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部屋食の宿584軒・個室食事処359軒を口コミで数える2026|併用は8%、20室以下は部屋食が主流

投稿日 : 2026.11.05

指定なし

調査

部屋食の宿584軒・個室食事処359軒を口コミで数える2026|併用は8%、20室以下は部屋食が主流

旅館の夕食は「何を出すか」で語られることが多い。会席、和牛、蟹、バイキング——料理の中身を軸にした比較は数多くあるが、「どこで出すか」、すなわち客室に運ぶ部屋食か、他客と離れた個室の食事処かという提供形式は、これまで数字で整理されてこなかった。ホテルバンク編集部が直近24ヶ月の宿泊者口コミ449,991件(対象874施設・ビジネスホテル・シティホテルを除く)を解析すると、部屋食が好意的に言及される宿は584軒、個室食事処は359軒で、両方の形式が言及される宿は69軒・7.9%にとどまった。本稿では、この提供形式を県別分布・施設規模・単価帯の3つの軸で整理し、配膳の人手という運営側の制約と合わせて読み解く。

本記事のデータについて
• ADR(平均客室単価)=各施設がOTA上で公開する最安プラン水準(2名1室利用時・1室あたり料金・税込)に業態別の補正係数を適用して算出した推定成約単価(税抜相当)。上場ホテルREITが開示する物件別実績との照合(91施設・直近3ヶ月間)で誤差中央値は約7%。推定値であり、各施設の実際の成約価格・会計数値とは異なります。
• エリア(都道府県・市区町村)単位のADRは、対象施設の推定成約単価の中央値(エリアの標準的な施設の水準)です。
• 掲載価格に言及する箇所は、2名1室利用時の1室あたり料金(税込)です。
• OCC(稼働率)=エリア内の総客室数に対する販売済み客室数の割合(OTA販売在庫に基づく推定値)。
• 出典:メトロエンジンリサーチ(国内約168,000施設のOTA公開価格を継続追跡、うち稼働確認済み約27,000施設)

本稿の集計範囲:宿泊者口コミ(直近24ヶ月)のうち、夕食を客室で提供する「部屋食」、または他客と離れた個室・半個室の食事処で提供する「個室食事処」に好意的に触れた口コミを施設ごとに集計し、口コミ総数20件以上かつ該当言及10件以上の施設を抽出した。47都道府県を個別に集計し施設単位で名寄せした結果、対象は874施設(旅館769・リゾートホテル67・その他38。ビジネスホテル・シティホテルは除外)、口コミ総数449,991件である。言及率の分母は、2つの形式を合わせた874施設の口コミ総数で統一している。

Key Takeaways
  • — 874施設・口コミ449,991件:部屋食のみ515軒(58.9%)、個室食事処のみ290軒(33.2%)、両方の併用は69軒(7.9%)。県別では静岡県107軒が最多(直近24ヶ月)。
  • — 規模で形式が分かれる:客室数中央値は部屋食のみ20室・個室食事処のみ38室・併用55室。部屋食の言及率中央値は20室以下12.09%に対し101室以上1.06%。
  • — 併用型が最も高い単価帯:旅館766施設の推定成約ADR中央値は部屋食のみ¥22,400・個室食事処のみ¥24,200・併用¥25,000(2025年10月〜2026年9月)。

県別分布 — 静岡107軒が最多、長野は個室食事処が部屋食の3.6倍

まずは地理的な分布から見ていく。対象874施設のうち、部屋食のみ言及される宿が515軒(58.9%)、個室食事処のみが290軒(33.2%)、両方が69軒(7.9%)という構成だった。県別では静岡県が107軒と突出し、神奈川県60軒、栃木県50軒、兵庫県48軒、群馬県43軒が続く。伊豆・箱根・日光鬼怒川・城崎や淡路・伊香保草津といった、小規模旅館が多く2食付きが標準の温泉地を抱える県が上位に並んだと読める。

興味深いのは県ごとの形式の偏りである。神奈川県は部屋食53軒に対し個室食事処は4軒で、箱根・湯河原の小規模宿が部屋食の評価を集めている構図だ。一方で長野県は部屋食8軒に対し個室食事処が29軒と、個室型が部屋食の3.6倍にのぼる。山形県(部屋食14軒・個室食事処14軒)や群馬県(19軒・18軒)のように両形式が並ぶ県もあり、同じ温泉県でも夕食の出し方には地域ごとの型があることが確認できる。

出典:ホテルバンク編集部調べ(宿泊者口コミのNLP解析、直近24ヶ月)

