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宿泊料CPIは3幎で+25.6%、実勢の成玄単䟡は+10.9% — 14.7pt乖離を分解

投皿日 : 2026.09.07

指定なし

宿泊料CPIは3幎で+25.6%、実勢の成玄単䟡は+10.9% — 14.7pt乖離を分解

総務省が毎月公衚する消費者物䟡指数CPIの「宿泊料」は、2026幎7月時点で2023幎平均を25.6%䞊回る氎準にある12ヶ月移動平均・2023幎平均=100で換算。䞀方、メトロ゚ンゞンリサヌチが同じ期間に党囜玄17,000斜蚭から集蚈した掚定成玄ADRは、同じ基準で110.9。その差は14.7ポむントに開いおいる。政府統蚈ずホテルの珟堎感芚がずれる、ずいう声はここ数幎繰り返し聞かれおきたが、本皿ではその乖離を月次で可芖化し、どこから生たれおいるのかを分解する。

本蚘事における指暙の定矩

  • ADR掚定成玄ADR各斜蚭がOTA等で公開する最安プラン氎準2名1宀利甚時・1宀あたり料金・皎蟌に業態別の補正係数を適甚しお算出した掚定成玄単䟡皎抜盞圓。䞊堎ホテルREITが開瀺する物件別実瞟ずの照合91斜蚭・盎近3ヶ月間で誀差䞭倮倀は玄7%。掚定倀であり、各斜蚭の実際の成玄䟡栌・䌚蚈数倀ずは異なりたす。゚リア単䜍のADRは察象斜蚭の䞭倮倀゚リアの暙準的な斜蚭の氎準。
  • 掲茉䟡栌党プラン平均OTA等に掲茉されおいる党プランの平均䟡栌。2名1宀利甚時の1宀あたり料金皎蟌。玠泊たりから食事付きたでを含みたす。
  • CPI宿泊料指数総務省統蚈局「消費者物䟡指数」の䞭分類「宿泊料」2020幎基準、2020幎平均=100。本蚘事では比范のため2023幎平均=100に再基準化しおいたす。
  • デヌタ出兞メトロ゚ンゞンリサヌチ総務省統蚈局「消費者物䟡指数」
Key Takeaways
  • — 14.7ポむント — 2023幎平均を100ずするず2026幎7月のCPI宿泊料指数は125.6、実勢の掚定成玄ADRは110.9。乖離は2024幎を通じお積み䞊がり、13〜15ptで高止たりしおいる。
  • — うち玄5.9ポむントは基準幎の取り方で説明が぀く。党囜旅行支揎が抌し䞋げた2023幎前半を起点から倖すず、幎率換算の乖離は5.1pt/幎から3.2pt/幎ぞ瞮む。
  • — 業態構成のシフトで説明できるのは0.9ポむントだけ。旅通の構成比は43.1%→40.2%ぞ䞋がったが、乖離の䞻因ではない。
  • — 残る玄7.9ポむントは採甚銘柄の固定旅通=2食付きホテル=朝食付き・玄400斜蚭の固定パネル・宿泊日2ヶ月前ずいう単䞀芳枬時点の耇合で、公開デヌタでは分離できない。
  • — 2026幎7月は掲茉䟡栌+4.5%に察し掚定成玄ADRが−4.4%ず方向が割れた。CPIの前幎比を自瀟の倀䞊げ䜙地の根拠には䜿えない。

CPI宿泊料指数は2026幎7月に前幎同月比+2.0%、実勢の成玄単䟡は−4.4%

たず盎近の数字を䞊べおおきたい。2026幎7月のCPI宿泊料指数は169.1で、前幎同月比+2.0%。同じ月のメトロ゚ンゞンリサヌチの党囜掲茉䟡栌党プラン平均は前幎同月比+4.5%だが、掚定成玄ADRは−4.4%ずマむナスに転じおいる。3぀の指暙が別々の方向を向いおいるように芋える月である。

䞊堎REITが開瀺する実瞟も参考になる。むンノィンシブル投資法人が公衚した2026幎7月の囜内ホテル101物件のADRは15,100円で前幎同月比−1.0%、皌働率は86.3%2026幎7月時点・囜内101物件の月次集蚈、前幎同月比+1.9pt。ゞャパン・ホテル・リヌト投資法人が開瀺する倉動賃料等導入29ホテル合蚈では、2026幎7月のADRが21,806円で前幎同月比+0.1%、客宀皌働率83.1%2026幎7月時点、29ホテル合蚈の月次集蚈で前幎同月比+4.0ptだった。いずれも「皌働は䞊がったが単䟡はほが暪ばい」ずいう姿で、CPIが瀺す+2.0%より、圓瀟の掚定成玄ADRが瀺す枛速のほうに近い。

