津田沼駅の北口、船橋市前原西2丁目で、株式会社東横インが地上14階・238室のホテルを建てる計画が進んでいる。完成予定は2028年5月31日。ここは2024年10月まで「東横INN津田沼駅北口」(約180室)が営業していた場所で、建て替えにより客室を約1.3倍に増やして駅前に戻る。本稿では、駅2km圏の供給、1.5km圏の居住人口、周辺市の推定成約ADR、船橋市・習志野市の完売観測を重ね、この238室が受け止めうる需要を検証する。
本記事における指標の定義
- ADR(平均客室単価):各施設がOTA上で公開する最安プラン水準(2名1室利用時・1室あたり料金・税込)に業態別の補正係数を適用して算出した推定成約単価(税抜相当)。上場ホテルREITが開示する物件別実績との照合(91施設・直近3ヶ月間)で誤差中央値は約7%。推定値であり、各施設の実際の成約価格・会計数値とは異なります。エリア単位のADRは対象施設の中央値(エリアの標準的な施設の水準)。
- OCC(稼働率):エリア内の総客室数に対する販売済み客室数の割合(OTA販売在庫に基づく推定値、REIT月次公表値との整合性検証で概ね数pt 程度の精度を確認済)。OTA上で販売される在庫の消化状況に基づく推定値であり、施設全体の実稼働率とは異なります(掲載外の客室を消化済み側に数えるため高めに出ます)。
- ブッキングカーブ:チェックイン日に向けたOTA残室数の推移。LT(リードタイム)=チェックイン日までの日数。本稿ではLT45〜LT1のみを用います。
- 完売観測:LT45〜LT1のいずれかの観測時点で、施設の残室数が0室になった宿泊日。対象はOTA公開枠が総客室の30%以上の施設に限ります。
- データ出典:メトロエンジンリサーチ。掲載価格に言及する箇所は2名1室利用時の1室あたり料金(税込)です。
- — 238室・地上14階の東横インが津田沼駅北口(船橋市前原西2-615)で2028年5月31日完成予定。2024年10月閉館の旧施設(約180室)を建て替え、客室を約1.3倍にする。
- — 駅2km圏で価格観測のある宿泊主体の施設は3施設231室。新施設は1棟でこれとほぼ同規模(約1.03倍)の客室を加える。
- — 1.5km圏の居住人口は2025年105,468人、2040年は111,847人(2020年比+10.0%)の推計。オフィス系従業者は1km圏の12.0%にとどまる住宅の駅。
- — 船橋・習志野12施設(1,086室)では2026年5月8日〜9月22日の土曜日20日中19日で4施設以上が完売。研修施設を加えた13施設でも同じ19日。
- — 船橋市の推定成約ADRは約9,500円(2025年9月〜2026年8月平均)。238室の年間客室売上は稼働80%で約661百万円、稼働×ADRの2軸では約509〜988百万円。
前原西2丁目の建て替え計画 — 約180室から238室へ
計画地は千葉県船橋市前原西2-615。JR総武線・津田沼駅の北口から御成街道沿いに徒歩数分の位置にあたる。国土交通省の建築計画情報によると、建築主は株式会社東横イン、用途はホテル、新築・地上14階、延床面積4,355.99㎡、客室数238室で、着工は2026年6月、完成は2028年5月31日を予定する。地元の報道でも2026年4月に現地へ建築計画のお知らせが掲示されたことが伝えられている。
同じ場所では「東横INN津田沼駅北口」が営業していた。2024年8月から改装のための休館に入り、同年10月31日をもって営業を終えた後、建物は解体されている。報道ベースの旧客室数は約180室で、新施設はこれを約60室上回る。延床を客室数で割った1室あたりの延床は約18.3㎡。共用部を絞り客室を積み上げる、駅前宿泊特化型の典型的な設計である。駅前の同じ敷地で客室を約1.3倍にして再出発する計画であり、同チェーンが進める「駅前に供給を積む」成長戦略の一例といえる。建て替えで客室を積み増す際の解体費と容積の考え方は、ホテル建替えの解体費と容積の分析も参考になる。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | 千葉県船橋市前原西2-615(津田沼駅北口側) |
