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九州 旅行支援の効き目を同じLTで検証 — 支援なし6県と土曜OCC差1.1pt、11月平日は+6.2pt

投稿日 : 2026.10.19

福岡県

佐賀県

長崎県

熊本県

大分県

宮崎県

鹿児島県

岩手県

福島県

秋田県

山口県

静岡県

宮城県

広島県

岡山県

栃木県

群馬県

愛媛県

九州 旅行支援の効き目を同じLTで検証 — 支援なし6県と土曜OCC差1.1pt、11月平日は+6.2pt

九州ふっこう応援割の対象7県で10月の土曜が埋まっているのは、すでに複数の記事で確かめてきた。ただ、それだけでは「補助があったから伸びた」のか「秋の土曜はどこでも伸びる」のかが分からない。本稿では、メトロエンジンリサーチが2026年10月11日時点で観測した都道府県別ブッキングカーブを使い、国の支援がある九州7県(A群)、県や市が独自の宿泊割を10〜11月に動かしている5県(B群)、同種の支援が確認できない6県(C群)の3群を、同じ宿泊日・同じリードタイム(LT)の断面で並べる。結論から言えば、土曜の推定OCCは3群でほとんど差がなく(10/24泊・LT14でA群89.9%、C群88.8%)、違いが出たのは11月の平日(11/10泊・LT31でA群70.4%、C群64.2%)だった。補助の因果を主張する記事ではなく、「支援がない県でも同じくらい伸びているか」を確かめる検証記事として読んでほしい。

本記事における指標の定義

  • OCC(稼働率):エリア内の総客室数に対する販売済み客室数の割合(OTA販売在庫に基づく推定値)。OTA上で販売される在庫の消化状況に基づく推定値であり、施設全体の実稼働率とは異なります。本記事では「稼働率(OTA掲載在庫ベース・推定)」の意味で用い、各県の「対象施設数/客室数」は主要予約サイト掲載ベースの観測母集団です。
  • ブッキングカーブ・LT(リードタイム):ブッキングカーブ=チェックイン日に向けたOTA残室数の推移。LT=チェックインまでの日数(LT0=当日)。本記事はLT45から直近観測LTまでの区間のみを使い、45日超の観測点は使わない(宿泊日の45日超前の観測は掲載枠が積まれる前の状態を含み、予約進捗を表さない場合があるため)。
  • 3点読み:各宿泊日について「LT45時点」と「直近LT時点」の2点で水準と伸び幅を読み、中間の推移は群平均カーブで補う。
  • 鹿児島県:掲載在庫が自館の客室数を大きく上回って観測された1施設を除いて集計している(除外後の母集団は341〜348施設・約11,500室)。
  • データ出典:メトロエンジンリサーチ(観測時点 2026年10月11日)
Key Takeaways
  • — 国の支援がある九州7県(A群)と支援が確認できない6県(C群)の土曜の推定OCCは、10/24泊・LT14で89.9%対88.8%(差+1.1pt)。10/17泊(LT7)はC群が2.3pt上回る(2026年10月11日時点の観測)。
  • — LT45からの伸び幅も10/24泊で4群が+13.6〜+15.0ptの1.4pt幅に収まり、九州だけが早い段階で跳ねた形跡はない。
  • — 差が出たのは11月の平日。11/10(火)泊・LT31はA群70.4%、C群64.2%で+6.2pt、土曜との開きもA群が10.9ptと4群で最も小さい。
  • — 群の差より県の差が大きい。九州7県は10/24泊で14.1pt幅(福岡96.3%〜鹿児島82.2%)、C群は10/17泊で15.2pt幅(広島95.7%〜栃木80.5%)。
  • — 11/10泊はLT31時点でA群7県に25,621室(母集団の29.7%)の平日在庫が残る。本稿が言えるのは「同時期に伸びた」までで、補助の因果は検証していない。

3群の分け方 — 制度の有無で全国を切る

まずは群の定義である。自治体独自の宿泊割引クーポンは、実施中かどうか・期間・原資が自治体ごとに異なり、報道ベースの情報は予算到達で早期終了することも多い。そこで本稿は2026年10月10〜11日時点で各自治体の公式ページ(または公式発表を転載した一次情報)で実施が確認できた制度だけを採用し、確認できなかったものは群に入れていない。北海道の「道民さんいらっしゃい」はこの時点で公式サイト上に10〜11月宿泊分の実施回が確認できなかったため、B群から外して参考値の扱いにとどめた。