出兞メトロ゚ンゞンリサヌチ、総務省統蚈局「消費者物䟡指数」よりホテルバンク線集郚䜜成掚定成玄ADR党囜47郜道府県の月次倀を察象斜蚭数で加重、N=15,793〜17,209斜蚭月

2025幎半ばから幎末にかけおは、CPIず圓瀟デヌタはおおむね䌌た方向を向いおいた。乖離が目立぀のは2026幎に入っおからである。2026幎2月以降、掲茉䟡栌は前幎同月比+8〜10%を維持する䞀方、掚定成玄ADRの䌞びは急速に枛速し、6月・7月にはマむナスに沈んだ。掲茉されおいる倀札は䞊がり続けおいるが、実際に売れおいる氎準は぀いおきおいない——ずいう構図が、この2本の線の開きに衚れおいる。

3幎で開いた14.7ポむント — 指数化しお重ねる

単月の前幎同月比は振れが倧きいため、季節性を萜ずした12ヶ月移動平均で3系列を重ねる。2023幎平均を100ずするず、2026幎7月時点でCPIは125.6、掲茉䟡栌は120.1、掚定成玄ADRは110.9。CPIず掚定成玄ADRの差は14.7ポむントである。

出兞メトロ゚ンゞンリサヌチ、総務省統蚈局「消費者物䟡指数」よりホテルバンク線集郚䜜成12ヶ月移動平均、2023幎平均=100

泚目したいのは開き方の掚移である。2024幎12月時点の差は8.4ポむント、2025幎10月には13.8ポむントたで拡倧し、その埌は13〜15ポむントの垯で高止たりしおいる。぀たり乖離は䞀床きりの段差ではなく、2024幎を通じお継続的に積み䞊がり、そのたた瞮たっおいない。

12ヶ月移動平均で芋た3系列の掚移2023幎平均=100、2026幎7月たで
時点12ヶ月移動平均 CPI宿泊料 掲茉䟡栌 掚定成玄ADR CPIずの差
2023幎12月基準100.0100.0100.0—
2024幎12月114.7106.5106.3−8.4pt
2025幎12月122.5115.1109.3−13.2pt
2026幎7月125.6120.1110.9−14.7pt

出兞メトロ゚ンゞンリサヌチ、総務省統蚈局「消費者物䟡指数」よりホテルバンク線集郚䜜成

もっずも、指数の氎準そのものは基準幎の取り方に匷く䟝存する。2023幎を基準にするず、CPI偎には無芖できないゆがみが入る。次節で最初にその話をする。

乖離芁因の分解① 基準幎のゆがみ — 党囜旅行支揎が2023幎前半を抌し䞋げた

2022幎10月に始たった党囜旅行支揎は、察象斜蚭の宿泊料金を割り匕く仕組みだったため、消費者が実際に支払う䟡栌を捉えるCPIの宿泊料指数を盎接抌し䞋げた。総務省統蚈局は政策圱響を陀いた参考掚蚈倀を䜜成しおおり、2023幎前半の宿泊料指数が支揎策によっお抌し䞋げられおいたこずを瀺しおいる。

これは基準幎ずしおは厄介な性質である。2023幎1月のCPI宿泊料指数は110.8、同幎8月は157.3。わずか7ヶ月で40%以䞊動いおいる。実勢の宿泊単䟡がこの短期間にそれほど動いたわけではなく、支揎策の剥萜ず季節性が重なった結果である。

出兞総務省統蚈局「消費者物䟡指数」2020幎基準、2020幎平均=100よりホテルバンク線集郚䜜成

幎次オヌバヌレむで芋るず、2023幎だけが1〜3月に倧きく凹んでいるこずがわかる。2024幎以降は8月がピヌク、6月ず1月が谷ずいう同じ圢を繰り返しおおり、季節パタヌン自䜓は安定しおいる。぀たり2023幎を100に眮く限り、CPI偎の䌞び率はある皋床䞊振れお出る。この点を割り匕いおも14.7ポむントの差が残るかどうかが問題であり、以䞋の芁因はいずれも基準幎ずは独立に効いおいる。

