次速報→確定値の照合は、年間値(確定値)に併載された月別数値を各月の第2次速報値と対応させている。
■ 限界・留意点
本稿の改定幅は過去13ヶ月の実績分布であり、将来の改定幅を保証するものではない。2026年1月調査分から層化基準が従業者数から客室数へ変更されており、観光庁も対前年同月比・対前年同月差にこの見直しの影響が含まれる可能性があると注記しているため、変更をまたぐ期間の前年比較には留保が要る。また、外国人延べ宿泊者数は標本調査に基づく推計値であり、県別・月次では相対的に振れが大きい。当社推定稼働率はOTA掲載在庫ベースの推定値で、母集団・分母の定義が観光庁の客室稼働率とは異なるため、水準の直接比較ではなく差の要因分解に用いている。
■ 市場データ
- メトロエンジンリサーチ — 稼働率(OTA掲載在庫ベース・推定)、2026年6月・主要8都道府県 計7,232施設