表1 3群の定義と10〜11月に動いている宿泊支援制度(2026年10月10〜11日確認)
群都道府県制度(10〜11月に動いているもの)宿泊対象期間・内容
A群 国の支援福岡・佐賀・長崎・熊本・大分・宮崎・鹿児島九州ふっこう応援割(観光庁・予備費155億円)宿泊料金の50%(熊本・鹿児島は60%)、上限2万円/人(宿泊単体・1旅行あたり)。福岡10/1〜12/15、佐賀・長崎・熊本・大分・宮崎10/1〜12/25、鹿児島10/14〜2027/2/28(年末年始除く)
B群 県制度岩手おでんせ!いわて旅割 第2弾10/1〜12/25宿泊分(12/26チェックアウトまで)。1人1泊最大7,000円(県北・沿岸)/5,000円(その他)、宿泊費の半額まで
B群 県制度福島福島県「また来て。」割 第3期11/1〜12/25宿泊分(予約10/1〜)。1人1泊3,000円、8,000円以上の宿泊が条件。10月の宿泊日は対象外
B群 県制度秋田まだバレてない秋田県 得旅キャンペーン 第2弾11/1〜2027/2/27宿泊分(2/28チェックアウトまで、販売10/1〜)。宿泊額に応じた段階クーポン。10月の宿泊日は対象外
B′群 市制度山口しものせき宿泊応援キャンペーン(下関市)9/1〜12/25宿泊分。1人1泊2,000円引き+1,000円クーポン。土曜・祝前日チェックインは対象外
B′群 市制度静岡今こそ伊東へ!キャンペーン(伊東市)10月中旬〜12月中旬宿泊分(予約サイトにより異なる)。宿泊代金の最大20%・上限5,000円/人泊
C群 支援なし宮城・広島・岡山・栃木・群馬・愛媛10〜11月宿泊分を対象とする県・主要市の宿泊割引は確認できず—

出典:各自治体公式サイト・公式発表(2026年10月10〜11日確認)よりホテルバンク編集部作成

B群のうち福島と秋田は11月宿泊分からが対象で、10月の土曜はまだ制度の外にある。B′群の山口・静岡は県全体ではなく下関市・伊東市という1市の制度であり、しかも下関は土曜チェックインを対象外にしている。この2県は「県の観測母集団の一部にだけ支援がかかる」群として、B群とは分けて見る。C群は九州7県と規模・業態構成が近い県を東北から四国まで分散して選び、観測母集団は6県で1,593施設・76,965室である。A群は7県で2,041施設・86,356室、B群は3県で568施設・27,635室、B′群は2県で1,022施設・39,741室、合計5,224施設・230,697室が本稿の物差しになる(いずれも主要予約サイト掲載ベース、10/24泊の観測母集団)。

土曜4日分を同じLTで並べる — 参考値の11/21泊を除き、3群の差は2pt台以内にとどまった

検証の核は、同じ宿泊日を同じLTで切ることにある。10/17泊はLT7、10/24泊はLT14、11/7泊はLT28、11/21泊はLT42が10月11日時点の直近観測点で、すべての県をこの断面で読む。4群の直近LT時点の推定OCCを並べると、10/17泊はA群86.1%・B群86.2%・B′群82.2%・C群88.4%、10/24泊はA群89.9%・B群89.3%・B′群88.1%・C群88.8%となり、国の支援がある九州と支援が確認できない6県の差は10/17で-2.3pt、10/24で+1.1ptにすぎない。11/7泊(LT28)はA群82.6%に対しC群81.7%で+0.9pt、11/21泊(LT42)はA群88.8%・C群84.8%で+4.0ptと、11月に入ると九州がわずかに前に出るが、群内の県差(後述)のほうがはるかに大きい。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

伸び幅で見ても構図は変わらない。LT45から直近LTまでの上昇幅は、10/24泊でA群+14.6pt・B群+15.0pt・B′群+13.9pt・C群+13.6ptと4群が1.4pt幅に収まり、10/17泊もA群+18.3pt・C群+18.0ptで並ぶ。つまり10月の土曜に関しては、「支援がない県でも同じくらい伸びている」が答えである。11/7泊だけはA群+10.5ptに対しC群+5.3ptと伸び幅に差が開くが、これはC群の11/7泊がLT45時点ですでに76.4%と高く(宮城が94.5%で天井に近い)、伸びしろが小さかったことの裏返しでもある。