| 建築主 | 株式会社東横イン |
| 規模 | 地上14階・延床面積4,355.99㎡ |
| 客室数 | 238室(旧施設は約180室) |
| 着工/完成予定 | 2026年6月/2028年5月31日 |
| 1室あたり延床 | 約18.3㎡(延床÷客室数) |
出典:国土交通省「建築物動態統計調査」よりメトロエンジンリサーチ&コンサルティング作成、旧施設の客室数は報道による
駅2km圏の供給 — 宿泊主体は3施設231室、238室はほぼ同規模
津田沼駅は駅舎の北側が船橋市、南側が習志野市にまたがる。行政区分で船橋市だけを見ると駅前の供給を取りこぼすため、本稿では駅を中心とする半径で供給を数えた。対象は、メトロエンジンリサーチが把握する施設のうち、直近3か月(2026年6月23日〜9月22日)にOTA上で価格の観測がある施設である。
半径2km圏で条件を満たすのは5施設283室。このうち2施設52室はレジャーホテルで、残る宿泊主体の施設は、駅直結のJR東日本ホテルメッツ津田沼(81室・習志野市)、2020年開業のベッセルイン京成津田沼駅前(92室・習志野市)、北口のカプセルホテル(58室・船橋市)の3施設231室である。238室の計画は、この宿泊主体ストックとほぼ同規模(約1.03倍)の客室を1棟で加えることになる。完成後の宿泊主体客室は469室となる計算だ。
2km圏の外側に目を向けると、約2.8〜2.9km先の幕張本郷駅周辺に客室150〜180室規模のビジネスホテルが集まり、習志野市茜浜には研修施設併設型のホテルがある。津田沼駅前は、船橋駅・西船橋駅と幕張本郷駅の間で、宿泊主体の客室が相対的に薄い区間だったといえる。
出典:メトロエンジンリサーチ&コンサルティング(OTA掲載確認ベース、直近3か月に価格観測のある施設)/国土交通省「建築物動態統計調査」
出典:メトロエンジンリサーチ&コンサルティング(円の大きさ=客室数、赤=計画地)
千葉県内で確認申請が出ているホテル計画は、メトロエンジンリサーチが把握する範囲で5件ある。うち2件は浦安市(750室・126室、いずれも2026年完成予定)、1件は千葉市美浜区ひび野の幕張新都心(1,000室・地上23階、2027年12月完成予定)で、湾岸の大型案件が中心だ。津田沼の238室は、住宅地の駅前に置かれる数少ない案件のひとつである。このうち幕張新都心の1,000室計画がどのような前提で吸収されうるかは、海浜幕張駅前1,000室・総投資300億円の複合開発で詳しく分析している。
| 所在地 | 客室数 | 階数 | 完成予定 |
|---|---|---|---|
| 浦安市千鳥 | 750室 | 14階 | 2026年2月 |
| 浦安市千鳥 | 126室 | 13階 | 2026年3月 |
| 千葉市美浜区ひび野(幕張新都心) | 1,000室 | 23階 | 2027年12月 |
| 船橋市前原西(津田沼駅北口) | 238室 | 14階 | 2028年5月 |
| 八街市 | 50室 | 5階 | 2025年3月 |
出典:国土交通省「建築物動態統計調査」よりメトロエンジンリサーチ&コンサルティング作成。※調査時点での確認申請ベース。今後の申請追加により件数・客室数は増加する見込みであり、現時点での確定パイプラインの下限値として参照。
居住の厚い駅 — 1.5km圏10.5万人、2040年まで増える推計
津田沼駅の性格を決めているのは、オフィスではなく住宅である。国土交通省 国土数値情報の250mメッシュ別将来推計人口によると、駅を中心とする半径1.5km圏の居住人口は2020年の101,669人から2025年に105,468人へ増え、2040年には111,847人(2020年比+10.0%、2025年比+6.0%)に達する見込みだ。2025年の年齢構成は、15〜64歳の生産年齢人口が73,037人(69.3%)、65歳以上が17,975人(17.0%)と若い。首都圏郊外で2040年に向けて人口が増える駅は多くない。