表1 都道府県別の対象施設数と提供形式の内訳(上位15県)
都道府県対象施設数部屋食のみ個室食事処のみ両方客室数中央値
静岡県1077425819室
神奈川県60534319室
栃木県502619523室
兵庫県48318934室
群馬県431918631室
長野県38829131室
北海道29198240室
三重県291511337室
新潟県29189227室
山形県281414027室
山梨県261510137室
福島県26178138室
大分県26206014室
熊本県23157116室
岐阜県2069543室

出典:ホテルバンク編集部調べ(直近24ヶ月の宿泊者口コミ449,991件・対象874施設のうち上位15県)。客室数はメトロエンジンリサーチの施設データ

施設規模 — 20室以下の宿では部屋食の言及率12.09%、100室超では1.06%

次に施設規模との関係を見る。部屋食のみが言及される515軒の客室数中央値は20室で、52.2%が20室以下の小規模宿だった。個室食事処のみの290軒は中央値38室と倍近く、21〜100室の中規模帯が66.9%を占める。両方が言及される69軒は中央値55室で、52.2%が51室以上と、3つの群のなかで最も規模が大きい。

言及率で見ると、この規模差はさらに鮮明になる。部屋食に触れた口コミの割合(施設ごとの中央値)は20室以下で12.09%、21〜50室で7.6%、51〜100室で3.59%、101室以上では1.06%まで下がる。小さな宿ほど部屋食が宿泊体験の中核として語られ、規模が大きくなるほど夕食の場所は話題から外れていくといえる。これに対して個室食事処の言及率は20室以下で4.98%、101室以上でも1.77%と、規模による落差が緩やかである。個室食事処は規模を問わず「他客と離れて食べられた」という評価を一定割合で獲得しており、中〜大規模の宿がプライベート感を担保する手段として機能していると読める。

出典:ホテルバンク編集部調べ(宿泊者口コミのNLP解析、直近24ヶ月)

表2 客室数帯別の施設数と言及率中央値
客室数帯部屋食のみ個室食事処のみ両方合計部屋食 言及率中央値個室食事処 言及率中央値
〜20室26961733712.09%(N=276)4.98%(N=68)
21〜50室187124263377.6%(N=213)4.13%(N=150)
51〜100室4170251363.59%(N=66)2.79%(N=95)
101室〜183511641.06%(N=29)1.77%(N=46)

出典:ホテルバンク編集部調べ(直近24ヶ月の宿泊者口コミ・対象874施設)。言及率=各施設の口コミ総数に対する該当言及の割合、帯ごとの施設中央値。Nは該当タグが付いた施設数

施設別に見る — 部屋食・個室食事処の評価が厚い宿

施設単位で言及率の高い宿を並べると、提供形式ごとの「強み」の出方が具体的に見えてくる。部屋食では口コミ100件以上の施設のうち、宮城県のすゞきや旅館(33室)が言及率39.5%、北海道の幕別パークホテル悠湯館(20室)が39.3%、岐阜県の下呂温泉 木曽屋(26室)が35.4%と、3〜4割の宿泊者が部屋食に好意的に触れている。三重県の鳥羽 胡蝶蘭(39室)では634件の口コミに対し203件が部屋食に言及し、「お部屋で…夕食が頂けました」といった声が目立つ。部屋食が宿のアイデンティティとして定着している宿では、宿泊者が自発的にそれを語るという構図だ。部屋食の言及率で見た全国順位と、言及のない宿との単価差については、部屋食が残る宿 全国TOP30で詳しく分析している。

表3 部屋食の好意的言及率 上位10施設(口コミ100件以上)
順位施設名都道府県客室数口コミ件数部屋食 言及件数言及率
1すゞきや旅館宮城県33室35714139.5%
2幕別パークホテル悠湯館北海道20室26510439.25%
3下呂温泉 木曽屋岐阜県26室33611935.42%
4悠久の宿 滝美館茨城県12室1083633.33%
5八芳園熊本県12室1244133.06%
6伊勢神宮のお膝元 鳥羽 胡蝶蘭三重県39室63420332.02%
7ホテルゆもと登別北海道69室77824130.98%
8松平閣島根県13室3109630.97%
9旅館 ふくぜん群馬県35室52516230.86%
10有馬館山形県35室37711430.24%

出典:ホテルバンク編集部調べ(直近24ヶ月・口コミ100件以上の施設から部屋食の好意的言及率順)