10/24泊のLT45からLT14までの群平均カーブを重ねると、4本の線はほぼ同じ傾きで上がり、LT20を過ぎてからの直前消化の加速も共通している。九州だけが早い段階で跳ねた形跡はなく、B群・C群と同じ形で埋まっていった。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

県別の2点読み — 群の差より県の差が大きい

群平均の背後にある県別の値を、土曜4日分についてLT45時点→直近LT時点で示す。参考として沖縄と北海道(群外)も併記した。

表2 県別の推定OCC:土曜4日分のLT45時点→直近LT時点(2026年10月11日観測、%)
群県施設/客室10/17(土)
LT45→LT7
10/24(土)
LT45→LT14
11/7(土)
LT45→LT28
11/21(土)
LT45→LT42
A群福岡429/29,26970.5→90.0 (+19.5)85.8→96.3 (+10.5)74.1→84.7 (+10.6)85.0→87.5 (+2.5)
A群佐賀122/4,34459.5→85.7 (+26.2)80.7→91.6 (+10.9)69.5→83.8 (+14.3)89.5→89.2 (-0.3)
A群長崎252/10,88971.2→82.7 (+11.5)71.5→86.6 (+15.1)74.9→82.0 (+7.1)89.7→90.8 (+1.1)
A群熊本329/13,02774.7→90.5 (+15.8)70.6→91.2 (+20.6)76.5→86.5 (+10.0)91.6→93.2 (+1.6)
A群大分423/10,75174.7→88.1 (+13.4)72.5→88.3 (+15.8)75.3→85.9 (+10.6)90.3→91.7 (+1.4)
A群宮崎144/6,58158.0→81.9 (+23.9)81.9→93.0 (+11.1)65.6→78.4 (+12.8)83.0→84.2 (+1.2)
A群鹿児島342/11,49566.0→83.7 (+17.7)63.8→82.2 (+18.4)68.6→76.7 (+8.1)83.7→85.1 (+1.4)
B群岩手183/10,21773.5→89.4 (+15.9)77.3→93.1 (+15.8)72.9→79.5 (+6.6)68.7→71.2 (+2.5)
B群福島278/12,54167.5→85.8 (+18.3)71.0→86.6 (+15.6)73.5→83.4 (+9.9)79.1→80.7 (+1.6)
B群秋田107/4,87767.5→83.4 (+15.9)74.5→88.2 (+13.7)74.1→84.5 (+10.4)76.9→78.6 (+1.7)
B′群山口134/6,96364.7→84.5 (+19.8)75.4→91.2 (+15.8)70.2→77.1 (+6.9)79.7→81.2 (+1.5)
B′群静岡888/32,77864.5→80.0 (+15.5)72.9→85.0 (+12.1)67.3→74.2 (+6.9)79.4→80.9 (+1.5)
C群宮城208/14,77964.9→86.8 (+21.9)80.8→93.0 (+12.2)94.5→93.2 (-1.3)87.0→87.8 (+0.8)
C群広島252/14,27584.9→95.7 (+10.8)73.8→88.5 (+14.7)68.4→74.6 (+6.2)85.1→86.4 (+1.3)
C群岡山173/9,38965.8→86.7 (+20.9)75.4→88.6 (+13.2)78.0→85.7 (+7.7)86.4→87.6 (+1.2)
C群栃木403/14,89459.9→80.5 (+20.6)64.6→82.6 (+18.0)78.5→84.5 (+6.0)77.8→79.1 (+1.3)
C群群馬371/14,51268.4→87.1 (+18.7)72.2→87.7 (+15.5)71.9→77.7 (+5.8)75.8→76.6 (+0.8)
C群愛媛186/9,11678.9→93.7 (+14.8)84.6→92.4 (+7.8)67.1→74.3 (+7.2)90.1→91.1 (+1.0)
参考沖縄891/36,31975.9→88.0 (+12.1)74.5→86.5 (+12.0)76.5→82.4 (+5.9)75.8→76.4 (+0.6)
参考北海道776/56,70873.8→85.8 (+12.0)77.0→85.6 (+8.6)66.9→73.0 (+6.1)72.3→73.5 (+1.2)
A群 九州7県平均2,041/86,35667.8→86.1 (+18.3)75.3→89.9 (+14.6)72.1→82.6 (+10.5)87.5→88.8 (+1.3)
B群 県制度平均568/27,63569.5→86.2 (+16.7)74.3→89.3 (+15.0)73.5→82.5 (+9.0)74.9→76.8 (+1.9)
B′群 市制度平均1,022/39,74164.6→82.2 (+17.7)74.2→88.1 (+13.9)68.8→75.7 (+6.9)79.6→81.1 (+1.5)
C群 支援なし平均1,593/76,96570.5→88.4 (+18.0)75.2→88.8 (+13.6)76.4→81.7 (+5.3)83.7→84.8 (+1.1)