出典: 国土交通省 国土数値情報(250mメッシュ別将来推計人口・R6国政局推計)(半径1.5km・250mメッシュ108セル、居住人口であり滞在人口ではない)
一方、就業の集積は中程度にとどまる。総務省・経済産業省「経済センサス-活動調査」(2021年)では、駅から半径1km圏に事業所1,686・従業者22,035人があり、うち情報通信・金融・専門サービスなどオフィス系の従業者は2,650人(12.0%)。商業・医療・教育を中心とする生活圏型の就業構造で、都心のようなオフィス出張の集積を当てにする立地ではない。
居住の厚い駅に置かれるホテルは、平日の出張需要に加えて、周辺住民を訪ねる来訪者の宿泊(VFR:帰省・親族訪問)、冠婚葬祭、住宅の建て替え・リフォーム時の仮住まい、受験や入学・転居の下見といった「住民起点」の需要を拾いやすい。10万人規模の居住人口が2040年まで増え続けることは、こうした需要の母数が細らないことを意味する。さらに駅南口には千葉工業大学の津田沼キャンパス(駅から徒歩1分)があり、北口からバスで約11分の場所には日本大学生産工学部の津田沼キャンパスがある。学会・入試・オープンキャンパスなど、大学に紐づく宿泊も季節的に発生する。
地価 — 駅前商業地は前年比+9.9%
国土交通省の令和8年地価公示では、計画地に近い標準地「船橋5-6」(前原西2-13-13、商業地)が1㎡あたり156万円で、前年の142万円から+9.9%上昇した。駅南口側の「習志野5-2」(津田沼1-2-23、商業地)は190万円で+11.8%である。市全体の商業地平均変動率は船橋市が+9.6%で千葉県内3位、習志野市は+7.1%で、県平均の+5.8%をいずれも上回る。駅前の土地の値上がりが続くなかで、ホテルとして使われてきた駅前の敷地を建て替えて客室を積み増す計画は、希少な駅前立地を生かした供給の積み方といえる。
| 標準地(用途) | 所在 | 令和7年 | 令和8年 | 変動率 |
|---|---|---|---|---|
| 船橋5-6(商業地) | 船橋市前原西2-13-13 | ¥1,420,000/㎡ | ¥1,560,000/㎡ | +9.9% |
| 船橋5-7(商業地) | 船橋市前原西2-32-10 | ¥367,000/㎡ | ¥403,000/㎡ | +9.8% |
| 習志野5-2(商業地) | 習志野市津田沼1-2-23 | ¥1,700,000/㎡ | ¥1,900,000/㎡ | +11.8% |
出典:国土交通省「令和8年地価公示」(千葉県「令和8年地価公示 価格一覧」「市区町村別平均変動率順位表」)
単価 — 船橋市の推定成約ADRは9,500円、習志野市側は1.3倍
メトロエンジンリサーチの推定成約ADRを2025年9月〜2026年8月の12か月平均で比べると、船橋市は約9,500円(N=11〜14施設)で、千葉県全体(約10,100円、N=403〜423施設)をやや下回る。周辺では市川市が約10,200円(N=7〜8)、八千代市が約8,400円(N=4)で、船橋市はこの帯の中ほどに位置する。駅南口側を含む習志野市は約12,600円と高いが、対象が2〜3施設しかないため参考値にとどめたい。幕張新都心を含む千葉市美浜区は約13,400円(N=12〜13)、舞浜を含む浦安市は約23,900円(N=29〜30)である。
出典:メトロエンジンリサーチ&コンサルティング作成(推定成約ADR・2025年9月〜2026年8月の月次値の単純平均、Nは月ごとの対象施設数の範囲)