乖離芁因の分解② 業態構成のシフトは0.9ポむントしか説明しない

「安い業態の比率が増えたから平均が䞋がっお芋えるのでは」ずいう説明はよく聞く。実際に怜蚌するず、この効果は思ったより小さい。1〜7月で揃えた2023幎ず2026幎の掚定成玄ADRを業態別に比范する。

出兞メトロ゚ンゞンリサヌチ1〜7月平均どうしの比范、2026幎のNビゞネス7,434シティ1,106リゟヌト1,576旅通6,788斜蚭

業態別の掚定成玄ADRず構成比2023幎1〜7月 vs 2026幎1〜7月
業態 2023幎1〜7月 2026幎1〜7月 倉化率 構成比 2023→2026
ビゞネスホテル¥7,100Â¥8,700+22.8%42.1% → 44.0%
シティホテル¥10,600¥13,200+25.2%6.4% → 6.5%
リゟヌトホテル¥14,400Â¥16,500+14.6%8.4% → 9.3%
旅通¥13,600Â¥14,700+8.2%43.1% → 40.2%

出兞メトロ゚ンゞンリサヌチ掚定成玄ADR、2名1宀・皎抜盞圓

4業態を2023幎の構成比で固定しお2026幎の䟡栌を圓おはめるず+14.1%、実際の構成比で蚈算するず+13.1%。差し匕き0.9ポむントが構成シフトによる抌し䞋げ分である。旅通の構成比が43.1%から40.2%ぞ、ビゞネスホテルが42.1%から44.0%ぞ動いおはいるが、乖離14.7ポむントの説明ずしおは桁が足りない。

むしろ目を匕くのは、旅通の掚定成玄ADRが3幎で+8.2%にずどたっおいる点である。ビゞネスホテル・シティホテルが20%超の䌞びを瀺すなかで、旅通だけが明確に鈍い。そしおCPI宿泊料指数は、旅通に぀いおは「和宀・1泊2食付き」を代衚銘柄ずしお採甚しおいる。この点は次の芁因に぀ながる。

乖離芁因の分解③ 銘柄が固定されおいる — 「掋宀・朝食付き」ず「最安プラン」の距離

CPI宿泊料指数が採甚する銘柄は、旅通が「和宀・1泊2食付き」、ホテルが「掋宀・1泊朝食付き」に固定されおいる。䞀方、圓瀟の掚定成玄ADRは各斜蚭の最安プラン氎準を起点にしおおり、実態ずしおは玠泊たりが基準になるこずが倚い。この条件差は、氎準にも倉化率にも効いおくる。

同䞀ホテル内で玠泊たりプランず朝食付きプランの䞡方が販売されおいるケヌスだけを取り出しお差額を枬るずペアヌド比范、党囜加重平均で+9.1%、金額にしお玄2,000円の䞊乗せずなるN=18,788ペア、2026幎5〜8月。食事条件を揃えおいない指暙どうしを氎準比范するこず自䜓に、この皋床の系統差が含たれる。この䞊乗せ幅が郜道府県・業態でどこたで振れるかは、朝食プレミアム党囜47郜道府県で现かく分解しおいる。

加えお、䟡栌改定は食事付きプランず玠泊たりプランで同じ速床では進たない。原材料費・人件費の䞊昇は食事付きプランにより匷く転嫁されるため、「2食付き」「朝食付き」を固定銘柄ずする指暙のほうが䞊振れしやすい構造がある。

乖離芁因の分解④ 箄400斜蚭の固定パネルず、幎1,700軒超の新芏参入

CPI宿泊料指数の察象は党囜玄400宿泊斜蚭である2020幎基準。2015幎基準では党囜320斜蚭・採甚䟡栌数640件だったから、2020幎基準で斜蚭数・䟡栌数ずもに倧きく拡匵された。それでも、母集団ずしおは固定されたパネルであるこずに倉わりはない。

OTA等の掲茉で皌働が確認できるのは玄27,000斜蚭・玄126䞇宀メトロ゚ンゞンリサヌチ、2026幎7月時点の掲茉確認ベヌス。このうち掚定成玄ADRの算出察象ずなる怜蚌枈み業態は月あたり玄17,000斜蚭2023幎1月〜2026幎7月の月次で15,793〜17,209斜蚭である。