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成。推定OCC(%)、括弧内はLT45からの伸び幅(pt)。施設/客室は10/24泊の観測母集団。鹿児島は在庫異常1施設を除外。11/21泊はLT45〜42の4観測点のみで参考値

県別に目を移すと、A群内部の散らばりが群間の差を上回る。10/24泊(LT14)では福岡96.3%・宮崎93.0%・佐賀91.6%・熊本91.2%が9割を超える一方、鹿児島は82.2%、長崎は86.6%で、同じ制度のもとで14.1ptの幅がある。C群も同様で、10/17泊(LT7)は広島95.7%・愛媛93.7%が九州のどの県よりも高く、栃木は80.5%にとどまる。11/7泊の宮城はLT45時点で94.5%とすでに満室圏にあり、支援の有無とは別の要因(大型イベントや団体需要)で土曜が埋まる県があることを示している。宮城の土曜がシティホテルとビジネスホテルで別の形のカーブを描いて埋まる様子は、宮城のシティ×ビジネス、10/17の45日前は推定OCC88.9% vs 59.4%が2026年10月17日泊を対象に業態別に追っている。

検証の出発点だった10/17泊の構図も確認しておきたい。LT45時点(9月初旬の観測)の水準は、A群平均67.8%に対しC群70.5%、沖縄75.9%、北海道73.8%で、九州が先行していたわけではない。A群の中では宮崎58.0%・佐賀59.5%が低く、そこからの伸び幅(宮崎+23.9pt、佐賀+26.2pt)は大きいが、群としてはLT7時点で86.1%とB群の86.2%に並んだだけで、C群の88.4%には届いていない。制度発表直後の数日間に九州の土曜が沖縄・山口との対照でどう動いたかは、九州応援割、発表3日で7県すべての土曜が加速 — 沖縄・山口と比較した実測が日次で追っている。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

平日カット — 差が出たのは11月の火曜だった

土曜で差が出ないなら、補助の原資はどこに向かったのか。同じ週の火曜と土曜を同じLTで並べると、10月と11月で景色が変わる。10/13(火)と10/17(土)をいずれもLT7の断面で比べた土日差(土曜OCC−火曜OCC)は、A群11.1pt・B群10.2pt・B′群10.1pt・C群12.9ptで、九州の平日が特別に埋まっているわけではない。10/13泊の直近LT3時点の水準もA群79.4%に対しC群82.2%・B群82.4%で、九州はB′群(79.3%)と並んで最も低い。鹿児島の制度が10/14開始で10/13泊は対象外だったこと、他6県も予約開始が9月後半で平日需要を動かすには日が浅かったことが背景にあるとみられる。

一方で11/10(火)と11/7(土)をLT31で比べると、土日差はA群10.9pt・B群17.6pt・B′群13.1pt・C群16.6ptとなり、九州だけが平日と土曜の開きを小さく保っている。11/10泊の直近LT31時点の水準はA群70.4%に対しC群64.2%・B群63.4%・B′群61.4%で、土曜ではほぼ消えていた群間差が平日では+6.2pt開いた。ここまでを整理すると、「同時期に、九州の11月平日が他群より先に埋まっている」ことまでは言える。ただし、それが補助の効果なのか、11月の九州に固有の需要(紅葉・修学旅行・イベント)なのかは、この断面だけでは切り分けられない。10月に需要が寄る分だけ11月・12月の先付けが緩むのかという問いは、九州応援割は対象7県・10月1日から — 11月の在庫消化は10月と同水準、12月はまだ読めないが発表直後の断面で整理している。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