津田沼から舞浜までは電車で30分前後、幕張新都心の海浜幕張までは乗り換えを含めて30〜40分ほどで着く。浦安市の単価が船橋市の約2.5倍、美浜区が約1.4倍という差は、イベントやテーマパークの開催日に「少し離れた駅で泊まる」前泊・後泊の動機になる。船橋市の月次推移を年ごとに重ねると、2026年は3〜5月に1万円前後まで上がり、2025年の同じ月を上回った。12か月平均は前年同期(約8,000円)比で+19.3%だが、この間に対象施設数が13〜15施設から11〜14施設へ入れ替わっており、構成の変化を含む数字として幅をもって見る必要がある。千葉県全体の同期間の伸びは+4.9%だった。
出典:メトロエンジンリサーチ&コンサルティング作成(船橋市・推定成約ADR、確定月のみ)
需給 — 船橋・習志野の12施設で週末はほぼ毎週完売
津田沼駅周辺の宿泊需要が既存の客室で受け止めきれているかを、船橋市・習志野市の完売観測で確かめた。対象は、両市のOTA掲載施設のうちOTA公開枠が総客室の30%以上ある12施設・1,086室(主要予約サイト掲載ベース、船橋市10施設・習志野市2施設)。2026年5月8日〜9月22日の宿泊日138日について、LT45〜LT1の残室推移を施設ごとに集計した。
12施設の選び方を補足しておく。両市でOTA公開枠が総客室の30%以上ある宿泊施設は15施設あり、ここからレジャーホテル1施設、研修施設1施設、観測日が期間の約半分(138日中74日)にとどまる1施設を除いた。除いた施設を戻しても結論は変わらない。研修施設を加えた13施設・1,260室で数え直すと、少なくとも1施設が完売した日は138日中123日、4施設以上が完売した土曜日は20日中19日、土曜日の1日あたり完売施設は7.6施設で、9月20日は13施設すべてが完売していた。
結果は明瞭だった。138日のうち118日で、12施設の少なくとも1施設が残室0に達している。土曜日は20日のうち19日で4施設以上が完売し、1日あたり平均7.1施設が売り切れた。月〜木曜でも平均2.4施設が完売しており、平日にも需要が既存の客室からあふれる日がある。12施設のうち6施設以上が完売した日は28日あり、そのうち14日が土曜日だった。
出典:メトロエンジンリサーチ&コンサルティング作成(対象12施設/客室1,086室、主要予約サイト掲載ベース、OTA公開枠30%以上の施設)
もっとも強かったのは9月19日(土)と20日(日)で、19日は12施設中11施設、20日は12施設すべてが完売した。この2日は幕張メッセで開かれた東京ゲームショウ2026の一般公開日(主催者発表の会期は9月17日〜21日、うち21日は中止)で、シルバーウィークの連休とも重なる。12施設のうち11施設は宿泊日の45日以上前から完売しており、LT45時点の推定OCCはすでに94%台にあった。幕張の大型イベントの宿泊が、会場から電車・バスで20〜30分圏の船橋・津田沼方面にまで広がっていることを示す。会期5日間をビジネスデイと一般公開日に分けた千葉県全体の完売施設率の動きは、東京ゲームショウ2026と千葉県の宿泊需要が掘り下げている。
ブッキングカーブで比べると、6〜8月の12施設の推定OCCはLT45で64.2%、LT1で85.4%だった。千葉県全体のビジネスホテル(80〜85施設/客室約1.0万室、同じく主要予約サイト掲載ベース)はLT45で55.8%、LT1で84.7%で、船橋・習志野は早い段階から埋まっている。土曜日に限ると、LT45で72.5%、LT1で90.9%に達する。
出典:メトロエンジンリサーチ&コンサルティング作成(船橋・習志野=対象12施設/客室1,086室、千葉県ビジネスホテル=80〜85施設/客室約1.0万室、いずれも主要予約サイト掲載ベース・2026年6〜8月の宿泊日平均)
| 曜日 | 宿泊日数 | LT45の推定OCC | LT1の推定OCC | 1日あたり完売施設 |
|---|---|---|---|---|
| 月〜木 | 78日 | 63.8% | 86.2% | 2.4施設 |
| 金 | 20日 | 69.6% | 88.5% | 3.2施設 |
| 土 | 20日 | 74.5% | 92.4% | 7.1施設 |
| 日 | 20日 | 68.9% | 84.0% | 2.3施設 |
