トップ > 新規開業・供給 > わんわんリゾート岡山湯原が12月5日開業 — 真庭市ADR1月14,800円・稼働84.6%、ペット宿19軒の県に6館目

わんわんリゾート岡山湯原が12月5日開業 — 真庭市ADR1月14,800円・稼働84.6%、ペット宿19軒の県に6館目

投稿日 : 2026.10.28

岡山県

新規開業・供給

わんわんリゾート岡山湯原が12月5日開業 — 真庭市ADR1月14,800円・稼働84.6%、ペット宿19軒の県に6館目

GENSEN HOLDINGS株式会社(大江戸温泉物語グループ)は、岡山県真庭市の湯原温泉で営業する「大江戸温泉物語 輝乃湯」を犬同伴専用の「大江戸温泉物語わんわんリゾート 岡山湯原」として2026年12月5日(土)にリニューアル開業すると発表し、宿泊予約を10月1日から受け付けている。わんわんリゾートとしては6館目、岡山県では初の出店で、料金は1室2名利用時の大人1名1泊2食付13,900円〜、犬1匹1泊3,200円(入湯税・宿泊税別)と公表された。本稿では、この1館を受け入れる真庭市の宿泊市場を推定成約ADR・推定稼働率・予約進捗の3面から定量化し、中国地方のペット同伴需要の受け皿がどれほど厚いのか、そして公表料金が地元の単価帯のどこに位置するのかを読み解く。

本記事のデータについて
• ADR(平均客室単価)=各施設がOTA上で公開する最安プラン水準(2名1室利用時・1室あたり料金・税込)に業態別の補正係数を適用して算出した推定成約単価(税抜相当)。上場ホテルREITが開示する物件別実績との照合(91施設・直近3ヶ月間)で誤差中央値は約7%。推定値であり、各施設の実際の成約価格・会計数値とは異なります。
• エリア(都道府県・市区町村)単位のADRは、対象施設の推定成約単価の中央値(エリアの標準的な施設の水準)です。
• 掲載価格に言及する箇所は、2名1室利用時の1室あたり料金(税込)です。
• OCC(稼働率)=エリア内の総客室数に対する販売済み客室数の割合(OTA販売在庫に基づく推定値)。
• 出典:メトロエンジンリサーチ(国内約168,000施設のOTA公開価格を継続追跡、うち稼働確認済み約27,000施設)
Key Takeaways
  • — 2026年12月5日開業:既存の「大江戸温泉物語 輝乃湯」を犬同伴専用に業態転換。わんわんリゾート6館目・岡山県初で、客室数はメトロエンジンリサーチ掲載情報ベースで57室。
  • — 真庭市は冬と夏に単価が立つ市場:推定成約ADRは2026年1月14,813円(前年同月比+21.6%)、推定稼働率は2026年8月84.6%(13施設/378室・主要予約サイト掲載ベース)。
  • — 1室換算で市中央値の約1.9〜2.1倍:公表下限13,900円(大人1名・2食付)は1室27,800円(税別)。犬同伴設備が口コミで語られる宿は中国5県合計63軒にとどまり、受け皿としての希少性が高い。

開業概要 — 既存館の業態転換で岡山県初の犬同伴専用宿

まずは公表資料で確認できる事実を整理する。開業日は2026年12月5日(土)、予約受付は同年10月1日(木)に始まっており、所在地は岡山県真庭市豊栄1429-2、米子自動車道・湯原ICから車で約5分の湯原温泉街に位置する。前身は同グループが運営してきた「大江戸温泉物語 輝乃湯」で、新築ではなく既存館の改装による業態転換である点が、温泉地の旅館運営者にとっての参照価値を高めている。同グループが湯快リゾート統合後に進めてきたブランド再編と単価の推移は、Lone Star大江戸温泉×湯快リゾート統合2.5年後評価が追っている。

料金は1室2名利用時の大人1名1泊2食付13,900円〜、犬は1匹1泊3,200円(入湯税・宿泊税別、日程により変動)と公表され、夕朝食ともに岡山の食材を取り入れたバイキング形式になる。客室数はプレスリリースおよび公式サイトでは確認できなかったため、メトロエンジンリサーチが把握する掲載情報ベースの57室を参考値として示す(輝乃湯としての掲載は62室で、改装に伴い客室構成が変わる可能性がある)。