個室食事処は、部屋食ほど高い言及率にはならないものの、宮城県の湯の原ホテル(32室)が15.8%、栃木県の鬼怒川温泉 若竹の庄(24室)が15.2%、同じく栃木県の松楓楼 松屋(23室)が11.7%と、20〜30室台の宿が上位を占めた。湯の原ホテルでは「食事処と担当者の対応に満足…」「古希祝いに利用…」といった声が見られ、個室という場が記念日利用の受け皿として評価されている。記念日需要と個室の食事処の結びつきは、七五三は宿で祝う — 個室の食事処が語られる22軒でも確認できる。個室食事処の価値は「どこで食べたか」単体ではなく、落ち着いた場で担当者と向き合える体験として語られる点に特徴がある。

表4 個室食事処の好意的言及率 上位10施設(口コミ100件以上)
順位施設名都道府県客室数口コミ件数個室食事処 言及件数言及率
1湯の原ホテル宮城県32室3545615.82%
2鬼怒川温泉 若竹の庄栃木県24室2704115.19%
3ホテル きぬ栃木県23室1021514.71%
4松楓楼 松屋栃木県23室2563011.72%
5富嶽はなぶさ静岡県24室3974511.34%
6彩花亭 時代屋山形県20室3563810.67%
7浅間温泉 和泉荘長野県36室1501610.67%
8赤湯温泉 森の湯山形県13室2042110.29%
9ホテル双葉新潟県78室3643710.16%
10ゆがわら水の香里神奈川県27室403409.93%

出典:ホテルバンク編集部調べ(直近24ヶ月・口コミ100件以上の施設から個室食事処の好意的言及率順)

両方の形式を併用する宿は69軒・7.9% — 51室以上が過半

ここまでを整理すると、部屋食は小規模宿、個室食事処は中規模宿という棲み分けが見えてきた。それでは、両方の形式が口コミで言及される宿はどのような施設なのか。該当は69軒で対象全体の7.9%、客室数中央値は55室である。兵庫県の海月舘(58室)は部屋食178件・個室食事処32件の言及があり、「夕食は個室料亭を選択…」という声の通り、宿泊者がプランや客室タイプに応じて食事の場を選べる設計になっている。岐阜県の紗々羅(44室)や下呂ロイヤルホテル雅亭(32室)、三重県の石鏡第一ホテル神倶良(55室)も同様に、部屋食を主軸としつつ個室の食事処を併せ持つ。

併用型の宿が中〜大規模に偏る理由は構造的だと考えられる。部屋食は客室数が増えるほど配膳の動線と提供タイミングの管理が難しくなるため、標準の夕食会場を個室食事処に置き、部屋食は特定の客室タイプや上位プランの特典として残す——この組み合わせが、規模を保ちながら「部屋で食べたい」需要にも応える現実的な解になっている。後述するように、併用型の推定成約ADR中央値は3群のなかで最も高く、提供形式の選択肢そのものが単価の受け皿になっている可能性がある。

表5 部屋食・個室食事処を併用する主な宿(両形式の言及件数合計順)
施設名都道府県客室数口コミ件数部屋食 言及個室食事処 言及推定成約ADR中央値
海月舘兵庫県58室1,54417832¥27,361
ホテルニューアワジ兵庫県117室1,43216210¥45,837
紗々羅岐阜県44室1,03213526¥29,996
下呂ロイヤルホテル雅亭岐阜県32室57615110¥25,179
石鏡第一ホテル神倶良三重県55室1,60913328¥17,603
ホテル南風荘神奈川県111室1,36212423¥31,020
下呂温泉 水明館岐阜県264室3,88613410¥21,809
花のおもてなし 長生館埼玉県22室8865260¥24,246
鴨川館千葉県71室6514052¥30,448
翠明石川県82室5886722¥18,546

出典:ホテルバンク編集部調べ(口コミ、直近24ヶ月・両形式の言及件数合計順)/推定成約ADRはメトロエンジンリサーチ(2025年10月〜2026年9月の月次推定値の中央値・税抜相当)

2食付きの単価帯 — 推定成約ADR中央値は部屋食¥22,400・個室食事処¥24,200・併用¥25,000

提供形式は単価とどう結びつくのか。対象のうち旅館カテゴリで推定成約ADRが算出できる766施設について、2025年10月〜2026年9月の月次推定値の施設中央値を取ると、全体の中央値は¥23,000(四分位範囲¥17,400〜¥30,800)だった。形式別では部屋食のみが¥22,400、個室食事処のみが¥24,200、両方併用が¥25,000と、併用型が最も高く、部屋食のみが最も低い。ただし部屋食のみの群は四分位範囲が¥14,700〜¥30,600と最も広く、1.5万円を下回る家庭的な小宿から3万円超の料理旅館まで幅広い価格帯に分布している。