出典:メトロエンジンリサーチ&コンサルティング作成(対象12施設/客室1,086室、主要予約サイト掲載ベース、2026年5月8日〜9月22日の宿泊日。推定OCCは観測がそろう日の平均)
船橋・習志野の上場ホテルREITの保有物件は、上場ホテルREIT7社が開示する保有物件(計302物件、2026年9月21日時点)には含まれず、県内の保有物件は浦安市・千葉市・成田市に所在する。この駅の宿泊需要は、主に独立系と駅前型チェーンが担ってきた市場といえる。
238室の受け皿の大きさ — 年間約8.7万室泊
238室の客室は、1年間に最大86,870室泊を供給する。下の表は、稼働の水準ごとに年間に埋まる室泊数と、船橋市の推定成約ADR(12か月平均・約9,500円)を当てはめた客室売上の規模感を示した簡易試算である。既存の宿泊主体3施設231室の年間供給は約8.4万室泊で、新施設は駅2km圏の宿泊主体の受け皿をほぼ倍にする。
| 稼働の水準(仮定) | 年間の販売室泊数 | 客室売上の規模(ADR 9,512円) |
|---|---|---|
| 70% | 60,809室泊 | 約578百万円 |
| 80% | 69,496室泊 | 約661百万円 |
| 85% | 73,840室泊 | 約702百万円 |
| 90% | 78,183室泊 | 約744百万円 |
出典:メトロエンジンリサーチ&コンサルティング作成(簡易試算。稼働は仮定値で、推定成約ADRは船橋市の中央値ベース。実際の事業計画とは異なる)
稼働とADRの両方を振ると、規模感の幅はさらに広がる。ADRには周辺市の推定成約ADR(12か月平均)を当てはめた。最も低い組み合わせ(稼働70%・八千代市水準)は約509百万円、最も高い組み合わせ(稼働90%・習志野市水準)は約988百万円で、船橋市水準・稼働80%の約661百万円を中心に上下に約23%〜49%の幅がある。ADRが船橋市水準から千葉県全体の水準に上がる効果(+6.7%)は、稼働を5pt引き上げる効果(80%→85%で+6.3%)とほぼ同じ大きさである。
| 稼働の水準\ADR | 八千代市 8,375円 |
船橋市 9,512円 |
千葉県全体 10,148円 |
市川市 10,228円 |
習志野市 12,634円 |
|---|---|---|---|---|---|
| 70% | 約509百万円 | 約578百万円 | 約617百万円 | 約622百万円 | 約768百万円 |
| 75% | 約546百万円 | 約620百万円 | 約661百万円 | 約666百万円 | 約823百万円 |
| 80% | 約582百万円 | 約661百万円 | 約705百万円 | 約711百万円 | 約878百万円 |
| 85% | 約618百万円 | 約702百万円 | 約749百万円 | 約755百万円 | 約933百万円 |
| 90% | 約655百万円 | 約744百万円 | 約793百万円 | 約800百万円 | 約988百万円 |
出典:メトロエンジンリサーチ&コンサルティング作成(簡易試算。238室×365日×稼働×ADR。ADRは各市区の推定成約ADR・2025年9月〜2026年8月の月次値の単純平均。習志野市は対象2〜3施設の参考値。稼働は仮定値で、実際の事業計画とは異なる)
吸収の手がかりになるのは、先に見た完売観測である。12施設のうち毎週末7施設前後が売り切れ、幕張の大型イベント日には全施設が完売する状態は、既存の客室では受け止めきれない需要が週末に周期的に発生していることを示す。238室は、このあふれた需要を駅前で受け止める器になる。平日は、住民起点の来訪需要、大学関連の宿泊、市内の医療・商業に関わる業務出張が下支えする構図が考えられる。
まとめ — 住宅の駅に積む供給、3つの需要の取り込み方
住民起点の来訪(VFR)
1.5km圏の居住10.5万人(2025年)、2040年は2020年比+10.0%。帰省・親族訪問・冠婚葬祭・転居の下見など、人口に比例する需要の母数が細らない。