平日に残っている在庫を室数で見ると、運営側が使える規模が見えてくる。11/10泊のLT31時点の残室は次の通りである。

表3 同じ週の火曜・土曜の推定OCCと11/10泊の残室(同一LT断面、2026年10月11日観測)
群県10/13(火)LT710/17(土)LT7土日差11/10(火)LT3111/7(土)LT31土日差11/10残室(LT31)
A群福岡80.9%90.0%9.1pt69.2%82.7%13.5pt9,024室 / 29,314室
A群佐賀75.6%85.7%10.1pt78.1%82.3%4.2pt945室 / 4,318室
A群長崎78.7%82.7%4.0pt74.7%81.3%6.6pt2,766室 / 10,938室
A群熊本77.9%90.5%12.6pt76.5%85.5%9.0pt3,043室 / 12,937室
A群大分71.7%88.1%16.4pt71.2%85.2%14.0pt3,048室 / 10,565室
A群宮崎70.3%81.9%11.6pt57.3%76.7%19.4pt2,829室 / 6,624室
A群鹿児島70.0%83.7%13.7pt65.6%75.1%9.5pt3,966室 / 11,514室
B群岩手78.7%89.4%10.7pt62.4%77.2%14.8pt3,828室 / 10,191室
B群福島72.2%85.8%13.6pt65.4%82.2%16.8pt4,432室 / 12,816室
B群秋田77.0%83.4%6.4pt62.4%83.7%21.3pt1,842室 / 4,904室
B′群山口75.3%84.5%9.2pt62.5%76.1%13.6pt2,614室 / 6,963室
B′群静岡68.9%80.0%11.1pt60.3%73.0%12.7pt13,041室 / 32,873室
C群宮城75.4%86.8%11.4pt66.3%92.9%26.6pt4,964室 / 14,748室
C群広島81.6%95.7%14.1pt67.7%73.6%5.9pt4,623室 / 14,321室
C群岡山77.5%86.7%9.2pt63.9%84.2%20.3pt3,386室 / 9,390室
C群栃木70.1%80.5%10.4pt60.7%83.3%22.6pt5,849室 / 14,879室
C群群馬72.8%87.1%14.3pt58.5%77.2%18.7pt5,968室 / 14,388室
C群愛媛75.6%93.7%18.1pt67.8%73.1%5.3pt2,934室 / 9,125室
A群 九州7県平均75.0%86.1%11.1pt70.4%81.3%10.9pt25,621室 / 86,210室
B群 県制度平均76.0%86.2%10.2pt63.4%81.0%17.6pt10,102室 / 27,911室
B′群 市制度平均72.1%82.2%10.1pt61.4%74.5%13.1pt15,655室 / 39,836室
C群 支援なし平均75.5%88.4%12.9pt64.2%80.7%16.6pt27,724室 / 76,851室

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成。火曜・土曜とも同一LTの観測点で比較。残室は主要予約サイト掲載在庫ベース(鹿児島は在庫異常1施設を除外)

A群7県の11/10泊はLT31時点で25,621室(母集団86,210室の29.7%)が残り、C群6県は27,724室(同36.1%)である。福岡の9,024室、鹿児島の3,966室、熊本・大分の約3,000室という平日在庫は、12月中旬〜下旬まで続く応援割の期間中に販売責任者が設計できる余地として読める。土日差が最も小さいのは佐賀(4.2pt)で、土曜がLT31時点で82.3%、火曜も78.1%と平日まで埋まり始めている。逆に宮崎は土日差19.4ptで、土曜76.7%に対し火曜57.3%と、週末から先に消化が進む典型的な形をしている。

読み方と示唆 — 「うちの県にも支援は要るのか」への答え方

本稿が示せたのは次の3点にとどまる。第一に、10〜11月の土曜に関しては(参考値の11/21泊を除き)、国の支援がある九州と支援が確認できない6県の推定OCCは同じLT断面で2pt台以内の差しかなく、「支援がない県でも同じくらい伸びている」。第二に、11月の平日では九州が支援のないC群より+6.2pt高い水準にあり、土日差も10.9ptと最も小さい。第三に、群内の県差(九州では10/24泊で14.1pt、C群では10/17泊で15.2pt)は群間差より一桁大きく、支援の有無より県固有の需要構造が水準を決めている。