掲載価格(全プラン平均・2名1室・税込)で見ても順序は同じで、部屋食のみ¥49,300、個室食事処のみ¥57,000、併用¥60,500である。旅館の掲載プランは2食付きが大半を占めるため、この水準は概ね2食付きの表示価格帯と読める。推定成約ADRとの差は、最安プラン水準への収斂と税抜換算によるもので、本記事の指標定義のとおり両者は別の指標である。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

表6 提供形式別の推定成約ADR・掲載価格(旅館カテゴリ766施設)
提供形式(口コミ上の言及)施設数客室数中央値推定成約ADR中央値四分位範囲掲載価格中央値(全プラン平均・税込)
部屋食のみ43020室¥22,386¥14,720〜¥30,553¥49,332
個室食事処のみ27438室¥24,210¥18,783〜¥31,042¥57,043
両方6255室¥25,030¥19,730〜¥31,692¥60,515
旅館カテゴリ合計76626室¥23,000¥17,398〜¥30,846¥53,722

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(旅館カテゴリ766施設・2025年10月〜2026年9月の月次値の施設中央値。客室数中央値は提供形式ごとの対象全施設)

県ごとの旅館全体と比べると、これらの宿はどこに位置するのか。県内の対象施設が10軒以上ある23県について、対象施設の推定成約ADR中央値を同県の旅館カテゴリ全体の中央値と並べると、倍率の中央値は1.43倍、範囲は1.11〜2.24倍だった。静岡県では対象89施設の中央値¥27,100に対し、県の旅館全体(N=451)は¥18,700である。口コミが一定数積み上がり、夕食の提供形式が語られるほど食事に重心を置いた宿が集まっているのだから、県の旅館中央値より上に位置するのは自然な結果といえる。見方を変えれば、部屋食・個室食事処という「場」の設計に投資している宿は、県平均より4割ほど高い単価帯で成約している、と整理できる。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

注:県の旅館全体は推定成約ADRのエリア中央値(2025年10月〜2026年9月の月次値の中央値)。対象施設の中央値は各施設の月次中央値をさらに県内で中央値化した値であり、集計単位が異なる点に留意

配膳の人手 — 非正社員の不足感38.5%の局面で、提供形式をどう設計するか

提供形式の選択は、体験価値だけでなく人手の配分そのものである。帝国データバンク「人手不足に対する企業の動向調査(2026年4月)」によると、非正社員が不足していると回答した企業の割合は全業種で28.3%、正社員では50.6%で、正社員の不足感は4年連続で半数を超えた。「旅館・ホテル」の非正社員については38.5%で、2022年2月以来4年2ヶ月ぶりに3割台へ戻ったと同調査は記している(有効回答1万538社)。宿泊業の採用環境は、業種別で突出していた局面から、全業種平均に近づきつつある段階にあると読める。この不足感の推移と、従業員1人あたり客室数で見た県別の生産性は、宿泊業の人手不足感38.5%まで低下、生産性は全産業比79.6%が掘り下げている。

この水準でも、夕食の配膳は旅館のオペレーションのなかで最も人手を要する時間帯のひとつである。部屋食は客室ごとに料理を運び、提供のタイミングを部屋単位で合わせる必要があるため、配膳担当者1人が受け持てる客室数には上限がある。20室以下の宿で部屋食の言及率が12%に達するのは、客室数が少ないからこそ部屋食が成立し、かつそれが宿の体験価値の中核として語られているからだろう。言い換えれば、小規模宿にとって部屋食は人手と体験価値が両立している形式であり、その強みは今後も維持する価値がある。

一方で中〜大規模の宿にとって、個室食事処は「省人化と体験価値の両立」を実現する機会として位置づけられる。厨房に近い場所に食事処を集約すれば配膳動線が短くなり、提供温度の管理や下げ膳の効率も高まる。それでいて口コミ上は「他客と離れて落ち着いて食べられた」という評価が規模を問わず一定割合で付いており、個室食事処の言及率は101室以上の宿でも1.77%を保っていた。記念日や親孝行旅行の受け皿としての評価も、個室という場があってこそ生まれている。

そして69軒の併用型が示すのは、両者を択一で考える必要はないという点である。標準の夕食会場を個室食事処に置きつつ、露天風呂付き客室や上位プランの特典として部屋食を残せば、配膳人員の大半は食事処に集約でき、部屋食は限定的な室数に対して高い単価で提供できる。併用型の推定成約ADR中央値が¥25,000と3群で最も高いことは、この設計が単価面でも成立していることを示している。人手の確保が引き続きテーマとなる局面において、夕食の「場」の再設計は、省人化と単価向上を同時に狙える数少ない施策のひとつといえるだろう。