そしお垂堎には毎幎新しい斜蚭が入っおくる。圓瀟が把握する範囲で、OTA等での掲茉が確認できた新芏開業は2024幎が1,975斜蚭、2025幎が1,741斜蚭。固定パネル方匏の指暙は、この流入を蚭蚈䞊取り蟌たない。

出兞メトロ゚ンゞンリサヌチコンサルティングOTA掲茉確認ベヌス、N=2024幎1,975斜蚭2025幎1,741斜蚭。※掲茉は開業の数ヶ月前から出るため、盎近以降の集蚈は今埌の掲茉で増加する可胜性がありたす

ここで䞀぀、盎感に反する事実がある。新芏参入の䞭身は「高単䟡の倧型ホテル」ではない。2024幎の新芏開業1,975斜蚭のうち最倚は貞別荘の837斜蚭、次いでビゞネスホテル215斜蚭、ゲストハりス180斜蚭。2025幎も貞別荘747斜蚭が最倚である。平均客宀数は2024幎が20宀、2025幎が24宀。100宀以䞊に絞っおも、2024幎・2025幎ずもに䞊䜍50件のうち37件がビゞネスホテルだった。同じ䟛絊を客宀数ベヌスで数え盎すず像が倉わる点に぀いおは、2026幎の新芏開業1,242件・33,749宀が件数ず宀数の察比で敎理しおいる。

぀たり、新芏䟛絊は垂堎平均を抌し䞊げる方向ではなく、むしろ小芏暡・䜎単䟡偎に厚みを加える方向に働いおいる。「新芏高単䟡開業が実勢平均を抌し䞊げ、CPIがそれを取り逃しおいる」ずいう仮説は、少なくずも斜蚭数ベヌスでは支持されない。固定パネルの問題は「高い新顔を芋萜ずすこず」ではなく、「垂堎の裟野が入れ替わっおいるこず自䜓を芋ないこず」にある。

乖離芁因の分解⑀ 䟡栌を「宿泊日の2ヶ月前」で固定する蚭蚈

2020幎基準のCPI宿泊料指数は、宿泊日の2ヶ月前に賌入する䟡栌を採甚しおいる。2017幎のアンケヌト調査ず2018幎床の旅行䌚瀟ヒアリングに基づき、消費者が最も倚く賌入する時期ずしお蚭定されたものだ。蚭蚈ずしお合理的である䞀方、宿泊日が近づいおからの䟡栌の動きは、定矩䞊たったく反映されない。

この「その埌の動き」がどれくらいあるかは、リヌドタむム別の掲茉䟡栌を远えば芋える。2026幎7月チェックむン分に぀いお、䞻芁゚リアのリヌドタむムLT別の掲茉䟡栌平均を䞊べる。

出兞メトロ゚ンゞンリサヌチ2026幎7月チェックむン分、掲茉䟡栌・党プラン平均、LT0チェックむン圓日

䞻芁5゚リアのリヌドタむム別 掲茉䟡栌2026幎7月チェックむン分
゚リア LT60CPI採甚時点 LT7 LT0 LT60→LT0
東京郜¥24,500Â¥24,200Â¥21,700−11.3%
倧阪府¥16,200Â¥14,700Â¥12,800−20.8%
京郜府¥26,900Â¥24,400Â¥21,200−21.3%
北海道¥26,900¥28,000¥23,400−13.1%
沖瞄県¥32,200Â¥30,700Â¥24,700−23.5%

出兞メトロ゚ンゞンリサヌチ2026幎7月チェックむン分

LT60からLT0にかけお、掲茉䟡栌の平均は東京で11.3%、倧阪で20.8%、京郜で21.3%、沖瞄で23.5%䜎䞋する。北海道はLT30〜LT7にかけお䞀床持ち盎したうえで、圓日に向けお13.1%䞋がる。この動き幅は、CPIの蚭蚈では芳枬範囲の倖にある。実際に倀札が動かされるタむミングそのものは、倀䞊げは䜕日前に起きるかで12,821斜蚭の䟡栌改定分垃ずしお芳枬しおいる。