大学・学会
千葉工業大学(駅南口徒歩1分)と日本大学生産工学部(北口からバス約11分)。入試・学会・オープンキャンパスの季節需要。
舞浜・幕張の前泊
浦安市の推定成約ADRは船橋市の約2.5倍、美浜区は約1.4倍。東京ゲームショウ一般公開日の9月20日は船橋・習志野の12施設すべてが完売。
津田沼駅北口の238室は、約180室の旧施設を建て替え、客室を約1.3倍に増やして駅前に戻る計画である。駅2km圏の宿泊主体の客室は3施設231室で、新施設はこれとほぼ同規模の受け皿を1棟で加える。1.5km圏の人口は2040年まで増え続ける推計で、就業の集積は中程度にとどまる一方、居住の厚さに支えられた来訪需要と大学需要、舞浜・幕張への前泊需要が重なる。船橋・習志野の12施設では土曜日の9割超で4施設以上が完売しており、週末にあふれている需要を駅前で受け止める余地は大きい。2028年5月の完成に向けて、駅前に供給を積む成長戦略がこの住宅の駅でどう需要を広げるかが注目される。
データに関する注意:建築計画は調査時点での確認申請ベースで、完成時期・客室数は変更される場合があります。推定OCC・完売観測は主要予約サイトの掲載在庫に基づく推定値で、掲載外の客室(直販・団体・旅行会社枠など)は含みません。完売観測はOTA公開枠の中での残室0を意味し、施設全体の満室を意味しない場合があります。宿泊日の45日超前の観測は掲載枠が積まれる前の状態を含み、予約進捗を表さない場合があります(対象12施設・観測カバレッジ100%)。
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参考資料・出典一覧
■ データソース
建築計画は国土交通省「建築物動態統計調査」の建築計画情報(確認申請ベース)。周辺供給は、メトロエンジンリサーチが把握する施設のうち津田沼駅から半径2km圏で2026年6月23日〜9月22日にOTA上の価格観測がある施設。推定成約ADRは市区町村別の月次値(2024年9月〜2026年8月)、完売観測・推定OCCは船橋市・習志野市12施設(1,086室)の宿泊日別の残室推移(2026年5月8日〜9月22日の138日、LT45〜LT1)。人口は国土数値情報の250mメッシュ別将来推計人口(半径1.5km・108セル)、就業は経済センサス-活動調査(2021年、半径1km)、地価は令和8年地価公示。
■ 試算前提
年間の販売室泊数=238室×365日×稼働(70〜90%の仮定値)。客室売上の規模=販売室泊数×推定成約ADR(船橋市は12か月平均9,512円。表6は八千代市8,375円〜習志野市12,634円の5水準)。費用・NOI・利回りは試算していない。12施設の対象は、OTA公開枠が総客室の30%以上ある両市の15施設から、レジャーホテル・研修施設・観測日が期間の約半分の施設を各1除いたもの。
■ 限界・留意点
推定成約ADR・推定OCC・完売観測はOTA掲載在庫に基づく推定値で、直販・団体枠を含まない。習志野市のADRは対象2〜3施設の参考値。船橋市の前年比+19.3%は対象施設の入れ替わりを含む。推定OCCは観測がそろう宿泊日の平均で、集計日の取り方により±1pt程度動く。建築計画の客室数・完成時期は変更されうる。人口は居住人口であり滞在人口ではない。
■ 市場データ
- メトロエンジンリサーチ&コンサルティング — 推定成約ADR(市区町村別)、推定稼働率(OCC)・ブッキングカーブ、完売観測(船橋市・習志野市12施設/客室1,086室)、周辺供給(OTA掲載確認ベース)
■ 政府統計・公的データ
- 国土交通省「建築物動態統計調査」(建築計画情報)
- 国土交通省 国土数値情報(250mメッシュ別将来推計人口)
- 総務省・経済産業省「経済センサス-活動調査」(2021年)
- 千葉県「令和8年地価公示」(価格一覧・市区町村別平均変動率順位表)
- 千葉県「令和8年地価公示について(報道発表)」
■ ニュース・公式情報