大江戸温泉物語わんわんリゾート 岡山湯原の開業概要(公表値と当社掲載情報)
項目内容
施設名大江戸温泉物語わんわんリゾート 岡山湯原(旧・大江戸温泉物語 輝乃湯)
開業日/予約開始2026年12月5日(土)/2026年10月1日(木)
所在地・アクセス岡山県真庭市豊栄1429-2、米子自動車道 湯原ICから車で約5分
料金(公表値)1室2名利用時 大人1名1泊2食付 13,900円〜/犬1匹1泊 3,200円(入湯税・宿泊税別)
客室数57室(メトロエンジンリサーチ掲載情報ベース・公表値ではない)
シリーズ内の位置づけわんわんリゾート6館目・岡山県初(既存館は石川・長野・栃木・静岡に展開)
運営GENSEN HOLDINGS株式会社(大江戸温泉物語グループ、2026年8月時点で全国75施設)

出典:GENSEN HOLDINGS プレスリリース(2026年10月)、メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

ここで単位をそろえておきたい。公表料金の13,900円は「大人1名あたり」の2食付料金であり、本稿で扱う推定成約ADRは「1室あたり」の税抜相当単価である。2名1室で換算すると1室27,800円(税別)が公表下限になり、以降の比較ではこの1室料金を用いる。

真庭市の推定成約ADR — 冬(12〜1月)が年間の上側に来る市場

メトロエンジンリサーチのデータで真庭市(N=19〜22施設)の推定成約ADRを月別に追うと、直近12か月(2025年10月〜2026年9月)の確定値は2026年1月の14,800円が最も高く、2026年8月の14,500円、2025年12月の13,400円、2025年11月の13,300円がこれに続く。一方で2026年6月は10,100円、2026年4月は10,500円にとどまり、年間の上下差は約4,700円に及ぶ。湯原温泉を核とする真庭市は、夏休みと並んで12〜1月の雪見・年末年始の時期に単価が立つ「冬型」の市場だと読める。

前年同月比で見ると、2026年1月は12,200円から14,800円へ+21.6%、2026年8月は13,800円から14,500円へ+5.2%、9月は10,500円から11,500円へ+9.9%と、繁忙月ほど伸び幅が大きかった。ただし2026年4〜6月は前年同月を4〜7%下回っており、繁忙期と閑散期の差が広がる方向にある。開業日の12月5日は、まさにこの単価の上側に入る時期にあたる。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(真庭市・全業態、推定成約ADR・確定月のみ、N=19〜22施設)

業態別に絞ると差はさらに明確になる。真庭市の旅館カテゴリ(N=12〜13施設)の推定成約ADRは2025年12月16,700円、2026年1月17,000円、2026年8月17,900円で、全業態の中央値を3,000円前後上回る。岡山県全体(N=186〜193施設)の同月値が8,000〜9,700円の帯にあることを踏まえると、真庭市は県平均の1.5〜1.8倍の単価で成約している温泉地であり、県内でも単価の高い市場に位置づけられる(県内市町村の単価階層については岡山のホテルはなぜ高い?市町村別単価の4層構造を参照)。

真庭市・岡山県の推定成約ADR(月別・確定月、1室2名・税抜相当)
月真庭市 全業態前年同月比真庭市 旅館岡山県 全業態
2025年10月¥10,784(N=21)-9.7%¥14,013(N=13)¥8,246(N=193)
2025年11月¥13,268(N=20)+2.6%¥16,498(N=12)¥9,216(N=192)
2025年12月¥13,372(N=19)+4.6%¥16,660(N=12)¥8,057(N=191)
2026年1月¥14,813(N=19)+21.6%¥16,983(N=12)¥8,436(N=187)
2026年2月¥10,822(N=20)+1.5%¥12,431(N=13)¥7,823(N=191)
2026年5月¥11,614(N=20)-5.7%¥13,726(N=13)¥8,668(N=192)
2026年8月¥14,502(N=20)+5.2%¥17,867(N=13)¥9,736(N=190)
2026年9月¥11,526(N=20)+9.9%¥14,223(N=13)¥9,137(N=191)

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(推定成約ADR・税抜相当・1室2名、確定月のみ。Nは各月の対象施設数)

真庭市の推定稼働率 — 8月は84.6%、土曜は9割に達する

単価だけでなく、部屋がどこまで埋まっているかも確認したい。真庭市のOTA掲載在庫ベースの推定稼働率(総客室の30%以上を主要予約サイトに掲載する施設で組んだ固定コホート)は、2026年6月が71.9%(対象10施設/297室)、7月が74.0%(11施設/432室)、8月が84.6%(13施設/378室)、9月が77.0%(12施設/332室)だった。曜日別に見ると8月の土曜平均は90.9%に対し月〜木曜は84.1%、9月は土曜90.0%に対し月〜木曜76.5%で、土曜はいずれの月も9割前後まで消化されている。