ただし解釈には泚意が必芁だ。LT0の掲茉䟡栌は「残っおいる圚庫の䟡栌」であり、成玄した䟡栌の平均ではない。高単䟡の郚屋が先に売れお安い圚庫が残れば平均は䞋がるし、逆もありうる。ここで蚀えるのは、CPIが1点で固定しおいる時点の埌にも䟡栌分垃は動き続けおおり、その動きが指数に入らない、ずいうこずたでである。

14.7ポむントを積み䞊げ盎す — 定量化できる分ず、できない分

ここたでの5芁因のうち、公開デヌタで金額・ポむントに萜ずせるものは限られおいる。定量化できる分ずできない分を分けお、14.7ポむントを積み䞊げ盎しおおきたい。たず、基準幎の取り方がどれだけ効いおいるかを、起点を動かしお枬る。

起点を倉えたずきのCPIず掚定成玄ADRの乖離いずれも12ヶ月移動平均・2026幎7月時点
起点期間CPI宿泊料掚定成玄ADR差幎率換算の差
2023幎12月31ヶ月+25.6%+10.9%14.7pt5.1pt/幎
2024幎12月19ヶ月+9.5%+4.3%5.2pt3.2pt/幎
2025幎12月7ヶ月+2.5%+1.5%1.1pt1.9pt/幎

出兞メトロ゚ンゞンリサヌチ、総務省統蚈局「消費者物䟡指数」よりホテルバンク線集郚䜜成本文の12ヶ月移動平均系列を各起点=100に再基準化し、幎率換算は幟䜕平均

党囜旅行支揎の圱響が残る2023幎前半を起点から倖すだけで、幎率換算の乖離は5.1ポむント/幎から3.2ポむント/幎ぞ萜ちる。盎近7ヶ月に限れば1.9ポむント/幎である。乖離そのものは13〜15ポむントの垯で高止たりしおいるが、新たに開く速床は鈍っおいる——氎準の話ず倉化の話を分けお読む必芁がある。

この関係を䜿うず、基準幎に2023幎前半を含めるこずの寄䞎を反実仮想で枬れる。2024幎12月以降のペヌスCPI +5.9%/幎、掚定成玄ADR +2.7%/幎が31ヶ月間続いおいたずすれば、2026幎7月の乖離は8.8ポむントにずどたった蚈算になる。実瞟の14.7ポむントずの差、玄5.9ポむントが「2023幎前半を起点に含めたこず」から生じおいる分である。

14.7ポむントの内蚳抂算
芁因14.7ptぞの寄䞎定量化の可吊ず根拠
① 基準幎に2023幎前半党囜旅行支揎の剥萜期を含めるこず玄5.9pt可。2024幎12月以降のペヌスを31ヶ月に延長した反実仮想ずの差
② 業態構成のシフト0.9pt可。2023幎構成比で固定するず+14.1%、実構成比では+13.1%
③④⑀ 採甚銘柄の固定・玄400斜蚭の固定パネル・宿泊日2ヶ月前ずいう単䞀芳枬時点玄7.9pt残差䞍可。公開情報では盞互に分離できない。氎準差の手がかりは食事条件差+9.1%N=18,788ペアずLT60→LT0の−11.3〜−23.5%

出兞メトロ゚ンゞンリサヌチ、総務省統蚈局「消費者物䟡指数」よりホテルバンク線集郚䜜成。※①は12ヶ月移動平均ベヌスの反実仮想、②は2023幎1〜7月ず2026幎1〜7月の比范で、掚蚈期間ず集蚈単䜍が異なりたす。厳密な加法分解ではなく、桁感を瀺すための抂算ずしおお読みください。残差は③④⑀の耇合であり、未知の芁因を含みたす。

読み取れるこずは2぀ある。第䞀に、乖離の4割匱玄6.8ポむントは基準幎の取り方ず業態構成ずいう「枬り方の倖偎」の事情で説明でき、残る玄7.9ポむントがCPIの調査蚭蚈そのものに由来する。第二に、その残差は分解しようずしおも公開デヌタでは芁因ごずに切り分けられない。だからこそ、CPIの前幎比をそのたた実勢の代理倉数ずしお䜿うのではなく、目的に応じお指暙を遞ぶ、ずいう次節の話になる。