まとめ

本稿では、直近24ヶ月の宿泊者口コミ449,991件から、夕食の提供形式が語られる874施設を47都道府県で集計した。部屋食のみが515軒(58.9%)、個室食事処のみが290軒(33.2%)、両方が69軒(7.9%)で、部屋食は客室数中央値20室の小規模宿、個室食事処は中央値38室の中規模宿、併用型は中央値55室と、提供形式と規模は明確に対応していた。県別では静岡107軒が最多で、神奈川は部屋食偏重、長野は個室食事処が部屋食の3.6倍と、地域ごとの型も確認できた。

単価面では、旅館カテゴリの推定成約ADR中央値が部屋食のみ¥22,400、個室食事処のみ¥24,200、併用¥25,000と、提供形式の選択肢を持つ宿ほど高い水準にあった。帝国データバンクの2026年4月調査で旅館・ホテルの非正社員の不足感が4年2ヶ月ぶりに3割台へ戻ったとはいえ、夕食の配膳は依然として人手の集中する時間帯である。小規模宿は部屋食という強みを磨き、中〜大規模宿は個室食事処を標準に置きつつ部屋食を上位特典として残す——提供形式の設計は、省人化と体験価値、そして単価を同時に扱える運営テーマとして改めて捉え直したい。

よくある質問

Q. 部屋食と個室食事処では、どちらの宿の単価が高いですか?

A. 旅館カテゴリ766施設の推定成約ADR中央値は、部屋食のみの宿が約2万2,400円、個室食事処のみの宿が約2万4,200円、両方を併用する宿が約2万5,000円でした。ただし部屋食のみの群は四分位範囲が最も広く、価格帯のばらつきが大きい点に注意が必要です。

Q. 部屋食の宿はどの県に多いですか?

A. 直近24ヶ月の口コミで部屋食が好意的に言及された宿は、静岡県が最も多く、神奈川県・栃木県・兵庫県・群馬県が続きます。神奈川県は部屋食53軒に対し個室食事処は4軒と部屋食に偏り、長野県は逆に個室食事処が部屋食の約3.6倍でした。

Q. 個室食事処への切り替えは体験価値を下げませんか?

A. 口コミ上、個室食事処の好意的言及率は20室以下で約5%、101室以上でも約1.8%と規模による落差が緩やかで、「他客と離れて落ち着いて食べられた」という評価は規模を問わず付いています。両方を併用する69軒のように、標準会場を個室食事処とし部屋食を上位プランの特典として残す設計も見られます。

集計方法と出典

口コミの集計は、ホテルバンク編集部が宿泊者口コミを自然言語処理で意味解析したタグに基づく。「部屋食」は客室内で夕食を提供する形態への言及、「個室食事処」は他客と離れた個室・半個室の食事処での夕食への言及を指し、客室内で食べる部屋食とは区別している。対象は直近24ヶ月に投稿された口コミで、好意的な言及に限定し、口コミ総数20件以上かつ該当言及10件以上の施設を47都道府県それぞれで抽出したうえで、施設単位で名寄せした。言及率は各施設の口コミ総数に対する該当言及件数の割合で、本稿の分母は2つの形式を合わせた874施設の口コミ総数449,991件に統一している。ビジネスホテル・シティホテルは集計対象から除いた。

推定成約ADRと掲載価格はメトロエンジンリサーチの価格データに基づき、2025年10月〜2026年9月の月次値について施設ごとの中央値を取り、さらに群ごとに中央値化した。県の旅館全体の推定成約ADRは同期間のエリア中央値である。客室数はメトロエンジンリサーチの施設データによる。メトロエンジンリサーチは国内約168,000施設を追跡し、うちOTA上で稼働が確認できる約27,000施設・約126万室を分析対象としている。OTA未掲載の旅館・民宿・簡易宿所は含まれない。

宿向け:このテーマに効くプラン名のヒント

旅館 × 部屋食で公開されているプラン名(N=530)に多い訴求要素 ——

部屋食 79%会席コース 52%2食付 44%和牛・ブランド牛 20%海鮮 17%温泉露天 17%

実際の名前の例(匿名化):

  • 【平日限定】3300円割引!夕・朝お部屋食◆直前割[楓会席]一人旅プラン
  • 【GW・お盆・特定日】夕・朝お部屋食◆純和風古民家風離れに宿泊【楓会席】
  • 【GW・お盆・特定日】夕・朝お部屋食 純和風古民家風離れに宿泊【楓会席】

※公開プラン名の集計にもとづく傾向で、命名が販売を生む因果を示すものではありません。市場×命名の深掘りは命名ベンチマーク/イベント記事をご参照ください。

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参考資料・出典一覧

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