この数値はOTA上で販売される在庫の消化状況に基づく推定値であり、施設全体の実稼働率とは異なる。掲載外の客室を消化済み側に数えるため実態より高めに出る点は踏まえる必要があるものの、湯原温泉の土曜在庫が直前にはほぼ残らない構造は、月をまたいで一貫して観測できている。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(真庭市・全業態、OTA掲載在庫ベース推定稼働率・確定月、対象施設数/客室数は各月の固定コホート)

では、開業日である12月5日(土)に向けた予約進捗はどうか。本稿ではリードタイム(LT、宿泊日までの日数)45日以内の観測点だけを用いる方針をとっており、記事作成時点(10月22日)で12月5日はLT44に入ったばかりで、45日以内の観測点はまだ取得できていない。そこで、観測が完了した直近3つの土曜(8月8日・9月19日・10月10日)のブッキングカーブと、現在進行中の11月21日(土)・11月28日(土)の途中経過を並べて、真庭市の土曜が「いつ、どの速さで」埋まるかを把握する。

完了した3日はいずれもLT45時点で74〜81%、LT30で85〜87%、LT14で93〜99%、宿泊前日には98%以上に達した。5連休初日の9月19日はLT21で95.2%に到達し、お盆直前の8月8日(11施設/366室)はLT3で98.4%、10月10日(24施設/592室)はLT1で98.5%と、どの土曜も最後の2週間で残室がほぼ消える。進行中の11月21日(24施設/583室)はLT45の87.0%からLT32の96.6%まで消化が進み、11月28日(23施設/582室)はLT39時点で73.7%と、完了済み3日の同時点(77.6〜82.1%)をわずかに下回る水準を歩んでいる。開業初日の土曜もこの「LT30で8割台、LT14で9割台」というカーブの上に乗るかどうかが、11月中旬以降の観測で確認できることになる。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(真庭市・全業態、LT45→1のみ。8/8は11施設/366室、9/19は24施設/621室、10/10は24施設/592室、11/21は24施設/583室、11/28は23施設/582室)

ペット同伴需要の受け皿 — 口コミで犬同伴設備が語られる宿は岡山19軒、静岡は100軒超

次に、犬同伴専用宿という業態がこのエリアでどれほど希少かを、宿泊者の口コミから測る。ホテルバンク編集部が直近24か月の口コミをNLP解析し、「ペット同伴可・ドッグラン・ペット用施設」に関する言及が10件以上ある施設を都道府県別に数えると、静岡県は100軒以上(集計上限)、長野県82軒、千葉県77軒、栃木県71軒、兵庫県54軒と、首都圏・中部の観光地に厚い層がある。これに対して中国地方は岡山県19軒、広島県17軒、鳥取県14軒、山口県8軒、島根県5軒にとどまり、5県を合計しても63軒と長野県1県に届かない。

この分布は、犬と泊まれる宿を探す中国・関西西部の飼い主にとって選択肢が限られていることを意味し、同時に新規参入側から見れば受け皿としての希少性が高いことを示す。実際、全国で言及数の多い上位15施設には静岡県4施設、千葉県・三重県・栃木県が各2施設と東日本・中部の専門宿が並び、中国地方からは鳥取県の皆生温泉の宿1施設(言及329件・言及率79.9%)が入るのみである。犬同伴を主役に据えた宿が西日本の温泉地に増えること自体が、地域の需要層を広げる効果を持つと考えられる。全国上位の顔ぶれと地域分布の詳細は、ペット同伴の宿・全国81施設ランキングで整理している。

出典:ホテルバンク編集部調べ(NLP解析。直近24か月の宿泊者口コミで犬同伴設備への言及が10件以上ある施設数。静岡県は集計上限100で打ち切り)

岡山県内で犬同伴設備への言及が目立つ宿を見ると、瀬戸内のリゾート・ヴィラ型(言及率40.0%・62.5%)、津山や湯郷・奥津といった県北の温泉宿、そして湯原温泉の老舗旅館1軒(言及19件)が含まれる。つまり湯原温泉には犬連れの宿泊者を受け入れてきた土壌がすでにあり、そこへ全館を犬同伴専用に改装した57室が加わる構図になる。ペットフード協会の全国犬猫飼育実態調査(2022年)によれば犬の飼育頭数は705万頭、1年間の新規飼育は42.6万頭で、飼い主の旅行需要は温泉地にとって無視できない規模である。