蚭蚈の違いを䞊べる — どちらが正しいかではなく、䜕を枬っおいるか

ここたでの芁因を、調査蚭蚈の違いずしお敎理する。

CPI宿泊料指数ずメトロ゚ンゞンリサヌチの調査蚭蚈比范
項目 CPI宿泊料指数2020幎基準 メトロ゚ンゞンリサヌチ
察象斜蚭党囜玄400斜蚭固定パネルOTA等の掲茉で皌働確認できる玄27,000斜蚭、うちADR算出察象は月玄17,000斜蚭
採甚銘柄旅通和宀・1泊2食付きホテル掋宀・1泊朝食付き党プラン掲茉䟡栌最安プラン起点掚定成玄ADR
䟡栌の芳枬時点宿泊日の2ヶ月前1点固定LT90〜LT0を継続芳枬
極端倀の扱い䞀般的な料金に察し極端に高いセヌルで極端に安いプランは陀倖䞭倮倀ベヌスで集蚈倖れ倀の圱響を抑制
新芏開業の反映基準改定時に芋盎し掲茉確認埌、随時幎1,700〜2,000斜蚭
りェむト家蚈調査に基づく囜内䞖垯の支出構成斜蚭数ベヌス蚪日客の需芁も䟡栌に反映される
公衚ラグ玄1ヶ月確定月は翌月、先行月は掲茉スナップショットで芳枬
採甚䟡栌数月100䞇件匷2020幎基準月次の集蚈察象は斜蚭×日次の党芳枬

出兞総務省統蚈局「2020幎基準 旅行サヌビスに係る䟡栌指数に぀いお」什和3幎6月7日、メトロ゚ンゞンリサヌチよりホテルバンク線集郚䜜成

この衚を芋れば、䞡者が「同じものを違う粟床で枬っおいる」のではないこずがわかる。CPIは囜内䞖垯が支払う宿泊料の物䟡倉動を、定矩を固定しお長期に接続するこずを目的ずする指暙である。銘柄ず芳枬時点を固定するのは粟床の劥協ではなく、時系列の比范可胜性を守るための蚭蚈思想だ。䞀方で圓瀟デヌタは、いた垂堎で䜕がいくらで売られ、いくらで成玄しおいそうかを、母集団の入れ替わりごず捉えにいく。目的が違えば答えも違う。

もう䞀点、芋萜ずされがちな差がある。CPIのりェむトは家蚈調査に基づくため、蚪日倖囜人の宿泊支出は原理的に含たれない。蚪日客が集䞭する゚リア・業態で単䟡が動いおも、その分の重みはCPIには入らない。むンバりンド比率の高い垂堎を論じるずき、この差は無芖できない倧きさになる。

投資家・行政・ホテル経営者、それぞれが芋るべき指暙

結論ずしお、3者は違う指暙を芋るべきである。

立堎別に参照すべき宿泊䟡栌指暙の䜿い分け
ç«‹å Ž 䞻に芋るべき指暙 理由
投資家・アナリストREIT開瀺の物件別ADR・RevPAR掚定成玄ADR収益に盎結するのは成玄単䟡×皌働。CPIは家蚈の物䟡であり、事業者の収益指暙ではない
行政・政策担圓CPI宿泊料指数芳光庁「宿泊旅行統蚈調査」囜内䞖垯の負担感ず、定矩が固定された長期時系列が必芁。ただし政策効果旅行支揎等の反映を織り蟌んで読む
ホテル経営者・RM担圓自瀟実瞟商圏の掚定成玄ADRリヌドタむム別の残宀ず䟡栌意思決定の単䜍は自斜蚭の商圏ず日付。党囜平均やCPIの前幎比は自瀟の䟡栌改定刀断には粒床が粗すぎる
共通耇数指暙の方向が割れた月をシグナルずしお扱う2026幎6〜7月のように掲茉䟡栌がプラス・成玄単䟡がマむナスの局面は、倀札ず成玄の乖離が広がっおいるサむン

出兞ホテルバンク線集郚䜜成

ずりわけホテル経営者にずっお重芁なのは、CPIの前幎比を自瀟の倀䞊げ䜙地の根拠にしないこずだ。CPI宿泊料指数が前幎同月比+2.0%であるこずは、あなたの商圏の同グレヌド斜蚭が2%倀䞊げできたこずを意味しない。2026幎7月の掚定成玄ADRが党囜で前幎同月比−4.4%だったこずも同様に、個別斜蚭の刀断材料ずしおはそのたたでは䜿えない。必芁なのは、自斜蚭が競合しおいる数十軒の、察象日付における実勢である。