複数県に展開する運営会社の販売責任者にとっての含意は、土曜は支援の有無にかかわらず埋まる前提で単価を守り、支援県では平日に原資を振り向ける設計が有効といえる点にある。応援割の割引は土曜にも平日にも同率でかかるが、土曜は支援がなくても9割近くまで埋まる以上、割引が価値を生むのは平日である。自治体・DMOの観光振興担当にとっては、「土曜の稼働を上げる」目的で宿泊割を設計すると他県との差が出にくく、平日限定(下関市型)や閑散月限定に絞るほうが同じ原資で可視的な差を作りやすい、という読み方ができる。九州以外の県の宿の経営者には、支援がなくても秋の土曜は同じ水準まで埋まっているという事実そのものが、支援を待つより平日商品(連泊・1名利用・早割)を整える判断材料になるだろう。

最後に留保を記しておく。本稿の推定OCCはOTA掲載在庫の消化状況に基づく推定値で、直販・団体・法人契約の在庫は含まない。鹿児島は在庫異常の1施設を除外して再集計したが、それでも観測母集団は各県の全施設ではない。11/21泊はLT45〜42の4観測点しかなく参考値である。10/10(土)は観測時点で宿泊日を過ぎており、10/13(火)は直近LT3のため、本稿では10/13を平日比較にのみ用いた。そして繰り返しになるが、「同時期に伸びた」以上のことを本稿は主張していない。

⚠ 将来日程の推定OCCに関する注意:本記事の推定OCCは2026年10月11日時点でOTAに掲載されている販売在庫の消化状況から算出した途中経過であり、チェックイン日に近づくにつれて予約・キャンセル・在庫の追加で変動します。特に11/7・11/10・11/21泊は観測区間が短く、LT45時点の水準とあわせて「進行中の予約状況」として読んでください。

よくある質問

Q. 九州ふっこう応援割は効果がなかったということですか。
A. そうは言えません。本記事が示したのは「10〜11月の土曜の推定OCCは、支援が確認できない県とほぼ同じ水準・同じ伸び幅だった」という観測結果で、11月平日では九州が高い水準にあります。割引が単価・客層・滞在日数に与えた影響や、支援がなかった場合の九州の水準は本記事では検証していません。

Q. B群に北海道や新潟が入っていないのはなぜですか。
A. 2026年10月10〜11日時点で、10〜11月宿泊分を対象とする実施回が自治体公式ページで確認できた制度だけを採用したためです。確認できなかった制度は群に入れず、北海道は参考値として県別表にのみ掲載しています。

Q. 推定OCCと観光庁の客室稼働率はどう違いますか。
A. 推定OCCは主要予約サイトに掲載された在庫の消化状況から算出した推定値で、直販・団体・法人契約の在庫は含みません。観光庁「宿泊旅行統計調査」の客室稼働率は施設への調査に基づく実績値で、定義も母集団も異なります。月次の実績を論じる際は観光庁統計を参照してください。

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参考資料・出典一覧

■ データソース

メトロエンジンリサーチの都道府県別ブッキングカーブ(主要予約サイトに掲載された販売在庫の残室推移、観測時点 2026年10月11日)。対象はA〜C群18県の計5,224施設・230,697室(10/24泊の観測母集団)と、参考の沖縄・北海道。支援制度の実施状況と対象期間は、各自治体の公式ページ・公式発表(2026年10月10〜11日確認)による。

■ 試算前提

推定OCCは「1 − 掲載残室数 ÷ 対象施設の総客室数」。各宿泊日をLT45時点と直近観測LT(10/17泊=LT7、10/24泊=LT14、11/7泊=LT28、11/21泊=LT42)の2点で読み、平日比較は同じ週の火曜と土曜を同一LT(10/13・10/17泊=LT7、11/10・11/7泊=LT31)で並べた。群の推定OCCは構成県の値の単純平均で、客室数による加重はしていない。残室数と母集団に対する比率は構成県の合計による。

■ 限界・留意点

OTA掲載在庫の消化状況に基づく推定値であり、直販・団体・法人契約の在庫は含まず、実稼働率とは定義が異なる。宿泊日前の値は途中経過で、予約・キャンセル・在庫の追加で変動する。11/21泊はLT45〜42の4観測点のみの参考値。鹿児島は在庫異常の1施設を除いて集計した。B′群は1市の制度が県の観測母集団の一部にかかるだけで、C群は「10〜11月宿泊分の宿泊割引が確認できなかった県」を指す。群間の差は同時期の観測結果であり、補助の因果効果を示すものではない。

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