岡山県内で犬同伴設備への口コミ言及が多い施設(直近24か月)
岡山県内の施設(口コミ言及上位)犬同伴設備の言及件数言及率口コミ総数
ザ・シロヤマテラス津山別邸908.1%1,105
やさしさの宿 竹亭(湯郷温泉)6810.9%622
the view 瀬戸内6040.0%150
わんこあん4577.6%58
米屋倶楽部 奥津(奥津温泉)3017.9%168
湯原国際観光ホテル菊之湯(湯原温泉)196.6%289

出典:ホテルバンク編集部調べ(NLP解析、直近24か月の宿泊者口コミ。言及率=犬同伴設備に触れた口コミの割合で、評価点ではない)

13,900円〜は真庭市の単価帯のどこに入るか — 1室換算で市中央値の約1.9〜2.1倍

ここまでを整理すると、真庭市の推定成約ADR(1室・税抜相当)は12月13,400円、1月14,800円、旅館カテゴリでは12月16,700円、1月17,000円である。公表下限の13,900円を1室2名・27,800円(税別)に換算して並べると、市全体の中央値に対して12月で約2.1倍、1月で約1.9倍、旅館カテゴリに対しても約1.6〜1.7倍の位置に来る。推定成約ADRは各施設の最安水準に業態別の補正を掛けた成約推定の中央値であり、公表下限は料金表の起点であるため厳密に同じ尺度ではないが、犬同伴専用という付加価値を含めた下限が市の標準的な宿の成約水準を大きく上回ることは確認できる。

前身の輝乃湯の推定成約ADRが2025年12月13,000円、2026年1月17,800円、2026年8月16,400円と、市全体の中央値をおおむね上回っていたことも参考になる。業態転換後の公表下限はこの水準からさらに1万円前後上に設定されており、犬同伴という明確な用途で客層を絞ることで、同じ建物・同じ温泉で単価帯を一段引き上げる設計だと読める。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(いずれも1室2名・税別/税抜相当。ADRは推定成約ADRの確定月、公表下限はGENSEN HOLDINGS プレスリリース)

OTA上の掲載価格(2名1室・税込、全プラン)で見ると、新施設の2026年12月分(掲載のある5〜31日)は最安プランの日別平均が約24,400円、全プラン平均が約57,600円で、最安プランの平均は公表下限の1室27,800円(税別)に近い水準にある。日別の最安プランは12月5日(土)39,600円、12月12日(土)39,400円、12月19日(土)42,800円と土曜が4万円前後、12月6〜25日の平日は13,800〜17,000円(プラン条件は日により異なる)、年末の12月30・31日は63,200円で、土日と平日、年末で明確な価格差を付けた掲載になっている。これらは調査時点の掲載水準であり、宿泊日が近づくにつれて変動する。

湯原温泉の客室ストック — 半径3km圏で稼働中9軒271室、旅館が9割

新施設を取り囲む湯原温泉の供給を確認する。本記事の客室ストックは、湯原温泉から半径3,000m圏内にある客室数10室以上の宿泊施設(レジャーホテルを除く)を対象とし、「稼働中」は直近3か月(2026年8月〜2026年10月)に主要予約サイトで販売価格が確認できた施設を指す(2026年10月22日時点、メトロエンジンリサーチ集計)。稼働中は9軒271室で、うち旅館が8軒261室、リゾートホテルが1軒10室である。規模別では50室以下が8軒209室を占め、51〜100室は輝乃湯(62室)の1軒のみで、新施設は湯原温泉で最大規模の客室数を犬同伴専用に振り向けることになる。

開業年代で見ると、稼働中9軒のうち1960〜70年代開業が5軒(143室)、2000年代が2軒(91室)、2010年代が1軒(27室)、1980年代が1軒(10室)で、老舗旅館が中心の温泉街である。地元の湯原町旅館協同組合によると、湯原温泉の宿泊者数は2019年度に約12万人、2021年度には約7万人まで減った後、2022年春には2019年の8割程度まで戻っていた。コロナ禍前の水準を取り戻す局面で、新しい客層を呼び込む専門宿が加わることは温泉街全体の集客にとっても追い風になる。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(2026年10月時点)。円の大きさは客室数、濃い青は新施設