逆に、投資家が事業蚈画のADR前提を眮くずき、CPI宿泊料指数の䌞びをそのたたトップラむン成長の代理倉数にするず、3幎で14.7ポむント分の過倧評䟡に぀ながりうる。䞊堎REITが開瀺する物件別実瞟は、この怜算に最も適した公開デヌタである。

たずめ

CPI宿泊料指数ず実勢の掚定成玄ADRは、2023幎平均を基準にするず2026幎7月時点で14.7ポむント開いおいる。この差は、業態構成のシフト0.9ポむントではほずんど説明できず、基準幎に含たれる党囜旅行支揎の圱響、固定された採甚銘柄旅通は2食付き・ホテルは朝食付き、玄400斜蚭ずいう固定パネル、宿泊日2ヶ月前ずいう単䞀芳枬時点、そしお家蚈調査ベヌスのりェむトずいう蚭蚈䞊の性質の積み重ねから生じおいる。

どちらかが誀っおいるのではない。CPIは囜内䞖垯の支払う宿泊料の物䟡を長期に接続するために䜜られおおり、その目的に察しおは適切に蚭蚈されおいる。ただし、その蚭蚈はホテル事業の収益動向を枬るためのものではない。政府統蚈を実勢デヌタで補完しお読む——ずいう圓たり前の䜜業を、宿泊分野では特に䞁寧にやる必芁がある。2026幎6〜7月に掲茉䟡栌ず成玄単䟡の方向が割れたこずは、その必芁性を瀺す盎近の䟋である。

あわせお読みたい

参考資料・出兞䞀芧

■ デヌタ゜ヌス

CPI宿泊料指数は総務省統蚈局「消費者物䟡指数」の䞭分類「宿泊料」2020幎基準月次系列を、本蚘事の比范のため2023幎平均=100に再基準化しお䜿甚。実勢偎は党囜47郜道府県の月次集蚈掲茉䟡栌党プラン平均、掚定成玄ADR最安プラン氎準に業態別補正係数を適甚、2023幎1月〜2026幎7月・月あたりN=15,793〜17,209斜蚭。業態別比范は2026幎でNビゞネス7,434シティ1,106リゟヌト1,576旅通6,788斜蚭。食事条件差は同䞀斜蚭内の玠泊たり・朝食付きペアヌド比范N=18,788ペア、2026幎5〜8月。リヌドタむム別䟡栌は2026幎7月チェックむン分。REIT実瞟は各投資法人の月次開瀺。

■ 詊算前提

3系列はいずれも季節性を萜ずすため12ヶ月移動平均で比范し、指数は起点月=100に再基準化。幎率換算は幟䜕平均耇利。「起点を倉えたずきの乖離」は同䞀系列を各起点で割り盎したもので、再集蚈ではない。基準幎寄䞎の玄5.9ポむントは、2024幎12月以降の幎率ペヌスCPI +5.9%/幎、掚定成玄ADR +2.7%/幎が31ヶ月継続した堎合の反実仮想乖離8.8ポむントず実瞟14.7ポむントの差ずしお算出。業態構成シフトの0.9ポむントは、2023幎の構成比で固定した堎合+14.1%ず実構成比+13.1%の差。

■ 限界・留意点

掚定成玄ADRは掚定倀であり、各斜蚭の実際の成玄䟡栌・䌚蚈数倀ずは異なりたすREIT開瀺実瞟ずの照合で誀差䞭倮倀は玄7%。CPIず掚定成玄ADRは母集団・採甚銘柄・芳枬時点・りェむトのすべおが異なるため、氎準の盎接比范はできず、本蚘事は倉化率の比范に限定しおいたす。乖離の内蚳は掚蚈期間ず集蚈単䜍が異なる倀を䞊べた抂算であり、厳密な加法分解ではありたせん。残差の玄7.9ポむントは採甚銘柄・固定パネル・芳枬時点の耇合で、未知の芁因を含みたす。リヌドタむム別の掲茉䟡栌は「残っおいる圚庫の䟡栌」であり、成玄䟡栌の平均ではありたせん。REIT実瞟は各投資法人の開瀺範囲倉動賃料等導入物件などに䟝存し、垂堎党䜓を代衚したせん。

■ 政府統蚈

■ REIT開瀺

■ 垂堎デヌタ

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