湯原温泉 半径3km圏の稼働中施設(客室数10室以上、2026年10月時点)
施設名(稼働中)客室数業態開業年新施設からの距離
大江戸温泉物語 輝乃湯62旅館2005同一敷地
湯原国際観光ホテル菊之湯50旅館1970約1.0km
湯原温泉 八景32旅館1974約1.3km
湯めぐりの宿 松の家 花泉29旅館2005約0.3km
湯原温泉 ゆばらの宿 米屋27旅館2011約1.0km
湯の蔵 つるや24旅館1962約0.8km
湯快感 花やしき22旅館1969約1.0km
さつき荘15旅館1967約0.7km
プチホテルゆばらリゾート10リゾートホテル1987約0.9km

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(2026年10月時点。輝乃湯は12月5日から新名称での営業に切り替わる)

温泉地の運営者・投資家への示唆 — 既存館の用途転換で単価帯を一段上げる

本件は、新築投資を伴わずに既存の温泉旅館を特定の需要層に向けて作り替え、公表下限を市の標準的な成約水準の2倍前後に置くという事例である。真庭市のように冬に単価が立ち、土曜がLT14で9割以上埋まる市場では、平日と日曜の在庫をどう動かすかが収益の伸びしろになる。犬同伴というテーマは、飼い主が平日に動きやすい層(シニア・在宅勤務層)を含むため、平日需要の掘り起こしという観点でも有効といえる。

投資家の視点では、西日本における犬同伴専用宿の層の薄さが参入の余地を示している。口コミで犬同伴設備が語られる宿が静岡県で100軒を超える一方、中国5県合計で63軒という分布は、需要が無いのではなく供給が追いついていない側面を含む。温泉・客室・食事という既存資産に、ドッグラン・ラウンジ・犬向け食事といった専用設備を足し込む改装型の事業は、立ち上がりの早さと投資額の抑制の両面で検討に値する。開業後は、本稿で示した「LT30で8割台、LT14で9割台」という真庭市の土曜カーブを基準に、新施設の在庫消化がどの位置を歩むかを追うことで、単価設定の妥当性を早期に判断できるだろう。

まとめ

わんわんリゾート 岡山湯原は、2026年12月5日に輝乃湯を改装して開業する大江戸温泉物語グループ6館目・岡山県初の犬同伴専用宿である。受け入れ側の真庭市は推定成約ADRが2026年1月14,800円(前年同月比+21.6%)、8月14,500円(+5.2%)と冬と夏に単価が立ち、推定稼働率は8月84.6%(13施設/378室)、土曜はLT14で9割以上まで消化が進む市場だった。犬同伴設備が口コミで語られる宿は岡山県19軒、中国5県合計63軒と東日本に比べ薄く、受け皿としての希少性は高い。公表下限13,900円(大人1名・2食付)を1室27,800円(税別)に換算すると市の中央値の約1.9〜2.1倍、旅館カテゴリの約1.6〜1.7倍に位置し、既存館の用途転換で単価帯を一段上げる設計が確認できた。12月5日の予約進捗がLT45以内に入り次第、真庭市の土曜カーブとの比較で改めて検証したい。

よくある質問

Q. わんわんリゾート 岡山湯原の開業日と予約開始日は?
2026年12月5日(土)に開業し、宿泊予約は2026年10月1日(木)から受け付けています。

Q. 料金はいくらから?
1室2名利用時の大人1名1泊2食付が13,900円〜、犬は1匹1泊3,200円(入湯税・宿泊税別)です。2名1室で換算すると1室27,800円(税別)が下限になります。

Q. 真庭市の宿泊単価はどの時期が高い?
推定成約ADRでは2026年1月(14,800円)と8月(14,500円)が高く、12月・11月がこれに続く冬型の市場です。

宿向け:このテーマに効くプラン名のヒント

岡山県 × ペットで公開されているプラン名(N=174)に多い訴求要素 ——

ペット 100%2食付 29%素泊まり 25%貸切一棟 11%会席コース 11%温泉露天 11%

実際の名前の例(匿名化):

  • 年末年始【ドリンクインクルーシブ ディナービュッフェ】愛犬と寛ぐ温泉露天風呂付客室|二食付
  • 期間限定【ドリンクインクルーシブ ディナービュッフェ】愛犬と寛ぐ温泉露天風呂付客室|二食付

※公開プラン名の集計にもとづく傾向で、命名が販売を生む因果を示すものではありません。市場×命名の深掘りは命名ベンチマーク/イベント記事をご参照ください。

⚠ 将来日程の価格に関する注意:本記事で触れた2026年12月以降の掲載価格は調査時点でOTAに公開されている販売価格であり、チェックイン日に近づくにつれて変動します。推定成約ADRについても、未確定の月(2026年10月以降)は確定月と比較していません。

参考資料・出典一覧

関連記事